三浦俊彦の時空-電子掲示板(過去ログ 2015年分)

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Re: モンティ・ホール・2封筒問題 投稿者:φ 投稿日:2015年12月31日(木)04時16分18秒 返信・引用

> No.4341[元記事へ]

KOTAさんへのお返事です。

>
> 二人の子供問題は入社試験にも出されているそうですが
> 出題者自身がきちんと問題文を吟味しないとおかしなことになってしまいますね。
>

 二人の子ども問題はバリエーションが多いし、ちゃんと条件設定しないと、正解者が正当に評価されなくなる恐れがありますよね。
 「火曜日生まれの男の子がいます」というだけでは、どういう問いまたは文脈でそういう発言が出たのか、特定できませんから。それこそが重要なのに。

 ちなみに、子どもが二人いる親に
 「男の子はいますか」「います」→ 二人とも男の子 1/3
      ↓
 シナリオ1「火曜日生まれの男の子はいますか」「います」→ 二人とも男の子 13/27
 シナリオ2「何曜日生まれの男の子がいますか」「火曜日生まれがいます」→ 二人とも男の子 1/3


Re: モンティ・ホール・2封筒問題 投稿者:KOTA 投稿日:2015年12月30日(水)08時17分1秒 返信・引用

> No.4340[元記事へ]

φさんへのお返事です。

ありがとうございます。

ちょっとした表現の違いで確率の計算方法が異なってしまうわけですね。
かなりややこしいです。
少なくとも、会話で出されたらきちんと即答できる人はそう多くないのでは。
ましてや、火曜日生まれの男の子問題やフロリダ問題になったら、もう大変。

二人の子供問題は入社試験にも出されているそうですが
出題者自身がきちんと問題文を吟味しないとおかしなことになってしまいますね。


Re: モンティ・ホール・2封筒問題 投稿者:φ 投稿日:2015年12月30日(水)03時29分32秒 返信・引用

> No.4339[元記事へ]

KOTAさんへの追伸です。

>
>  いきなり「少なくとも一人は男の子です。」というのは不自然ですが、
>

 あえて状況設定すれば、こうなるでしょうか。

 質問者「あなたの二人の子どものうち、とにかく存在する方の性別を一つだけ言ってください」
 スミス氏「男」

 ↑形は質問への答えになっていますが、自発的な「少なくとも一人は男の子です。」に最も近い設定がこれでしょう。
 (二人の子どもの性別構成と相対的に)自発的に「男」を選んでいるからです。
 こう解釈すると、前投稿で述べた「わざわざ自分から性別を言っているからには、男ということで話題にしていますから」はあてはまりません。
 つまり
  この場合は、前投稿のCに該当しますから、(どちらの性を選ぶかは性別そのものと独立だから)
 KOTAさん言うとおり、「二人とも男子である確率は1/2」が正解です。
 (ベイズの定理で簡単に確認できます)


Re: モンティ・ホール・2封筒問題 投稿者:φ 投稿日:2015年12月30日(水)02時54分55秒 返信・引用

> No.4338[元記事へ]

KOTAさんへのお返事です。

>
> この、二人の子供を持つスミス氏が、第三者からの質問なしに
> 勝手に「少なくとも一人は男の子です。」
> と言った場合は、二人とも男子である確率は1/2ということでよいのですか?
>

 いきなり「少なくとも一人は男の子です。」というのは不自然ですが、わざわざ自分から性別を言っているからには、男ということで話題にしていますから、男男、男女、女男、女女のうち女女が消えるだけです。
 つまり、
 二人の子どもがいる親が、
 A「男の子はいますか?」「はい」
 B(自発的に)「うちの男の子は……」

 ↑上記の二つの場合は同じです。どちらも、二人とも男である確率は1/3。

 ただし、Bの変種として、話題が性別と独立である場合も考えられます。
 たとえば就職の話が出たところで、
 C「うちはひとりがことし就職しましてね」「それは男の子ですか?」「はい」
 といった場合なら、男男が1/2になりますね。
 就職した当の子を最初に書くとして、男男、男女、女男、女女のうち始めの二つが残ったので。

 Cは、話題になるのが男である必然性がなかったのに男であった場合です。「上の子は男の子」という場合と同じですね。


Re: モンティ・ホール・2封筒問題 投稿者:KOTA 投稿日:2015年12月29日(火)22時48分24秒 返信・引用

> No.4337[元記事へ]

φさんへのお返事です。

すみません。1点確認させて下さい。

>もしも、スミス氏に対して「男の子はいますか」「はい」「火曜日に生まれた男の子はどうでしょう」「はい、います」
> という流れなら、「こちらが自由に指定した曜日に該当する男の子がいた」というわけですから、たしかに二人とも男子である確率は1/3→13/27とアップするでしょう。

この、二人の子供を持つスミス氏が、第三者からの質問なしに
勝手に「少なくとも一人は男の子です。」
と言った場合は、二人とも男子である確率は1/2ということでよいのですか?


Re: モンティ・ホール・2封筒問題 投稿者:φ 投稿日:2015年12月29日(火)16時10分48秒 返信・引用

> No.4336[元記事へ]

ハムさんへのお返事です。

>
> 問題は、問の曖昧さにあります。
> 「二人兄弟のうちの一人が午前中に生まれた少年の兄弟の中で、二人とも午前午後に生まれた少年である確率」とでもいえば、3/7と答えるでしょう。
>

「二人の子ども問題」は↑こういう問い方がされていないんですよね。
 数学者の欠点は、概して「問題設定」の論理構造に鈍感なところだと思います。一般人に比べて鈍感という意味ではなく、専門知識の深さと相対的に見ての話ですが。

 「二人の子ども問題」では、はじめに特定の人物をピックアップしてから、子どもについて当人に発言させ、そのあと「どんな特徴であれ子どもにあてはまる特徴を引き出す」という構造になっています。
 「どんな特徴であれ」というところが重要です。

 もしも、スミス氏に対して「男の子はいますか」「はい」「火曜日に生まれた男の子はどうでしょう」「はい、います」
 という流れなら、「こちらが自由に指定した曜日に該当する男の子がいた」というわけですから、たしかに二人とも男子である確率は1/3→13/27とアップするでしょう。
 「いいえ」という答えの可能性があったのに、そうならなかったという情報価値があるからです。
 しかしオリジナル設定では、「いいえ」となる可能性が排除され、当人に正解(火曜日)をただ付け加えさせているだけです。モンティ・ホール問題の司会者の行為と同じですね。
 これでは1/3→13/27とアップするはずがありません。

 こんな簡単なロジックを見過ごしている点で、残念ながら、Keith Devlinという数学者のレベルがばれてしまってますね。……


Re: モンティ・ホール・2封筒問題 投稿者:ハム 投稿日:2015年12月27日(日)12時41分3秒 返信・引用

> No.4335[元記事へ]

φさんへのお返事です。

曜日で分けるのは煩雑なので、午前、午後で分けてみましょう。

問 二人の兄弟のうちの一人は、午前中に生まれた少年であるとき、二人とも少年である確率は?
答 3/7

第1子:AB 第2子:AB,PB,AG,PG
第2子:AB 第1子:PB,AG,PG
(A:午前、P:午後、B:少年、G:少女)
AB-ABの組み合わせは、最初の行で数えていることに注意。

「一人が少年」という情報で「少女-少女」の組み合せが排除され、
「午前中に生まれた」という情報で、さらに「午後の少年-少年、少女」の組み合せが排除されるので、確率は高くなります。
情報によって確率が変るのはいたし方ないことです。

問題は、問の曖昧さにあります。
「二人兄弟のうちの一人が午前中に生まれた少年の兄弟の中で、二人とも午前午後に生まれた少年である確率」とでもいえば、3/7と答えるでしょう。

2封筒問題でも、「選択する」「交換する」という情報で確率が変るはずです。

Re: モンティ・ホール・2封筒問題 投稿者:φ 投稿日:2015年12月27日(日)02時49分38秒 返信・引用

> No.4334[元記事へ]

ハムさんへのお返事です。

> φさんへのお返事です。
>
> 問 私は二人の子供を持っており、(少なくとも)そのうちの一人は、火曜日に生まれた少年である。私は二人の少年を持っている確率は?
> 答 13/27
>

この問題はいちおう、2封筒問題の開封バージョンと同じ構造をしています。
 「必ず何らかの金額であることは始めからわかっていたのに、金額を見たからといってなぜ選択の期待値が増えるのだ?」
 「必ず何らかの誕生日があることは始めからわかっていたのに、誕生日を知ったからといってなぜ確率が変わるのだ?」

 2封筒問題については納得しない人が、二人の子供問題については納得する例が多いらしいのはまことに不可解です。
 逆なのです。13/27は誤りです。

 誕生日の曜日、日付、時刻、身長、体重、名前、血液型などで最大限情報を絞っていけば、この方法では正解は1/2に近づきますね。
 しかし、この「最大限絞り法」でいろんな親を相手に子どもの情報をもらって、何万回と繰り返してみましょう。究極には、男の子を含む二人の子どもを持つ全世界の母親全員に一人一回ずつやってみましょう。そのつど「二人とも男子でしょう」と言いながら。
 集計すれば、「二人とも男子でしょう」にイエスと答えが返ってくる確率は、1/2ではなく、1/3になるはずです。

 よって、この問題でも、13/27は誤りです。正解は1/3です。
 (2封筒問題開封バージョンとは、問題設定が微妙に異なるからです)


Re: モンティ・ホール・2封筒問題 投稿者:ハム 投稿日:2015年12月25日(金)12時43分41秒 返信・引用

> No.4333[元記事へ]

φさんへのお返事です。

問 私は二人の子供を持っており、(少なくとも)そのうちの一人は、火曜日に生まれた少年である。私は二人の少年を持っている確率は?
答 13/27

第1子 B-Tu, 第2子: B-Mo, B-Tu, B-We, B-Th, B-Fr, B-Sa, B-Su, G-Mo, G-Tu, G-We, G-Th, G-Fr, G-Sa, G-Su.
第2子 B-Tu, 第1子: B-Mo, B-We, B-Th, B-Fr, B-Sa, B-Su, G-Mo, G-Tu, G-We, G-Th, G-Fr, G-Sa, G-Su.
「組み合わせB-Tu + B-Tuは既に最初の行に表示されますので、2行目は、最初のものよりも1つ少ないメンバーを持っていることに注意してください。」

問を、二人のうちの一人が火曜日に生まれた少年の兄弟の中で、二人とも少年である確率、という意味で読めばいいのではないでしょうか。

問題の情報不足による答えの多様性は、あまり面白くありません。


Re: モンティ・ホール・2封筒問題 投稿者:φ 投稿日:2015年12月24日(木)05時38分10秒 返信・引用

> No.4332[元記事へ]

ハムさんへのお返事です。

>
> 繰り返さないときに、期待値に従ってはいけない例になりますね♪
>

 不思議なのは、期待値と損得の食い違いではなく(そんな食い違いはありふれているので)、
 開封・未開封という違いだけで「期待値」に違いが出るということでしょう。
 「2人の子ども問題」(『論理パラドクシカ』問010)や「フロリダ」という名の女の子(問012)と似た不思議さですが、微妙な相違点が2封筒問題をさらに難しくしています。
 p.026に述べたように、「2人の子ども問題」ではプロの数学者が間違った解答と解説をしており↓
http://www.maa.org/external_archive/devlin/devlin_04_10.html
 この種の問題は確率の陥穽を例示するにはまさに最適の問題のようです。


Re: モンティ・ホール・2封筒問題 投稿者:ハム 投稿日:2015年12月22日(火)12時08分0秒 返信・引用

> No.4330[元記事へ]

φさんへのお返事です。

>開封しただけでもとの合理的戦略が仇となる。これはパラドクスでしょうか?

(開封のとき)期待値は、b=3のときは交換が得になりますね。

しかし、交換で得をする確率は1/3なので交換は損です。

選んだ封筒の金額を一番左に置く。
a,ba,ab^2
a,ba,a/b
 a,a/b,a/b^2
大きい封筒が除かれたとき、交換で得をする確率が1/3となる。
 a,ba
a,a/b
 a,a/b

繰り返さないときに、期待値に従ってはいけない例になりますね♪


Re: モンティ・ホール・2封筒問題 投稿者:ハム 投稿日:2015年12月21日(月)16時53分47秒 返信・引用

> No.4330[元記事へ]

φさんへのお返事です。

φ様の計算は、選んだ封筒を一番左に置くとこうですね↓

未開封
a,ba,(b^2)a
ba,a,(b^2)a
(b^2)a,a,ba

開封
(b^2)a,(b^3)a,(b^4)a
(b^2)a,ba,(b^3)a
(b^2)a,a,ba

未開封のときは、3つの封筒から一つを選ぶときの期待値になりますので、開封のときの交換の期待値と比べられません。
未開封のときも、選んだ封筒を交換するときの期待値を計算すべきなのです。


Re: モンティ・ホール・2封筒問題 投稿者:φ 投稿日:2015年12月20日(日)16時33分29秒 返信・引用

> No.4329[元記事へ]

ハムさんへのお返事です。

 「どれかの二倍か半分」では開封の有無にかかわらず交換が損でしたが、
 「どれかの三倍か1/3」でやると、未開封交換が損、開封交換が得、という食い違いが出るようです。

 一般に、「どれかのb倍か1/b」という設定でやってみると、
◆未開封バージョン
 3つの金額を次のように表記(b>1)・・・ a ba (b^2)a (aは未知の正の実数)
 交換しない場合の期待値は (1+b+b^2)a/3
◆交換する場合
 確率1/3で最初aを選び結局ba獲得、確率1/3で最初baを選び結局a獲得、確率1/3で最初(b^2)aを選び結局a獲得
 よって期待値は(b+2)a/3
 交換すると期待値増は(1-b^2)a/3
 常に負 交換は常に損

◆開封バージョン
 開封して見た金額を(b^2)aとする。
確率1/3で{(b^2)a, (b^3)a, (b^4)a} 交換して(b^3)a獲得。
確率1/3で{ba,(b^2)a,(b^3)a} 交換してba獲得。
確率1/3で{a,ba,(b^2)a} 交換してa獲得。
交換による期待値は、(b^3+b+1)a/3
 交換すると期待値増は(b^3+b+1-3b^2)a/3
 b^3-3b^2+b+1>0 のとき交換が得

 計算は合ってますかね……
 開封しただけでもとの合理的戦略が仇となる。これはパラドクスでしょうか?


Re: モンティ・ホール・2封筒問題 投稿者:ハム 投稿日:2015年12月19日(土)08時38分26秒 返信・引用

> No.4328[元記事へ]

φさんへのお返事です。

失礼しました。m(_ _)m
計算違いで私の趣旨を表す問題になっていなかったようです。
期待値と確率のギャップで驚かすつもりだったのですが、失敗しました。
撤回します。


Re: モンティ・ホール・2封筒問題 投稿者:φ 投稿日:2015年12月18日(金)23時44分14秒 返信・引用

ハムさんへのお返事です。

開封して見た金額を4aとします。
確率1/3で{4a.8a.16a} 交換して8a獲得。
確率1/3で{2a.4a.8a} 交換して2a獲得。
確率1/3で{a.2a.4a} 交換してa獲得。
交換による期待値は、11a/3
交換すると、a/3の損失です。




Re: モンティ・ホール・2封筒問題 投稿者:ハム 投稿日:2015年12月18日(金)17時29分4秒 返信・引用

> No.4326[元記事へ]

φさんへのお返事です。

この問題では、プレーヤーは開封したか開封しないか触れていないので、解答は開封の如何を問わない解答が理想です。
プレーヤーが開封した場合、見た金額が7a/3というのは変です。

プレーヤーが開封した場合で解答すれば、未開封のときも含意しますよね。


Re: モンティ・ホール・2封筒問題 投稿者:φ 投稿日:2015年12月18日(金)14時49分45秒 返信・引用

> No.4325[元記事へ]

ハムさんへのお返事です。

「どれかの封筒の2倍か半分の金額が入った3つの封筒」というと、{ 100, 200, 200 }のような場合も排除されませんが、趣旨からして「どれかの封筒の2倍および半分の金額がそれぞれ入った計3つの封筒」という意味ですね。
 3つの金額を次のように設定します。 a 2a 4a (aは未知の正の実数)
 交換しない場合の期待値は 7a/3
 交換する場合
確率1/3で最初aを選び結局2a獲得、確率1/3で最初2aを選び結局a獲得、確率1/3で最初4aを選び結局a獲得
 よって期待値は4a/3
 交換すると期待値はマイナスaですから、損です。


モンティ・ホール・2封筒問題 投稿者:ハム 投稿日:2015年12月18日(金)11時53分3秒 返信・引用

どれかの封筒の2倍か半分の金額が入った3つの封筒があります。
あなたは、一つを選びます。
胴元は、残った2つの封筒のうちの金額が大きい方を除き、残った封筒と交換できると言います。
あなたは交換しますか?

交換の期待値を計算します。
選んだ封筒が一番大きかったときの期待値は、(a/2+a/4)/2=3a/8
選んだ封筒が中間だったときの期待値は、(a/2+2a)/2=5a/4
選んだ封筒が一番小さかったときの期待値は、(4a+2a)/2=3a
平均すると、(3a/8+5a/4+3a)/3=37a/24

一番大きい4aを除いた時の交換の期待値は、((3a/8+5a/4)/2+2a)/2=45a/32

プレーヤーは、期待値が最初に選んだ封筒の金額以上になるので交換しました。
正しいですか?


Re: はるかに疎らで、そのまた半分 投稿者:ハム 投稿日:2015年12月17日(木)13時01分46秒 返信・引用

> No.4322[元記事へ]

φさんへのお返事です。

2封筒問題が学術論文になるということが驚きです。モンティ・ホールパラドクス程度に考えていました。
その論文が、日本の学術誌に掲載されたら是非紹介してください。

しかし、「そのお年玉の2倍か半分かのお年玉に交換する?」と聞いたとき、交換しない子が多いはずです。
そしてそれが、最大多数の最大幸福だと思います。
得たものを半分にするリスクに挑戦する意義がないですからね。


論文に期待します 投稿者:ε 投稿日:2015年12月17日(木)08時43分5秒 返信・引用

論文をお書きになるのはいい考えだと思います。書かれたら是非、読んでみたいと思います。
私も、今までの考察を自分のブログにまとめておこうと思います。

書かれた項目について、最初の5つはほぼ同意見です。後の3つは今までの議論で見たように私は?ですが、何れにせよ論文で問題点が明確になる事を希望します。

また、特に英語論文を書かれるときは、確率論の用語や命題の正確な定式化に留意された方が良いと思います。特に最後の項目「シミュレーションによる反復試行で期待値」はテクニカルに高度な話になりそうな気がします。統計などの専門家も論文を書いているようなので、余計な揚げ足を取られないように、老婆心ながらつけくわえます。


はるかに疎らで、そのまた半分 投稿者:φ 投稿日:2015年12月17日(木)03時05分14秒 返信・引用

 どうも皆さんのおかげで私の中ではだいぶ整理されてきました。
 2封筒問題のパラドクス性は他分野にも通ずるところがあるので、いっぺん論文を書こうと思います。(なるべく英語で)

 趣旨はこんな感じです。
 ◆2封筒問題では、事前確率分布は未決定であるだけでなく、存在しない。
 ◆しかも2封筒問題の解決に、事前確率分布は無関係である。(だから解決できる)
 ◆未開封時に確率分布をどうしても考えたければ、「可能性のあるペアの確率は一様分布である」という条件付き確率分布を採用せよ。「可能性のあるペア」なるものは開封時に初めて決まる。
 ◆可能世界の分岐順序に従ったモデルを用いよ。
 ◆開封によって確率空間が変わるので、未開封時と異なり「交換で期待値増になる」のはパラドクスではない。
 ◆任意の金額で「交換で期待値増」だからといって、未開封交換で期待値増にはならない。量化の順序に注意せよ。
 ◆「全交換」のシミュレーションにも二通り考えられることに注意せよ。
 ◆1回限りの2封筒ゲームのルールと、シミュレーションによる反復試行で期待値が求められることとを混同するべからず。
 ・・・・・・
 それに加えて「前途瞥見」として、他分野(たとえば芸術批評など)に2封筒問題と同型のパズルが生じうる様態を粗描する。

 ……以上が、素案というか、シノプシスになりうる外形でしょうか。


2封筒問題・繰り返しバージョン・最大額 投稿者:ハム 投稿日:2015年12月15日(火)11時07分15秒 返信・引用

2封筒問題には最大額があり、そこでは2封筒問題が成立しない。
この問題をどう捉えるかで結果は違ってきます。

1.選択した額の2倍の額が存在し、最大額を超えないようになっている。
  あらゆる金額で、期待値25%増となるので、全交換で25%得をします。

2.選択した額の2倍の額が最大額を超えるときは、選択した額の2倍の額が存在しない。
  最大額付近で交換すると必ず損をするので、全交換で損をします。

3.プレーヤーは最大額を知らないのだから最大額は無視できる。
  最大額は無限大となるので、交換する場合としない場合で差がなくなる。
  特定の金額のみで交換することによって、その金額の25%増となる。

どれも、間違いだとはいえないでしょうが、優劣をつけることができます。

3は、全交換した場合との差は無視できるほど極小になる。(完全に無視できる?)
2は、選択した金額の2倍がありえない場合があることは、ウソではないが、あらかじめ説明すべきだと思う。(詐欺っぽい)
1が、あらゆる点から見て、まっとうですね(^_^)


Re: 追記:戦略の定義 投稿者:φ 投稿日:2015年12月15日(火)05時25分16秒 返信・引用

> No.4318[元記事へ]

εさんへのお返事です。

>
> 私がわからないのは、すべての特定金額での交換をつなぎ合わせたもの、という(①の)わけのわからない構成物のことです。それが関数として定義できるなら正当な戦略であり、全交換と比較でき、関数として同じなら同じ、違えば違う、ただそれだけです。
>

 そうですね、わけわからないです。
 そんなわけわからないものなど認められない、ということであれば、例の∃g∀xが認められないというだけの話で、2封筒問題は解決です。
 ただ、期待値25%増でかつ「全交換と同じ」戦略があるという人は、そのわけわからないものを認知しているわけです。選り好み交換戦略の総和ですから、全交換と同じはずないんですけれどね。

>
> たとえば、2万円を含む封筒のペアが{1万、2万}のみ(何度か繰り返して出現してもかまわないとします)で、あとはすべて高額側が1万円以下か、低額側が10万円以上であるような2封筒の系列だって考えられるわけですが、
> その時、2万円を見たら必ず交換し、他の金額では交換しない戦略f_2万は、開封した方に2万円があれば必ず損をするし、運よく2万円の方を開封しなくても得をすることはないでしょう。
> 主観確率ならば、2万円を見たときの交換期待値はたしかに2万5千円になるのですが、それはいわばプレイヤーの妄想に過ぎません。
>

 ↑どうもわかりません。
 {1万、2万}のみ、と想定するのは自由ですが、意義が見いだせませんね。
 サイコロの目の期待値を求めるのに、「6の目だけが続けて出続けるかもしれないじゃないか」と言ってるのと同じです。
 確かに偏った出方が続くことはありえますが、期待値計算とは何の関係もありませんよね。
 偏りを考えたい場合は、すべての偏りを平等に考慮に入れるべきです。
 封筒内金額についても、異常数がどこにあるかについては、あらゆる場合を考慮に入れるしかありません。現実の金額がどうであるか、なんてことは、期待値の計算にとっては無意味ではないでしょうか。現実は常に偏った偏り方しかしないものですから。
 期待値の根拠となるのは現物実験ではなくシミュレーションですしね。

 『不確実性下の意思決定理論』は面白そうですね。ただ、リンダ問題のようなつまらない心理学の問題が混じっているようで、そのあたりどうかなという感じですが。


interlude 投稿者:ε 投稿日:2015年12月14日(月)22時46分9秒 返信・引用

「思考実験リアルゲーム」の前の方を読んで、「見間違い」とか「40億人による巨大シミュレーション」などの話を読んでも、はぐらかしと決め付けて怒ってはいけない(笑)、事が判りました。

というわけで、ちょっと一息入れます。
意思決定理論(decision theory)というのがどうも気になってAmazonで検索、書評で面白そうだった
「不確実性下の意思決定理論」イツァーク・ギルボア
を買ってみました。
最近流行りらしい「行動経済学」にも関係していて、不合理な選択の例やその理由についての研究が中心のようですが、確率の哲学やモンティ・ホールパラドクスの話も書いてあり、かなり面白そうです。
もし、ご存知なければとりあえずAmazonの書評に目次が出ていますので、ご覧になればと思います。


Re: 追記:戦略の定義 投稿者:ε 投稿日:2015年12月14日(月)14時51分2秒 返信・引用

φさんへのお返事です。

> > いずれにせよ、この枠組みでは①と②の違いは区別できないと思います。
> >
>
>  どうして区別できないのでしょうか。
>  ①は特定金額の時だけ交換、②はいかなる金額でも交換ですから、

もちろん、特定金額だけのときだけの交換と全交換は関数として違いますから区別できます。それは何度も繰り返し私が述べている通りです。
私がわからないのは、すべての特定金額での交換をつなぎ合わせたもの、という(①の)わけのわからない構成物のことです。それが関数として定義できるなら正当な戦略であり、全交換と比較でき、関数として同じなら同じ、違えば違う、ただそれだけです。

>  結果が同じだから区別できないというのは乱暴でしょう。

そういう一般化が無意味なことはφさんの方がよくご存じでしょう
場合によって、結果が同じなら同じとみなした方がいいこともあり、
違うと考えた方がいいこともあります。それぞれの場合で検討すべきなのは
当然でしょう。

改めて、「思考実験リアルゲーム」をみたら、211ページから214ページにわたる「必ず得をする戦略」のセクションに、特定金額での交換は必ず得をする、と書いてありますね。また、全交換は損得なしとも。
今までの議論を振り返ってみると、失礼ながら、この立場の防衛のために無理な議論を積み重ねておられるような気がして仕方がないのです。

私が前提条件や状況を根本的に誤解しているのかもしれないですけど、私の理解ではそんなことが言えるわけがない、としか思えないです。

たとえば、2万円を含む封筒のペアが{1万、2万}のみ(何度か繰り返して出現してもかまわないとします)で、あとはすべて高額側が1万円以下か、低額側が10万円以上であるような2封筒の系列だって考えられるわけですが、
その時、2万円を見たら必ず交換し、他の金額では交換しない戦略f_2万は、開封した方に2万円があれば必ず損をするし、運よく2万円の方を開封しなくても得をすることはないでしょう。
主観確率ならば、2万円を見たときの交換期待値はたしかに2万5千円になるのですが、それはいわばプレイヤーの妄想に過ぎません。



Re: 追記:戦略の定義 投稿者:φ 投稿日:2015年12月14日(月)04時10分23秒 返信・引用

> No.4316[元記事へ]

εさんへのお返事です。

>
> 最近のレスを読んでいて、「戦略」の意味が私とφさんで異なっているのでは?という気がしてきましたので、私の定義を確認します。開封バージョンでの話しに限ります。
>

私は②は戦略の名に値するが①は値しない、と言いました。
 ①といっても特定の金額のみ交換する戦略はもちろん戦略の名に値します。値しないのは、別々のゲームごとに特定金額で交換し、あとから交換した部分だけ寄せ集めるような構成物です。
 その構成物は、たしかに未交換戦略に比べ全体的に25%増になっているでしょうが、「戦略」ではありません。
 ただしhttp://8044.teacup.com/miurat/bbs/4308の最後に述べたように、①の全金額寄せ集めを「戦略」と認めるかどうかは重要ではなく、少なくとも「未開封全交換」と同じ意味で「戦略」なのではない、と悟ることが重要なのです。
 2封筒問題は1回限りなので、どう逆立ちしても唯一金額での交換戦略しか採用できず、従って、「すべての金額で交換すれば未開封と同じこと、よって未開封で25%増」という屁理屈はもともと意味をなさないのです。

>
> 戦略はすべてに先立って、封筒の提示の前に確定されるものであり、
> 正の実数の集合R_+で定義された2値{交換、非交換}をとる関数のことである。すべてのこのような関数が戦略として認められる。
>

そうですね。
 私が戦略と認めないのは、「特定数の時だけ交換する」ということをゲームごとにあらゆる数について行なって、交換しなかった大多数の場合をあとから「なかったこと」にするようなやり方です。
 交換しなかった場合を正直に全部含めれば、「全交換」でないことははっきりします。(全交換でない非対称戦略ゆえに25%増になったことがはっきりします)

>
> 一回だけの封筒の提示で開封した封筒に1万円入っていたとき、両者は同じ効果をもたらすが、
> 依然として戦略としては区別できることには変わりない。
> 主観的確率、客観的確率の区別はここには入ってこない、戦略はいったん決めた以上、機械的に適用されるだけである。違いが出るのは、期待値計算においてだけである。
>

 これは全く私が始めから同意している事柄です。

>
> いずれにせよ、この枠組みでは①と②の違いは区別できないと思います。
>

 どうして区別できないのでしょうか。
 ①は特定金額の時だけ交換、②はいかなる金額でも交換ですから、
 封筒内を見た後でたとえば「まだこの封筒内を見ていないと仮定して、もしむこう側の封筒が手元に来ていたとした場合、あなたは今と同じ戦略でやっばり交換を選んでいたでしょうか?」と聞けばよいです。
 ②の人は、「はい、期待値計算は同じ構造ですから、やはり交換していたでしょう」と答えます。
 ①の人は、「いいえ、期待値計算のもとになる値が違うわけですから、この戦略では交換できなかったでしょう」と答えます。
 ①は不正直のように聞こえますが、見間違えの場合は「あ、だったら交換できません」となりますから、②の人より誠実とも言えます。

 結果が同じだから区別できないというのは乱暴でしょう。
 一度きりのモンティホールゲームで、
 司会者が「外れ」を開けてみせたというデータが同じだからといって、「司会者のとった戦略が区別できない」ということはありません。
 2つの扉のうち「必ずハズレを開けた」のか、「ランダムに開けた」のかは、質問などによって区別することができます。


追記:戦略の定義 投稿者:ε 投稿日:2015年12月13日(日)16時21分38秒 返信・引用

最近のレスを読んでいて、「戦略」の意味が私とφさんで異なっているのでは?という気がしてきましたので、私の定義を確認します。開封バージョンでの話しに限ります。

戦略はすべてに先立って、封筒の提示の前に確定されるものであり、
正の実数の集合R_+で定義された2値{交換、非交換}をとる関数のことである。すべてのこのような関数が戦略として認められる。

これらは、封筒の提示に先立って、あるいは封筒の提示がなくても、比較することができる。たとえば当たり前だが

u(x):すべてのxに対し、交換
f_1万(x):x=1万のときに限って交換し、その他では交換しない。

は端的に異なる関数である。

一回だけの封筒の提示で開封した封筒に1万円入っていたとき、両者は同じ効果をもたらすが、
依然として戦略としては区別できることには変わりない。
主観的確率、客観的確率の区別はここには入ってこない、戦略はいったん決めた以上、機械的に適用されるだけである。違いが出るのは、期待値計算においてだけである。

この定義は以前、φさんにも同意いただいたと思うのですが、確かにいろいろ注意書きが加わってますのでそこが問題なのかな?

