三浦俊彦「ワガ信条(2006年2月現在)

前回

◆戦争について

広島・長崎への原爆投下は、全面的に、日本政府の責任である。
ただし、原爆によって太平洋戦争が短縮されたどころか「延長された」可能性が高いことも否定できない。
欧米の植民地主義を持ち出して、大東亜共栄圏を正当化することはできない。
東京裁判を批判しながら、靖国史観を支持する者は、矛盾している。
従軍看護婦や従軍運転手を問題視せずに、従軍慰安婦を問題視するのは、職業差別である。
「傀儡政権」という呼称は、安易に使うべきではない。
無差別爆撃などの残虐行為の解釈に「人種差別」という概念を持ち込んではならない。
昭和天皇に戦争責任があることは、一号作戦の経緯に照らしても、明らかである。
「ホロコーストは20世紀最大の芸術だ」と言う人は、ホロコーストを誤解している。
「ホロコーストは20世紀最大の芸術だ」という言葉に怒る人は、芸術を誤解している。
政治的には「敗戦」という言葉が正しく、論理的には「終戦」という言葉が正しい。

◆世俗について

この世は、「覗き」をキーコンセプトにして効率的に解釈することができる。
売春が倫理的に悪だと言う者は、倫理的な買春ができない不幸者である。
買春が倫理的に悪だと言う者は、倫理が買春的に悪だと言わざるをえない愚者である。

◆学問について

すべての学問が模範とすべき思想を一つだけ挙げねばならないとしたら、どうやらダーウィニズムである。