バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )

 世界はもはやヨシュア(注:モーゼの後継者で,イスラエル民族の指導者)が太陽を静止させたというようなことを信じなくなった。それは(天動説を唱えた)コペルニクスの天文学が航海に役立ったからであった。世界がアリストテレスの物理学を放棄したのは,ガリレオの落下物体の理論が砲弾の軌道の計算を可能にしたからであった。世界がノアの洪水の物語を拒否したのは,地質学が鉱業(採鉱)に役立つからである,等々。このようなしだいで,現在では,科学が戦争においても,平時における産業にも不可欠であり、また、科学なくしては,国家は強力にもなれないし富むこともできないということは,一般に認められている。

The world ceased to believe that Joshua caused the sun to stand still, because Copernican astronomy was useful in navigation ; it abandoned Aristotle's physics, because Galileo's theory of falling bodies made it possible to calculate the trajectory of a cannon-ball ; it rejected the story of the flood, because geology is useful in mining; and so on. It is now generally recognized that science is indispensable both in war and in peace-time industry, and that, without science, a nation can be neither rich nor powerful.
 情報源: Power, 1938.
 詳細情報:https://russell-j.com/beginner/POWER09_040.HTM

 <寸言>
 にもかかわらず、米国の南部の州には、ノアの方舟を信じていたり、(神による世界の創造を信じ、)進化論を学校で教えるべきではないと考えている人が少なくない。