いずれにせよ、この枠組みでは①と②の違いは区別できないと思います。


2封筒問題・繰り返しバージョン 観点の差 投稿者:ハム 投稿日:2015年12月13日(日)07時18分53秒 返信・引用

お金は有限なので最大額(εさんのおっしゃる異常数)があります。
2封筒問題は、最大額で成立しません。
これをどう考えるかで、主張が違ってくるようです。

1.最大額を考慮し、主観的に考えれば、全交換で25%得をするということになります。

2.最大額は無視できると考えれば、本来は無限の論理になるはずです。
  これは、左右の封筒に差はなく、したがって全交換で損得なし、特定の金額のみの交換で得をするという議論になります。

これは、どちらかが正しいということではなく、観点の差ということなのでしょう。
実際には、2封筒問題を永遠と繰り返すことはないので、交換の損得はまったく分らないという凡庸な結果にしかなりません。


Re: シミュレーション内の封筒の交換ははるかに疎らで、平均される交換封筒数はそのまた半分 投稿者:ε 投稿日:2015年12月12日(土)19時53分29秒 返信・引用

φさんへのお返事です。
>  主観確率といえども心理的確率とは違いますから、客観確率と一致すべきものでしょう。「客観確率はこの値」と判る部分については主観確率もそれに一致し、判らない部分について無差別の原理なりなんなりを当てはめるわけで、もしそれが矛盾に行き当たれば撤回となるだけでしょう。
まあそれは異論はありません。


>  あの論文は私も読んでみましたが、まあそういった穏当なことを言っているんじゃないでしょうか。あの論文は一種心構えを論じているだけで、2封筒問題を解決する論文ではないですね。
>
> >
> > 見間違いがあった場合、たしかにf_aのかわりにf_bを呼びたす手続きが必要だし、人を用いた場合にはaの係がbの係に交代して封筒を交換しなければならない。
> >
>
> 胴元の一連の(ひとつらなりの)封筒ペア提示に対して、プレイヤー側の各金額の担当者が群がってはダメです。それは全交換になってしまい、25%の平均値増が達成されません。
>  あくまで別々の提示(Nつらなりの)封筒ペア提示に対して、N人の各金額担当者が封筒を選択的に選ぶわけです。

そういいたかったのですがミスでした。例えば1万円の係が見間違えて5万円を見て封筒を交換する。(そのとき5万円の係はどうするのか?選択が2人にならないか気になりますが)後で気づいて、1万円の係は交換を止める。
これで良いですか?
>  交換せずに手付かずでむこう側に放置しておく封筒がほとんどです。
>  非対称性(選択のいびつさ)が25%増を生み出すので。
>
> >
> > 最初の定義はどうあれ、u(x)は結果的に定数関数になるのだから、それを使えばいいと思いますが。
> >

> > それでは逆にお尋ねしますが、②のタイプのプレイヤーが開封された4万円の封筒を見たとしましょう。あるいは見る前に封筒を交換して後から見てもいいですが、第2の封筒を開ける前に、少なくともプレイヤーの主観確率で5万円という期待値を計算することはできるでしょう。それを各回メモしておいて全ての回を加算することはできるでしょう。それが私の言う主観確率による期待値計算です。

> > この計算は無意味ですか?
> > プレイヤーが全交換戦略をとると決意した瞬間に無意味になるのでしょうか?
> >
>
>  はじめから無意味ですね。決意とは無関係に。
>  くどいようですが、ひとつらなりの封筒提示に対して、「交換しないペア」を残さないような交換方法は、期待値増になりません。主観的決意とは無関係に、客観的にです。

主観確率では期待値増ですし、プレイヤーの最初の選択系列が極めて幸運な場合、幾らでも長い封筒の系列で実際の獲得値が期待値に一致する例もあります。

>  客観確率に頼ろうが主観確率に頼ろうが、「特定の値だけを交換する」戦略は実際に平均値25%増になります。

それでは数値例をご提示ください。というかこれも数学の定理の形をしています。しかし反例を持っているつもりです。


Re: シミュレーション内の封筒の交換ははるかに疎らで、平均される交換封筒数はそのまた半分 投稿者:φ 投稿日:2015年12月12日(土)12時55分42秒 返信・引用

> No.4312[元記事へ]

εさんへのお返事です。

>
>「信念が異なるだけ」なので矛盾でというべきではないでしょう。もっといえば、引用した論文の著者と同じく、2封筒問題では "bayesian decision theory is not helpful"ということです。
>
>

 主観確率といえども心理的確率とは違いますから、客観確率と一致すべきものでしょう。「客観確率はこの値」と判る部分については主観確率もそれに一致し、判らない部分について無差別の原理なりなんなりを当てはめるわけで、もしそれが矛盾に行き当たれば撤回となるだけでしょう。
 あの論文は私も読んでみましたが、まあそういった穏当なことを言っているんじゃないでしょうか。あの論文は一種心構えを論じているだけで、2封筒問題を解決する論文ではないですね。

>
> 見間違いがあった場合、たしかにf_aのかわりにf_bを呼びたす手続きが必要だし、人を用いた場合にはaの係がbの係に交代して封筒を交換しなければならない。
>

胴元の一連の(ひとつらなりの)封筒ペア提示に対して、プレイヤー側の各金額の担当者が群がってはダメです。それは全交換になってしまい、25%の平均値増が達成されません。
 あくまで別々の提示(Nつらなりの)封筒ペア提示に対して、N人の各金額担当者が封筒を選択的に選ぶわけです。
 交換せずに手付かずでむこう側に放置しておく封筒がほとんどです。
 非対称性(選択のいびつさ)が25%増を生み出すので。

>
> 最初の定義はどうあれ、u(x)は結果的に定数関数になるのだから、それを使えばいいと思いますが。
>

 だから定数関数ではないのです。
 値のほとんどが「非交換」なのですから。

>
> それでは逆にお尋ねしますが、②のタイプのプレイヤーが開封された4万円の封筒を見たとしましょう。あるいは見る前に封筒を交換して後から見てもいいですが、第2の封筒を開ける前に、少なくともプレイヤーの主観確率で5万円という期待値を計算することはできるでしょう。それを各回メモしておいて全ての回を加算することはできるでしょう。それが私の言う主観確率による期待値計算です。
> この計算は無意味ですか?
> プレイヤーが全交換戦略をとると決意した瞬間に無意味になるのでしょうか?
>

 はじめから無意味ですね。決意とは無関係に。
 くどいようですが、ひとつらなりの封筒提示に対して、「交換しないペア」を残さないような交換方法は、期待値増になりません。主観的決意とは無関係に、客観的にです。
 ①と②では封筒の動き自体が異なり、平均される金額が異なるからです。

 例えば封筒ゲームを一回やって、一万円で交換した後、実は何度もやるルールなんだとプレイヤーが言われたとしましょう。
 毎回違う(たまたま同じかもしれないが、ランダムな)金額ペアが提示されるのだと。
 そして二回目が二万円だったとします。(一回目の交換結果を見ないうちに二回目開封、というのがリアルかもしれません)他の金額でもいいが、印象深くするためにかりに二万円と。
 これも交換して、期待値メモを取るのが、上でεさんが描くプレイヤーですね。
 メモは無意味で、その人は全体的に平均値増減なしです。
 交換で25%増になる①のプレイヤーは、二万円では交換しないのです。一回目の時もう「一万円戦略」に決めましたからね。
 その人が二万円で交換するとしたら、別の胴元による、別の二封筒ゲームにおいてです。

 膨大な「交換しない封筒」を残してこそ、①の期待値増戦略になります。
 それで交換した場合だけを後でかき集めたものが「全交換戦略だ」と言うのが間違いだ、と私は前から口を酸っぱくして言っている次第です。

>
> ある意味ではそうですね。全交換戦略の場合にはもっと良い結論、未開封バージョンと同じという現実に正しい結果があるからです。一方、「特定の値だけを交換する」戦略ではこの同等性が成り立たず、主観確率に頼るしかないと。
>

 客観確率に頼ろうが主観確率に頼ろうが、「特定の値だけを交換する」戦略は実際に平均値25%増になります。


Re: シミュレーション内の封筒の交換ははるかに疎らで、平均される交換封筒数はそのまた半分 投稿者:ε 投稿日:2015年12月11日(金)23時42分51秒 返信・引用

φさんへのお返事です。

今、ここを読んで、やっと①の意味がわかったような気がします。つまり、f_a(x)という関数をすべてのaに対して持っていて、aを見たときにはf_aが呼び出され、aでの値であるf_a(a)="交換"が呼びだされるわけですね。
なるほど、関数計算のアルゴリズムの違いのようなものですか。
見間違いがあった場合、たしかにf_aのかわりにf_bを呼びたす手続きが必要だし、人を用いた場合にはaの係がbの係に交代して封筒を交換しなければならない。

しかしそれは0.9999??=1の説明をした後でも、それは計算の仕方が違うのだ、と言われるのと同じことのような気がします。そして、見間違いの件では、アキレスが転んだら??などと言われているような。
φさんが本気なのはわかっているので、これ以上茶化すのはやめますが、通常の数学者、論理学者なら、似たような反応をすると思います。

最初の定義はどうあれ、u(x)は結果的に定数関数になるのだから、それを使えばいいと思いますが。

それでは逆にお尋ねしますが、②のタイプのプレイヤーが開封された4万円の封筒を見たとしましょう。あるいは見る前に封筒を交換して後から見てもいいですが、第2の封筒を開ける前に、少なくともプレイヤーの主観確率で5万円という期待値を計算することはできるでしょう。それを各回メモしておいて全ての回を加算することはできるでしょう。それが私の言う主観確率による期待値計算です。
この計算は無意味ですか?
プレイヤーが全交換戦略をとると決意した瞬間に無意味になるのでしょうか?

ある意味ではそうですね。全交換戦略の場合にはもっと良い結論、未開封バージョンと同じという現実に正しい結果があるからです。一方、「特定の値だけを交換する」戦略ではこの同等性が成り立たず、主観確率に頼るしかないと。

ここから後は前回レスの最後の部分の繰り返しになりますので、省略します。




Re: シミュレーション内の封筒の交換ははるかに疎らで、平均される交換封筒数はそのまた半分 投稿者:ε 投稿日:2015年12月11日(金)20時25分37秒 返信・引用

φさんへのお返事です。

> εさんへのお返事です。
>
>  前回の投稿タイトル「シミュレーション内の封筒の移動は同じだが、平均される封筒数が半分」の、「移動は同じ」というところはうっかりミスでした。
>  以前http://8044.teacup.com/miurat/bbs/4282で書いたように対角線戦略①は大半の場合に非交換となるので、②および未開封全交換に比べて①は「シミュレーション内の封筒の交換ははるかに疎らで、平均される交換封筒数はそのまた半分」と言うべきでしたね。訂正します。
>  ともあれ、前回の書き方ではシミュレーションの風景が伝わらなかったようですね。
>
> >
> > 「戦略」としては何ら相違はない。ただ異なる確率空間、すなわちプレイヤー視点の主観確率、とφさんが「実際」とか「現実」と呼んでいる胴元視点の客観確率、における期待値計算の違いに過ぎない。
> >
>
>  利益を引っ張ってくるための「外部」があるかないか、という違いは明確なはずですが……
>  やはり書き方が悪かったんですかねえ。「一種の対角線論法」という言い方はもともとεさんが出したものなのでhttp://8044.teacup.com/miurat/bbs/4277 容易に伝わっているものと思いましたが……
>  では述べ方を変えてもう一度シミュレーションの記述をさせてください。
>  その前に、
>
私が「対角線論法」と言ったのは一般的状況で2重量化が入れ替わる場合の話で、一般的状況だと選択公理を使うなどして"貼り合わせ"をしなければならない状況も考えられます。
直後に「u(x)もそのようなものです」と言っているので誤解を招いたかもしれませんが
その後のレスで何度も説明している通り、実際には、すべてのxに対しU(x)="交換"というごく簡単な定数関数なのでこの場合は問題はないのです。
> >
> > この比較はまったく無意味だと思います。
> > 上では、「全交換」戦略として、2a,a,a/2のすべてで交換する戦略が検討されているのに対し、下ではaでのみ交換する戦略が問題になっています。
> >下のパラグラフでは「2a,a,a/2でのみ交換する戦略をつなぎ合わせたもの」が比較対象でなければならないはずです(そんなものは論理的に第1の物と全く同じになるしかないのですが)。
> >>
>
>  ↑「2a,a,a/2でのみ交換する戦略をつなぎ合わせたもの」は全交換にはなりませんよ。
>  「でのみ」という排他性を(期待値増のために)本当に維持しているならば、隙間だらけになるはずで、決して「全」になりません。
>

私はその上のパラグラフで、2a,a,a/2と言う数だけが問題になっているので、これが考えるべきすべての「数」というモデルでφさんが考えていると思って、そのようにしたのですが
全交換を文字どおりすべての正実数で行うのならそこは当然「すべてのaについて、aでのみ交換する戦略をつなぎ合わせたもの」が当然比較対象になります。そしてそれは単なる全交換とどこが違うのか?というのが私の疑問です。

それにしても、aだけで交換する戦略を比較するのは、もっと無意味じゃないですか。

以下では、「現実」と「主観」の区別がなされておらず、全体的なコメントは不可能ですので断片的なコメントあるいは感想にとどめます。

>  それでは改めて、【改善版シミュレーション】です。ご面倒ですみませんが、お付き合いください。
> ↓
> ●世界中の人に、各々2封筒ゲームをやってもらいます。一人が多数回繰り返しです。
>  戦略①担当組と、戦略②担当組の2グループに分けて、グループ別に平均値を出して期待値を求めます。(有限人・各自有限回試行ですから近似値ですが)
> ■第1グループは、各自、好きな金額を1つだけ決め(一人につき一金額限定)、開封してみてその金額が来たときだけ交換し、あとは交換しません。それが四十億人。戦略①担当グループ。
> 全員の結果(40億種類の初期金額での交換)を集めると、①の近似的シミュレーションになります。全【交換戦略】。

この40億種類がすべての「数」を網羅していると考えていいんですね?そうでなければ①のシミュレーションにはなりませんから。

> ■第2グループは、各自、開封してみて、どんな金額であれそのつど「交換すれば25%得だな」と納得しながら、いつも交換します。それが四十億人。戦略②担当グループ。
> こちらは、全員の結果を集めるまでもありませんが、まあいちおう集めるとして、②のシミュレーションになります。【全交換】戦略。
>
> ●第2グループは二人ずつ組んで双対プレイヤーになって能率的に進めることも出来ますが、第1グループは基本一人ずつでしか出来ません。もちろん第2グループは一人ずつでやってもOKです。
> 実は、第1グループも二人ずつ組んで双対で進めることも不可能ではありません(前回はいきなりこのモデルで書いたのでわかりづらかったかと思います)。
>  第1グループが双対でやる場合、各プレイヤーは自分の選んだ金額で交換するだけでなく、相手の交換したいときにも付き合って交換しなければなりません。つまり相手の金額の二倍か半分のときに交換を強いられます。
>  しかし相手に合わせた交換は自分の戦略とは無関係なのでシミュレーションからは除外します。自分の希望で交換したときだけを各自シミュレーションに数えることにするのです。
>
>  両グループの交換行為による金額変化を見てみましょう。
> ■第1グループについて、交換した回だけを集め(ペアになって実施した場合は、当人の希望で交換した場合だけを集め)、交換後の獲得金額を、交換前の金額と比べましょう。
> 多数回やっていれば、おそらく四十億人の一人一人が、およそ25%増になっているはずです。全員をまとめて集計あるいは平均すれば、全体の金額増比率は一人一人の金額増比率をそのまま反映。


>  「どの金額でやっても交換戦略はやっぱり25%増だなあ」ということになります。
> 個別の選り好み戦略をただ集めただけですから、誰も「ああ、全交換戦略は得なんだ」なんて思いませんけどね!
>

まず、個々の数xは人じゃないので、物を考えることはありません(笑)
でも強引にこのモデルで考えるなら、だれか(私かφさんのような人)が思考実験で「ああこれは結局全交換と同じだね」と気付いてほかの人に説明し、ほかの人もそれに従って全交換するでしょう。その方が皆が得をするわけですから、というのは実は錯覚で、これは主観の中だけでの、しかしその中では合理的ではあるが、結論に過ぎません。

> ■第2グループについても、交換後の獲得金額を、交換前の金額と比べましょう。
> 無限回やるまでもなく、四十億人の平均は、交換前と交換後で獲得金額の差なし、という結果になっているはずです。理由は前回示しました。
>  「全交換戦略はやっぱり未開封バージョンと同じだなあ」ということになるでしょう。こちらは正真正銘、全交換戦略。

この「平均」には注意が必要です。与えられた封筒ペアの長さnの系列を固定したとき、プレイヤーの開封前の選択の系列として、ちょうどコイン投げのように、高額側(H)と低額側(L)のH,L2値の長さnの系列が現れますね。その2^n個のあらゆる可能性に対する平均と言う意味では確かにそうです。

一つの系列をどんどん長くしていった場合などはまた別の話になりますが、確率論における極限定理などが関連してくるので、失礼ながら、その辺に関する正確な知識をあまりお持ちでないと思われるφさんとこれに関する議論はしたくないのです。

しかし、ここでは、上の意味の平均で十分だと思います。
>
>  増額率の差がどこから来るかというと、まず第1グループでは「膨大な非交換の場合」がありながら除外されているのに対し、第2グループはいつも交換しているということ。
>  交換する場合に限ってみても、第1グループは、常に相手方の結果をシミュレーションから除外しています。そのときの相手側の損失から利益を得たのです。
>  金額の選り好みが出来る第1グループは、盲目的な未開封バージョンとは違う選び方になったわけです。
>   第1グループの全員について、自発的に交換した場合だけを選んで集めなおしたのでさまざまな金額での交換パターンが揃い、あたかも「全交換戦略」がなされたかのように見えるかもしれません。
>  が、そんなものはあとから拾い上げたツギハギですから、実体はありませんね。「戦略」とは言えません。
>
>  以上のシミュレーションによって、私が(われわれが)何をしているのかを改めて確認しておきましょう。
>  問題はこうでした。http://8044.teacup.com/miurat/bbs/4223の段階6・7を認めるかどうか。
> 認めてしまうと、次の命題Nを肯定することになります。
> N「未開封バージョン全交換と全く同じ封筒の動き(金額の流れ)に基づきながら、毎回開封して見るという点だけが異なるようなシミュレーションがあって、そのシミュレーションでは交換が非交換に比べ全体で25%増になる」
>  命題Nが真なら、【開封の有無だけが、交換による期待値増をもたらす】ことになる。
>  これが2封筒パラドクスの核心ですが、εさんはこの命題Nを是認するのでしょうか?


最後の結論部を修正して
【開封の有無だけが、「プレイヤーの主観世界における」交換による期待値増をもたらす】
といえば私の言いたいことになるでしょう。「」内が修正部分です。

>  最近のご発言ではそこがよくわかりません。

もう少し補足します。

何度も言ったと思いますが、全交換で25%増はあくまでプレイヤーの主観世界だけで成り立つことで、双対プレイヤーもやはり全交換で25%増という結論になるでしょうが、それはまた双対プレイヤーの主観世界でだけ成り立つことです。しかしこれは「信念が異なるだけ」なので矛盾でというべきではないでしょう。もっといえば、引用した論文の著者と同じく、2封筒問題では "bayesian decision theory is not helpful"ということです。
φさんの本の202ページに「期待値というものは信用できないものだ」と言う結論に飛びつくのは馬鹿げているという1節がありましたが、「主観確率というものは信用できないものだ」というのなら半分くらい真実だと思います。

それならば、「現実」の確率空間で計算すればよいことになりますが、そこでの計算では
「開封バージョンの全交換戦略は未開封バージョンと(上の意味で)同等である」ということくらいしか言えず、正しい結果なのですが、未交換戦略による確定値(つまり、開封した封筒の金額)を手にしているプレイヤーに対してさえ、何の助けにもなりません。
まあ、「交換すれば得になる」という主観確率によるアドバイスよりミスリーディングでないだけましかもしれませんが。

「現実」において、以前よく話題にした「正常数」を引き当てた回に全交換すれば(あるいは全交換戦略でどの回にも運よく「正常数」をひきあてたら)、期待値は実際の確率空間で25%増しになりますが、それはあらかじめプレイヤーにはわかりませんし、「特定の金額でだけ交換する」という戦略をとったとしても、その金額が「異常数」ならその期待値計算は破たんする、つまり主観確率による計算と「現実」における計算とは一致しない、ので、それがよい戦略と言うわけではありません。ちなみに「異常数」ばかりの封筒のペアの提示の系列が実際にあります。いちばん簡単なのは、一回きりのプレイはいつもそうなりますが、いくらでも長いそのような系列が作れます。

したがって、未開封バージョンではもちろんのこと、開封バージョンでも必ず平均より得をする戦略と言うのは存在しないと思われますが、それを正確に定式化し、証明するのは簡単なことではないでしょう。



Re: シミュレーション内の封筒の交換ははるかに疎らで、平均される交換封筒数はそのまた半分 投稿者:φ 投稿日:2015年12月11日(金)17時10分51秒 返信・引用

> No.4308[元記事へ]

φさんへのお返事です。

追記です。
http://8044.teacup.com/miurat/bbs/4287で私は、以下のように書きました。

>
・・・・・・・・・・・・
①では、交換はしたが実は間違っていた、という場合もありえます。
たとえば、封筒内金額を1万円だと思い、それに応じてf_1万戦略を採用して交換しようとしたが、よく見たら金額は5万だったという場合。間違いに気づいた時点で、交換を撤回するか、戦略変更を申請するかしなければなりません。……
他方、②では、「全交換」という方法をあらかじめ決めているので、交換さえすれば②という戦略を逸脱することはありません。金額を見間違えていても、何の訂正も要らず、そのまま通用します。
・・・・・・・・・・・・
>

↑当時これは全くご理解いただけなかったようですが、
前回の「改善版シミュレーション」に基づけば、ご理解いただけるのではないでしょうか。
・①「全【交換戦略】」では、一人一人が担当する金額が1人あたり1種類と決まっていますから、金額を守ってこそ正しいシミュレーションになります。最終結果としてすべての金額での交換戦略を持ち寄るのだからここで間違えた分も数えてかまわんだろう、という態度は25%増戦略の放棄です。
・②「【全交換】戦略」ではもちろん、「いくらであれ交換する」が規則ですから、金額の見間違えは実質的に問題になりません。

この「見間違いでの訂正可能性」は、ただ一度だけ試行する本番の2封筒ゲームの検証に使えます。
 交換と決めた直後に見間違いが判明したとして、「では正しい金額で交換するか」と問われて「交換をやめる」と答えたプレイヤーは、①に従っていたことになります。
 他方、依然として交換するというプレイヤーは、交換の理由説明で①か②かがわかります。
 「あなたは先ほどと同じ戦略をとりつつ交換するのか」と問うて、イエスと答えたプレイヤーは②に従っています。「ノー。交換できるように戦略を変更する」と答えたプレイヤーは①に従っています。
 未開封交換と同じなのは②のプレイヤーで、その人は期待値増は見込めません。
 「【その数で】期待値計算したのだ、だから交換」というのが未開封時との区別の上での建前ですから、開封バージョンのプレイヤーは一般に①に従っており、期待値増と認定できます。

 以上の趣旨は『思考実験リアルゲーム』に書いたことにすぎません。
 大人数を動員した改善版シミュレーションを今回案出したことで、より説得的になったとは思うのですが……


Re: シミュレーション内の封筒の移動は同じだが、平均される封筒数が半分 投稿者:ハム 投稿日:2015年12月11日(金)12時50分6秒 返信・引用

> No.4306[元記事へ]

φさんへのお返事です。

> {(a、2a)、(a、a/2)}と{(2a、a)、(a/2、a)}は同じ総額に対応し、交換による期待金額変化は前者がa/4、後者がマイナスa/4で、正確に相殺します。期待値増はゼロです。
> こうして開封の場合も、全額交換となると、未開封バージョンと同じく、期待値増減なしになります。

{(a、2a)、(a、a/2)}と{(2a、a)、(a/2、a)}という定義は、固定額をaとした定義ですので、交換による期待金額が相殺するとはいえません。
選択した金額の2倍が最大金額を超えるときは、相殺せず、交換すれば必ず損をします。

選択した金額をaと定義すれば、これは主観的定義ですので、最大金額を考慮することなく議論ができるのは、以前φ様がおっしゃった通りでしょう。

2封筒問題は、(a、2a)、(a、a/2)と定義し、交換の期待値は、5a/4と計算するのが妥当だということですね。

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Re: 未開封バージョンと全交換との違い 投稿者:ε 投稿日:2015年12月 4日(金)19時24分33秒 返信・引用

φさんへのお返事です。

> εさんへのお返事です。
>
> 正直、よくわかりません。
> 一歩も進んでいないような気がしますが。
>
> >
> > 具体例として、開封して4万円入っていたとしましょう。すると胴元は
> > ①{4万、8万}
> > ②{4万、2万}
> > のどちらかを提示したことになります。未開封では前者の期待値は交換、非交換にかかわらず6万、後者も交換、非交換にかかわらず3万となります。
> >・・・・・・
>
>  ↑等々・・・というεさんの説明全体を、4万ではなくxで「開封してx円が入っていたとしましょう」と変数で繰り返せば、「未開封で交換して期待値アップ」に逆戻りしてしまいませんか?
>

基本的には同じ話です。ただ、「未開封バージョンと同等」という言葉を見て、それならその未開封バージョンでの期待値を計算してみようと思ったのです。
すると、常識的に考えうる未開封バージョンでは開封バージョンと期待値が一致せず、決して同等にはならないとわかったので、「開封バージョンは(例え全交換戦略をとったとしても)未開封バージョンと同等になることはない」というのが私の結論で、この手の話はすべてカットできることがわかったというわけです。

>  金額を特定することがなぜ重要か、特定された金額をすべて集めると、未特定の金額全体に対してとは異なる期待値計算が成り立つのはなぜかを説明しないと、解決しないと思います。
>
> >
> > あれほど「2階の量化」に限定した話ですとことわったのですが・・その例はとうに了解しております。
> >
>

戦略に1階、2階の区別があるわけではありません。個体変数を持つ関数は2階の対象だというタイプ理論での意味です。じつはこう書いていてちょっと不安になりました、ラッセルならΦさんがご専門でしょう。集合は2階変数ですが、関数は?3階かも。少なくとも1階の対象ではないですね。

> 2階の戦略も戦略なのか、という問題になりますかね。
> 2階の戦略(メタ戦略)は戦略とは言えない(少なくとも期待値を云々できるような、一貫した確率空間に基づく戦略とは言えない)というのが私の考えですが。……理由はあとで述べます。
>

メタという言い方をほかのところで使ったのが思わぬ誤解を与えたかもしれません。
戦略を正の実数上の2値関数と見るのは、以前にΦさんに賛成していただけたと思うのですが。
Uだけを特別扱いする理由がわかりません。非常に簡単な定数関数(どんな実数に対して1(交換)という値をとる)なのですから。
> >

(*)
> > 例えば1万円以下なら常に交換、それを越えたら不交換という戦略はどうでしょう。前はこの種のものを認められていたと思いますが、これだと1000円でも2000円でも
> > 交換するので規則に反すると思いますが。
> >
>

まず、戦略というものはすべてのプレイ以前に確定しているものだけを考えます。

たとえば、

xを見たときπ(円周率)の小数点以下[x](xの整数部)桁目が偶数のときは交換、奇数のときは非交換

というのはこの意味の関数ですが、

xをみて交換し、その交換した封筒の金額を見てそれによって・・・

などというのはプレイ以前に確定してないので戦略とは認められません。


上の戦略ではa=1000にとすると1000円で交換、2aの2000円でも交換なのでΦさんの条件に反すると思ったのです。

私の定義では(*)もUも同じくらい立派な(?)戦略です。

>  その場合はa=1万と解釈できるでしょうね。a/2以下で交換するかしないかは論点にとって本質的でないと思われるので。
>  とりあえず交換金額に上限があれば、いずれかの金額aでf_aはf_2aを兼ねることができなくなり、それゆえにシミュレーション内で純益を出せます。
>  簡略のため2の整数乗の金額ペアだけ考えるとして、「a円以下なら常に交換、それを越えたら不交換」という戦略では、最終的にaが手元に残ることは決してないという非対称が実現できます。(a、2a)での得が(2a、a)での損によって(この両者は客観的に等確率)打ち消されずに済みますから、その部分でのみ純益が出て、期待値増となります。
>  ここでaをどんどん大きくしていくと、「交換に該当するペア」の数が増えていき、「交換に該当するペアのうち期待値25%増が実現するペアの比率」が小さくなっていきます。a→∞の極限では、その比率はゼロとなり、期待値増の平均値もゼロとなります。
>  これが、全交換戦略で〈交換による期待値増はゼロ〉という意味の一つの捉え方でしょう。
>
> >
> > ためしにおそらくわれわれの見解が一致している一度きりのプレイの場合にφさんの理論を適用してみてください。一度きりでは不都合ならば、何回くらいのプレイからなら適用できますか?
> >
>
> 1つの可能世界では一度だけ交換し、それを無数の可能世界で平均して期待値を求める、というのが基本でしたよね。

無数の、とか、平均とか言われるのが何らかの客観確率を想定しているように思われるのですが、本当に一回きり、それが全体と言う場合です。
そりゃあ何回も繰り返してもいいですが、それぞれ一回きり、この議論が繰り返されるだけです。

>  この点で戦略uが曖昧だと思われるのです。
>  a円が来た世界でf_aを用いるというように、たまたま来たaに合わせてその世界で採用する戦略を変えてゆく、というメタ戦略(二階の戦略、対角線戦略)がuですよね。
>
>  そこで私が前回書いた①②ですが、
>
> >
> > 「開封バージョン・全金額にわたる交換戦略」として可能なのは二つの種類があります。期待値を求めるときの適切なシミュレーションが異なるのです。
> >   ① 前者の25%増戦略を個々別々に合わせて全体を構成すること。この合成では、例えば一万円が来て交換するという場合も含むし、一万円が来て交換しないという場合も含みます。交換するのはf_1万の戦略としてであり、交換しないのはたとえばf_2万の戦略としてです。
> >   ② 後者の期待値増減なし戦略をそのまま考えること。この場合は、一万円が来たとき常に交換であり、交換しないという場合は含まれません。
> >>>
> > >>> で、①の戦略がどういう意味かわかりません。上のような一つの関数gとしては表現できないものですか?
> >>>
>
>  εさんが「全交換」と称して提示するメタ戦略uは、交換による期待値増を主張する限り、①の意味でなければなりませんね。
>  ②はメタ戦略ではなく、普通の戦略です。単に「何が手もとに来ようがチラ見しただけで交換」というやり方ですよね。前述のa→∞の極限としての全交換戦略も②です。
>  それは紛れもなく全交換であり、未開封のまま交換するということと同じです。
>
>  一方、①は、見た金額を尊重します。金額によって戦略を変えます。
>  1万円が来れば1万円だけを交換するf_1万戦略を。5億円が来れば5億円だけを交換するf_5億戦略を。
>  各々の「だけ」の部分が期待値増のカギです。
>  「だけ」を生かしながら全体を構成する、というやり方ですから、「全交換」とは異なりますね。
>  つまり、f_a戦略(メタでない戦略としての)には、めでたく交換できる場合のみならず、a以外が来たために交換しない、という可能的場合が含まれるわけです。あるいは、aが来たけれどf_a戦略以外を採用したために交換できない、という可能的場合も含まれます。
>  ①というメタ戦略のもとには、下位の戦略における大多数の可能世界、つまり戦略f_xと開封金額yとの関係がx≠yである場合、つまり交換できない諸可能世界が含まれます。交換と不交換が混在しているからこそ非対称性ゆえ期待値増が生まれるのですから。
>  そのような「合法的には交換が成立しない諸世界」を擁しながら後からばっさり切り捨てて、交換が成立した世界だけを対角線的に集め直したのがuということになります。いいとこどりですね。自分がどの下位戦略を採用すべきなのかは金額を見るまで(可能世界が決まるまで)分かりません。
>  つまり①では、交換はしたが実は間違っていた、という場合もありえます。
>  たとえば、封筒内金額を1万円だと思い、それに応じてf_1万戦略を採用して交換しようとしたが、よく見たら金額は5万だったという場合。間違いに気づいた時点で、交換を撤回するか、戦略変更を申請するかしなければなりません。uの趣旨からして必ず後者が選ばれますが、論理的には選択肢に直面するわけです(uでないもともとの開封バージョン交換戦略でも後者が選ばれそうですが、それは期待値計算をやり直すからであって、uのように対角線一括戦略に従うからではありません)。u特有のこのアドホック措置が必要とされるからこそ、いちおう各金額ごとに選択的な戦略であるという建前は残しており、だからこそ期待値25パーセント増を主張できるのです。
>  しかしこの「後出しじゃんけん性」ゆえに、このメタ戦略(2階の戦略)は、十全な意味での戦略とは言えまい、と私は思います(uでないもともとの開封バージョン交換戦略では、「たった一つの個別の期待値計算」という一貫した戦略性が認められますが)。
>  他方、②では、「全交換」という方法をあらかじめ決めているので、交換さえすれば②という戦略を逸脱することはありません。金額を見間違えていても、何の訂正も要らず、そのまま通用します。
>  未開封の場合と同じです。

このあたり、①と②の違いが全くわかりません。いずれも単に

U(x):すべての実数xについてU(x)=1

と言うだけに見えます。数式や論理式で書いて区別できますか?

これは印象ですが、やはりΦさんは「開封バージョンでの全交換戦略は未開封と同等」という(誤った)主張にとらわれて、「戦略」とか「量化」に必要以上に過敏に区別しようとされているような気がします。だいたい「チラ見しただけ」などという条件を考慮しなければならないのなら数学も論理も使い物にならないと思うのですが。
>
>  ①を十全な意味で「戦略」と呼んでよいとする立場もあるでしょう。
>  あらゆる可能世界の中から、首尾よく交換できた世界だけを選ぶ、換言すれば
>  あらゆるf_a戦略の実践から、期待値増に貢献した部分だけを選び、それらをあとから対角線上にツギハギして見かけ上戦略であるものを構成することは確かにできますし、アルゴリズムとして書き下すことはできるのですから。
>  しかしそういう「戦略」は、サイコロの目が出てから「賭ける目」を決める戦略のようなもので、トリビアルな意味で戦略と言えるにすぎません。
>  よって、単にトリビアルな意味で①を戦略と認め、「見かけ上全交換になっている戦略で期待値25%増が実現できた」と認めるだけでいいなら、まあ私も賛成です。
>  しかしそれは全交換ではないのです。あるいは、期待値増を生む全交換としては一つの戦略ではないのです。本来、交換できなかったはずの膨大な可能的場合(期待値増を生むのに必要な地)を人為的に削除して、都合の良い部分だけを切り貼りした合成体にすぎませんから。
>  全交換性、期待値増、一つの統一的戦略、この3つの性質は整合的に保持されえないということですね。
>
>  ②にはそういう人為性はありません。よって形だけでない実質的な戦略です。
>  ただし、未開封交換戦略と同様、期待値25%増を実現することはできませんね。(くどいようですが、全金額とせず一つの金額に限るなら、どの金額でも期待値25%増です)
>
>  結局、①を戦略と認めたとしても、未開封バージョンとは全然違うのだから(これはεさんと同意見でしょう)、「期待値増のないはずの未開封バージョンでやはり期待値25%アップになってしまう」というパラドクスは生じないわけです。
>  ②は期待値25%アップにならないのでパラドクスを生じませんしね。
>
>  私はもともと、開封してからの全交換は、損得が等頻度で現れて相殺するのが自明だから未開封バージョンと同じ、という前提で話をしていました。

これもちょっと問題発言です。損得が本当に等頻度で現れたら決して相殺しないというのが2封筒パラドックスの要点ですから。得する場合はa、損する場合はa/2だからです。
自明と思われても数値例を計算、提示することをお勧めします。数学者は日常的にそうしてますし、哲学者だってそうして悪いわけはないでしょう。

>  しかしそれが「自明でない」という立場ももちろんあり、それはεさんの対角線戦略ですが(期待値25%増を実現する金額別戦略の断片をかき集めて「全体」をでっちあげるやり方)、それを「全交換戦略」と呼んで、未開封バージョンとの相違を「金額を見る・見ない」だけに集約してそこが期待値論理の違いを生んだかのように曖昧化するのはやはり誤りでしょう。①では全交換戦略と違って交換しない大多数の可能的場合を切り捨てているのだという大きな違いを隠蔽してしまうので。
>  前も言ったように、期待値増の①は「【全交換】戦略」ではなく、「全【交換戦略】」なのです。
>  ∃g∀xと∀x∃gに即して言うなら、①は「【全交換】という個別戦略」ではなく、「全ての【個別交換戦略】」なのです。

*)とっても傲慢な言い方ですが、ここまでを見て「解説と説得」以上のことをする必要はないと思いました。ほぼ見解が固まったということです。

最近2005年あたりの投稿を見て私が最初「中高年数学者」で登場していたことを思い出しました。懐かしくて思わずその頃の応酬を読みふけってしまいましたが・・・今なら「中」は削除しなければなりませんね・・
そのときブログを作っていろいろ書いていたのですが、驚いたことに、まだそのまま残っており、2008年から更新していません。自分の見解はこれからはそちらにまとめて書くことにします。
ある程度まとまったらまたリンクを張りますので、Φさん、ほかの方々もよろしければそちらをご覧ください。ただ管理をマメにできないたちで、返信はできなくしています(スパムがうるさいので)、したがって関連する議論があれば申訳ありませんがこちらの掲示板を使わせていただきます。もともとΦさんの著書から始まったことなのでその方が見やすいとも思いますので。


シミュレーション内の封筒の交換ははるかに疎らで、平均される交換封筒数はそのまた半分 投稿者:φ 投稿日:2015年12月11日(金)04時30分36秒 返信・引用

> No.4307[元記事へ]

εさんへのお返事です。

 前回の投稿タイトル「シミュレーション内の封筒の移動は同じだが、平均される封筒数が半分」の、「移動は同じ」というところはうっかりミスでした。
 以前http://8044.teacup.com/miurat/bbs/4282で書いたように対角線戦略①は大半の場合に非交換となるので、②および未開封全交換に比べて①は「シミュレーション内の封筒の交換ははるかに疎らで、平均される交換封筒数はそのまた半分」と言うべきでしたね。訂正します。
 ともあれ、前回の書き方ではシミュレーションの風景が伝わらなかったようですね。

>
> 「戦略」としては何ら相違はない。ただ異なる確率空間、すなわちプレイヤー視点の主観確率、とφさんが「実際」とか「現実」と呼んでいる胴元視点の客観確率、における期待値計算の違いに過ぎない。
>

 利益を引っ張ってくるための「外部」があるかないか、という違いは明確なはずですが……
 やはり書き方が悪かったんですかねえ。「一種の対角線論法」という言い方はもともとεさんが出したものなのでhttp://8044.teacup.com/miurat/bbs/4277 容易に伝わっているものと思いましたが……
 では述べ方を変えてもう一度シミュレーションの記述をさせてください。
 その前に、

>
> この比較はまったく無意味だと思います。
> 上では、「全交換」戦略として、2a,a,a/2のすべてで交換する戦略が検討されているのに対し、下ではaでのみ交換する戦略が問題になっています。
>下のパラグラフでは「2a,a,a/2でのみ交換する戦略をつなぎ合わせたもの」が比較対象でなければならないはずです(そんなものは論理的に第1の物と全く同じになるしかないのですが)。
>>

 ↑「2a,a,a/2でのみ交換する戦略をつなぎ合わせたもの」は全交換にはなりませんよ。
 「でのみ」という排他性を(期待値増のために)本当に維持しているならば、隙間だらけになるはずで、決して「全」になりません。

 それでは改めて、【改善版シミュレーション】です。ご面倒ですみませんが、お付き合いください。

●世界中の人に、各々2封筒ゲームをやってもらいます。一人が多数回繰り返しです。
 戦略①担当組と、戦略②担当組の2グループに分けて、グループ別に平均値を出して期待値を求めます。(有限人・各自有限回試行ですから近似値ですが)
■第1グループは、各自、好きな金額を1つだけ決め(一人につき一金額限定)、開封してみてその金額が来たときだけ交換し、あとは交換しません。それが四十億人。戦略①担当グループ。
全員の結果(40億種類の初期金額での交換)を集めると、①の近似的シミュレーションになります。全【交換戦略】。
■第2グループは、各自、開封してみて、どんな金額であれそのつど「交換すれば25%得だな」と納得しながら、いつも交換します。それが四十億人。戦略②担当グループ。
こちらは、全員の結果を集めるまでもありませんが、まあいちおう集めるとして、②のシミュレーションになります。【全交換】戦略。

●第2グループは二人ずつ組んで双対プレイヤーになって能率的に進めることも出来ますが、第1グループは基本一人ずつでしか出来ません。もちろん第2グループは一人ずつでやってもOKです。
実は、第1グループも二人ずつ組んで双対で進めることも不可能ではありません(前回はいきなりこのモデルで書いたのでわかりづらかったかと思います)。
 第1グループが双対でやる場合、各プレイヤーは自分の選んだ金額で交換するだけでなく、相手の交換したいときにも付き合って交換しなければなりません。つまり相手の金額の二倍か半分のときに交換を強いられます。
 しかし相手に合わせた交換は自分の戦略とは無関係なのでシミュレーションからは除外します。自分の希望で交換したときだけを各自シミュレーションに数えることにするのです。

 両グループの交換行為による金額変化を見てみましょう。
■第1グループについて、交換した回だけを集め(ペアになって実施した場合は、当人の希望で交換した場合だけを集め)、交換後の獲得金額を、交換前の金額と比べましょう。
多数回やっていれば、おそらく四十億人の一人一人が、およそ25%増になっているはずです。全員をまとめて集計あるいは平均すれば、全体の金額増比率は一人一人の金額増比率をそのまま反映。
 「どの金額でやっても交換戦略はやっぱり25%増だなあ」ということになります。
個別の選り好み戦略をただ集めただけですから、誰も「ああ、全交換戦略は得なんだ」なんて思いませんけどね!

■第2グループについても、交換後の獲得金額を、交換前の金額と比べましょう。
無限回やるまでもなく、四十億人の平均は、交換前と交換後で獲得金額の差なし、という結果になっているはずです。理由は前回示しました。
 「全交換戦略はやっぱり未開封バージョンと同じだなあ」ということになるでしょう。こちらは正真正銘、全交換戦略。

 増額率の差がどこから来るかというと、まず第1グループでは「膨大な非交換の場合」がありながら除外されているのに対し、第2グループはいつも交換しているということ。
 交換する場合に限ってみても、第1グループは、常に相手方の結果をシミュレーションから除外しています。そのときの相手側の損失から利益を得たのです。
 金額の選り好みが出来る第1グループは、盲目的な未開封バージョンとは違う選び方になったわけです。
  第1グループの全員について、自発的に交換した場合だけを選んで集めなおしたのでさまざまな金額での交換パターンが揃い、あたかも「全交換戦略」がなされたかのように見えるかもしれません。
 が、そんなものはあとから拾い上げたツギハギですから、実体はありませんね。「戦略」とは言えません。

 以上のシミュレーションによって、私が(われわれが)何をしているのかを改めて確認しておきましょう。
 問題はこうでした。http://8044.teacup.com/miurat/bbs/4223の段階6・7を認めるかどうか。
認めてしまうと、次の命題Nを肯定することになります。
N「未開封バージョン全交換と全く同じ封筒の動き(金額の流れ)に基づきながら、毎回開封して見るという点だけが異なるようなシミュレーションがあって、そのシミュレーションでは交換が非交換に比べ全体で25%増になる」
 命題Nが真なら、【開封の有無だけが、交換による期待値増をもたらす】ことになる。
 これが2封筒パラドクスの核心ですが、εさんはこの命題Nを是認するのでしょうか?
 最近のご発言ではそこがよくわかりません。

 私の立場はきっぱり「命題Nは偽」というものです。
 「未開封バージョンと同じ封筒移動のシミュレーションに基づく」「交換で25%増になる」という2つの条件を満たす期待値計算は存在しないからです。
 なぜ存在するかのように勘違いされるのか。それは、2つのシミュレーション①②を混同するからである。
・①は「全交換らしきもの」で25%増をもたらすが、未開封交換とは異なるシミュレーションによる。
・②は、未開封交換と全く同じ全交換のシミュレーションによるが、25%増をもたらさない。
・①と②の混同が、命題Nが正しいというパラドクス偏愛家の思い込みの原因である。

 ∀x∃g(Kx→Tg)→× ∃g∀x(Kx→Tg) の論理に当てはめると、
 ◆第1グループの総体は∀x∃g(Kx→Tg)の各gを集めたものにすぎず、∃g∀x(Kx→Tg)のgとしての資格はない
 ◆第2グループの戦略はTを決して満たさない
 ということになります。

 ちなみに
 かりに第1グループの総体を一個の統一的戦略として適格と認めて、強引に∃g∀x(Kx→Tg)を主張できたとしても、そのgは未開封全交換戦略とは全然違う選り好み戦略ですから、パラドクスは生じません。よって私の議論に影響はありません。


Re: シミュレーション内の封筒の移動は同じだが、平均される封筒数が半分 投稿者:ε 投稿日:2015年12月10日(木)18時24分25秒 返信・引用

φさんへのお返事です。

>  開封全交換なる「戦略」に二種類ある、というのがご納得いただけないんですよね。

私が確信するようになったのは次のようなことです。

「戦略」としては何ら相違はない。ただ異なる確率空間、すなわちプレイヤー視点の主観確率、とφさんが「実際」とか「現実」と呼んでいる胴元視点の客観確率、における期待値計算の違いに過ぎない。

概論的主張はどうであれ、実際のφさんの計算を見ていると明白にそうなっています。
つまり、①では主観確率を適用し、②では客観確率を適用しています。もっとも、なぜか全「交換戦略」(本当の戦略ではないとφさんが呼んでいるもの)を主観確率では計算してないのですが。


>  それ以外は特に対立点が認められないというか、
>  とりわけ、ある特定金額一つだけに限定した戦略についてなら、「交換戦略により期待値25%増」ということでεさんと私は意見は一致しているようですね。
>  懸案は、25%増の交換戦略をすべての金額について合併する「戦略」についての評価です。
>
>  以下に述べなおす論理は、http://8044.teacup.com/miurat/bbs/4195前後のいくつかのやり取りにおいて、KOTAさんと私の間では同意が成立していた事柄と同じです。(と思います)
> (εさんも基本的には同意されることと思うのですが)
>
>  まず確認すべき前提として、
> 期待値を求めるためのシミュレーションは、「可能なすべての場合の平均」によって行なう、ということ。
>  そのような適正なシミュレーションのため、互いに双対プレイヤーであるA、Bを考えましょう。
>  任意のプレイヤーは、自分がA、Bどちらであるかわからない場合に限り、「期待値計算のための可能なすべての場合」にはシミュレーション内でA、B両者の身に起こる全出来事が含まれます。
>  未開封でゲームを無限回繰り返したとしましょう。
>  交換しても、合計金額は変わらないので、A、Bの増額期待値は合わせてゼロです。
>  何回繰り返そうが事情は同じ。
>  よって、未開封バージョンでは、AもしくはBである任意のプレイヤーの交換行為による増額期待値はゼロです。
>
>  さて、両者が一回ごとに開封してゲームを無限回繰り返したとしましょう。
>  未開封の時と、金額の移動は全く同じです。


>  A、B各々の主観的確率計算の中では、開封のたびに合計金額が2種類共存することになりますが、実際は1種類しかありません。A側から見た{(a、2a)、(a、a/2)}つまり期待値増が見込まれる個々の場合は、B側から見たらそれぞれ(2a、a)と(a/2、a)のときです。Aは、自分にも同頻度でBと同じことが起こると予測しなければなりません。よって、「可能なすべての場合」に含まれる相手の(2a、a)または(a/2、a)を同時に算入することになります。
>  {(a、2a)、(a、a/2)}と{(2a、a)、(a/2、a)}は同じ総額に対応し、交換による期待金額変化は前者がa/4、後者がマイナスa/4で、正確に相殺します。期待値増はゼロです。
>  こうして開封の場合も、全額交換となると、未開封バージョンと同じく、期待値増減なしになります。封筒の移動の仕方がすべて同じなのだからもともと当たり前でしたが。
>  これが、「【全交換】戦略」を称する②の場合です。
> (私がhttp://8044.teacup.com/miurat/bbs/4282で分けhttp://8044.teacup.com/miurat/bbs/4287で追記した①②の②ですね)

2封筒の有限系列が与えられたとき、プレイヤーの最初の選択のあらゆる可能性に関する平均、という(弱い)意味なら確かにその通りですね。「無限回の繰り返し」云々はおそらく不正確な主張だと思いますので却下ですが。

>
>  では、特定の金額に限定した場合はなぜ25%増になるのでしょうか。
>  それは、双対プレイヤーを勘定に入れることを禁じる形で、シミュレーション内の交換行為に非対称性が保たれるからです。
>  A側から見た{(a、2a)、(a、a/2)}での交換はB側から見たらそれぞれ(2a、a)と(a/2、a)での交換です。では(2a、a)と(a/2、a)での交換をAのシミュレーションに算入できるのでしょうか。
>  もちろんできません。a以外の金額が手元に来ているのですから、非交換のはずです。ここが上の②と異なります。双対プレイヤー両者の交換行為のうち一方は必ず切り捨てられます。
>  期待値計算のシミュレーションに含み入れる試行の数が、②の半分なのです。
>  双対プレイヤーが遭遇した事象はすべて排除するところに、期待値25%増を実現する秘訣があるのです。
>  そのような「特定金額限定の非対称戦略」をすべての金額について集めたものが、【全交換】戦略ならぬ「全【交換戦略】」①なのです。

この比較はまったく無意味だと思います。
上では、「全交換」戦略として、2a,a,a/2のすべてで交換する戦略が検討されているのに対し、下ではaでのみ交換する戦略が問題になっています。これらが異なることは、私の考察でも全く明らかなことで、正の実数上で定義された関数として明白に異なるものになっているからです。そうではなくて、下のパラグラフでは「2a,a,a/2でのみ交換する戦略をつなぎ合わせたもの」が比較対象でなければならないはずです(そんなものは論理的に第1の物と全く同じになるしかないのですが)。
そして、下の計算は「開封してない封筒の金額が2aである確率とa/2である確率はいずれも1/2である」という仮定に基づく主観的確率空間における計算です。

もちろん、「現実」である客観確率による期待値(利得)計算が望ましいのですが、プレイヤーにとって未開封バージョンはもちろんのこと、開封バージョンでも期待値計算に必要な情報は得られません。ただ、プレイヤーもゲームのルールそのものである客観確率空間の構造に関する情報は持っているので、全交換戦略ではそれを利用することによってある意味での未開封バージョンとの同等性が示せました。しかし、定数関数でない戦略においては客観確率空間においてプレイヤーの知りうる情報だけからは意味のある結論はおそれく何もでないでしょう。

一方、主観確率では開封バージョンならどんな戦略でもとりあえず期待値は計算できます。
しかし、それが、現実の利得と関係する保証は全くありません。それは全「交換戦略」でも
「特定金額限定の非対称戦略」でも全く変わりありません。

以前、タイトルを挙げた論文

"a concise resolution to the two envelope parodox by Eric Bliss", arciv.org>pdf.

(アドレスは arxiv.org でした、すみません)

のなかに「ベイズ決定理論は(2封筒問題には)全く役に立たない」
という意味の文章がありましたが、私も賛成です。
といっても、実は「ベイズ決定理論」のなんたるかを私は知らないのですが、論文を読むかぎり、上のような主観確率での期待値に基づくアドバイスをさしているようです。


シミュレーション内の封筒の移動は同じだが、平均される封筒数が半分 投稿者:φ 投稿日:2015年12月 9日(水)19時37分53秒 返信・引用

 開封全交換なる「戦略」に二種類ある、というのがご納得いただけないんですよね。

 それ以外は特に対立点が認められないというか、
 とりわけ、ある特定金額一つだけに限定した戦略についてなら、「交換戦略により期待値25%増」ということでεさんと私は意見は一致しているようですね。
 懸案は、25%増の交換戦略をすべての金額について合併する「戦略」についての評価です。

 以下に述べなおす論理は、http://8044.teacup.com/miurat/bbs/4195前後のいくつかのやり取りにおいて、KOTAさんと私の間では同意が成立していた事柄と同じです。(と思います)
(εさんも基本的には同意されることと思うのですが)

 まず確認すべき前提として、
期待値を求めるためのシミュレーションは、「可能なすべての場合の平均」によって行なう、ということ。
 そのような適正なシミュレーションのため、互いに双対プレイヤーであるA、Bを考えましょう。
 任意のプレイヤーは、自分がA、Bどちらであるかわからない場合に限り、「期待値計算のための可能なすべての場合」にはシミュレーション内でA、B両者の身に起こる全出来事が含まれます。
 未開封でゲームを無限回繰り返したとしましょう。
 交換しても、合計金額は変わらないので、A、Bの増額期待値は合わせてゼロです。
 何回繰り返そうが事情は同じ。
 よって、未開封バージョンでは、AもしくはBである任意のプレイヤーの交換行為による増額期待値はゼロです。

 さて、両者が一回ごとに開封してゲームを無限回繰り返したとしましょう。
 未開封の時と、金額の移動は全く同じです。
 A、B各々の主観的確率計算の中では、開封のたびに合計金額が2種類共存することになりますが、実際は1種類しかありません。A側から見た{(a、2a)、(a、a/2)}つまり期待値増が見込まれる個々の場合は、B側から見たらそれぞれ(2a、a)と(a/2、a)のときです。Aは、自分にも同頻度でBと同じことが起こると予測しなければなりません。よって、「可能なすべての場合」に含まれる相手の(2a、a)または(a/2、a)を同時に算入することになります。
 {(a、2a)、(a、a/2)}と{(2a、a)、(a/2、a)}は同じ総額に対応し、交換による期待金額変化は前者がa/4、後者がマイナスa/4で、正確に相殺します。期待値増はゼロです。
 こうして開封の場合も、全額交換となると、未開封バージョンと同じく、期待値増減なしになります。封筒の移動の仕方がすべて同じなのだからもともと当たり前でしたが。
 これが、「【全交換】戦略」を称する②の場合です。
(私がhttp://8044.teacup.com/miurat/bbs/4282で分けhttp://8044.teacup.com/miurat/bbs/4287で追記した①②の②ですね)

 では、特定の金額に限定した場合はなぜ25%増になるのでしょうか。
 それは、双対プレイヤーを勘定に入れることを禁じる形で、シミュレーション内の交換行為に非対称性が保たれるからです。
 A側から見た{(a、2a)、(a、a/2)}での交換はB側から見たらそれぞれ(2a、a)と(a/2、a)での交換です。では(2a、a)と(a/2、a)での交換をAのシミュレーションに算入できるのでしょうか。
 もちろんできません。a以外の金額が手元に来ているのですから、非交換のはずです。ここが上の②と異なります。双対プレイヤー両者の交換行為のうち一方は必ず切り捨てられます。
 期待値計算のシミュレーションに含み入れる試行の数が、②の半分なのです。
 双対プレイヤーが遭遇した事象はすべて排除するところに、期待値25%増を実現する秘訣があるのです。
 そのような「特定金額限定の非対称戦略」をすべての金額について集めたものが、【全交換】戦略ならぬ「全【交換戦略】」①なのです。

 戦略①と戦略②のシミュレーション計算の違いは、①では双対プレイヤーの交換行為をすべて排除しながら一方の交換行為だけで平均値を求めるのに対し、②では可能性の一部を切り捨てることなく双方の全平均をとるということ。

 換言すると、
 ②では、未開封交換バージョンの場合と全く同じ封筒の移動が起こり、数え上げる交換行為の数も同じである。
 ①では、未開封交換バージョンの場合と全く同じ封筒の移動が起こり、数え上げる交換行為の数は半分である。
 平均される封筒の数が異なるので、①と②ではシミュレーションの結果が異なります。封筒全体の移動の仕方は同じであってもです。

 したがって、くどいようですが、①は、「全交換」ではありません。シミュレーション内で為される交換行為のうち半分を切り捨てているからです。
 「特定金額だけで交換し、他の金額では交換しない」という戦略を、すべての「特定の」金額にわたって集めたものが①です。だから全体で一つの戦略ではありません。
 よって「未開封交換」という一つの戦略と同一ではありえず、「未開封交換も25%増になってしまった」というパラドクスは避けられます。

 期待値増を確保するためには、「外部の一方的利益供給源」が存在しなければならない。
 戦略①は、シミュレーションから排除される双対プレイヤーの交換行為という「外部」の犠牲によって利益を得ていました。
 戦略②は、「シミュレーションに動員される可能なすべての場合」に双対プレイヤーの手がすべて入ってしまうので(シミュレーションの中で自分と双対プレイヤーとの区別がないので)、犠牲を強いることのできる「外部」がありません。
 戦略①では期待値25%増になるが、戦略②では未開封バージョン同様期待値増ゼロ、という理由はこのシミュレーションの形の違いに求められます。

 上記の趣旨が、KOTAさんと私の間で同意が成立していた事柄です。(と思います)
 εさんにしても、今までこれに反することを述べていたとは思われませんが。……


Re: 回路が切れている? 投稿者:QB 投稿日:2015年12月 9日(水)15時14分20秒 返信・引用

> No.4303[元記事へ]

ハムさんへのお返事です。

失礼しました。
うっかり途中で書き込んでしまいました。

少し見ないうちに、色々?あったようですね。

> KOTAさんへのお返事です。
>
> 何かを主張したいのならば、しっかりと論拠を示してください。

KOTAさんはちゃんと論拠を示しているじゃありませんか。
引用したあなたの無茶苦茶な文章が明確な論拠です。
それでわからなければおしまいです。

では私もこれで失礼します。


Re: 回路が切れている? 投稿者:QB 投稿日:2015年12月 9日(水)15時07分50秒 返信・引用

> No.4303[元記事へ]

ハムさんへのお返事です。

> KOTAさんへのお返事です。
>
> 何かを主張したいのならば、しっかりと論拠を示してください。
>
>
> 「語りえぬものについては、沈黙しなければならない」by ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタイン(^_^)
>


Re: 回路が切れている? 投稿者:ハム 投稿日:2015年12月 9日(水)11時50分29秒 返信・引用

> No.4302[元記事へ]

KOTAさんへのお返事です。

何かを主張したいのならば、しっかりと論拠を示してください。


「語りえぬものについては、沈黙しなければならない」by ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタイン(^_^)


回路が切れている? 投稿者:KOTA 投稿日:2015年12月 8日(火)19時38分0秒 返信・引用

> No.4300[元記事へ]

ハムさんへのお返事です。

>平均すると、太郎は1.25倍を得、次郎も1.25倍を得ます。
>そうして、太郎と次郎の差はありません。

あのう、大丈夫ですか?
横はいりした私がおろかでした。
もうQBさんに戻します。
といっても、QBさんも書く気力はないかもしれませんが。

φさん、εさん お邪魔して申し訳ありませんでした。



Re: 整理  投稿者:ε 投稿日:2015年12月 8日(火)18時31分40秒 返信・引用

φさんへのお返事です。

2重量化の話はブログの方にまとめて書きます。

>  私の主張では「開封後全交換」戦略と考えられるものには2種類あり、
>  ひとつは、開封後に「期待値計算に従い、この金額のとき【だけ】交換すると得だからこの金額の時【だけ】交換しよう」というメタ戦略を採用した人の期待値計算のシミュレーション内の全選択履歴をすべての金額で合算する計算(その中から事後的に対角線的に拾い上げる)、
>  もうひとつは「開封後に金額を確認した後、「交換する」という判断に一様に従う戦略」です。

>  後者は貞節な戦略としての意味は持つが、全体としての期待値増は成り立たない。
>  というのが http://8044.teacup.com/miurat/bbs/4287 で述べたことです。

この2種類と言うのは、私が考えるに、第1のものがプレイヤーの主観確率による計算、第2が胴元側の(現実の)客観確率による計算という違いで、量化の違いではありません。
量化の話は却下ですが、次のようなことなら、一つの意見として認められるのですが・・

開封バージョンでも、全交換戦略、不交換戦略を考えるときは胴元側の確率空間の未交換バージョンで計算した方がよい。この場合は胴元側の確率空間における必要な情報はプレーヤーの論理的考察でわかるし、未交換バージョンで適用可能な戦略はこの2つだけであり、他の戦略は主観確率で計算するよりないから。

>
>  ただしそこでの書き方が雑だった部分があるので、一部、以下に書き直しましょう。
>
>  >
> > > >  簡略のため2の整数乗の金額ペアだけ考えるとし
> > > >  ここでaをどんどん大きくしていくと、「交換に該当するペア」の数が増えていき、「交換に該当するペアのうち期待値25%増が実現するペアの比率」が小さくなっていきます。a→∞の極限では、その比率はゼロとなり、期待値増の平均値もゼロとなります。
> >
> > あまり本質的ではないイチャモンですが、これは一つの数学の定理の形をしています。証明をお持ちですか?
> >
>
>  交換金額の下限も設けておかないといけませんでした。
>  「ある金額だけで交換」の戦略から、「全交換戦略」を次のようにして構成する感じです。
>  (以下の繰り返し試行モデルはあくまで期待値を求めるためのシミュレーションであり、「全交換戦略を採用するために必要とされるゲームのルール」ではないことにご注意ください。つまり実際にプレイヤーが無数の試行を行うということではありません)

具体化されたことは評価しますが、シミュレーションと言うのは算数で計算できるレベルまで落とさないと意味がありません。コンピュータと言うのは結局そういうものですから。

それから、計算にも問題がありますね。少し詳しく見ていきます。

>  任意の金額から始めますが、まずはたとえば
>  2万≦x≦2万 (すなわちx=2万)だけで交換、あとは非交換
>     交換が起こりうるペア  {1万、2万}{2万、4万}
>     確実に損得を生む交換としては2万→1万、2万→4万だけが存在し、あとは非交換なので、
>     交換による差額期待値は25%増。(25%/1)

ここはOKですが

>
>  1万≦x≦4万 (すなわちx=1万、2万、4万)だけで交換、あとは非交換
>   交換が起こりうるペア  {5千、1万}{1万、2万}{2万、4万}{4万、8万}
>     確実に損得を生む交換は両端の1万→5千、4万→8万だけで実現し、あとは相殺により純益なしか非交換なので、
>     交換による差額期待値増は-50%/6+100%/6=25%/3

この計算がよくわかりません。
簡単のため、すべてのペアが
{5千、1万}{1万、2万}{2万、4万}{4万、8万}
の順番で一回ずつ提示されたものとしましょう。プレイヤーが最初にどちらを選んだかが指定されなければ計算できませんが、1例としてそれぞれ1万、1万、4万、4万の方を選んだとしましょう(もちろんプレイヤーはこのように意図して選ぶことはできません)。すると交換しない場合は1+1+4+4で10万、交換した場合は5千+2万+2万+8万で12万5千円となり、全体で25%増しになっています。これはプレイヤーの主観確率と胴元の客観確率がたまたま一致した場合で、したがって何度も現れる「5/4倍の原理」が成立します。もちろん、プレイヤーの選択が異なれば同じ戦略でも利得は異なり、一般的にどうこう言えないと思います。
いずれにせよ、前にも書いたように、損、得という言葉は対称ですが、同頻度ならば和は決して相殺しないというのは2封筒問題の1つのポイントです。

このあたりも、詳しくはブログの方に書こうと思います。


Re: (a、2a)、(2a、a) 投稿者:ハム 投稿日:2015年12月 8日(火)11時13分51秒 返信・引用

> No.4299[元記事へ]

KOTAさんへのお返事です。

>太郎がx封筒(少ない方)、次郎が2x封筒(多い方)を持ちました。
>(もちろん2人には中身はわかりません。)
>太郎と次郎が封筒を交換したらどうなるか?

>太郎は2倍になり、次郎は1/2倍になります。

これを繰り返した場合、太郎と次郎は平均化されます。
平均すると、太郎は1.25倍を得、次郎も1.25倍を得ます。
そうして、太郎と次郎の差はありません。

ね♪(^_^)


Re: (a、2a)、(2a、a) 投稿者:KOTA 投稿日:2015年12月 7日(月)20時29分40秒 返信・引用

> No.4298[元記事へ]

ハムさんへのお返事です。

ちょっと横からお邪魔します。
もう書き込まないつもりでしたが

>それは、交換による選択側と非選択側の差はゼロだということです。

わかっているようで

>交換の期待値は、1.25倍です↓
>ハム>> 2倍と1/2倍の平均は、(2+1/2)/2= 5/4 ですので、1.25倍ということになります。

全然わかってない。

未開封バージョンの話でしたね。
2つの封筒があって、一方の中身がx、他方の中身が2x
各々の封筒を太郎と次郎が持つことにします。
太郎がx封筒(少ない方)、次郎が2x封筒(多い方)を持ちました。
(もちろん2人には中身はわかりません。)
太郎と次郎が封筒を交換したらどうなるか?

太郎は2倍になり、次郎は1/2倍になります。

ハムさんが計算してるのは、この2倍と1/2倍の平均です。
太郎と次郎という、別人の利得を形式的に足して2で割ってるだけです。
全く何の意味もない計算です。



Re: (a、2a)、(2a、a) 投稿者:ハム 投稿日:2015年12月 7日(月)10時34分34秒 返信・引用

> No.4295[元記事へ]

QBさんへのお返事です。

>すると、選択側の封筒に入っている金額の期待値は
>(x+2x)÷2=1.5x
>となり、非選択側の封筒に入っている金額の期待値は
>(2x+x)÷2=1.5x
>となります。
>交換による期待値はきっかり1倍です。

それは、交換による選択側と非選択側の差はゼロだということです。

交換の期待値は、1.25倍です↓
ハム>> 2倍と1/2倍の平均は、(2+1/2)/2= 5/4 ですので、1.25倍ということになります。


交換による期待値と、選択側と非選択側の差は違います。
この混乱が、2封筒問題のパラドクスのようです。

交換すると1.25倍を得るのだが、このことは双方の封筒についていえるので、封筒間に差はないのです。
この理解ができれば、2封筒問題は解決です。


ブログ再開 投稿者:ε 投稿日:2015年12月 6日(日)22時59分39秒 返信・引用

昔書き込んでいたブログを再開しました。
exblog mathplで検索すれば出てきます。
まだイントロしか書いてないですが・・

ちょっと気になって、two envelope problem でgoogle検索をかけたら物凄い数の記事が出てきました。学術記事でも相当な数です。統計の専門誌にも書いてる人もいるようです。
誰か総合報告か専門書(売れないかもしれないが)を書けば便利でしょうね。φさんご自身でも、あるいはもしマスターの学生でもお持ちならいいテーマと思いますが。

中にタイトルで気になったのがあり、プレプリントサーバーにあったのでダウンロードしてみました。

"a concise resolution to the two envelope parodox by Eric Bliss", arciv.org>pdf.

アブストラクトや結論部を走り読みしたところでは、私の(我々の?)の見方に近いようです。ベイズの主観確率の設定に問題ありという事なので。

読んだらブログの方に解説やコメントを書こうと思います。

こんなことに時間を取られて、レス内容はまだ読んでないです。2、3日内にコメントしますので少しお待ちください。



Re: 整理  投稿者:φ 投稿日:2015年12月 6日(日)17時47分51秒 返信・引用

 いろいろ混乱が生じうる現状ではありますが、
 基本的に、εさんと私との間に意見の重大な相違はないような気がします。
 http://8044.teacup.com/miurat/bbs/4223
 での段階1~結論Cのうち、

 ハムさんと私とは段階1において分岐、
 TTTさんと私とは段階2おいて分岐しているため、ともに興味深い議論へ進みようがないのに対し、
 εさんと私との間には、基本的に「段階5までは真」ということについては同意が成っているからです。
  それでありながら、2封筒問題が解決されると見るか見ないかによって意見の相違があると言えましょうか。

 問題は、「段階6以降が偽」と考えるかどうかですが、
 「∀x∃g(Kx→Tg)ゆえに∃g∀x(Kx→Tg)」が論理的に妥当でない推論である以上、論理的パラドクス性が払拭されていることは間違いないと思います。
 残る問題は、特定の解釈によるgが上記推論を有効たらしめるかどうかです。
同意点「ただ一つの金額についての開封後交換は、期待値25%増」をもとに、そのメカニズムの全金額にわたる総体を、未開封バージョンと同じとみなせるかどうか、ですね。
「開封後全交換」戦略なるものが「未開封交換戦略」と同じだとみなす有意味な解釈が成り立つかどうか。
 もし成り立つなら、「期待値増がないはずの未開封バージョンで期待値増という蒸し返しが有意味となり、パラドクス未解決」となります。
 もし成り立たないなら、パラドクス解決です。

 私の主張では「開封後全交換」戦略と考えられるものには2種類あり、
 ひとつは、開封後に「期待値計算に従い、この金額のとき【だけ】交換すると得だからこの金額の時【だけ】交換しよう」というメタ戦略を採用した人の期待値計算のシミュレーション内の全選択履歴をすべての金額で合算する計算(その中から事後的に対角線的に拾い上げる)、
 もうひとつは「開封後に金額を確認した後、「交換する」という判断に一様に従う戦略」です。
 前者では全体としての非対称性ゆえ期待値増は成り立つが、「【だけ】のロジック」を維持しながら見かけだけ対称的な全交換と見せかけるために恣意的な操作となってしまっており、戦略としての意味を持たない。(「この金額だけ」というなら貞節を貫け!)
 後者は貞節な戦略としての意味は持つが、全体としての期待値増は成り立たない。
 というのが http://8044.teacup.com/miurat/bbs/4287 で述べたことです。

 ただしそこでの書き方が雑だった部分があるので、一部、以下に書き直しましょう。

 >
> > >  簡略のため2の整数乗の金額ペアだけ考えるとし
> > >  ここでaをどんどん大きくしていくと、「交換に該当するペア」の数が増えていき、「交換に該当するペアのうち期待値25%増が実現するペアの比率」が小さくなっていきます。a→∞の極限では、その比率はゼロとなり、期待値増の平均値もゼロとなります。
>
> あまり本質的ではないイチャモンですが、これは一つの数学の定理の形をしています。証明をお持ちですか?
>

 交換金額の下限も設けておかないといけませんでした。
 「ある金額だけで交換」の戦略から、「全交換戦略」を次のようにして構成する感じです。
 (以下の繰り返し試行モデルはあくまで期待値を求めるためのシミュレーションであり、「全交換戦略を採用するために必要とされるゲームのルール」ではないことにご注意ください。つまり実際にプレイヤーが無数の試行を行うということではありません)
 任意の金額から始めますが、まずはたとえば
 2万≦x≦2万 (すなわちx=2万)だけで交換、あとは非交換
    交換が起こりうるペア  {1万、2万}{2万、4万}
    確実に損得を生む交換としては2万→1万、2万→4万だけが存在し、あとは非交換なので、
    交換による差額期待値は25%増。(25%/1)

 1万≦x≦4万 (すなわちx=1万、2万、4万)だけで交換、あとは非交換
  交換が起こりうるペア  {5千、1万}{1万、2万}{2万、4万}{4万、8万}
    確実に損得を生む交換は両端の1万→5千、4万→8万だけで実現し、あとは相殺により純益なしか非交換なので、
    交換による差額期待値増は-50%/6+100%/6=25%/3

 5千≦x≦8万 だけで交換、あとは非交換
  交換が起こりうるペア  {2500、5千}{5千、1万}{1万、2万}{2万、4万}{4万、8万}{8万、16万}
    確実に損得を生む交換は両端の5千→2500、8万→16万だけで実現し、あとは相殺により純益なしか非交換なので、
    交換による差額期待値増は-50%/10+100%/10=25%/5

 (2のb乗)万≦x≦(2のa乗)万 だけで交換、あとは非交換 (a、bは整数)
  b→-∞ a→∞ の極限では、交換による差額期待値増は-50%/∞+100%/∞=0%
  という理屈です。

 ただしこの計算は、両端でのみ開封バージョンの計算を適用し、中間ではすべて未開封バージョンの計算を適用しているため、意味がないと批判される恐れはありそうですね。
 全交換なので金額は特定されておらず、かつ中間部においては「交換により特定の金額kを手放す場合と得る場合とが厳密に同頻度で起こる」という理屈は盤石ですから、問題ないとは思うのですが。

◎お久しぶりですさん

 匿名だし、おいでいただいたという記録のためにこのままにさせてください。


Re: (a、2a)、(2a、a) 投稿者:QB 投稿日:2015年12月 6日(日)10時51分26秒 返信・引用

> No.4294[元記事へ]

ハムさんへのお返事です。

>ですが、結果は変りません。
> 平均すると、交換の期待値は1.25倍です。

それはおかしいですね。
(選択側の封筒、非選択側の封筒)
と書くのがルールでしたね。
選択側の封筒がどちらか(金額の大小)がわからないので
(x、2x)、(2x、x)
と書いたわけでしょう。
すると、選択側の封筒に入っている金額の期待値は
(x+2x)÷2=1.5x
となり、非選択側の封筒に入っている金額の期待値は
(2x+x)÷2=1.5x
となります。
交換による期待値はきっかり1倍です。



Re: (a、2a)、(2a、a) 投稿者:ハム 投稿日:2015年12月 6日(日)08時12分28秒 返信・引用

> No.4293[元記事へ]

> (a、2a)、(2a、a)と定義した場合の交換の期待値は、
>
> aのときの交換の期待値は、2aなので、2倍。
> 2aのときの交換の期待値は、aなので、1/2倍。
>
> 2倍と1/2倍の平均は、(2+1/2)/2= 5/4 ですので、1.25倍ということになります。

(x、2x)、(2x、x) という定義は、未だ選択されていないときの定義です。
こう定義すると、選択した方をx、2xといちいち場合分けして議論しなければならず計算が煩雑になり、間違いのもとです。

ですが、結果は変りません。
平均すると、交換の期待値は1.25倍です。

そもそも、選択された後もなお、(x、2x)、(2x、x) と定義するのは、なるべく主観を排除しようという客観主義、客観原理主義(テロ?)のような感じがします。
行き過ぎた観測選択効果排除主義です。
観測選択効果から人間原理が生れたように、2封筒問題は選択によって存在するような構造をしていなければならない、というわけです(^_^)



(a、2a)、(2a、a) 投稿者:ハム 投稿日:2015年12月 5日(土)13時58分53秒 返信・引用

(a、2a)、(2a、a)と定義した場合の交換の期待値は、

aのときの交換の期待値は、2aなので、2倍。
2aのときの交換の期待値は、aなので、1/2倍。

2倍と1/2倍の平均は、(2+1/2)/2= 5/4 ですので、1.25倍ということになります。


整理 投稿者:ε 投稿日:2015年12月 5日(土)08時51分30秒 返信・引用

昨日はつい興奮してゴチャゴチャ書いてしまいました。要点は開封して4万円だったとき
1.未開封バージョンと同じなら交換してもしなくても利得は同じはず
2.一方で交換しない場合の利得は4万円とすでにわかっている(実際には見ているから)
3.従って開封してない封筒の期待値も4万円でなければならない
4.それは不可能
という事です。



Re: (無題) 投稿者:お久しぶりです 投稿日:2015年12月 5日(土)01時58分37秒 返信・引用

お久しぶりですさんへのお返事です。

> こちらは承認後の投稿閲覧可
> ですか?

…違うみたいですね。。

大変失礼しました、削除の仕方がわからないので、管理者から消してください(*_*;

お久に先生と話したくなり投稿してしまいました…5年前にお世話になった和洋生でした。

お邪魔しました汗


(無題) 投稿者:お久しぶりです 投稿日:2015年12月 5日(土)01時50分14秒 返信・引用

こちらは承認後の投稿閲覧可
ですか?


Re: 未開封バージョンと全交換との違い 投稿者:ε 投稿日:2015年12月 5日(土)00時57分50秒 返信・引用

φさんへのお返事です。

実際には自己レスです。少し理解して頂いたようなので
補足します。
> φさんへのお返事です。
>
> > εさんへのお返事です。
> >
> > 正直、よくわかりません。
> > 一歩も進んでいないような気がしますが。
> >
> > >
> > > 具体例として、開封して4万円入っていたとしましょう。すると胴元は
> > > ①{4万、8万}
> > > ②{4万、2万}
> > > のどちらかを提示したことになります。未開封では前者の期待値は交換、非交換にかかわらず6万、後者も交換、非交換にかかわらず3万となります。
> > >・・・・・・
> >
> >  ↑等々・・・というεさんの説明全体を、4万ではなくxで「開封してx円が入っていたとしましょう」と変数で繰り返せば、「未開封で交換して期待値アップ」に逆戻りしてしまいませんか?
> >
>
> 基本的には同じ話です。ただ、「未開封バージョンと同等」という言葉を見て、それならその未開封バージョンでの期待値を計算してみようと思ったのです。
> すると、常識的に考えうる未開封バージョンでは開封バージョンと期待値が一致せず、決して同等にはならないとわかったので、「開封バージョンは(例え全交換戦略をとったとしても)未開封バージョンと同等になることはない」というのが私の結論で、この手の話はすべてカットできることがわかったというわけです。
>
> >  金額を特定することがなぜ重要か、特定された金額をすべて集めると、未特定の金額全体に対してとは異なる期待値計算が成り立つのはなぜかを説明しないと、解決しないと思います。

Ω={W_a;aは実数}.はφさんの主観確率の考え方を忠実に再現したもので、金額aを見たときに世界W_aが選ばれるだけ、次に金額bならW_bで何回(一回きりでも)繰り返しても毎回がそれで完結しています。

> > 2階の戦略(メタ戦略)は戦略とは言えない(少なくとも期待値を云々できるような、一貫した確率空間に基づく戦略とは言えない)というのが私の考えですが。

一貫した確率空間ではありません。主観確率の場合、上のように一回毎に別々の確率空間です。可能世界の集合は同じですが。
>
> メタという言い方をほかのところで使ったのが思わぬ誤解を与えたかもしれません。
> 戦略を正の実数上の2値関数と見るのは、以前にΦさんに賛成していただけたと思うのですが。
> Uだけを特別扱いする理由がわかりません。非常に簡単な定数関数(どんな実数に対して1(交換)という値をとる)なのですから。
> > >
>
> (*)
> > > 例えば1万円以下なら常に交換、それを越えたら不交換という戦略はどうでしょう。前はこの種のものを認められていたと思いますが、これだと1000円でも2000円でも
> > > 交換するので規則に反すると思いますが。


@xをみて交換し、その交換した封筒の金額を見てそれによって・・・


などというのはプレイ以前に確定してないので戦略とは認められません。

戦略@がダメな理由はプレイヤーにはプレイ以前に知りようがない「あっち」の封筒の内容に依存しているからで、xは可能世界の標識として現れているから戦略定義に使えるのです。
>
>
> 上の戦略ではa=1000にとすると1000円で交換、2aの2000円でも交換なのでΦさんの条件に反すると思ったのです。
> >  簡略のため2の整数乗の金額ペアだけ考えるとし
> >  ここでaをどんどん大きくしていくと、「交換に該当するペア」の数が増えていき、「交換に該当するペアのうち期待値25%増が実現するペアの比率」が小さくなっていきます。a→∞の極限では、その比率はゼロとなり、期待値増の平均値もゼロとなります。

あまり本質的ではないイチャモンですが、これは一つの数学の定理の形をしています。証明をお持ちですか?

> >  これが、全交換戦略で〈交換による期待値増はゼロ〉という意味の一つの捉え方でしょう。
> >
> > >
> > > ためしにおそらくわれわれの見解が一致している一度きりのプレイの場合にφさんの理論を適用してみてください。一度きりでは不都合ならば、何回くらいのプレイからなら適用できますか?
> > >
> >
> > 1つの可能世界では一度だけ交換し、それを無数の¥
> >  この点で戦略uが曖昧だと思われるのです。
> >  a円が来た世界でf_aを用いるというように、たまたま来たaに合わせてその世界で採用する戦略を変えてゆく、というメタ戦略(二階の戦略、対角線戦略)がuですよね。

上に述べたように、aに依存するのはプレイ以前に定義できるので良いのです。

> >
> >  そこで私が前回書いた①②ですが、
> >
> > >
> > > 「開封バージョン・全金額にわたる交換戦略」として可能なのは二つの種類があります。期待値を求めるときの適切なシミュレーションが異なるのです。
> > >   ① 前者の25%増戦略を個々別々に合わせて全体を構成すること。この合成では、例えば一万円が来て交換するという場合も含むし、一万円が来て交換しないという場合も含みます。交換するのはf_1万の戦略としてであり、交換しないのはたとえばf_2万の戦略としてです。
> > >   ② 後者の期待値増減なし戦略をそのまま考えること。この場合は、一万円が来たとき常に交換であり、交換しないという場合は含まれません。
> > >>>
> > > >>> で、①の戦略がどういう意味かわかりません。上のような一つの関数gとしては表現できないものですか?
> > >>>
> >
> >  εさんが「全交換」と称して提示するメタ戦略uは、交換による期待値増を主張する限り、①の意味でなければなりませんね。
> >  ②はメタ戦略ではなく、普通の戦略です。単に「何が手もとに来ようがチラ見しただけで交換」というやり方ですよね。前述のa→∞の極限としての全交換戦略も②です。
> >  一方、①は、見た金額を尊重します。金額によって戦略を変えます。
> >  1万円が来れば1万円だけを交換するf_1万戦略を。5億円が来れば5億円だけを交換するf_5億戦略を。
> >  各々の「だけ」の部分が期待値増のカギです。
> >  「だけ」を生かしながら全体を構成する、というやり方ですから、「全交換」とは異なりますね。
> >  つまり、f_a戦略(メタでない戦略としての)には、めでたく交換できる場合のみならず、a以外が来たために交換しない、という可能的場合が含まれるわけです。あるいは、aが来たけれどf_a戦略以外を採用したために交換できない、という可能的場合も含まれます。
> >  ①というメタ戦略のもとには、下位の戦略における大多数の可能世界、つまり戦略f_xと開封金額yとの関係がx≠yである場合、つまり交換できない諸可能世界が含まれます。交換と不交換が混在しているからこそ非対称性ゆえ期待値増が生まれるのですから。
> >  そのような「合法的には交換が成立しない諸世界」を擁しながら後からばっさり切り捨てて、交換が成立した世界だけを対角線的に集め直したのがuということになります。いいとこどりですね。自分がどの下位戦略を採用すべきなのかは金額を見るまで(可能世界が決まるまで)分かりません。
> >  つまり①では、交換はしたが実は間違っていた、という場合もありえます。
> >  たとえば、封筒内金額を1万円だと思い、それに応じてf_1万戦略を採用して交換しようとしたが、よく見たら金額は5万だったという場合。間違いに気づいた時点で、交換を撤回するか、戦略変更を申請するかしなければなりません。

ここまで来ると正気ですか?と疑ってしまいます。関数値を間違えて計算したのならやり直せばいい。これはプレイヤーでなく理論を考えている我々の問題だからです。下にも書きましたが、アキレスが進むのに合わせて計算しているようなものです。


uの趣旨からして必ず後者が選ばれますが、論理的には選択肢に直面するわけです(uでないもともとの開封バージョン交換戦略でも後者が選ばれそうですが、それは期待値計算をやり直すからであって、uのように対角線一括戦略に従うからではありません)。u特有のこのアドホック措置が必要とされるからこそ、いちおう各金額ごとに選択的な戦略であるという建前は残しており、だからこそ期待値25パーセント増を主張できるのです。
> >  しかしこの「後出しじゃんけん性」ゆえに、このメタ戦略(2階の戦略)は、十全な意味での戦略とは言えまい、と私は思います(uでないもともとの開封バー

もう一度繰り返します。

> U(x):すべての実数xについてU(x)=1

これで両方満足しているでしょう。

違いを
数式や論理式で書いて区別できますか?この程度の意味論の違いがシンタックスで表現できなければ数学も論理学も物の役に立たないですよ。
>
> これは印象ですが、やはりΦさんは「開封バージョンでの全交換戦略は未開封と同等」という(誤った)主張にとらわれて、「戦略」とか「量化」に必要以上に過敏に区別しようとされているような気がします。だいたい「チラ見しただけ」などという条件を考慮しなければならないのなら数学も論理も使い物にならないと思うのですが。

いや、もう同じことを言ってました(苦笑)

> >
> >  ①を十全な意味で「戦略」と呼んでよいとする立場もあるでしょう。
> >  あらゆる可能世界の中から、首尾よく交換できた世界だけを選ぶ、換言すれば
> >  あらゆるf_a戦略の実践から、期待値増に貢献した部分だけを選び、それらをあとから対角線上にツギハギして見かけ上戦略であるものを構成することは確かにできますし、アルゴリズムとして書き下すことはできるのですから。
> >  しかしそういう「戦略」は、サイコロの目が出てから「賭ける目」を決める戦略のようなもので、トリビアルな意味で戦略と言えるにすぎません。

そうではないです。上に書いたようなプレイ以前に定義できないのはここで言う戦略ではないですが、xの値は使っていいのです。
ついでに言うとトリビアルとは数学では自明に正しいことを言います。証明が簡単すぎて「瑣末」というだけで重要な命題である事も少なくないです。今まで見た限りでは英米の分析哲学者は必ずこの意味で使っていますが、和訳で訳が分からなくなっているものが多いです。
いまちょっと具体例を挙げる事はできませんが。
> >  よって、単にトリビアルな意味で①を戦略と認め、「見かけ上全交換になっている戦略で期待値25%増が実現できた」と認めるだけでいいなら、まあ私も賛成です。
> >  しかしそれは全交換ではないのです。あるいは、期待値増を生む全交換としては一つの戦略ではないのです。本来、交換できなかったはずの膨大な可能的場合(期待値増を生むのに必要な地)を人為的に削除して、都合の良い部分だけを切り貼りした合成体にすぎませんから。
> >  全交換性、期待値増、一つの統一的戦略、この3つの性質は整合的に保持されえないということですね。
> >
> >  ②にはそういう人為性はありません。よって形だけでない実質的な戦略です。
> >  ただし、未開封交換戦略と同様、期待値25%増を実現することはできませんね。(くどいようですが、全金額とせず一つの金額に限るなら、どの金額でも期待値25%増です)
> >
> >  結局、①を戦略と認めたとしても、未開封バージョンとは全然違うのだから(これはεさんと同意見でしょう)、「期待値増のないはずの未開封バージョンでやはり期待値25%アップになってしまう」というパラドクスは生じないわけです。
> >  ②は期待値25%アップにならないのでパラドクスを生じませんしね。
> >
> >  私はもともと、開封してからの全交換は、損得が等頻度で現れて相殺するのが自明だから未開封バージョンと同じ、という前提で話をしていました。

ちょっと補足して繰り返します。

これもちょっと問題発言です。開封バージョンで損得が本当に等頻度で現れたら決して相殺しないというのが2封筒パラドックスの要点ですから。得する場合はa、損する場合はa/2だからです。

自明と思われても数値例を計算、提示することをお勧めします。数学者は日常的にそうしてますし、哲学者だってそうして悪いわけはないでしょう。


> >  しかしそれが「自明でない」という立場ももちろんあり、それはεさんの対角線戦略ですが(期待値25%増を実現する金額別戦略の断片をかき集めて「全体」をでっちあげるやり方)、それを「全交換戦略」と呼んで、未開封バージョンとの相違を「金額を見る・見ない」だけに集約してそこが期待値論理の違いを生んだかのように曖昧化するのはやはり誤りでしょう。①では全交換戦略と違って交換しない大多数の可能的場合を切り捨てているのだという大きな違いを隠蔽してしまうので。

一般論「二重量化レス」ではこの部分で選択公理を使わざるを得ないでしょう。然し、何度も繰り返しますがU(x)は単純極まる具体的な関数です。それをわざわざ複雑に考えるのは、アキレスと亀の問題で無限小数が出てくるからと言って無理数論と結びつけて訳の分からない議論をしていた故O森さん
(いや、全然仮名になってないって、笑)レベルの誤謬です。だって分母が2のベキ(速度が2倍のとき)と1という
簡単極まる有理数しか出てこないんですから。

もどかしすぎて、激してしまったようです。
失礼があればお許しください。

ベッドの中で簡単に返信と寝モバで書き始めたら長くなってしまいました。もう整形する気力がないので読みにくいと思いますがこのまま送信します。

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Re: 未開封バージョンと全交換との違い 投稿者:φ 投稿日:2015年12月 4日(金)14時46分28秒 返信・引用

> No.4286[元記事へ]

εさんへのお返事です。

正直、よくわかりません。
一歩も進んでいないような気がしますが。

>
> 具体例として、開封して4万円入っていたとしましょう。すると胴元は
> ①{4万、8万}
> ②{4万、2万}
> のどちらかを提示したことになります。未開封では前者の期待値は交換、非交換にかかわらず6万、後者も交換、非交換にかかわらず3万となります。
>・・・・・・

 ↑等々・・・というεさんの説明全体を、4万ではなくxで「開封してx円が入っていたとしましょう」と変数で繰り返せば、「未開封で交換して期待値アップ」に逆戻りしてしまいませんか?

 金額を特定することがなぜ重要か、特定された金額をすべて集めると、未特定の金額全体に対してとは異なる期待値計算が成り立つのはなぜかを説明しないと、解決しないと思います。

>
> あれほど「2階の量化」に限定した話ですとことわったのですが・・その例はとうに了解しております。
>

2階の戦略も戦略なのか、という問題になりますかね。
2階の戦略(メタ戦略)は戦略とは言えない(少なくとも期待値を云々できるような、一貫した確率空間に基づく戦略とは言えない)というのが私の考えですが。……理由はあとで述べます。

>
> 例えば1万円以下なら常に交換、それを越えたら不交換という戦略はどうでしょう。前はこの種のものを認められていたと思いますが、これだと1000円でも2000円でも
> 交換するので規則に反すると思いますが。
>

 その場合はa=1万と解釈できるでしょうね。a/2以下で交換するかしないかは論点にとって本質的でないと思われるので。
 とりあえず交換金額に上限があれば、いずれかの金額aでf_aはf_2aを兼ねることができなくなり、それゆえにシミュレーション内で純益を出せます。
 簡略のため2の整数乗の金額ペアだけ考えるとして、「a円以下なら常に交換、それを越えたら不交換」という戦略では、最終的にaが手元に残ることは決してないという非対称が実現できます。(a、2a)での得が(2a、a)での損によって(この両者は客観的に等確率)打ち消されずに済みますから、その部分でのみ純益が出て、期待値増となります。
 ここでaをどんどん大きくしていくと、「交換に該当するペア」の数が増えていき、「交換に該当するペアのうち期待値25%増が実現するペアの比率」が小さくなっていきます。a→∞の極限では、その比率はゼロとなり、期待値増の平均値もゼロとなります。
 これが、全交換戦略で〈交換による期待値増はゼロ〉という意味の一つの捉え方でしょう。

>
> ためしにおそらくわれわれの見解が一致している一度きりのプレイの場合にφさんの理論を適用してみてください。一度きりでは不都合ならば、何回くらいのプレイからなら適用できますか?
>

1つの可能世界では一度だけ交換し、それを無数の可能世界で平均して期待値を求める、というのが基本でしたよね。
 この点で戦略uが曖昧だと思われるのです。
 a円が来た世界でf_aを用いるというように、たまたま来たaに合わせてその世界で採用する戦略を変えてゆく、というメタ戦略(二階の戦略、対角線戦略)がuですよね。

 そこで私が前回書いた①②ですが、

>
> 「開封バージョン・全金額にわたる交換戦略」として可能なのは二つの種類があります。期待値を求めるときの適切なシミュレーションが異なるのです。
>   ① 前者の25%増戦略を個々別々に合わせて全体を構成すること。この合成では、例えば一万円が来て交換するという場合も含むし、一万円が来て交換しないという場合も含みます。交換するのはf_1万の戦略としてであり、交換しないのはたとえばf_2万の戦略としてです。
>   ② 後者の期待値増減なし戦略をそのまま考えること。この場合は、一万円が来たとき常に交換であり、交換しないという場合は含まれません。
>>>
> >>> で、①の戦略がどういう意味かわかりません。上のような一つの関数gとしては表現できないものですか?
>>>

 εさんが「全交換」と称して提示するメタ戦略uは、交換による期待値増を主張する限り、①の意味でなければなりませんね。
 ②はメタ戦略ではなく、普通の戦略です。単に「何が手もとに来ようがチラ見しただけで交換」というやり方ですよね。前述のa→∞の極限としての全交換戦略も②です。
 それは紛れもなく全交換であり、未開封のまま交換するということと同じです。

 一方、①は、見た金額を尊重します。金額によって戦略を変えます。
 1万円が来れば1万円だけを交換するf_1万戦略を。5億円が来れば5億円だけを交換するf_5億戦略を。
 各々の「だけ」の部分が期待値増のカギです。
 「だけ」を生かしながら全体を構成する、というやり方ですから、「全交換」とは異なりますね。
 つまり、f_a戦略(メタでない戦略としての)には、めでたく交換できる場合のみならず、a以外が来たために交換しない、という可能的場合が含まれるわけです。あるいは、aが来たけれどf_a戦略以外を採用したために交換できない、という可能的場合も含まれます。
 ①というメタ戦略のもとには、下位の戦略における大多数の可能世界、つまり戦略f_xと開封金額yとの関係がx≠yである場合、つまり交換できない諸可能世界が含まれます。交換と不交換が混在しているからこそ非対称性ゆえ期待値増が生まれるのですから。
 そのような「合法的には交換が成立しない諸世界」を擁しながら後からばっさり切り捨てて、交換が成立した世界だけを対角線的に集め直したのがuということになります。いいとこどりですね。自分がどの下位戦略を採用すべきなのかは金額を見るまで(可能世界が決まるまで)分かりません。
 つまり①では、交換はしたが実は間違っていた、という場合もありえます。
 たとえば、封筒内金額を1万円だと思い、それに応じてf_1万戦略を採用して交換しようとしたが、よく見たら金額は5万だったという場合。間違いに気づいた時点で、交換を撤回するか、戦略変更を申請するかしなければなりません。uの趣旨からして必ず後者が選ばれますが、論理的には選択肢に直面するわけです(uでないもともとの開封バージョン交換戦略でも後者が選ばれそうですが、それは期待値計算をやり直すからであって、uのように対角線一括戦略に従うからではありません)。u特有のこのアドホック措置が必要とされるからこそ、いちおう各金額ごとに選択的な戦略であるという建前は残しており、だからこそ期待値25パーセント増を主張できるのです。
 しかしこの「後出しじゃんけん性」ゆえに、このメタ戦略(2階の戦略)は、十全な意味での戦略とは言えまい、と私は思います(uでないもともとの開封バージョン交換戦略では、「たった一つの個別の期待値計算」という一貫した戦略性が認められますが)。
 他方、②では、「全交換」という方法をあらかじめ決めているので、交換さえすれば②という戦略を逸脱することはありません。金額を見間違えていても、何の訂正も要らず、そのまま通用します。
 未開封の場合と同じです。

 ①を十全な意味で「戦略」と呼んでよいとする立場もあるでしょう。
 あらゆる可能世界の中から、首尾よく交換できた世界だけを選ぶ、換言すれば
 あらゆるf_a戦略の実践から、期待値増に貢献した部分だけを選び、それらをあとから対角線上にツギハギして見かけ上戦略であるものを構成することは確かにできますし、アルゴリズムとして書き下すことはできるのですから。
 しかしそういう「戦略」は、サイコロの目が出てから「賭ける目」を決める戦略のようなもので、トリビアルな意味で戦略と言えるにすぎません。
 よって、単にトリビアルな意味で①を戦略と認め、「見かけ上全交換になっている戦略で期待値25%増が実現できた」と認めるだけでいいなら、まあ私も賛成です。
 しかしそれは全交換ではないのです。あるいは、期待値増を生む全交換としては一つの戦略ではないのです。本来、交換できなかったはずの膨大な可能的場合(期待値増を生むのに必要な地)を人為的に削除して、都合の良い部分だけを切り貼りした合成体にすぎませんから。
 全交換性、期待値増、一つの統一的戦略、この3つの性質は整合的に保持されえないということですね。

 ②にはそういう人為性はありません。よって形だけでない実質的な戦略です。
 ただし、未開封交換戦略と同様、期待値25%増を実現することはできませんね。(くどいようですが、全金額とせず一つの金額に限るなら、どの金額でも期待値25%増です)

 結局、①を戦略と認めたとしても、未開封バージョンとは全然違うのだから(これはεさんと同意見でしょう)、「期待値増のないはずの未開封バージョンでやはり期待値25%アップになってしまう」というパラドクスは生じないわけです。
 ②は期待値25%アップにならないのでパラドクスを生じませんしね。

 私はもともと、開封してからの全交換は、損得が等頻度で現れて相殺するのが自明だから未開封バージョンと同じ、という前提で話をしていました。
 しかしそれが「自明でない」という立場ももちろんあり、それはεさんの対角線戦略ですが(期待値25%増を実現する金額別戦略の断片をかき集めて「全体」をでっちあげるやり方)、それを「全交換戦略」と呼んで、未開封バージョンとの相違を「金額を見る・見ない」だけに集約してそこが期待値論理の違いを生んだかのように曖昧化するのはやはり誤りでしょう。①では全交換戦略と違って交換しない大多数の可能的場合を切り捨てているのだという大きな違いを隠蔽してしまうので。
 前も言ったように、期待値増の①は「【全交換】戦略」ではなく、「全【交換戦略】」なのです。
 ∃g∀xと∀x∃gに即して言うなら、①は「【全交換】という個別戦略」ではなく、「全ての【個別交換戦略】」なのです。


未開封バージョンと全交換との違い 投稿者:ε 投稿日:2015年12月 4日(金)00時42分48秒 返信・引用

私も勘違いしていたのですが、問題は主観、客観確率ではなく、また二重量化の問題でもないことがわかりました。φさんの言われるように、全交換戦略を取るときには、開封しても未開封でも同等のような気がしていたので不思議でしたが、今まで理由がよくわからなかったのです。

結論は直感的に言うと、未開封バージョンの平均値(これは交換しても不変)より、開封して実際に知っているこちらの封筒の値の方が少し低いのです。したがってあちらの封筒の期待値の方が高くならなくてはならない。つまり期待値に関して開封した全交換戦略と未開封バージョンとははっきりとした違いがあり、同等ではないといえると思います。

以下の議論でわかるように全交換かどうかは実は問題でなく、その場合に交換するかどうかだけが問題です。全交換戦略を特に区別する必要はなくなるわけです。

これを1回限りのプレイの場合に開封からそれ以前の未開封の状態を推察するという方法で検討してみます。おそらく主観確率の方法にもかなっているでしょう。

具体例として、開封して4万円入っていたとしましょう。すると胴元は
①{4万、8万}
②{4万、2万}
のどちらかを提示したことになります。未開封では前者の期待値は交換、非交換にかかわらず6万、後者も交換、非交換にかかわらず3万となります。
さて、現在の封筒の金額がすでに4万と知っているのだから、交換して期待値の変化がないということは交換したときの期待値が4万ということになりますが、どちらも異なります。

もう少し考察を進めると、上の場合、未開封バージョンの確率空間をすべて書き上げると順序対で
{(4,8),(8,4),(4,2),(2,4)}(万は省略)となり、これは(こちら、あちら)というペアなのですべての点に主観的確率の方法に従って等確率1/4を与えると、期待値はどちらも4万5千円となり、開封バージョンで実際にこちらの封筒に入っている金額より少し多くなります。そして「こっち」に4万入っているという条件化で「あっち」の封筒の期待値はというと、今までの計算どおり1.25倍の5万となります。

これは主観確率による計算なので、客観確率のある場合はどちらかの非順序ペアが欠けていたり、等確率でなかったりいろいろありうるでしょうが、No.4277の私の疑問点で言えば3.が問題だったわけで、とりあえず私にとっては謎が解けたことになります。


Re: 2重量化の問題 投稿者:ハム 投稿日:2015年12月 3日(木)15時33分27秒 返信・引用

> No.4282[元記事へ]

φさんへのお返事です。

> シミュレーションをしてみればわかりますが、前者は(ほとんどの場合は交換せず特定金額だけで交換するので)交換の場合でみれば期待値25%増、後者は未開封バージョンと同じで見境なく交換して期待値増なしです。

期待値
2円のときは、2.5円
3円のときは、3.75円
4円のときは、5円




同じ金額が繰り返し出るならば、期待値を期待できます。
つまり、永遠と繰り返す場合は、全交換で1.25倍を得られます。
左右の封筒で差がないということと、混同しないようにお願いします。


私の見解 投稿者:ε 投稿日:2015年12月 3日(木)01時41分7秒 返信・引用

私の見立ては、やはりφさんが主観確率と客観確率を混同している、というよりは、開封バージョンではプレイヤーの主観確率による期待値計算のみが問題であるのに、客観確率への願慮を(多分)無意識に行っている、それは全交換戦略、全非交換戦略を使うと実質的に未開封バージョンになるから交換と非交換との差はなくなるはずだ、という思い込みです。
シミュレーションなど客観確率のある場合、それによる期待値計算なら確かにそうなるかもしれません(いや、下に書いたようにいろいろな場合が生じると思いますが。)
しかしもともとプレイヤーの主観確率の世界の中だけの話をしているので、実際のゲームやシミュレーションの結果とは無関係で構わないのです。
また、反対側の封筒を開封する仮想または現実のプレイヤーを双対プレーヤーと呼ぶことにすると、双対プレイヤーとの期待値計算が異なっていても構わない、それは一言で言えば確率空間が異なる、「信念が異なるから」です。もちろん、確率空間の設定以後は単なる確率計算だから、でたらめな信念というわけでもありませんが。

ためしにおそらくわれわれの見解が一致している一度きりのプレイの場合にφさんの理論を適用してみてください。一度きりでは不都合ならば、何回くらいのプレイからなら適用できますか?
おそらくこのあたりから論理展開にねじれが生じ、その原因を二重量化の交換に求めたため「すべて」と「任意」に関する奇怪な見解、用語法に至ったというものです。

上のは私のおおざっぱな見込みを書いただけなので、思わぬ間違いがあるかもしれません。
これからφさんの解説により密着して、いくつか質問をして検証していきたいと思います。

まず、一部繰り返しになりますが記号の意味を整理しておきます(多少変更してあります)。”2重量化のレス”の記号は、あくまで一方の変数が関数であるとき、2重量化の交換ができる場合があることをわかりやすく示すためのもので、2封筒問題にそのまま使うと誤解を生じるおそれがあります。φさんにも若干誤解されている節があるように思いますので。

考えている可能世界の集合は、Ω={W_a;aは正の実数}という集合族、その元はW_a={(a,2a),(a,a/2)}という2点からなる集合にP((a,2a))=P((a,a/2))=1/2という確率を与えた確率空間。解釈は、プレイヤーが開封した封筒にa円入っているのを見て設定したプレイヤーの主観的確率の空間です。

戦略gとは、Ω上の関数ですが、W_aには一意的なパラメータaがついているので、正の実数全体の集合上で定義された関数とみなしてよく、その値は1か0,解釈はg(a)=1のとき、可能世界W_aにおいて封筒を交換し、g(a)=0のとき交換しないという意味です。

また、p(g,x)は、(可能世界W_xで戦略g(x)を行使したときの期待値)/x=1.25という命題で、Q(1,x)=T(真)、Q(0,x)=F(偽)という2変数述語を使ってp(g,x)=Q(g(x),x)と表現されます。

さて、この記号の元でφさんの記号での戦略は

f_1万(x):x=1万のときだけ関数値は1,それ以外は0
U(x):任意のxの値に対し、関数値は常に1

となると思いますが、ここまでは私の定義で捉えることができます。しかし

> つまり、
「開封バージョン・全金額にわたる交換戦略」として可能なのは二つの種類があります。期待値を求めるときの適切なシミュレーションが異なるのです。
  ① 前者の25%増戦略を個々別々に合わせて全体を構成すること。この合成では、例えば一万円が来て交換するという場合も含むし、一万円が来て交換しないという場合も含みます。交換するのはf_1万の戦略としてであり、交換しないのはたとえばf_2万の戦略としてです。
  ② 後者の期待値増減なし戦略をそのまま考えること。この場合は、一万円が来たとき常に交換であり、交換しないという場合は含まれません。

で、①の戦略がどういう意味かわかりません。上のような一つの関数gとしては表現できないものですか?


> シミュレーションをしてみればわかりますが、前者は(ほとんどの場合は交換せず特定金額だけで交換するので)交換の場合でみれば期待値25%増、後者は未開封バージョンと同じで見境なく交換して期待値増なしです。

これはさまざまな場合があり、たとえ客観確率の空間での計算でも一概にこうは言えないと思います。シミュレーションの数値例があればお示しください。私はかなり前のレスで、ごく簡単なものですが数値例を示していたと思います。ただ、当然のことですが数値例を示すときは開封バージョンの全交換戦略の期待値などは定義どおり計算することができるので、そうしないとだめです。いきなり未開封バージョンと一致するからといってそちらの計算だけを示したのでは意味がありません。

*主観確率だけによる計算は、信念の論理との関係など哲学的な興味は多少あっても、何の仮定もなければ、何度繰り返しても一回きりのプレイが新たに延々と繰り返されるだけで、現実の期待値増や利得増とは関係のない主観的期待値が次々と生まれるだけで、一言で言って面白くないのです。必要な仮定とはもちろん、主観確率と客観確率がある程度整合的であるということで、φさんもおそらくハムさんも少なくとも無意識にこういうことをお考えなのだと思います。



Re: 2重量化の問題 投稿者:ε 投稿日:2015年12月 2日(水)20時34分19秒 返信・引用

φさんへのお返事です。
移動中、iPhoneなので即答できる部分だけに返信します。

> εさんへのお返事です。
>
> さしあたり1と3にだけお答えしましょう。
>
> 1
> 形式的にはもちろん問題ないと思いますが、意味が感じられません。
> とくにuが無意味な構成物になっているようです。
> 例えば次のような構成に意味があるでしょうか?
>
> A どの職業に関しても、それを本務とする人がいる
> B すべての職業を本務とする人がいる
>
>  AからBを導出できるようにするため、「人」を次のように定義しなおしてみます。
>  医師が話題になるときはある医師を、教師が話題になるときはある教師を、パイロットが話題になるときはあるパイロットを指定して、話題ごとにそのつど当該人物に成り代わるような合成体を「一人の人」と見なすことにしよう。これでAからBが導けます。あるいはもっと簡単に、すべての人を合わせた集合体を一個の人とみなせば、AからBが導けます。
>  しかしそのためには、人間のキメラ的合成体や抽象的集合体が「人」であるという偽なる命題を前提しなければなりません。
>  あるいは、合成体や集合体を人と認めたとしても、そのような「人」は通常の意味で個々の職務を合法的に果たしているとは言えませんから(そもそも何ぴとも、医師とパイロットと警察官と銀行頭取を本務として兼業することはできない)、AからBが導けるというのは虚構の法律のもとでだけです。
>

あれほど「2階の量化」に限定した話ですとことわったのですが・・その例はとうに了解しております。
ちなみに大学教授兼小説家というのはあるようですけど(笑、気に触ったらごめんなさい)

>  戦略についても同じことが言えます。
>  f_aは、aから得を引き出す(Pを満たす)戦略ですが、その必要条件として、f_aはf_2aを兼ねることはできません。せっかくaを手放して得をしても、同じ頻度でaをつかまされてしまう(aゆえに損も強いられる)わけですから。

例えば1万円以下なら常に交換、それを越えたら不交換という戦略はどうでしょう。前はこの種のものを認められていたと思いますが、これだと1000円でも2000円でも
交換するので規則に反すると思いますが。


Re: 2重量化の問題 投稿者:φ 投稿日:2015年12月 2日(水)19時20分32秒 返信・引用

> No.4279[元記事へ]

εさんへのお返事です。

さしあたり1と3にだけお答えしましょう。


形式的にはもちろん問題ないと思いますが、意味が感じられません。
とくにuが無意味な構成物になっているようです。
例えば次のような構成に意味があるでしょうか?

A どの職業に関しても、それを本務とする人がいる
B すべての職業を本務とする人がいる

 AからBを導出できるようにするため、「人」を次のように定義しなおしてみます。
 医師が話題になるときはある医師を、教師が話題になるときはある教師を、パイロットが話題になるときはあるパイロットを指定して、話題ごとにそのつど当該人物に成り代わるような合成体を「一人の人」と見なすことにしよう。これでAからBが導けます。あるいはもっと簡単に、すべての人を合わせた集合体を一個の人とみなせば、AからBが導けます。
 しかしそのためには、人間のキメラ的合成体や抽象的集合体が「人」であるという偽なる命題を前提しなければなりません。
 あるいは、合成体や集合体を人と認めたとしても、そのような「人」は通常の意味で個々の職務を合法的に果たしているとは言えませんから(そもそも何ぴとも、医師とパイロットと警察官と銀行頭取を本務として兼業することはできない)、AからBが導けるというのは虚構の法律のもとでだけです。

 戦略についても同じことが言えます。
 f_aは、aから得を引き出す(Pを満たす)戦略ですが、その必要条件として、f_aはf_2aを兼ねることはできません。せっかくaを手放して得をしても、同じ頻度でaをつかまされてしまう(aゆえに損も強いられる)わけですから。
 よって、個々バラバラに考えたf_aを合成してuを構成してみても、それはP性を保持できていないわけです。

 開封して金額を見てから交換するという場合(「開封バージョン・全金額にわたる交換戦略」の場合)、εさんの中で二種類の戦略が混同されているようです。
 一つは、「この金額だから交換するのだ。これを知るために開封したのだからな。交換すべき金額がいま決まったのだ(特に、この二倍の額が来ていたら交換しないのだ)」と心に決める戦略を考え、それらを任意の金額についてすべて集計する戦略総合体。
 もう一つは、「たまたまこの金額で今は交換するが、この戦略はこの金額に限定されはしない。別の金額が来ていてもやはり交換するのさ」という戦略。
 シミュレーションをしてみればわかりますが、前者は(ほとんどの場合は交換せず特定金額だけで交換するので)交換の場合でみれば期待値25%増、後者は未開封バージョンと同じで見境なく交換して期待値増なしです。
 εさんが質問3で言う「主観確率の再設定が行われるので、この情報の違いは無視できないはず」というのは、前者の場合だけですね。後者では情報を無視していますから。
 後者が未開封バージョンと異なるのは、身体的動作だけです。

 後者の戦略は無差別交換戦略ですから、各金額ごとにバラバラに分解して「25%増戦略の集合体」と見なすことはできません。そうみなしたいなら、各々の戦略ごとに「交換できない金額」を設定しなおさねばならないので、交換しない場合が新たな大量に含まれることになり、プレイヤーの可能的動作が異なってくるはずです。
 同様に、前者は一つの金額以外を交換対象から排除する選択的戦略ですから、各金額ごとにこの戦略を集めて交換する場合だけを選んででっち上げた総合体を一つの戦略と見なしてはいけません。それは元の各戦略を無化しています。交換候補として特定金額以外を排除するという選択的本質が失われてしまうからです。
 開封バージョンが期待値増というときは、もっぱら前者の選択的戦略を意味していました(未開封から区別して開封というのだから、データ尊重は当然です)。それを総合するというなら、選択性もそのまま保持すべきであり、膨大な「交換しない場合」を維持していなければなりません。

 つまり、
「開封バージョン・全金額にわたる交換戦略」として可能なのは二つの種類があります。期待値を求めるときの適切なシミュレーションが異なるのです。
  ① 前者の25%増戦略を個々別々に合わせて全体を構成すること。この合成では、例えば一万円が来て交換するという場合も含むし、一万円が来て交換しないという場合も含みます。交換するのはf_1万の戦略としてであり、交換しないのはたとえばf_2万の戦略としてです。
  ② 後者の期待値増減なし戦略をそのまま考えること。この場合は、一万円が来たとき常に交換であり、交換しないという場合は含まれません。

①では、どの金額でも、大半の場合に交換せず、交換するのは稀な場合というプレーヤーの動きになります。具体的には、f_a戦略でaが当たった特殊な機会だけが交換の時です。aが当たっても他の戦略の採用時や、f_a戦略採用時でもa以外が当たった時はプレーヤーは交換しません。
②では、例外なく毎回交換がなされます。
 ①では確かに全体で25%増、②では増減なし。①は未開封バージョンと全く異なり、②は未開封バージョンと同じです。

 εさんは「開封バージョン・全金額にわたる交換戦略」の概念のもとに、①と②を一貫して混同しているようですね。
 25%増となるのは①だけです。これは、「開封全交換・戦略」ではなく、「開封交換戦略・全」というべきものです。
 「全」のかかり方を混同してはなりません。
 全を「交換」にかけてはならず、「戦略」または「金額」にかけてください。
 つくづく二重量化がネックですね。……


Re: 2封筒問題選択未開封 投稿者:KOTA 投稿日:2015年12月 2日(水)15時55分14秒 返信・引用

> No.4280[元記事へ]

ハムさんへのお返事です。

書き込みたくなかったのですが。

>①②③はどれも正しいのですが、④は間違えています。

逆です。
中身が分からないのですから、封筒の中の期待金額は、高い方と安い方の平均値とする以外にありません。
どちらの封筒を手にとっても同じです。
当然、交換による期待金額の増減はゼロです。


もう、くだらない書き込みはやめてください。
φさんとεさんの議論の邪魔です。


2封筒問題選択未開封 投稿者:ハム 投稿日:2015年12月 2日(水)14時42分32秒 返信・引用

来年のお年玉のときに、試してみようかと思います。
1.お年玉をあげます。
2.中身を見る前に、交換すると倍か半分のどちらかになるよ、といって別のお年玉を見せます。

もらった子は、どうするか?

交換するにしても、しないにしても、理由を述べたら褒めてあげます。
①交換すると平均1.25倍になる、と述べた子には、倍額をあげます。これは相当優秀な子です。
②半分になるのはイヤだ、と述べた子にも倍額をあげます。この子は堅実な人生を歩むでしょう。
③倍になるかもしれない、と述べた子にも倍額をあげます。この子は将来、社長になるかもしれません。
④「中が分からないのに交換しても損得が分るわけないじゃないか」と叫んだ子には、1.25倍の入ったお年玉に交換してあげ、理由を説明します。

①②③はどれも正しいのですが、④は間違えています。
期待値計算をすれば1.25倍ですし、半分になる確率も倍になる確率も1/2だからです。

④はφ様です(^_^)


Re: 2重量化の問題 投稿者:ε 投稿日:2015年12月 2日(水)04時52分17秒 返信・引用

φさんへのお返事です。

本を読んだときにもそう感じたのですが、なぜφさんが二重量化の問題にこだわられるのか、そのルーツがわかった気がします。
2封筒問題での辻褄合わせ(私見では不要)のため、論理について今までにない妙な発言をされていると失礼ながら感じます。「任意」と「全て」の違いなどです。

幾つか質問したいのですが、
1.前レスの2重量化について、2封筒問題とは関係なく、単に論理の問題として、証明の適否はどうお考えですか?


> 「交換で25%期待値増」という条件を満たすfの存在は(各xごとにであれ)保証されないでしょう。
>  理由は以下の通りです。
>  もともと2封筒問題の構造はこうでした。
>
>  未開封で交換するのは期待値増減なし。(初期金額が判らぬままのドンブリ勘定では損得なし)
>
    ↓①
2.もう一つ前のレスの真ん中あたりのメタ主観確率についてはどうでしょう。未開封の話です。変な話と自分で書いてるようにこの計算が本気で適切だと信じているわけではありません。ただ、主観確率というもの、適用の正しい基準というものがないという意味でベルトランのパラドックスの幾何学的確率のようなものではないか?という気がだんだんしてきました。

>  開封して金額を見てから交換すれば期待値25%増。
>        ↓②
>  どの初期金額でも同じことができる。
>        ↓③
>  どの金額に限っても期待値25%増なのだから、すべての金額で交換、つまり未開封のまま交換してもドンブリ勘定で期待値25%増。

3.全ての金額での開封後の交換と未開封での交換には大きな違いがあります。それはもちろん前者では開封した封筒内の金額を知っていることです。特にこの場合、私見では主観確率の再設定が行われるので、この情報の違いは無視できないはずですが、この点は考えられましたか?

>
>  間違いはステップ③にあります。
>  金額ごとに区切った人為的な集計では、見かけ上25%増を維持できるように見えるが、それはドンブリ勘定での(実質的な)25%増を意味しません。

4.「見かけ上」と「ドンブリ勘定での(実質的な)」とはどういうことでしょう?どうもここで客観確率が密輸入されているような気がします。私の議論は一貫してプレイヤーの主観確率だけを考えていて、その意味でとても非現実的なものです。

>  戦略fがドンブリ勘定での25%増を実現するには、次の条件が必要です。
>
>  条件N……各金額での交換による利得が、同じ戦略の中で保存される。
>
>  ある金額での利得が別の金額で帳消しになるようではドンブリ勘定での利得(未開封での交換による利得と同値)を確保できませんから、条件Nは当然の条件です。
>  条件Mは条件Nを破っているのです。
>  条件Mは、「他の金額では交換しない」「交換金額には上限がある」等の、実質的期待値増のための戦略的必要条件を排除してしまいます。
>
>  Pが単一のxのf(x)にのみ依存するのでは、交換戦略fが条件Nを満たすことはできません。
> たとえば、少なくとも
> ∀x∃f(P(f,x))を満たす各fは、xにおけるfの値だけでなく、2xにおけるfの値にも依存せねばなりません。
> 2xにfを適用したときに25%増となるようなら、xにfを適用したときの25%増が相殺されるため、条件Nが破られるからです。
> 換言すれば、xについての交換操作で25%増が保存されるためには、その交換操作は2xには適用されない(fは2xには2x自身を対応させる)という限定を付けた操作でなければなりません。
>  一般的に言うと、戦略が条件Nを満たすためには、交換すべき金額には上限がなければなりません(条件Mはこれに違反しています)。全交換戦略Uは失格です。

この部分、全く理解できないので何かわかったらまたコメントします。

次の機会に詳しく述べたいと思いますが、何故かφさんは全交換戦略の話になると、主観確率と客観確率の峻別が曖昧になっているように思います。私が述べているのはあくまでプレイヤーの主観世界の中の話で、何回プレイが行われてもその都度また新たな1回きりのプレイとと考えています。戦略自体はすべてのプレイ以前に確定していると考えますが、それは戦略というものの性質上自然な仮定でしょう。
全交換以外の戦略は交換しない値に当たったときチャンスを失するのでそのぶん不利になります。
繰り返しますが、これはプレイヤーの主観世界の中だけの議論で現実のゲームやシミュレーションのような客観確率のある場合、それで計算した期待値や増して現実の利得とは関係のない話であることは1回だけのゲームと変わりません。



Re: 2重量化の問題 投稿者:φ 投稿日:2015年12月 2日(水)00時05分48秒 返信・引用

> No.4277[元記事へ]

εさんへのお返事です。

>
> ここで、P(f,x)のfへの依存が、xにおけるfの値f(x)のみであったと仮定します。いいかえれば、実数パラメータtと自然数パラメータxの2変数述語Q(t,x)をとり、P(f,x)=Q(f(x),x)の形となるものに限定します。
>

↑↑この限定が間違いの元ですね。
この限定を条件Mと呼びましょう。
こんな限定を付けたら、Pは無価値になってしまいます。
「交換で25%期待値増」という条件を満たすfの存在は(各xごとにであれ)保証されないでしょう。
 理由は以下の通りです。
 もともと2封筒問題の構造はこうでした。

 未開封で交換するのは期待値増減なし。(初期金額が判らぬままのドンブリ勘定では損得なし)
       ↓①
 開封して金額を見てから交換すれば期待値25%増。
       ↓②
 どの初期金額でも同じことができる。
       ↓③
 どの金額に限っても期待値25%増なのだから、すべての金額で交換、つまり未開封のまま交換してもドンブリ勘定で期待値25%増。

 間違いはステップ③にあります。
 金額ごとに区切った人為的な集計では、見かけ上25%増を維持できるように見えるが、それはドンブリ勘定での(実質的な)25%増を意味しません。
 戦略fがドンブリ勘定での25%増を実現するには、次の条件が必要です。

 条件N……各金額での交換による利得が、同じ戦略の中で保存される。

 ある金額での利得が別の金額で帳消しになるようではドンブリ勘定での利得(未開封での交換による利得と同値)を確保できませんから、条件Nは当然の条件です。
 条件Mは条件Nを破っているのです。
 条件Mは、「他の金額では交換しない」「交換金額には上限がある」等の、実質的期待値増のための戦略的必要条件を排除してしまいます。

 Pが単一のxのf(x)にのみ依存するのでは、交換戦略fが条件Nを満たすことはできません。
たとえば、少なくとも
∀x∃f(P(f,x))を満たす各fは、xにおけるfの値だけでなく、2xにおけるfの値にも依存せねばなりません。
2xにfを適用したときに25%増となるようなら、xにfを適用したときの25%増が相殺されるため、条件Nが破られるからです。
換言すれば、xについての交換操作で25%増が保存されるためには、その交換操作は2xには適用されない(fは2xには2x自身を対応させる)という限定を付けた操作でなければなりません。
 一般的に言うと、戦略が条件Nを満たすためには、交換すべき金額には上限がなければなりません(条件Mはこれに違反しています)。全交換戦略Uは失格です。


2重量化の問題 投稿者:ε 投稿日:2015年12月 1日(火)01時05分9秒 返信・引用

2封筒問題の全交換戦略については、No.4256の前半に書いてありますので、詳しくはそちらをご覧ください。
ここでは、少し一般的に述べてみようと思います。

∀x∃f(P(f,x))

という形の命題を考えて見ます。ここで、xは適当なパラメータ空間、たとえば自然数を動く変数とし、fは自然数上の関数を動くとします。値はまあ実数値としておけば良いでしょう。Pは関数fとパラメータxの2変数述語とします。
ここで、P(f,x)のfへの依存が、xにおけるfの値f(x)のみであったと仮定します。いいかえれば、実数パラメータtと自然数パラメータxの2変数述語Q(t,x)をとり、P(f,x)=Q(f(x),x)の形となるものに限定します。
すると、

∀x∃f(P(f,x))

から

∃f∀x(P(f,x))

が、次のように導かれます:
仮定より、任意の自然数aに対して、P(f,a)が真になるようなfが存在しますからそのうちの一つを選んで、f_aと書くことにすれば、P(f_a,a)=Q(f_a(a),a)は任意のaに対して真となります。そこで、任意の自然数aに対して

u(a)=f_a(a)

とおくと、u(x)はたしかに自然数全体で定義された関数となり、任意のaに対して

P(u,a)=Q(u(a),a)=Q(f_a(a),a)

となり常に真となります。つまりfとしてuをとることにより

∃f∀x(P(f,x))

が真となります。こういう風に一種の対角線論法が成立するところが、両方とも数を動くような場合と違うところだと思います。
実は、全交換戦略uというのはこのようなものなのです。


Re: 未開封バージョンから開封バージョンへの移行 投稿者:ε 投稿日:2015年12月 1日(火)00時02分55秒 返信・引用

φさんへのお返事です。

> εさんへのお返事です。
>
> >
> > 全く問題ない、というわけにもいかないと思います。
> > 1.互いに矛盾のない論理的(数学的)命題A,Bがある
> > 2.厳格に論理的というわけではないが、信用されている合理的推論方法があり、それにより命題A',B'が導かれる。
> > 3.A',B'は論理的命題であり、互いに矛盾する
> > というわけですから。
> > この問題では、異なる確率空間を混同しているという点で3は正確ではないですが、それを言い出せばそもそもパラドックスは存在しないわけで
> >
>
>  2封筒問題は、推論の途中に誤りがあるたぐいのパラドクスではなく、矛盾という最終判定が間違っている例だと思われます。つまり、諸前提に問題なし、推論規則の適用も問題なし、主観確率の適用も問題なし。つまり中間帰結のどこにも問題なし。それらを合わせて「矛盾である」とする最終結論だけが誤っている、と。
>
問題ないと言い切るのにはやはり少しためらいを感じます。ものの例えですが
ある患者に対し、脳医学では死んでいると診断し、臓器医学では生きていると診断したとします。どちらも西洋医学という大きな体系の中で一応矛盾はしないという建前ですからこういうことがあれば問題でしょう。まあこういうギャップによって臓器移植が成立しているのかもしれませんが。


また、ちょっと話題が逸れますが
こういう変なことを考えました。未開封バージョンです。ルールから少額の封筒の金額をaとすると{a,2a}のペアであることがわかっている。最初に選んだ封筒にa入っている場合と2a入っている場合はいずれも1/2の確率。ここで既に世界がどちらかに分かれているから開封しても世界に変化はないはず。aを見た想像上の私は主観確率の方法に従って他方の封筒は2aかa/2と想定するので期待値は5/4a、一方2aを見た想像上の私はaか4aと想定するので期待値は5/2a。これらにそれぞれの世界の確率を掛けて加えると5/8a+5/4a=15/8aとなります。すなわち、未開封バージョンで交換しない場合は期待値は3/2a、交換する場合は15/8aになります。
いわばメタ主観確率による計算ですが・・この計算でいけないところはあるでしょうか?

>  これはすでに『思考実験リアルゲーム』その他に明記したことの繰り返しになりますが、
>  開封バージョンの「交換で期待値増」という中間帰結は、「特定のいかなる金額についても、とりあえずそれを交換する【ある特定の戦略は】期待値増である」としか述べていません。
>  その【ある特定の戦略】とは、たとえば当該金額だけを交換し他の金額は交換しないという非対称戦略Kです。
>  実際、ただ一度の2封筒ゲームで実践できるのは戦略Kだけです。
>  その正しい弱い命題を
>  「特定のいかなる金額についても、それを交換する【任意の戦略は】どれも期待値増である」
>  という、強い命題にいつのまにか読み替えてしまった人が「矛盾」を言い立てるのです。
>  後者の強い命題が導けるなら、確かに未開封で交換しても期待値増となってしまうでしょう。しかし、開封バージョンから強い命題は導けません。

これは例の全称記号と存在記号の交換の話ですね。正直言って、私には2封筒問題と関係があるとはあまり思えないのです。それにこの場合はむしろ一般的に交換が成立するケースではないかと思われる節があります。
まず、このケースでは「戦略」に関する量化を含んでおり、私が以前定義を与えたように、戦略は可能世界の識別パラメーター空間上の関数とみなせます。つまり2階の変数に関する量化です。

iPhoneからPCに切り替えるので、一旦切ります。


2封筒問題を繰り返した場合について 投稿者:ハム 投稿日:2015年11月30日(月)16時09分48秒 返信・引用

φ様のおっしゃるのは、右の封筒を交換した場合と、左の封筒を交換した場合の左右の差なのですよ。
それはおっしゃる通り、未開封のときは左右で差がなく、開封のときに、得をする戦略がありますね。

2封筒問題というのは、交換の損得が問題なのです。
交換の損得は、右の封筒を交換した場合も、左の封筒を交換した場合も、各々1.25倍です。
未開封のときも、開封のときも、交換すれば1.25倍の得なのです。

このとき、片方の封筒を交換して得ならば、もう片方は損をするはずなのに変だというのがパラドクスです。
これは、双方の交換で1.25倍、両方で1.5倍なのだから、パラドックスではないというのが解答です。

φ様は違う問題、「2封筒問題で左右の封筒の差をもらえる問題」に回答しているのです。


2封筒問題を1回だけ行う場合は、交換が得である戦略などありません。


Re: 未開封バージョンから開封バージョンへの移行 投稿者:φ 投稿日:2015年11月30日(月)02時52分27秒 返信・引用

> No.4265[元記事へ]

εさんへのお返事です。

>
> 全く問題ない、というわけにもいかないと思います。
> 1.互いに矛盾のない論理的(数学的)命題A,Bがある
> 2.厳格に論理的というわけではないが、信用されている合理的推論方法があり、それにより命題A',B'が導かれる。
> 3.A',B'は論理的命題であり、互いに矛盾する
> というわけですから。
> この問題では、異なる確率空間を混同しているという点で3は正確ではないですが、それを言い出せばそもそもパラドックスは存在しないわけで
>

 2封筒問題は、推論の途中に誤りがあるたぐいのパラドクスではなく、矛盾という最終判定が間違っている例だと思われます。つまり、諸前提に問題なし、推論規則の適用も問題なし、主観確率の適用も問題なし。つまり中間帰結のどこにも問題なし。それらを合わせて「矛盾である」とする最終結論だけが誤っている、と。

 これはすでに『思考実験リアルゲーム』その他に明記したことの繰り返しになりますが、
 開封バージョンの「交換で期待値増」という中間帰結は、「特定のいかなる金額についても、とりあえずそれを交換する【ある特定の戦略は】期待値増である」としか述べていません。
 その【ある特定の戦略】とは、たとえば当該金額だけを交換し他の金額は交換しないという非対称戦略Kです。
 実際、ただ一度の2封筒ゲームで実践できるのは戦略Kだけです。
 その正しい弱い命題を
 「特定のいかなる金額についても、それを交換する【任意の戦略は】どれも期待値増である」
 という、強い命題にいつのまにか読み替えてしまった人が「矛盾」を言い立てるのです。
 後者の強い命題が導けるなら、確かに未開封で交換しても期待値増となってしまうでしょう。しかし、開封バージョンから強い命題は導けません。

 2封筒問題のもろもろの中間帰結を正しく読んでいけば、結論として矛盾が出てくることはないのです。
 読み違いに固執する人が多いという点が封筒問題の本質だとすると、多くのパラドクスの例に洩れず、2封筒問題も、数学というより認識論あるいは心理学の問題というべきかもしれませんね。


Re: 老婆心ながらコルモゴロフの本について 投稿者:ハム 投稿日:2015年11月30日(月)00時03分40秒 返信・引用

> No.4272[元記事へ]

εさんは、何の論証もしていないというのは分りますよね。
統計学の権威に頼って、「お前は間違っている」と叫んだだけです。
私の主張のどこが間違っているのか説明できませんか?

それを見て、コルモゴロフ「確率論の基礎概念」を買うか否か決めたいと思います。

私の大好きな言葉をεさんに贈りましょう。
「6才児に説明できなければ、理解したとはいえない」byアインシュタイン(^_^)


老婆心ながらコルモゴロフの本について 投稿者:ε 投稿日:2015年11月29日(日)22時02分51秒 返信・引用

下のレスを見て、万一コルモゴロフの本を早速Amazonで買いましたとなどといわれるとちょっと責任問題なので(笑)本気で読まれる場合を考えて手元の本で内容をチェックしてみました。

第1章でも§2と§5は難しく、また訳に問題もあるようでスルーして31ページの(4)式を独立性の定義と思えばとりあえず用は足ります。
次に第3章の49ページから51ページ、第5章の§1をわからない言葉はスルーして読めば「独立な確率変数」の意味がほぼわかると思います。

あと、昔出ていた東京図書版のハードカバーと違って、確率論の成立史という40ページほどの論説が付いていて、完全な理解はともかく、理系でなくても楽しく読めるでしょう。


それ以外のこの本は大学数学科の高学年レベル以上で、通常本編の内容は測度論(ルベーグ積分)の後に習うことになっていますが、この測度論というのが大抵の学生には難物で・・

最後の部分「確率論における解析的方法について」は、より高度な理論を扱っており、その発展がいわゆる確率解析で現代金融工学の基礎となる分野という訳です。
私は確率論や金融工学は専門外ですので最後に書いたのは伝聞情報に過ぎませんが。



Re: 未開封バージョンの考え方 投稿者:ε 投稿日:2015年11月29日(日)18時06分34秒 返信・引用

ハムさんへのお返事です。

> 間違いでなければ、どちらが優れているかという話になります。
>
> 私は封筒を選択したときに、選択した封筒をxとして、(x,2x),(x,x/2)だと考えるべきだと思います。
> εさんとφ様は、封筒を選択したとき(x,2x),(2x,x)と考えています。
>
> (x,2x),(x,x/2)と考えると、期待値は、5x/4。
> (x,2x),(2x,x)と考えると、期待値は、3x/2。
>
> 交換の損得は、
> (x,2x),(x,x/2)と考えると、(5x/4)-x = x/4。
> (x,2x),(2x,x)と考えると、(3x/2)-(3x/2) = 0。
> なのですが、実際に2封筒問題を繰り返して、交換後に双方を開封してみれば、交換の損得はx/4になりますので、(x,2x),(x,x/2)と考えるほうが事実に即しています。
>
> また、実際に2封筒問題を1回行ったときも、交換後に双方を開封してみれば、交換の損得はゼロではありません。もちろんx/4でもないのですが、1回限りのときは平均である期待値は使えないというだけです。

はい、今度は完全に数学的な間違いです。そして今、私はすこしお怒りモードです(笑)

ハムさんは、統計学で言う「標本平均」と、「確率空間」と「確率変数」が与えられれば理論的に計算できる「期待値」、を混同しています。「試行」を行わなくても期待値は計算できるのです。実は「独立試行」を繰り返せば「母集団」の期待値と標本平均がだんだん近くなるという「大数の法則」というのがありますが・・・・

上の「 」内にの「」に書いたものはすべて数学、統計学の専門用語です。最低限、これらが索引に載っている程度の横書きの確率・統計の教科書(少ししか売れない専門書ではありませんよ。大学教養レベルのもので十分だと思います、そしてそういう本は理系出版社のドル箱なのです、笑)を読んで理解してもらわないと議論になりません。

ひとつだけ本を紹介しましょう。ちくま学芸文庫から出ている、コルモゴロフ「確率論の基礎概念」です。これは近代確率論を確立した歴史的な本で、高度な専門書ですが、その第1章「初等確率論」は十数ページですし、高校レベルの知識で読めます。ここでの議論にはそれで大体間に合います。もっと高度な用語の定義も書いてありますし、予備知識が足りないかどうかもわかります。無理解のまま議論に参加することもなくなり、私やTTTさんのような人が無駄にイライラすることも防げるでしょう。

わずか1200円なので普通の教科書より安いです。どのくらい売れているかは知りませんが。ちなみに、友人、親戚にちくま書房の関係者はいませんし、リベートをもらっているわけでもありませんよ(笑)


未開封バージョンの考え方 投稿者:ハム 投稿日:2015年11月29日(日)15時29分23秒 返信・引用

間違いでなければ、どちらが優れているかという話になります。

私は封筒を選択したときに、選択した封筒をxとして、(x,2x),(x,x/2)だと考えるべきだと思います。
εさんとφ様は、封筒を選択したとき(x,2x),(2x,x)と考えています。

(x,2x),(x,x/2)と考えると、期待値は、5x/4。
(x,2x),(2x,x)と考えると、期待値は、3x/2。

交換の損得は、
(x,2x),(x,x/2)と考えると、(5x/4)-x = x/4。
(x,2x),(2x,x)と考えると、(3x/2)-(3x/2) = 0。
なのですが、実際に2封筒問題を繰り返して、交換後に双方を開封してみれば、交換の損得はx/4になりますので、(x,2x),(x,x/2)と考えるほうが事実に即しています。

また、実際に2封筒問題を1回行ったときも、交換後に双方を開封してみれば、交換の損得はゼロではありません。もちろんx/4でもないのですが、1回限りのときは平均である期待値は使えないというだけです。


Re: 未開封バージョンから開封バージョンへの移行 投稿者:ε 投稿日:2015年11月29日(日)10時40分43秒 返信・引用

ハムさんへのお返事です。

>
> >いえ、間違いです。ここでaは100とか200という具体的な数で、開封したプレイヤーがそれを見ることにより、例えば100を見たら世界がV_100かV_50と限定されるわけです。未開封の封筒を選んでも、Φのどれかわからないので限定されないのはわかりますよね。
>
> それは、戦略を考える時に必要なことで、開封を繰り返すときに設定すればいいことですよね。

意味不明です。
戦略の話も繰り返しの話もしていません。ただ、開封した金額を見て、世界が限定されるということです。


>
> ・基本となる可能世界の集合は、Φ={V_x;xは実数}
>
> ・片方の封筒を選択したときは、選択した方をxとして、主観的集合は、V_{x,2x∨x/2}={(x,2x),(x,x/2)}です。(∨:または)

私の記号ではW_xとなっています。そしてxが特定されていないということは可能世界としてその全体であるΩを考えていることになります。
>
つまり、ハムさんは封筒を選択することによって可能世界の集合がΦからΩに変化したと言われていることになります。この部分は数学や論理の外の話なので、それはそれで一つの意見・信念ということになるでしょう。
ただし、私は全然説得力を感じません。


Re: 未開封バージョンから開封バージョンへの移行 投稿者:ハム 投稿日:2015年11月28日(土)11時56分26秒 返信・引用

> No.4267[元記事へ]

εさんへのお返事です。

>いえ、間違いです。ここでaは100とか200という具体的な数で、開封したプレイヤーがそれを見ることにより、例えば100を見たら世界がV_100かV_50と限定されるわけです。未開封の封筒を選んでも、Φのどれかわからないので限定されないのはわかりますよね。

それは、戦略を考える時に必要なことで、開封を繰り返すときに設定すればいいことですよね。
εさんの書き方を参考にして書いてみます。

・基本となる可能世界の集合は、Φ={V_x;xは実数}

・初めに2つの封筒が提示された時は、集合は、V_{x,2x}={(x,2x),(2x,x)}または、V_{x,x/2}={(x,x/2),(x/2,x)}です。

・片方の封筒を選択したときは、選択した方をxとして、主観的集合は、V_{x,2x∨x/2}={(x,2x),(x,x/2)}です。(∨:または)

・片方の封筒を開封したときは、変数xは定数aとなり、V_{a,2a∨a/2}={(a,2a),(a,a/2)}です。

こう↑定義しても間違いではないでしょう。
片方の封筒を開封するかしないかは、定数か変数の差でしかない、はずです。



Re: 未開封バージョンから開封バージョンへの移行 投稿者:ε 投稿日:2015年11月28日(土)02時34分39秒 返信・引用

ハムさんへのお返事です。

> εさんへのお返事です。
>

> 未開封の封筒を選んだ時の話だと仮定しても、少なくとも間違いではないですよね。

いえ、間違いです。ここでaは100とか200という具体的な数で、開封したプレイヤーがそれを見ることにより、例えば100を見たら世界がV_100かV_50と限定されるわけです。未開封の封筒を選んでも、Φのどれかわからないので限定されないのはわかりますよね。
>
> 選択した時に世界が決るわけで、知った時に決るわけではない、はずなのですがね。
>
我々のモデルはいわば選択することは折り込み済みなので、封筒を選択するプロセスは明示的に記述できません。つまりV_aもW_aも
(最初に選択した封筒の金額,他方の封筒の金額)
というペアの集合なのです。
未開封バージョンでも開封バージョンでも選択する事に変わりはないのでこれでいいですし、選択するプロセスを明示的に入れたモデルを作ることもできますが、煩雑なだけで結局このモデルになるはずです。
これは暇なときに解説してもいいですが。


Re: 未開封バージョンから開封バージョンへの移行 投稿者:ハム 投稿日:2015年11月27日(金)17時18分9秒 返信・引用

> No.4265[元記事へ]

εさんへのお返事です。

>よく見て下さい。私は開封バージョンの話をしています。プレイヤーがaを見てからのステップを分析しただけで最終的なモデルはφさんと同じです。

そうですか。
未開封の封筒を選んだ時の話だと思いました。
未開封の封筒を選んだ時の話だと仮定しても、少なくとも間違いではないですよね。

選択した時に世界が決るわけで、知った時に決るわけではない、はずなのですがね。


Re: 未開封バージョンから開封バージョンへの移行 投稿者:ε 投稿日:2015年11月27日(金)15時27分37秒 返信・引用

スマートフォン版のページが意外に使いやすいので、移動中に書いてます

ハムさんへのお返事です。

> 未開封のとき、φ様は、(A、2A)、(2A、A)と定義しているのですよ。
> εさんは、(a,2a),(2a,a),(a,a/2),(a/2,a)と定義したわけです。
>
> 同じではないわけです。

よく見て下さい。私は開封バージョンの話をしています。プレイヤーがaを見てからのステップを分析しただけで最終的なモデルはφさんと同じです。

φさんへのお返事です。'
全く問題ない、というわけにもいかないと思います。
1.互いに矛盾のない論理的(数学的)命題A,Bがある
2.厳格に論理的というわけではないが、信用されている合理的推論方法があり、それにより命題A',B'が導かれる。
3.A',B'は論理的命題であり、互いに矛盾する
というわけですから。
この問題では、異なる確率空間を混同しているという点で3は正確ではないですが、それを言い出せばそもそもパラドックスは存在しないわけで


Re: 未開封バージョンから開封バージョンへの移行 投稿者:ハム 投稿日:2015年11月27日(金)11時42分20秒 返信・引用

> No.4263[元記事へ]

φさんへのお返事です。

> εさんへのお返事です。

>↑基本的に私が以前 http://8044.teacup.com/miurat/bbs/4185 に書いたことと同じと思われるので、全く異論ありません。

未開封のとき、φ様は、(A、2A)、(2A、A)と定義しているのですよ。
εさんは、(a,2a),(2a,a),(a,a/2),(a/2,a)と定義したわけです。

同じではないわけです。


Re: 未開封バージョンから開封バージョンへの移行 投稿者:φ 投稿日:2015年11月27日(金)00時56分39秒 返信・引用

> No.4262[元記事へ]

εさんへのお返事です。

> 合併集合
>
> V_{a,a/2}={(a,2a),(2a,a),(a,a/2),(a/2,a)}
>
> をまず考えますが、ここで開封した封筒がaであるという条件付き確率を考えればいいわけで、その部分空間は
>
> W_a={(a,2a),(a/a/2)}
>
> になりますが、これを全空間と考えればいいわけです。
>

↑基本的に私が以前 http://8044.teacup.com/miurat/bbs/4185 に書いたことと同じと思われるので、全く異論ありません。

 ただ、
>
> ①結局、個人の信念世界内の問題なので、個人によって相反していても構わない。真偽や矛盾を問うべきではない
>
> ②原因は主観的確率の適用にある。矛盾に導かれる例が少なくともひとつ確認されたので、この方法は廃棄すべきである
>
> ③プレイヤーM,Nの推論を禁止する方策を考える
>

 べつにどこにも矛盾はないのではないでしょうか。
 与えられた情報が違えば、合理的な確率判断も異なるのは当たり前で、未開封バージョン、開封バージョン、そして相対するプレイヤー間における合理的判断の内容の違いは、全く「矛盾」ではないでしょう。


未開封バージョンから開封バージョンへの移行 投稿者:ε 投稿日:2015年11月26日(木)17時33分12秒 返信・引用

あまり本質には関係ないかもしれませんが、未開封から開封バージョンの移行についての説明を考えてみました。というのは、どちらも、胴元が未開封の封筒を提示した(あるいは、プレイヤーの目の前に2つの未開封の封筒が現れた)ところから話が始まるからです。

基本となる可能世界の集合は

Φ={V_a;aは実数}

とします。これもΩと同様に全体を確率空間とは見なさず、単なる集合族と考えます。また、数学の慣用に従い、集合定義の中の存在記号は省略してあります。
さて、開封バージョンでは特定のaに対して、正常モデルW_aが設定されるわけですが、このプロセスは次の2段階に分かれると考えます:

まず、Φから対応する可能世界が選出されるわけですが、それは順序対の一方にaを含むものなので、V_a,V_(a/2)の二つです。さて、ここから確率を考えたいので、主観確率の処方に従い、どちらにも確率1/2を与え、
合併集合

V_{a,a/2}={(a,2a),(2a,a),(a,a/2),(a/2,a)}

をまず考えますが、ここで開封した封筒がaであるという条件付き確率を考えればいいわけで、その部分空間は

W_a={(a,2a),(a/a/2)}

になりますが、これを全空間と考えればいいわけです。


信念の問題 投稿者:ε 投稿日:2015年11月26日(木)00時32分13秒 返信・引用

すでに情報過多なところへ、また追加するようで恐縮ですが、私としては論点整理のつもりです。後半部に関してです。
たしか、信念の論理学とか分析哲学というのがあったように思います。それは、おそらく主体とか情報というような要素を含むものでしょう。具体的にどんなものかは知りませんが、ここでの例はたぶん

「互いに矛盾のない情報から、合理的推論によって、互いに相反する信念に到達することはありうる」

例になっていることでしょう。
ここで、合理的推論というのを、狭義の論理学的推論に限ればこんなことはありえません。「矛盾のない情報」という前提に文字通り反するからです。しかし「主観的確率とはそうしたものです」というφさんの言からもわかるように、この部分に狭義の論理的推論でない「信念」が入っています。もちろんこれはまったくの個人的信念ではなく、また、個別的でもありません。主観的確率を用いる人たち(というか、大体の人は直感的に承認すると思う)に共有されている一般的信念の個別ケースへの適用ですから、ギリースの言葉を借りれば、「間主観的」信念というべきかもしれません。
また、いったん主観確率が設定されてからは、通常の数学、論理であることは付け加えておくべきでしょう。

現実世界では、狭義の論理的推論だけでは一日も生活が立ち行きません。その意味で、記事4256のプレイヤーM,Nの推論はいずれも「合理的」なものだと思います(プレイヤーM,Nはそこに書いたように簡略化のために導入したもので、別世界の同じプレイヤーとしても事態は変わらないと思います)。

さて、これに対する対処ですが、次の3つが考えられると思います

①結局、個人の信念世界内の問題なので、個人によって相反していても構わない。真偽や矛盾を問うべきではない

②原因は主観的確率の適用にある。矛盾に導かれる例が少なくともひとつ確認されたので、この方法は廃棄すべきである

③プレイヤーM,Nの推論を禁止する方策を考える

私は①の立場ですが、あくまでパラドクスの解消を目指すなら③でしょうか?しかし、あまりにも単純なモデル、推論なので望み薄な気がします。


Re: 全交換戦略、主観的確率 投稿者:ハム 投稿日:2015年11月25日(水)13時07分1秒 返信・引用

> 「いびつ」どころか、投げ終わって「結果が決まってしまった」コインの表裏を、まだ見ていない人に問えば、当然
> 「オモテは1/2」
> が合理的な答えです。
> 「もう決まったのだから、オモテは1か0」
> という答えに固執する人とは主観確率を論じても実りは乏しいでしょう。

どうせ分らないのだから、その分らない理由が「1/2」でも「1か0」でもどちらでも私はあまり興味がありません。

「1/2」という理屈と「1か0」という理屈を使い分けているのを見たら、私は抗議させていただきます。
「1/2」という理屈はεさんが今回展開されたもの(5a/4)で、「1か0」という理屈はφ様の未開封バージョンの理屈(3a/2)という理解です。


Re: 全交換戦略、主観的確率 投稿者:ε 投稿日:2015年11月25日(水)03時49分24秒 返信・引用

φさんへのお返事です。

結構記号が煩雑ですし内容を詰め込みすぎたような気がするので、ゆっくりご検討ください。

雑談的なレスですが

> εさんへのお返事です。
>
> >
> > いびつなコインがあり、表(H)と裏(T)の出る確率は等しくないことがわかっている。たとえば一方が0.7、もう一方が0.3なのだが、どちらが表(裏)の出る確率であるかはわからないとする。この状態で一度だけコイン投げをするとき、ラプラスの説だと
> > P(H)=P(T)=0.5とすべきだというのです。
> >
>
>  ラプラスが正しいことは明白ですね。
>  「いびつ」どころか、投げ終わって「結果が決まってしまった」コインの表裏を、まだ見ていない人に問えば、当然
>  「オモテは1/2」
>  が合理的な答えです。
>  「もう決まったのだから、オモテは1か0」
>  という答えに固執する人とは主観確率を論じても実りは乏しいでしょう。

誤解をさけるため一応言っておきますが、著者はそこまで主観確率に肩入れはしていません。まあ、φさんの個人的意見として拝聴しますが。
客観的な見方を持っている人なら(原著には1/2でないことがわかっているあるpとなっていますが)、「P(H)=p or P(H)=1-p」が真と考えるだろうだろうと書いてあるだけです。もちろん「P(H)=1/2」とは両立しないわけです。
ギリースは主観確率が適切な場合、客観確率が適切な場合、また中間的な「間主観的」な確率などがあるという多元主義を採っていることは原著を読まれたφさんならご存知でしょう。といっても、私は全体的に斜め読み、かつ結論部分をチラ見しただけですからさほどの確信があって言うわけではないですが。

ところで前にお会いしたとき少しお話したと思いますが、訳者は経済畑の人で、時々笑ってしまうような訳語が出てきます。ここでも突然「(確率)pの価値」というのが出てきて少々首をひねったのですが、これはたぶん文脈的にthe value of the probability pで単に確率pの値ということでしょう。経済学ではvalue=価値が普通でしょうから、そう即断したのでしょうが。
それでも、英語のあまり得意でない私、グローバル化に逆行している私(笑)にとっては
とてもありがたい訳本であることには変わりありませんので、これ以上の悪口は控えます。


Re: 全交換戦略、主観的確率 投稿者:φ 投稿日:2015年11月24日(火)22時52分39秒 返信・引用

> No.4256[元記事へ]

εさんへのお返事です。

>
> いびつなコインがあり、表(H)と裏(T)の出る確率は等しくないことがわかっている。たとえば一方が0.7、もう一方が0.3なのだが、どちらが表(裏)の出る確率であるかはわからないとする。この状態で一度だけコイン投げをするとき、ラプラスの説だと
> P(H)=P(T)=0.5とすべきだというのです。
>

 ラプラスが正しいことは明白ですね。
 「いびつ」どころか、投げ終わって「結果が決まってしまった」コインの表裏を、まだ見ていない人に問えば、当然
 「オモテは1/2」
 が合理的な答えです。
 「もう決まったのだから、オモテは1か0」
 という答えに固執する人とは主観確率を論じても実りは乏しいでしょう。


Re: 全交換戦略、主観的確率 投稿者:ハム 投稿日:2015年11月24日(火)11時18分29秒 返信・引用

> No.4256[元記事へ]

εさんへのお返事です。

>∀x(E(U,W_x)=1.25・E(O,W_x))
>∀x∀g(E(g,W_x)<=E(U,W_x))

このことが、左右どちらの封筒についてもいえるわけです。
そして、繰り返せば、左の封筒の1.25・E(O,W_x)は、右の封筒の1.25・E(O,W_x)と等しくなるでしょう、ということです。


全交換戦略、主観的確率 投稿者:ε 投稿日:2015年11月23日(月)22時02分11秒 返信・引用

全交換戦略U、全不交換戦略Oの検討に入ります。ただ、後半部はこれと関係があるかどうかはわかりませんが、主観的確率について気づいたことを1つ述べてみます。どうもこちらのほうが重要な気がします。2封筒のパラドックスはさまざまな異なる確率空間を同一視したことから生じているような気がするのです。
ある意味でハムさんのダブルスタンダード批判と同じかもしれません。ただハムさんの説は詳細が私にはどうしてもわからないのですが。

今まで述べてきたことから、
全不交換戦略は任意のxに対し、O(x)=F
全交換戦略は、任意のxに対してU(x)=B
というΩ上の正しい関数として、すなわち正しい戦略として定義されることになります。
「戦略」レスにある式の計算
g(W_a)=FのときE(g,W_a)=a, g(W_a)=BのときE(g,W_a)=5a/4
を使うと任意の世界W_aで

E(O,W_a)=a, E(U,W_a)=5a/4

が得られ、aが表に出ない形にすると、任意のΩ内の可能世界W_aに対して、
E(U,W_a)=5/4・E(O,W_a)となり、戦略Uによる期待値はどの世界においても戦略Oによる期待値の25%増しになります。また、任意の戦略gについて、E(g,W_a)<=E(U,W_a)が任意の世界W_aで成り立ちます。すなわち

∀x(E(U,W_x)=1.25・E(O,W_x))
∀x∀g(E(g,W_x)<=E(U,W_x))

xの変域はハムさんの言われるように実数全体でなくても良いかもしれませんが
ここでの議論にはあまり影響しないでしょう。
ただし、この期待値は次の2重の意味で理念的な物であることに注意が必要です。
①交換した場合は、このモデルでは残りの封筒に自由度があり、実現値を与えるわけではない。
②主観的確率に基づく計算であり、立場によって異なりうる。また、現実のゲーム、シミュレーションでの事前確率による期待値、まして実現値とは大きくかけ離れる場合がある。

①の意味は明らかだと思うのですが、②を具体的にみるために、一度だけのプレイで、提示された封筒のペアが実際には{2,4}であった場合について考えてみます(プレイヤーはもちろんこれを知りません)。プレイヤーは2か4の一方を選ぶ可能性があるので、それに応じた世界があるわけですが、ここでは本質は同じだと思いますので、2人のプレイヤーMとNがそれぞれを選ぶという想定をします。その方がわかりやすいと思いますので。

このとき、2を選んで開封したプレイヤーMの主観確率の世界はW_2であり、交換しない場合の期待値(実現値)は2、交換した場合の期待値は2.5となります。

一方4を選んで開封したプレイヤーNの主観確率の世界はW_4であり、交換しない場合は4、交換した場合は5となります。

また、事前確率の空間はV_2でしょうから、それによる計算ではMは交換した場合4,Nは交換した場合2の期待値(かつ実現値)を持つことになります。

これは一見不条理にも見えますが、矛盾でもパラドックスでもありません。考えている確率空間がすべて異なるからです。それにしても、この場合主観確率は無意味であるようにも見えます。しかし、ギリース「確率の哲学」にある次の例を読んで、これでいいのだと考えるようになりました(表現は変えています)。

いびつなコインがあり、表(H)と裏(T)の出る確率は等しくないことがわかっている。たとえば一方が0.7、もう一方が0.3なのだが、どちらが表(裏)の出る確率であるかはわからないとする。この状態で一度だけコイン投げをするとき、ラプラスの説だと
P(H)=P(T)=0.5とすべきだというのです。もちろんラプラスの時代に完全な主観的確率の理論はなかったのですが、この場合に限れば考え方は同じだと思います。表にすると

        H T
事前確率① 0.7 0.3
事前確率②   0.3 0.7
主観確率    0.5 0.5

単純に論理的にいえば、どの2つも矛盾します。しかし、どれか一つが真、残り2つが偽というのは不適切で、どれを適用するかは絶対的真偽ではなく使用目的?によるのでしょう。実際、どれも正当な確率空間ですから。2封筒問題ははるかに複雑ですが、構造は同じような気がします。


Re: 「戦略」の定義 投稿者:ハム 投稿日:2015年11月23日(月)09時52分28秒 返信・引用

> No.4252[元記事へ]

εさんへのお返事です。

>Ω={W_a;∃a:正の実数}

お金には無理数がないので、実数というのは範囲が広すぎるような気がします。
実数での主張が、お金についてもいえるとは限りませんよね。



Re: 多分一致している点 投稿者:ハム 投稿日:2015年11月23日(月)07時15分26秒 返信・引用

> No.4251[元記事へ]

εさんへのお返事です。

ハム>W_10={(10,5),(5,10),(10,20),(20,10)}ですよね。
ハム>V_10={(10,20),(20,10)}とは確率空間が違います。

>また開封したら10円であるモデルですから、第一成分は10しかありえないです。

ならば、こうでしょう↓
W_10={(10,5),(10,20)}
V_10={(10,20)}

確率空間が違います。
この二つを、一つの文脈で使い分けたら、ダブルスタンダードたという指摘は免れないでしょうね。

>繰り返しを考えるときは、直積と言って、

二つの集合は、B=Cなのだから(主観的候補のとき)B×C=C×Bでしょう。

>数式のない縦書きの解説書は駄目ですよ(笑)

「数式ばかりの横書きの専門書」は売れませんよ(^_^)


Re: 「戦略」の定義 投稿者:φ 投稿日:2015年11月23日(月)02時06分12秒 返信・引用

> No.4252[元記事へ]

εさんへのお返事です。

>
> E(f,W_80)=80,E(f,W_200)=250
>

 はい、ここまではとくに問題を感じません。


「戦略」の定義 投稿者:ε 投稿日:2015年11月22日(日)21時56分13秒 返信・引用

それでは、φさん、開封バージョンの全交換戦略の検討に移りたいと思いますが、それに先立って「戦略」の数学的定義が必要になりますので、しばらく準備を続けます。

Ω={W_a;∃a:正の実数}

とします。Ω自身は確率空間でなく、単に設定された可能世界全体の集合です。開封された封筒内の金額がaである確率など考える必要がない、というφさんの立場にも合致していると思います。
さて、開封された封筒を選択することを記号F、そうでない封筒を選択することを記号Bで表すとき、戦略とは、Ω上で定義され、FかB一方の値をとる関数のことと定義するのが最も適当だと思います。たとえば、

開封された封筒内の金額が100円までのときは交換しないが、100円を超えたときには必ず交換する戦略fは

f(W_x)=F;0  =B;100
というわけです。Ωの中では可能世界W_xと実数xは一対一に対応してますから、煩雑さを避けるため、以後は単にf(x)のように
書いて実数上の2値関数のように取り扱いますが、あくまで実際の変数は可能世界だということを忘れてはいけません。

一般に戦略gでの期待値は各可能世界においてのみ意味を持つので、E(g,W_a)(または略記してE(g,a))のように戦略と可能世界の2変数関数となります。実際の計算は今までどおり、g(W_a)=FのときE(g,W_a)=a, g(W_a)=BのときE(g,W_a)=5a/4ですから、上の戦略fの例ではたとえば

E(f,W_80)=80,E(f,W_200)=250

となることはお解りと思います。

記号が煩雑になりすぎたかもしれませんので、今回はこれまでにしたいと思いますが、ここまではいかがでしょうか?



Re: 多分一致している点 投稿者:ε 投稿日:2015年11月22日(日)18時27分53秒 返信・引用

ハムさんへのお返事です。

> εさんへのお返事です。
>
> >xでもyでも構いません。開けた封筒に10円入っていた時に設定される確率空間が、
> >W_10={(10,5),(10,20)},
> >また封筒のペアが
> >{10,20}である時に設定される未開封バージョンの確率空間を
> >V_10={(10,20),(20,10)}
> >と書くという記号上の約束です。
>
> W_10={(10,5),(5,10),(10,20),(20,10)}ですよね。

いえ、私の書いたのが正しいです。第一ハムさんのだと対称モデルになってしまいますよ。また開封したら10円であるモデルですから、第一成分は10しかありえないです。この点では私はφさんと一致しているので、議論は忍耐強い(笑)φさんとお続けください。

>
> 繰り返した場合は、bの平均とcの平均は等しくなっていくはずです。

繰り返しを考えるときは、直積と言って、確率空間の要素からなるベクトルを考えなくてはなりません。ただ、これは実現値の平均を考えるときに必要なモデルで、今の場合、期待値という理念的なものが問題になっていて、確率空間と確率変数の設定だけから理論的に計算できるので必要ないです。この辺のことは大学、高専レベルの確率統計のテキストには書いてある筈です。
数式のない縦書きの解説書は駄目ですよ(笑)


ダブルスタンダード 投稿者:ハム 投稿日:2015年11月22日(日)15時36分48秒 返信・引用

> No.4247[元記事へ]

> 開封前(プレイヤーの選択による可能世界の分岐前)に遡って、aのすべての主観的候補に対応するペアに事前確率を割り当てておく必要などありません。開封によって現実化(収縮)した世界の集合のことだけ考えればよし。

そう考えるのであれば、片方を開封後もそのように考えるべきなのです。
もう片方のbの「すべての主観的候補に対応するペアに事前確率を割り当てておく必要などありません」というわけです。

> 2封筒問題で「事前確率」が初めて割り当てられるのは、開封後です。

この根拠がまったく稀薄です。
そのように考える積極的理由がありません。

事前確率など、(x,2x),(2x,x),(x,x/2),(x/2,x)と数えてしまえば、それで未開封も開封も統一的に説明できます。


Re: 多分一致している点 投稿者:ハム 投稿日:2015年11月22日(日)07時53分53秒 返信・引用

> No.4246[元記事へ]

εさんへのお返事です。

>xでもyでも構いません。開けた封筒に10円入っていた時に設定される確率空間が、
>W_10={(10,5),(10,20)},
>また封筒のペアが
>{10,20}である時に設定される未開封バージョンの確率空間を
>V_10={(10,20),(20,10)}
>と書くという記号上の約束です。

W_10={(10,5),(5,10),(10,20),(20,10)}ですよね。
V_10={(10,20),(20,10)}とは確率空間が違います。

どちらかにしぼって議論をするべきで、一つの文脈でこの二つを使い分けするのはダブルスタンダードだと思います。

ハム> そうして、選ばなかった方をcとし、bの交換期待値は5b/4、cの交換期待値は5c/4、これを繰り返したときはb=cとなるので、交換の期待値は等しい、と論ずるべきだと思うわけです。
>ここはちょっと意味がわかりません。bとcは元々等しくないはずなのにb=cでは矛盾になってしまいます。

繰り返した場合は、bの平均とcの平均は等しくなっていくはずです。


Re: 多分一致している点 投稿者:ε 投稿日:2015年11月22日(日)01時01分7秒 返信・引用

φさんへのお返事です。

> εさんへのお返事です。
>
> >
> > ①対称性(対称モデル)
> > 任意のWの点について、P(a,b)=P(b,a)
> >
> > ②正常性(正常モデル)
> > Wの点(a,b)の第1成分として現れるすべての数aについて、P(a,2a)=P(a,a/2)
> >
> > 結論は
> >
> > 定理「対称性と正常性を同時に満たす有限確率空間Wは存在しない。」
> >
>
>  対称モデルも正常モデルも、εさんの言に含まれている但し書きを明示化するべきでしょう。

「任意の…」云々は但し書きでなく定義です。まあ大体分かっていただけたから良いでしょう。ちゃんと書き直したバージョンを投稿しようとして誤操作で3回失敗したので、さすがに面倒になって、簡略なレスでごめんなさい。

>  この二つのモデルが「同時に満たされる」必要などないので、場合分けで示すべきです。
>
私の見解は、φさんが「開封バージョンの全交換戦略」で両者を混同している、というものなので、あらゆる解釈による逃げ道を塞ぐため(笑)、いわばシンタックスの定理を証明したのです。

>  ●未開封状態においては・・・・・・
>  ★対称モデルは問題なし。「未開封バージョンではV_bのどれかが適切な確率空間であり、最初に選んだ封筒とそうでない封筒の金額の期待値は3b/2で等しい」もそのとおり。
>  ★正常モデルは適用不能。なぜなら、「Wの点(a,b)の第1成分として現れるすべての数」は「開封して仮定的にでなく実際に出てきた数」に限られるべきですが、未開封状態ではまだ実際に数が出てきていないので、aとしてすべての数が候補になりえてしまいます。なので、aに相当する数はKを満たすただ1つだけ、という条件のもとで、開封後に初めて正常モデルが適用できることになります。
>
>  ●開封後は・・・・・・
>  ★対称モデルは、もはや成立せず。
>  ★正常モデルは問題なし。「開封バージョンで開封した封筒に入っている金額がaのとき、W_aが適切な確率空間であり、開けてない封筒の期待値は5a/4である」もそのとおり。
>
>  いずれにしても、無条件に「対称性と正常性を同時に満たす」必要は生じないでしょう。
>
>  正常モデルは、可能世界ごとに相対化され、可能世界(プレイ)各々につき、ただ二つの順序対(a、2a)と(a、a/2)に1/2ずつ割り振られます。aは各可能世界で実際に見出された封筒内金額です。
>  開封前(プレイヤーの選択による可能世界の分岐前)に遡って、aのすべての主観的候補に対応するペアに事前確率を割り当てておく必要などありません。開封によって現実化(収縮)した世界の集合のことだけ考えればよし。
>  2封筒問題で「事前確率」が初めて割り当てられるのは、開封後です。
>
>  開封前は正常モデルの出番がなく、開封後は対称モデルの出番がないため、矛盾は生じないと思われるのです。
> 「W_a,V_bともに確率空間として正当なものであり、それぞれについて単独に議論している限り矛盾の生じる余地はない。」というεさんの観察に賛成です。
>
この辺り、別に異論はないです。問題は上に述べたように「開封バージョンでの全交換戦略」ですが、それは次の投稿で。

*これからは原稿をあらかじめエディタで作って、一気に投稿することにします。考えてみれば昔はそうしてました。




Re: 多分一致している点 投稿者:φ 投稿日:2015年11月21日(土)19時32分21秒 返信・引用

> No.4244[元記事へ]

εさんへのお返事です。

>
> ①対称性(対称モデル)
> 任意のWの点について、P(a,b)=P(b,a)
>
> ②正常性(正常モデル)
> Wの点(a,b)の第1成分として現れるすべての数aについて、P(a,2a)=P(a,a/2)
>
> 結論は
>
> 定理「対称性と正常性を同時に満たす有限確率空間Wは存在しない。」
>

 対称モデルも正常モデルも、εさんの言に含まれている但し書きを明示化するべきでしょう。
 この二つのモデルが「同時に満たされる」必要などないので、場合分けで示すべきです。

 ●未開封状態においては・・・・・・
 ★対称モデルは問題なし。「未開封バージョンではV_bのどれかが適切な確率空間であり、最初に選んだ封筒とそうでない封筒の金額の期待値は3b/2で等しい」もそのとおり。
 ★正常モデルは適用不能。なぜなら、「Wの点(a,b)の第1成分として現れるすべての数」は「開封して仮定的にでなく実際に出てきた数」に限られるべきですが、未開封状態ではまだ実際に数が出てきていないので、aとしてすべての数が候補になりえてしまいます。なので、aに相当する数はKを満たすただ1つだけ、という条件のもとで、開封後に初めて正常モデルが適用できることになります。

 ●開封後は・・・・・・
 ★対称モデルは、もはや成立せず。
 ★正常モデルは問題なし。「開封バージョンで開封した封筒に入っている金額がaのとき、W_aが適切な確率空間であり、開けてない封筒の期待値は5a/4である」もそのとおり。

 いずれにしても、無条件に「対称性と正常性を同時に満たす」必要は生じないでしょう。

 正常モデルは、可能世界ごとに相対化され、可能世界(プレイ)各々につき、ただ二つの順序対(a、2a)と(a、a/2)に1/2ずつ割り振られます。aは各可能世界で実際に見出された封筒内金額です。
 開封前(プレイヤーの選択による可能世界の分岐前)に遡って、aのすべての主観的候補に対応するペアに事前確率を割り当てておく必要などありません。開封によって現実化(収縮)した世界の集合のことだけ考えればよし。
 2封筒問題で「事前確率」が初めて割り当てられるのは、開封後です。

 開封前は正常モデルの出番がなく、開封後は対称モデルの出番がないため、矛盾は生じないと思われるのです。
「W_a,V_bともに確率空間として正当なものであり、それぞれについて単独に議論している限り矛盾の生じる余地はない。」というεさんの観察に賛成です。

 意見の相違があるとしたら、「それではまずいのでは」というのがεさんと、「問題なし」というのが私、ということでしょうか?


Re: 多分一致している点 投稿者:ε 投稿日:2015年11月21日(土)19時15分59秒 返信・引用

ハムさんへのお返事です。

> εさんへのお返事です。
>
> εさん、こんにちは。
> これは、φ様にダブルスタンダードだと指摘している点なのですが、どう思われますか?
>
> >①開封バージョンで開封した封筒に入っている金額がaのとき、W_aが適切な確率空間であり、開けてない封筒の期待値は5a/4である
>
> >②未開封バージョンではV_bのどれかが適切な確率空間であり、最初に選んだ封筒とそうでない封筒の金額の期待値は3b/2で等しい
>
> ①は選択した封筒の金額をaとし、②は小さい方をbとしているのですが、②も選択した方をbとすべきだと思うのです。

上でaとかbとか書いたのは、単に色々な確率空間のパラメーター付けの変数なので、両方aと書いてもbと書いても良いし、xでもyでも構いません。開けた封筒に10円入っていた時に設定される確率空間が、
W_10={(10,5),(10,20)},
また封筒のペアが
{10,20}である時に設定される未開封バージョンの確率空間を
V_10={(10,20),(20,10)}
と書くという記号上の約束です。もちろん確率空間がそれぞれの場合、適切かどうかというのは論理や数学で出てくることではないですが、まあ常識的に妥当だと思うし、2封筒問題のスタートラインみたいなものですから私は認めたいと思っています。

> そうして、選ばなかった方をcとし、bの交換期待値は5b/4、cの交換期待値は5c/4、これを繰り返したときはb=cとなるので、交換の期待値は等しい、と論ずるべきだと思うわけです。
>
ここはちょっと意味がわかりません。bとcは元々等しくないはずなのにb=cでは矛盾になってしまいます。
どういう意図なのかわからないので、前の方のレスを読んでみます。


Re: 多分一致している点 投稿者:ハム 投稿日:2015年11月21日(土)06時10分45秒 返信・引用

> No.4244[元記事へ]

εさんへのお返事です。

εさん、こんにちは。
これは、φ様にダブルスタンダードだと指摘している点なのですが、どう思われますか?

>①開封バージョンで開封した封筒に入っている金額がaのとき、W_aが適切な確率空間であり、開けてない封筒の期待値は5a/4である

>②未開封バージョンではV_bのどれかが適切な確率空間であり、最初に選んだ封筒とそうでない封筒の金額の期待値は3b/2で等しい

①は選択した封筒の金額をaとし、②は小さい方をbとしているのですが、②も選択した方をbとすべきだと思うのです。
そうして、選ばなかった方をcとし、bの交換期待値は5b/4、cの交換期待値は5c/4、これを繰り返したときはb=cとなるので、交換の期待値は等しい、と論ずるべきだと思うわけです。

aとbの定義の仕方が違えば、結果が違うのは当り前ですからね。


多分一致している点 投稿者:ε 投稿日:2015年11月21日(土)01時53分37秒 返信・引用

前回のレスについて言いたいことはたくさんありますが、その前にある程度系統的に私なりの見解を書いたほうが論点を整理するのに好都合だと思いましたので、ここと次のレスでφさんとの一致点、相違点と私が考えるものを述べることにします。ただ、もちろん、まとまったものは前のように自分のブログに書くかなんなりします(元のブログが生きているかどうか心もとないですが)

おっと、ご挨拶がまだでした。ハムさん、ご無沙汰です。



すでにφさんの本にもあるように、もとになる確率空間(モデル)Wは正の数の順序対(a,b)の集合であること、b=2aまたはb=a/2であること、最初の成分が最初に選んだ封筒の金額であることはだれも同意しているのでいいとしましょう。

以下の議論は、Wが何らかの客観的な事前確率であるのか、あるいは主観的な推定によるのか、開封したことによるモデルの変化によるものか、などには関係しません。いま、Wが有限集合であると仮定します。また、有限ですから各点(a,b)に対する確率P(a,b)を与えれば確率空間が確定するので、そのようにします。そしてP(a,b)はどれも0でない(正である)とします。最後の条件は本質的でなく、もしP(a,b)=0ならその点をWから除去して考えればいいからです。

①対称性(対称モデル)
任意のWの点について、P(a,b)=P(b,a)

②正常性(正常モデル)
Wの点(a,b)の第1成分として現れるすべての数aについて、P(a,2a)=P(a,a/2)

結論は

定理「対称性と正常性を同時に満たす有限確率空間Wは存在しない。」

ちなみに、開封した封筒の金額がaだった時に設定される確率空間

W_a={(a,2a),(a,a/2)},P(a,2a)=P(a,a/2)=1/2

は正常モデルのもっとも簡単な例であり、未開封バージョンで少額の方がbであるときに設定されるモデル

V_b={(2b,b),(b,2b)},P(2b,b)=P(b,2b)=1/2

は対称モデルのもっとも簡単な例です。

定理の証明は簡単で、Wが対称性を満たしていれば、第1成分として現れる数と第2成分として現れる数の集合は同じなので、その最大値をAとするとき、(A,2A)はW内に存在しないが、(A,A/2)は存在する。したがって
P(A,2A)=0,P(A,A/2)>0となり、正常性に反する。

ここまでは単なる抽象的な確率の計算ですし、証明もあっていると思いますのでφさんも反対ではないでしょう。

さて、次の点で私はφさんに賛成です(言い方が異なっているのではっきりそうかと言われると心もとないけれども)
①開封バージョンで開封した封筒に入っている金額がaのとき、W_aが適切な確率空間であり、開けてない封筒の期待値は5a/4である

②未開封バージョンではV_bのどれかが適切な確率空間であり、最初に選んだ封筒とそうでない封筒の金額の期待値は3b/2で等しい(この場合、bはプレーヤーに知りえないのでこういう言い方でいいか少し疑問は残ります。胴元がbの値を教えてもプレイヤーの選択には影響しないと考えられるので、そうしてもいいのですが、続いて開封バージョンに移行するという面白い思考実験ができなくなるのでまずいかもしれません)

いくつかの注意を付け加えます
・問題になっているのは実際の利得ではなく期待値で、その意味で理念的なものである。
・①も②も「妥当な哲学的意見」とか「健全な常識」と言われるものであり、論理的、数学的な結論ではない。
・実際に事前確率が存在すると考えた方がいい場合、現実にゲームを何回もするとかシミュレーションをするなどの場合には主観確率による上のような確率空間の設定が事前確率とどれくらい整合的か?という問題が残るので、実際にデータから得た期待値、ましてや実際の利得とはかけ離れている場合もありうる。
・W_a,V_bともに確率空間として正当なものであり、それぞれについて単独に議論している限り矛盾の生じる余地はない。


2封筒問題は1回限り 投稿者:ハム 投稿日:2015年11月20日(金)15時33分18秒 返信・引用

φ様がおっしゃるのは、期待値(交換した時に得られる金額の平均)というよりも、交換の損得(交換と非交換の差額)なのですが、その真意がやっと理解できました。

そうすると、φ様のおっしゃる通りだと思いますが、それは2封筒問題を繰り返した場合のことで、1回限りのときは、交換の損得は、未開封のときも開封のときも、全く分らないということは了解されるのですよね。

1回限りのときは、こう↓であるということですね。

∀x¬∃g(Kx→Tg)


Re: うーん 投稿者:φ 投稿日:2015年11月20日(金)13時10分22秒 返信・引用

> No.4241[元記事へ]

εさんへのお返事です。

  anyからallは帰結しない、すなわち∀x∃g(Kx→Tg)から∃g∀x(Kx→Tg)は導けないという指摘によって2封筒問題のパラドクス的推論を解消するのが本筋でしたから、
 戦略Uにかかわる解釈で、∀x∃g(Kx→Tg)が真で∃g∀x(Kx→Tg)が偽であるようなものを一つでも提示すればOKですね。
 前件が個々の金額に限定した交換戦略によっていつも満たされることを根拠に(それだけを根拠に)、だったら未開封で交換しても同じだ(盲目的全交換で期待値増だ)という理屈だったので。
 前件を真たらしめつつ、後件のgに戦略Uを代入したとき後件が偽となるような解釈が一つでもあればよいわけです。
 つまり、∀x(Kx→TU)が偽となるような。

 で、次の解釈を採用しましょう。
 Kはこれまでどおり「最初に選んだ封筒の中に見出される」という述語。
 Tは、「その戦略で実際に交換が実行できて、かつその戦略は全体的に期待値増となる戦略である」という述語。(Uが特定の金額だけでなく全体に期待値増をもたらす、というのが「未開封でも交換が得じゃん」というパラドクス終盤の趣旨ですから、この解釈でOKでしょう)

 つまりTは正確にはT(x、g)という二項述語であり、「gはxを交換するような、全体的に期待値増をもたらす戦略である」と読めるわけです。

 これにより、Tについて今まで述べてきたこと(たとえばhttp://8044.teacup.com/miurat/bbs/4227)に体系的な言い換えが必要となりますが、本筋には影響しません。Tのこの解釈で、今まで述べてきたことの真理性を確保しつつ、∀x(Kx→TU)を偽たらしめることができます。
 戦略Uは、私の前投稿で見たように、Tを満たしていないからです。Uで(盲目的全交換で)期待値アップを期待する人は、損得どうしの相殺を看過しているのです。
 (すべての職業を同時に選べると錯覚する人のように)

>
> もともとxは一つの可能世界の指標で、その意味は
>
> 「開封した封筒に入っていた金額がx円であるような可能世界」
>
> であったはずです。「∀xKxは偽」という主張はある可能世界xについて
>
> 「開封した封筒に入っていた金額がx円であるような可能世界において
>  開封した封筒にはx円入っていなかった」
>
> と主張されていることになります。
>

  可能世界ごとの真理であればこそ、真であるのは∀xKxではなく、せいぜい∀x◇Kxでしょう。(実は∀x◇Kxですら真とは断定できませんが)
 換言すれば、可能世界をwとして
 ∃w∀xK(x、w)は偽であり、ましてや∀xK(x、現実世界)は偽です。勝負は一回しかやりませんから。
 真でありうる ∀x∃wK(x、w) と混同してはなりません。

 以前述べたことを繰り返しますと、
 K(x、現実世界)なるxは、未開封状態ではすべてのxが候補となってかまいませんが(ただし事前確率分布の推測は原理的に無意味)、開封すれば、実際に見出された唯一の金額aだけがKであり、確率を割り当てられるのは2つのペア(a、2a)と(a、a/2)だけになります。他の可能性を気にする必要はありません。確率変数はたった2つですから、無限にわたる一様分布の困難など発生せず、∀導入も破らずに済みます。


Re: うーん 投稿者:ε 投稿日:2015年11月20日(金)02時19分37秒 返信・引用

> No.4240[元記事へ]

φさんへのお返事です。

もちろん、( )内が任意の命題ならばそうでしょう。しかし、この場合のようにgが関数
(gは「戦略」ですが、O(x)とかU(x)という書き方が説明抜きにお分かりになったように可能世界を動くパラメータxを変数とするいろいろな関数です)の場合には、 ∀x∃g(Kx→Tg) から ∃g∀x(Kx→Tg)
を導くかなり広範な議論があるように思います(戦略Uのように)。


> なお、今回に拙論に対して、
> 「Kxはすべての数にあてはまるのだ」
> とする反論はうまくいかないでしょう。
> 「2封筒ゲームでは、いかなる数であっても封筒内に少なくとも一度は見出される」という条件は、2封筒問題の設定には入っていません。事前確率分布について2封筒問題は無言ですし、そもそも2封筒ゲームは1回限り設定ですから、胴元とプレイヤーがすべての数を(可能性としてではなく現実に)走破するなどという但し書きは的外れです。
> 無限反復はゲームのルールではなく期待値計算のシミュレーションの中にのみ存在します。
> (ハムさんに対して私が述べた「∀xKxは偽」というのもそういうことでした)

これはずいぶん奇妙です。もともとxは一つの可能世界の指標で、その意味は

「開封した封筒に入っていた金額がx円であるような可能世界」

であったはずです。「∀xKxは偽」という主張はある可能世界xについて

「開封した封筒に入っていた金額がx円であるような可能世界において
 開封した封筒にはx円入っていなかった」

と主張されていることになります。


Re: うーん 投稿者:φ 投稿日:2015年11月20日(金)00時30分14秒 返信・引用

> No.4238[元記事へ]

εさんへのお返事です。

ハムさんへの返答も兼ねています。

>
> ①特定の、任意のaについて O(a) >
> は正しいが
>
> ②∀x(O(x) >
> は偽である、と考えられているのではないでしょうね。万一そうなら、大変失礼ですが、述語論理学の教科書をもう一度ご覧ください、と言うしかありません。いうまでもなく「∀」には「総合」とか「集計」とか「一度に」とかという意味が付されるわけでなく、②は①を記号を使って言い換えたにすぎませんから。あるシンタックスの体系では上の推論は「∀導入」という公理になっていたと思います。
>
>

 ∀x∃g(Kx→Tg) から ∃g∀x(Kx→Tg) が出てこないというのは論理的事実ですから、∀導入や∀除去に違反してはいません。

 さて、私の言う主観確率判断Bが∀導入に違反していないことをもっと詳しく述べましょう。

A: 未開封バージョンでは交換してもしなくても、差額期待値はゼロである。
B: すべてのaについて{a,2a}と{a,a/2}が選ばれる確率は等しい。
C: 開封後の全交換戦略Uは、未開封バージョンと同等である。
D: 戦略O「常に開封した封筒から交換しない」と戦略U「常に反対側の封筒と交換する」を実行可能な世界では、それぞれの戦略から得る金額の差額期待値はゼロである

 A、B、Cから矛盾が導かれるかといえば、導かれません。
まず確認ですが、
Aが真であることはもはや問題ありませんよね。CもDも真でしょう。
偽なる命題があるとすれば最有力候補はBですが、Bが『思考実験リアルゲーム』p.211、5~8行目のことであるなら、これも端的に真です。

Dが真であることは、対称性の原理から明らかですが、繰り返しシミュレーションによって具体的に示すと次のようになります。
全交換戦略Uの場合は、非対称戦略SやRと違い、同一金額が交換の起点にも終点にも現われます。
そして、任意の金額xについて、xが最初に手元にある確率と、交換後に手元にある確率は、厳密に同じです。よって、手元のxを交換したとき、どれほどの金額変化がありうるにせよ、それは、交換後にxが手元に来た場合の金額変化によって正確に相殺されます。
このことは、xが異常数か正常数かによって影響を受けません。
よって、戦略Oと戦略Uの獲得金額差の期待値はゼロです。

Cは、いちいち開封するという動作を伴うか否かの違いだけなので、繰り返しシミュレーションにおける金額の移動について違いが認められません。よって、Uと未開封全交換とは同等です。よってCも真。

さて、問題はBですね。Bが真であるのは、前回述べたことですが、それ以外の推定をする理由が全くないからです。
『思考実験リアルゲーム』p.211、5~8行目を記号化すると、こうなります。
Kはすでに出てきたように、「手元の封筒内に見出される」です。

∀x(Kx→(P{x,2x}=P{x,x/2}))

これは、次の命題とは違うことにご注意ください。

∀x(P{x,2x}=P{x,x/2})

つまりBは、個々の「手元に見出した金額」についてのみ全称量化しているのであって、すべての金額にわたって全称量化しているわけではありません。
Bのεさんの表記で、xでなくaとなっていたのはそもそも「封筒内に見出された任意の金額」の意味だったわけですしね。
すべての金額について
∀x(P{x,2x}=P{x,x/2})
と私が言うのであれば、「成り立たないと「論理的にわかっている」ことを、手続き上合法(?)だからと言って前提」しているというεさんの批判があてはまることになります。無限個の確率変数が同じ確率を持つことはないと私もわかっているのですから。
しかしBはすべての金額についてではなく、現実に見出した金額についてのみ一般化しています。よって、「成り立たないと「論理的にわかっている」こと」を肯定しているわけではないのです。

冒頭に引用したεさんの式に因んで述べ直しましょう。

①特定の、任意のaについて O(a) ②∀x(O(x) これは次のように書くべきです。
① 封筒内に実際に見出された特定の、任意のaについて、O(a) ② ∀x(K(x)→O(x) ・①から②は導けるが、②からUが期待値増なる戦略であることは導けない。各xについてUが期待値増となることは、Uそのものの期待値増を意味しない。具体的には、Uでの各々の期待値増は異なるxどうしでの厳密な相殺を伴うからである。

以上のことをご理解いただければ、A、B、C、Dすべてが真であって何ら不都合はないことがおわかりいただけるのではないでしょうか。

・・・・・・
追記
 述語記号の解釈については(とりわけKとT)不都合なところがありそうなので、もう少し考えてみます。
なお、今回に拙論に対して、
「Kxはすべての数にあてはまるのだ」
とする反論はうまくいかないでしょう。
「2封筒ゲームでは、いかなる数であっても封筒内に少なくとも一度は見出される」という条件は、2封筒問題の設定には入っていません。事前確率分布について2封筒問題は無言ですし、そもそも2封筒ゲームは1回限り設定ですから、胴元とプレイヤーがすべての数を(可能性としてではなく現実に)走破するなどという但し書きは的外れです。
無限反復はゲームのルールではなく期待値計算のシミュレーションの中にのみ存在します。
(ハムさんに対して私が述べた「∀xKxは偽」というのもそういうことでした)


異常数 投稿者:ハム 投稿日:2015年11月19日(木)13時36分3秒 返信・引用

> 一方の封筒内がaだ、ということだけが判明したとき、
>(a/2,a)と(a,a/2)が客観的に等確率ということは保証されます。
>(a,2a),(2a,a)も客観的に等確率です。
>しかし、(a,a/2)と(a,2a)は客観的に等確率という保証がありません。むしろ一般に確率が異なります。
>理由は以下の通り。
>2封筒ゲームにεさんの用語で言う「異常数」が含まれるならば、aが異常数かもしれず、(a,a/2)と(a,2a)のうち一方は確率ゼロです。
>もし2封筒ゲームに異常数が含まれないなら、無限にある全ペアの確率分布が一様分布ということは不可能なため、(a,a/2)と(a,2a)は互いに異なる確率を持つ可能性があります。

>ところが、aだけでなくすべてのxについてこれを一度にやるのは、明白に禁止されます。なぜなら、「すべてのペアが等確率ということはない」と論理的にわかっているのだから。

「aだけでなくすべてのxについて~」は、∃xは真だが、∀xは偽だというふうに理解します。

そうすると、私が提示したこれ↓は、異常数があるので偽だということになりますね。
④’ ∃g((∀xKx)→Tg)

>∀x∃g(Kx→Tg)は正当化されても
>∃g∀x(Kx→Tg)はダメというわけです。

∀x∃g(Kx→Tg)は正当化されるけれども、異常数でないxが実際にいくらかは分らない、という別の問題が出てきます。
(a、2a)と(2a、a)として計算するとしても、そのaが異常数であれば、(a、2a)の損が(2a、a)で得をするといえなくなります。


うーん 投稿者:ε 投稿日:2015年11月19日(木)04時08分20秒 返信・引用

ここ2,3のレスを見ていると、No.4228「一応の解決」の条件A,B,Cが矛盾する
ということはお認めいただけたような気がするのですが。私は条件Bが厳密には成り立たないとまではいってません(母集団が無限集合の場合をまだきちんと考えてないから)が、それを公理のように認めるなら条件A.C(またはD)と矛盾することは示したはずです。そして、条件Bが厳密に適用できないなら、そもそも2封筒のパラドックスは発生しません。そして、母集団が有限の時は条件Bは誤りなのですから、数学的、論理的には、これで終わりと言っていいと思います。

>> ただ、少し考えなおしたことがあって、主観的確率の設定などの絡む問題では、論理的矛盾を指摘しても始まらない、とも思い始めています。

と言ったのはたとえば

前レスの

よって、こちら側がaであると判明したら、他に確率の割り当てようがない以上、主観確率的に、あちら側はa/2と2aそれぞれ1/2を割り当てざるをえません。
特定のaについては、これはまったく合法です。主観確率とはそういうものなので。

ところが、aだけでなくすべてのxについてこれを一度にやるのは、明白に禁止されます。なぜなら、「すべてのペアが等確率ということはない」と論理的にわかっているのだから

のような議論です。成り立たないと「論理的にわかっている」ことを、手続き上合法(?)だからと言って前提したりすればパラドックスが発生するのは当然ではないですか?

それから、2重量化の話

>∀x∃g(Kx→Tg)は正当化されても
>∃g∀x(Kx→Tg)はダメというわけです。

などはとてもミスリーディングと思います。これと上の
   「aだけでなくすべてのxについてこれ・・」
をあわせて読んで背筋がぞわぞわとしてきました。まさかとは思いますが

①特定の、任意のaについて O(a)
は正しいが

②∀x(O(x)
は偽である、と考えられているのではないでしょうね。万一そうなら、大変失礼ですが、述語論理学の教科書をもう一度ご覧ください、と言うしかありません。いうまでもなく「∀」には「総合」とか「集計」とか「一度に」とかという意味が付されるわけでなく、②は①を記号を使って言い換えたにすぎませんから。あるシンタックスの体系では上の推論は「∀導入」という公理になっていたと思います。



Re: a≠2a 投稿者:φ 投稿日:2015年11月18日(水)19時13分9秒 返信・引用

> No.4236[元記事へ]

ハムさんへのお返事です。

εさんへのレスhttp://8044.teacup.com/miurat/bbs/4235の補足も兼ねます。


>
> (a、2a)が出現する確率は1/4、(2a、a)が出現する確率も1/4です。
> (a、2a)が出現する確率は1/4、(a、a/2)が出現する確率も1/4です。
> すべて同じ確率ですよ。
>

 一方の封筒内がaだ、ということだけが判明したとき、
(a/2,a)と(a,a/2)が客観的に等確率ということは保証されます。
(a,2a),(2a,a)も客観的に等確率です。
しかし、(a,a/2)と(a,2a)は客観的に等確率という保証がありません。むしろ一般に確率が異なります。
理由は以下の通り。
2封筒ゲームにεさんの用語で言う「異常数」が含まれるならば、aが異常数かもしれず、(a,a/2)と(a,2a)のうち一方は確率ゼロです。
もし2封筒ゲームに異常数が含まれないなら、無限にある全ペアの確率分布が一様分布ということは不可能なため、(a,a/2)と(a,2a)は互いに異なる確率を持つ可能性があります。

しかし、確率が異なる可能性があるといっても「どう異なりうるのか」が全くわかりません。(aが正常数の場合)
aが異常数と仮定した場合も、極大数なのか極小数なのかは不明です。
よって、こちら側がaであると判明したら、他に確率の割り当てようがない以上、主観確率的に、あちら側はa/2と2aそれぞれ1/2を割り当てざるをえません。
特定のaについては、これはまったく合法です。主観確率とはそういうものなので。

ところが、aだけでなくすべてのxについてこれを一度にやるのは、明白に禁止されます。なぜなら、「すべてのペアが等確率ということはない」と論理的にわかっているのだから。

こうして、
∀x∃g(Kx→Tg)は正当化されても
∃g∀x(Kx→Tg)はダメというわけです。
「戦略Uは、個々の金額における期待値増大戦略の総和でありかつそれ自体期待値増大戦略である」というのは不可能であり、その不可能性は∀x∃g(Kx→Tg)と矛盾はしません。

付記 http://8044.teacup.com/miurat/bbs/4235の最後にある「集合論」は「確率論」の誤記です


a≠2a 投稿者:ハム 投稿日:2015年11月18日(水)13時31分32秒 返信・引用

>Kを「交換する」と読んでも、2封筒問題は実際には一度しかやらないため、∀xKxは偽になります。

2封筒問題を繰り返す場合は、∀xKxは偽ではないですよね。

> (a、2a)と(2a、a)とは厳密に同じ確率ですが、
> (a、2a)と(a、a/2)とは厳密に同じ確率ではなく、手元にaが見えたら仕方なく同じ主観確率を割り当てられるだけにすぎません。

a/2、a、2a が、片方の2倍の金額が入っているという2封筒問題の定義より、ありえる順序対の組み合せは4種類です。↓

(a/2,a),(a,a/2)
(a,2a),(2a,a)

このとき、(a、2a)が出現する確率は1/4、(2a、a)が出現する確率も1/4です。
(a、2a)が出現する確率は1/4、(a、a/2)が出現する確率も1/4です。
すべて同じ確率ですよ。


Re: 投稿者:φ 投稿日:2015年11月18日(水)00時59分16秒 返信・引用

> No.4232[元記事へ]

εさんへのお返事です。

>
>           世界1      世界2
> 開封した封筒の金額 6万円     1億円
> 戦略Oでの期待値  6万円      1億円
> 戦略Sでの期待値 7万5千円     1億円
> 戦略Rでの期待値 6万円     1億2500万円
> 戦略Uでの期待値 7万5千円   1億2500万円
>
> 私の言っているのは、単に「世界1においても世界2においても戦略Uは戦略Oより高い期待値を持つ」ということにすぎません。これについてφ さんは
>
> >戦略Uでの期待値は、各金額においては25パーセント増となりますが
>
> という形でお認めになっていると思います。この命題と、仮に
>
> D:戦略Oや戦略Uを実行可能な世界では、両者の期待値は等しい
>
> という命題があるとしたら、それは論理的に矛盾する。と言っているにすぎません。命題Dを導く議論がどんなものであれ、ということです。
>
> これはいいですか?
>

 いや、
 戦略Uでは、各金額での期待値増を集計して「戦略Uとしての期待値増」とみなすことはできなさそうなのです。
 つまり、「戦略Oと戦略Uを実行可能な世界では、両者の期待値は等しい」ということで問題なさそうなのです。

 たとえば、戦略Uの結果最終的に手元に来た金額ごとに集計し直せば、戦略Uは期待値減となりますね。
 はじめ手元にあった金額ごとに集計するか、最後に手元に来た金額ごとに集計するかは、恣意的であり、「戦略としての期待値変化の効果」に変わりないはずなのに。
 つまりこれは、各金額ごとの集計は当該戦略の正しい期待値判断になっていないことを意味します。

 ちなみに戦略SおよびRには、矛盾した期待値計算が同時に対応することはありませんから、どちらも端的に正しい期待値計算を与えられていると言えます。

 戦略Uが(金額ごとでなく戦略として)期待値増または減とみなす計算がなぜダメなのでしょうか。
 (a、2a)と(2a、a)とは厳密に同じ確率ですが、
 (a、2a)と(a、a/2)とは厳密に同じ確率ではなく、手元にaが見えたら仕方なく同じ主観確率を割り当てられるだけにすぎません。
 つまり、異なる確率のペアに同じ確率を割り振って集計しているのが戦略Uを期待値増もしくは減とする計算であり(ゆえにあるペアの頻度を過大評価し、別のペアの頻度を過小評価している)、そのような計算は単独の金額については主観確率計算として許されても、全体にわたって行なって戦略Uになるまで徹底してしまうとまずいことになる、ということではないでしょうか。

 εさんが主観確率について以下のように言われたのは、以上に類する理由でしょうか。

>
> ただ、少し考えなおしたことがあって、主観的確率の設定などの絡む問題では、論理的矛盾を指摘しても始まらない、とも思い始めています。
>

 主観確率は主観確率なりに、集合論の公理系は満たさなければならないので、矛盾があってよいことにはなりませんが。


Re: 2封筒問題(繰り返しバージョン)の記号化 投稿者:φ 投稿日:2015年11月18日(水)00時54分48秒 返信・引用

> No.4233[元記事へ]

ハムさんへのお返事です。

>
> 「すべての数について交換すれば、得をする」というのが、未開封バージョン④だとすれば、こう書く↓べきかと思います。
> ④’ ∃g((∀xKx)→Tg)
>
> そして、③が開封バージョンなのだとすれば、変数xは定数aとなるので、こう書く↓べきかと思います。
> ③’ ∃g(Ka→Tg)
>

http://8044.teacup.com/miurat/bbs/4221 で書いたように
Kxは「こちらの封筒に金額xがある」
Tgは「gは期待値増をもたらす実行可能な戦略である」
と読むのが便利だろうということに今なっております。

 その読みでは、∀xKxは自動的に偽になります。
 Kを「交換する」と読んでも、2封筒問題は実際には一度しかやらないため、∀xKxは偽になります。


2封筒問題(繰り返しバージョン)の記号化 投稿者:ハム 投稿日:2015年11月17日(火)12時45分8秒 返信・引用

お二人の議論を面白く拝見しています。
εさんの異常数の指摘は斬新です。
まあ、2封筒問題はお年玉の時の遊び程度の認識ですから、異常数を見ることはないのでしょうが、数学の問題としては重要でしょうね。
異常数があるので、必ずしも交換が得だといえなくなるわけですね。

私の方は、2封筒問題(繰り返しバージョン)の記号化についての疑義を呈させていただきます。

> 開封バージョン  any
> ③ ∀x∃g(Kx→Tg)
>  未開封バージョン all
> ④ ∃g∀x(Kx→Tg)

>それがすなわち「∀x∃g(Kx→Tg) から ∃g∀x(Kx→Tg)が導けない」ということの意味です。


「すべての数について交換すれば、得をする」というのが、未開封バージョン④だとすれば、こう書く↓べきかと思います。
④’ ∃g((∀xKx)→Tg)

そして、③が開封バージョンなのだとすれば、変数xは定数aとなるので、こう書く↓べきかと思います。
③’ ∃g(Ka→Tg)

そうすると、③’から④’が導出できます。


Re: 投稿者:ε 投稿日:2015年11月16日(月)23時32分9秒 返信・引用

一番重要な点に絞って、誤解を解きたいと思います

そのために、表を少し修正して、再掲します:

戦略O:「常に開封した封筒から交換しない」
戦略S:「6万円だけを反対側の封筒と交換する」
戦略R:「1億円だけを反対側の封筒と交換する」
戦略U:「常に反対側の封筒と交換する」

とし、封筒に6万円、1億円入っていた時の期待値をそれぞれ表にしてみると


          世界1      世界2
開封した封筒の金額 6万円     1億円
戦略Oでの期待値  6万円      1億円
戦略Sでの期待値 7万5千円     1億円
戦略Rでの期待値 6万円     1億2500万円
戦略Uでの期待値 7万5千円   1億2500万円

私の言っているのは、単に「世界1においても世界2においても戦略Uは戦略Oより高い期待値を持つ」ということにすぎません。これについてφ さんは

>戦略Uでの期待値は、各金額においては25パーセント増となりますが

という形でお認めになっていると思います。この命題と、仮に

D:戦略Oや戦略Uを実行可能な世界では、両者の期待値は等しい

という命題があるとしたら、それは論理的に矛盾する。と言っているにすぎません。命題Dを導く議論がどんなものであれ、ということです。

これはいいですか?

ただ、少し考えなおしたことがあって、主観的確率の設定などの絡む問題では、論理的矛盾を指摘しても始まらない、とも思い始めています。


Re: 一応の解決 投稿者:φ 投稿日:2015年11月16日(月)03時54分24秒 返信・引用

> No.4228[元記事へ]

εさんへのお返事です。

>
> それは、「段階2と段階3が論理的に矛盾している」
>
> というものです。もちろん、主観確率の設定が異なるというだけの意味ではありません。
>
> もっと正確に述べると
>
> A:未開封バージョンでは交換してもしなくても、期待値は同じである。
>
> B:すべてのaについて{a,2a}と{a,a/2}が選ばれる確率は等しい。
>
> C:全交換戦略は、未開封バージョンと同等である。
>
> この3つを同時に仮定すると、矛盾が導かれます。
>
> 以下の議論自体は事前確率のモデルとは無関係です。
>

「事前確率」が関係ないモデルは大歓迎です。
 原理的にペアごとに確率が違うかもしれないという事実(pp.219~223参照)を指摘して計算間違いをただす場合以外は事前確率は不要ですから。

 とはいえわからないのは、
 Bは、『思考実験リアルゲーム』p.211 の4行め~8行目と同じ趣旨でしょうか?
 だとすればそれは、「未開封状態での事前確率を特定することは不可能であり、無意味」ということと、2行目のβとから帰結することです。
 「選ばれる可能性のあったペア」とは、開封バージョンで初めて特定できます。それは、封筒内に見出した金額を挟んだ2つのペアのことです。確率変数はその2つのみであり、確率分布は1/2ずつ、それだけです。
 それ以外の事前確率分布に遡ってこだわるのは不健全だというのが私の立場。

 その場合、A、B、Cが矛盾するとは思えないのですが。
 全交換すれば、未開封バージョンでの交換と同じく、損得ないはずです。

 戦略Uでの期待値は、各金額においては25パーセント増となりますが、この場合は個別の集計を合算したものが全体の期待値増を表わすことはないでしょう。(x、2x)での得が常に(2x、x)での損失で打ち消されるので、全体としては損得なくなります。
 ペア総額ごとに集計するべきなのに手元金額ごとに集計するという仕方は、事前確率の違うペア同士を組み合わせた不正規な計算ですから(ふたたびpp.219~223参照)、全体の計算としては考慮に値しません。
 よって、かりに手元金額ごとの集計ではどれも25パーセント増だとしても、全体が25パーセント増とするための正しい計算になっていないでしょう。

 それがすなわち「∀x∃g(Kx→Tg) から ∃g∀x(Kx→Tg)が導けない」ということの意味です。


修正 投稿者:ε 投稿日:2015年11月15日(日)19時37分23秒 返信・引用

右手中指に怪我をしているので(大したものではありません)どうもタイプミスが多くて申し訳ありません。

下から13行目

以上のように戦略Uで得られる期待金額はどの場合でも戦略Sや戦略Uの期待金額以上になり

はもちろん

以上のように戦略Uで得られる期待金額はどの場合でも戦略Sや戦略Rの期待金額以上になり

です。それ以外の小さなミスは大体読めるのでそのままにしておきます。ご容赦ください。


ご注意 投稿者:ε 投稿日:2015年11月15日(日)19時26分40秒 返信・引用

真ん中あたりに「すべてを含む最強の戦略」と書いたのが気になって・・

戦略Rと戦略Sは両立できませんから、戦略U(一個下のレスにdと書いてあるのに気づきました)が文字通りに両者を含んでいるわけではもちろんありません。しかし、Uも確かに一つの戦略であり、条件Bを仮定する限り最強であることにはかわりありません。


一応の解決 投稿者:ε 投稿日:2015年11月15日(日)16時24分39秒 返信・引用

φさん、わかりにくい投稿を丁寧に読んでいただいたようで、ありがとうございます。また、φさんの言うゲームや戦略の意味がはっきりしてきました。

さて、レスを読んでいろいろ考えてみたところ、私にとって一応の解決が見えてきました。φさんには意外に思われるでしょうが・・

それは、「段階2と段階3が論理的に矛盾している」

というものです。もちろん、主観確率の設定が異なるというだけの意味ではありません。

もっと正確に述べると

A:未開封バージョンでは交換してもしなくても、期待値は同じである。

B:すべてのaについて{a,2a}と{a,a/2}が選ばれる確率は等しい。

C:全交換戦略は、未開封バージョンと同等である。

この3つを同時に仮定すると、矛盾が導かれます。

どれも哲学的に妥当にみえる前提なので、私もなかなか気づけなかったのですが、「正常化」したモデルでは、全交換戦略が最良の選択であり、また、対称性(条件A)を保つようにすると、どうしても異常数が現れてしまうことの意味を考えていたら、こういう結論になりました。しかし、以下の議論自体は事前確率のモデルとは無関係です。

一見、議論の構造は真性パラドクス論者と同じなので、少し丁寧に説明したいと思います。

まず、条件Bを素直にとれば、全交換戦略が最良であることはやはり直感的に明らかです。
それはある意味で、∀x∃gから ∃g∀xを推論することですが、その誤謬の例で挙げられた数の大小の問題と異なり、gは戦略、すなわち命題ですから「すべてを含む最強の戦略」というのが存在しうるわけです。いわば、数の無限和というのは、有限和の極限としてしか定義できないのに対し、集合の無限和や無限積は直接定義できるようなものでしょうか。

以上は予備的なたとえ話であって、もちろん証明ではありませんが。

形式的な証明を書くよりも、φさんのあげられた例を基に議論を進めます。一般の場合も構造は同じですから。

最初に選んだ封筒には、6万円、1億円の2つの可能性だけがあったとしましょう。

戦略S:「6万円だけを反対側の封筒と交換する」
戦略R:「1億円だけを反対側の封筒と交換する」
戦略U:「常に反対側の封筒と交換する」

とし、封筒に6万円、1億円入っていた時の期待値を表にしてみると

  封筒の金額  6万円     1億円
交換しない場合  6万円     1億円
戦略Sでの期待値 7万5千円   1億円
戦略Rでの期待値 6万円     1億2500万円
戦略Uでの期待値 7万5千円   1億2500万円

この計算、特に戦略Uの計算にも何の矛盾もないことはおわかりでしょう。

以上のように戦略Uで得られる期待金額はどの場合でも戦略Sや戦略Uの期待金額以上になり、したがって、交換しない場合より常に期待値は大きくなります。ここで、条件Cからこれは未開封バージョンと同じであり、条件Aと明らかに矛盾します。

ここで、条件Uだけに段階2、すなわちAを適用することは、3つの条件の整合性に疑義が生じているので、もちろん禁止されることに注意してください。
これが、有限、無限を問わずどんなaの集合についても成り立つことはあきらかでしょう。

また、考えている世界が金額によって異なるのだという異議(そんなことはおっしゃらないかもしれないが)、さまざまな可能世界について、どれでもよいようにあらかじめ準備しておくのはごく普通のことであり、今、自分のいる世界が異なる場合でさえ、親の遺産が借金であるかプラスであるかわからない状態で相続対策をする場合のように、世間によくにあることだ、と言っておけば十分でしょう。

もともと、「正常化」を考えたのは、条件Bが常に成り立つとすると、どんなことが送っているかを具体的に調べてみたいのが動機でした。その結果、2つ前のレス最後の例のように「こっちの封筒の期待値」より「あっちの封筒の期待値」
の方が単純に大きくなってしまうことがわかりました。いわば、異常数の存在は
対称性の保持に役立っているわけです。

他にも論じたいことはありますが、たぶん重要な事だと思いますのでとりあえずここまで。


Re: 追加です 投稿者:φ 投稿日:2015年11月15日(日)05時00分54秒 返信・引用

> No.4225[元記事へ]

εさんへのお返事です。

>
> 条件Q:{a,2a}と{a,a/2}が選ばれる確率は等しい。
> (もちろん2つのペアが存在すれば(aが正常数なら)仮定βによって正しいけれども、> どちらかが存在しなければそちらの確率は0です。正直、φさんはこの問題を軽視して
> おられるような気がします。
>

確かに、異常数の処理については問題が感じられますね。
ペア総額の事前確率は定義不能なので無視できるという私の立場(開封時に初めて1/2という事前確率が生ずるのだという私の立場)では異常数の問題も「軽視」というより「無視」できると思われるのですが、もう少し考えてみます。

さて、

>
> ④ ∃g∀x(Kx→Tg) ですが、これは偽です。
>
> と言われています。私はφさんがどのようにしてこの結論に達したのかわかりませんが、つまりこれの否定が真
>
> ~(∃g∀x(Kx→Tg))
>
> と主張されていることになります。
> 変形すると、
>
> ∀g∃x(Kx&~Tg)
>
> となり、任意のゲームgに対して(それぞれに特定の)金額xがあり、開封して交換しても期待値は増えない、となりますがそれはいいのですか?
>

 なるほど、ご指摘ありがとうございます。
ただ、これは問題ないと思われます。2つの理由で。

まず第一の理由として、
私の論旨は(「段階6が誤り」という趣旨は)次のようなものでした。

∀x∃g(Kx→Tg) ゆえに ∃g∀x(Kx→Tg) という推論は非妥当
つまり
∀x∃g(Kx→Tg)から∃g∀x(Kx→Tg)を導くような形式的推論は存在しない。

2封筒問題(のパラドクス性)は、段階5から段階6を導き出せるという主張に依存しています。
導き出せないのであれば、2封筒問題は解決したと言ってよいでしょう。
つまり、∃g∀x(Kx→Tg)自体が真か偽かはさほど問題でなく、
∀x∃g(Kx→Tg)だけから∃g∀x(Kx→Tg)を導く論理的根拠はないのだから、少なくとも「パラドクス」ではなかろう、ということです。
 無論これだけなら、
∃g∀x(Kx→Tg)は偽、というのは言い過ぎで、
∃g∀x(Kx→Tg)は証明できない、くらいに言っておくのが正しかったでしょう。
しかし、
第2の理由があります。
http://8044.teacup.com/miurat/bbs/4221 で書いたように
Kxは「こちらの封筒に金額xがある」
Tgは「gは期待値増をもたらす実行可能な戦略である」
さて、

∀g∃x(Kx&~Tg) をεさんは次のように読んでいますが↓

「任意のゲームgに対して(それぞれに特定の)金額xがあり、開封して交換しても期待値は増えない」

↑これは正確ではなく、次のように読むべきでしょう。

「任意のゲームgに対して(それぞれに特定の)金額xがあり、〈その金額より期待値が増える〉ということがない」

この読みで ∀g∃x(Kx&~Tg)は紛れもなく真です。(xとして極大数を動員しなくてもです)

∀x∃g(Kx→Tg) が真であったのは、たとえば
xが6万なら、「6万だけを反対側の封筒と交換する」という戦略Sゆえです。
xが1億なら、「1億だけを反対側の封筒と交換する」という戦略Rゆえです。
1つの金額だけを交換する戦略がgの範囲にあれば十分です。
(その他の戦略、たとえば「だけ」を削除した全金額交換戦略dは、段階2により、~Tdなので、範囲にあってもなくてもかまいません。まあ入っていることにしましょう)
ともあれ、想定可能な交換戦略をgの範囲としてとれば、
∀g∃x(Kx&~Tg)
は真となります。

6万円だけを交換する戦略Sについては、たとえば5万円が手元に来てかつ戦略Sをとることは「交換しない」ということですから(交換すべき6万円が来ていないのですから)、期待値増になりません。このときSというgはTを満たしません。
つまり∃x(Kx&~TS)
Sだけでなくあらゆる金額の戦略gについて、~Tgとなる金額を設定できますから(ほとんどの金額が該当します)、∀g∃x(Kx&~Tg)は真です。

また、全交換戦略dは、そもそも~Tdでしたから、いかなる金額が手元に来ても関係ありません。

 以上、二つの理由により、∀g∃x(Kx&~Tg)は御懸念には及ばないと考えます。

 別の論点についてはまた改めて。


まとめと注意 投稿者:ε 投稿日:2015年11月14日(土)13時07分48秒 返信・引用

2つ前の投稿が長すぎて読みにくいので、要点をまとめます。
・私の場合、ゲームとは胴元が提示する封筒の金額の組み合わせの確率分布のことです。シミュレーションならプログラムから判断できますし、実際のゲームなら事後にデータから判断できます。
・胴元が「正常化」してしまった場合には、開封の場合も未開封の場合も交換した方が期待値は25%向上します。
・そうでない場合はゲームと金額によって、交換した場合、期待値は25%向上したり、損したり得したり色々です。開封しても未開封でも、どれがどの場合か事前にはわかりませんから交換しても交換しなくても平均すれば期待値は変わりません。開封した場合、事後にまずい封筒を交換してしまったと判明した場合、プレイヤーは、そうでない、期待値が25%向上するゲーム(世界)がたくさんあるはずだ、と言える点だけが異なります。


追加です 投稿者:ε 投稿日:2015年11月14日(土)03時45分58秒 返信・引用

寝ようとして、気がついたことがあるので一言追加します。

φさんは2つ前のレスで

④ ∃g∀x(Kx→Tg) ですが、これは偽です。

と言われています。私はφさんがどのようにしてこの結論に達したのかわかりませんが、つまりこれの否定が真

~(∃g∀x(Kx→Tg))

と主張されていることになります。
変形すると、

∀g∃x(Kx&~Tg)

となり、任意のゲームgに対して(それぞれに特定の)金額xがあり、開封して交換しても期待値は増えない、となりますがそれはいいのですか?

私のモデルだと、(正常化しない対称バージョンでは)常に極大数があり、その金額の入った封筒では交換すると必ず損になりますから結論自体は同じなのですが。


Re: 投稿者:ε 投稿日:2015年11月14日(土)02時52分0秒 返信・引用

分量が多いので、少しずつ書くことにします。

>∀x∃g判断と∃g∀x判断があるということ自体はよろしいですよね。

それは異論はありません。ついでに言うと、後者から前者は導かれるので、組合せの可能性としては
(真、真)、(真、偽)、(偽、偽)
となることはもちろんご存知と思いますが、付け加えます。

ただし、やはり言い方が気になるので・・・一言、最初の例では「任意の・・」
でも「すべての・・」でもどちらでもよく、後者を「すべての・・・」
と始めるのは日常言語ではある言い方にしても、紛らわしく、数学では非常に好ましくない言い方なので、論理記号の読み方のテストをするならば、2年生以上なら0点、数学の初心者であるなら少しお情けで点をあげるくらいでしょうか?

ちなみに、数学者が論文を書くときによく使うTeXというソフトがありますが、∀は\forallというコマンド名になっています。

さて、本題ですが

各段階について、どの1つも無条件で受け入れられるものはありませんから一概にどこまで、と言えないのです。

とここまで原稿を書いて自分にメールし、後でレスしようと帰りの電車の中でいろいろ考えてみたらわかったことがあり、かなりの修正の基でですが、ある意味でほぼ5まで賛成できます。ただ、以下に述べるように、ちょっと用語を導入しなければ説明できませんのでご面倒ですがご了承ください。

*以前ご連絡したか定かではないのですが、私も6年前に首都圏の大学に転任し
電車で都内の自宅から通勤しています。念のため、名前をタイトルにして近況などメールしておきます。

私の想定しているのは前にも述べたようにシミュレーションなのですが、実際に胴元がとプレイヤーがゲームを(もちろん有限回)行い、すべてのデータを知ることのできる第三者が集計して確率分布を調べても事態は変わらないので、それでもいいことにします。私は戦略までは指定しませんので、変数はゲームでなくシミュレーションの頭文字sと書くことにしますします。つまりsを指定したとは2封筒の組とそれを何回出すか(出したか)を指定したことを意味します。

さて、母集団が有限だと前のレスで述べたように、必ず

① {a,a/2}は母集団に含まれるが、{a,2a}は含まれない
② {a,2a}は母集団に含まれるが、{a,a/2}は含まれない

ものが存在します。有限集合なら①は最大数、②は最小数がそうですが、それ以外に存在する場合もあります。一般に①のaを極大数、②のaを極小数、いずれの場合もペアを異常ペアということにします。

逆に

③{a,2a}も{a,a/2}も母集団に存在する、ときこのペアを正常ペア、aを正常数ということにします。
*無限集合でも、たしかTTTさんのモデル

{{2^n,2^(n+1)};∃n:整数}

ではすべてのペアは正常ですが

{{p,2p};∃p:素数}

などではすべてのペアが異常です。

さて、本の計算のように

選んだ封筒に正常数が入っているときには、交換すれば期待値は25%増加する。
極大数が入っているときには交換すれば確実に50%損をする。
極小数が入っているときには交換すれば確実に100%得をする

ことはすぐにわかるでしょう。封筒を開けてみるまではどの種類の数かわかりません。しかし、開けてみても胴元から何らかの情報がない限りわからないわけです。だから上の事実を使って戦略を変えることはできません。

この意味では何ら違いはありません。しかし、開けたバージョンでは

自分はxが正常数であるようなシミュレーションをしている。あるいは
そういうシミュレーションが行われている世界にいる。

なぜなら、「xが異常数であるようなシミュレーションは(あるいは世界)はレアだろうから」

と想定することが合理的か?ということになるでしょう。それは前回のレスの

条件Q:{a,2a}と{a,a/2}が選ばれる確率は等しい。
(もちろん2つのペアが存在すれば(aが正常数なら)仮定βによって正しいけれども、どちらかが存在しなければそちらの確率は0です。正直、φさんはこの問題を軽視しておられるような気がします。


を仮定するということですが、それだけ見ると合理的に見えても、有限の母集団なら必ず異常数があり、場合によっては少なくないのですから、交換すると決めた数xがたまたま極大数なら常に損をするわけで、どんなものか?
という気もします。

さて、すべてを正常ペアにすればいいような気がします。実際、そのようなシミュレーションsは存在して、それは母集団から順序対バージョンでは(異常数,y)というペアを取り去ってしまうことですが、もっと自然に見える方法では、プレイヤーが異常数を引き当てたとき(開封でも未開封でも)胴元が

「今のは無しね」

と言ってその回のプレイを強制的にキャンセルしてしまうことです。
こうすると、すべてのペアが正常ですから開封でも未開封でも交換すれば期待値で25パーセントの得になります。ここまで書いてきて、戦略まで考えてもあまり違いがないような気がしてきましたので、また変項はgでゲームと呼ぶことにしますこういうものをゲームとして認めれば実際

∀x(Kx→Tg)

をみたすゲームgが作れることになります。数値例は後で示しますが、タネは簡単で、最初に選んだ封筒の金額の平均値と他の封筒の金額の平均値、を比較すると単純に後者が上回ってしまうからです。
いや、この操作を「正常化」を名づけ、ゲームgの正常化をg*で表すと、

∃g*∀x(Kx→Tg*)

むしろもっと強く

∀g∀x(Kx→Tg*)

が成り立ちます。このようなモデルでは明らかに段階1、段階2ですでに成立しませんが、こういうものをゲームと呼んではいけないということはどこにも明示的には書かれてないように思います。

いや、対称性が成り立つのは当然の前提条件だ、と言われるならばこういうのはゲームでないと考えてもいいですが、その場合、段階1、段階2はなりたつものの、異常数の問題が常に生じることになります。

最後に簡単な具体例を示しておきます。
母集団は{1,2},{2,4},{4,8},{8,16}
異常数は16(極大数)と1(極小数)
正常化しない場合には、開封バージョンで16が出たら交換しようと運悪く決めていた人は25%期待値で得でなく、交換した回では確実に50%の損になるでしょう。全交換ならもちろん対称性から(あるいは個別の計算から)どちらでも同じとなるでしょう。

一方、正常化すると順序対で書かなければなりませんが、母集団は

{(2,1),(2,4),(4,2),(4,8),(8,4),(8,16)}

最初の選択は必ず正常数となりますから、簡単な計算からどれも交換すればそれぞれ25パーセントの得となりますが、第一成分の期待値は(2+2+4+4+8+8)/6=14/3=4.666…、第2成分の期待値は(1+4+2+8+4+16)/6=35/6=5.833…だからまあ当然で、これは未開封でも開封でも同じことです。

正常化しない場合、上に書いたように開封バージョンで交換の対象として16を選んだ人は実際にも母集団の確率を使って計算しても期待値は25%増にはならないわけですが、以下のように主張することが許される?だけでしょう:

確かに今回のゲームでは期待値の計算は違っていた。しかし、他の多くのゲーム(可能世界?)では16は正常数になるのだから、その時は期待値は25%増になるからいいのだ。

以上です。つい夢中になって結局全部書いてしまいましたが、わかりにくかったらすみません。ただ大部分単なる数学的計算なのでこれからあまり修正することはないと思います。


Re: ゲームに対する条件 投稿者:φ 投稿日:2015年11月13日(金)14時47分47秒 返信・引用

> No.4222[元記事へ]

εさんへのお返事です。

>
> うーん、今度は言われていることがほとんど分からないですね。
> ゲームgがルールだったり期待値計算だったり戦略だったり、全部違うものだと思いますし、そもそも量化すべき数学的対象としてとしてこれらがどういうものなのか判然としません。
>

any判断からallx判断が導出できる、という主張が正しくない例として、
∀x∃g判断と∃g∀x判断があるということ自体はよろしいですよね。
anyもallもともに∀xですが、作用範囲の違いがあるわけです。

xの適切な解釈としては、手元の初期金額しかありませんね。
gは、損得が判定できるものであれば何でもOKです。

どの金額についても何らかのgが得、と言えるからといって、すべての金額について得であるようなgがあるとは限らない。
↑という構造に同意いただければ、とりあえずanyとallの話はおしまいです。
 量化の対象は「数学的対象」である必要はなく、命題間の論理関係を整理するために量化を使うだけでも十分意味があるでしょう。

 まだいろいろお答えしなきゃならないことがありそうですが、
 ここで、
 話の腰を折るようでまことに申し訳ありませんが、εさんと私との間にどの程度の同意が成立しているのか、確認したいのですが。

 2封筒問題を順を追って整理します。
 どの段階までをεさんは肯定されるのでしょうか。
 あまり早い段階で意見が食い違っていると、それ以降の議論が空転してしまいますので。
  (私の立場は、以下、段階1~段階5は真だが、段階6が偽であるために、パラドクスは導かれない、というものです)

■段階1 2封筒問題未開封バージョンで、手元の封筒内金額ともう一つの封筒内金額のペアを文字であらわす場合、
 {(x、2x)、(2x、x)}
とすべきであり、{(x、2x)、(x、x/2)} は不適切である。
片方だけ固定して書きたければ、{(2x、x)、(x/2、x)} も含めるべきであり、それは結局
 {(x/2、x)、(x、x/2)}
 {(x、2x)、(2x、x)}
という2つの場合(総額について二種類)を提示したことになり、不経済である。
 xはどのみち変数なので、xであらわした総額は一種類だけ提示すれば十分。

■段階2 未開封バージョンで交換した場合、差額の期待値はゼロである。
 計算は、(2x-x)/2+(x-2x)/2=0
これは初めにいかなるxが手元にあったかにかかわらず、成り立つ。

■段階3 開封して手元の金額を見て、A円だった場合、可能性は
 {(x、2x)、(2x、x)} の各ペアのそれぞれ第1項が定数Aだから、
  {(A、2A)、(A、A/2)} となる。
 交換すると、差額の期待値は (2A-A)/2+(A/2-A)/2=A/4
交換するのは交換しないでいるより期待値大である。

■段階4 定数Aは任意である。ただ値が特定されさえすれば、25%の期待値増となることが段階3で示された。

■段階5 任意の定数について段階4が成り立つということは、個々のすべての定数について成り立つということであり、つまりは手元の初期金額がいくらであれ交換して期待値25%増。(金額ごとの各個別計算に限ってみれば)
     ∀x∃g(Kx→Tg)   (手元の初期金額である……K、期待値増の戦略である……T)

■段階6 初期金額がいくらであれ「交換戦略は期待値増の戦略である」のだから、交換戦略という「すべての金額について期待値増の戦略」が存在する。つまり、
 初期金額xがいくらであれ「交換戦略gは期待値増の戦略である」のだから、交換戦略gという「すべての金額つまり全体において期待値増を生む戦略」が存在する。
      ∀x∃g(Kx→Tg)ゆえに∃g∀x(Kx→Tg)

■段階7 手元の封筒を開封するかどうかという動作の有無は数学的に非本質的なので、未開封のまま交換しても段階6から変更なし。未開封バージョンで全交換して、どの初期金額でも25%増。それらを集計すれば、未開封バージョン全体で期待値25%増。

■結論C 2封筒ゲームにはパラドクスがある。(段階2と段階7が矛盾するので)

 段階5までは真ですが、段階6が偽です。
 形式的に段階5から段階6を導き出すことはできず、段階6を支持しうる根拠は段階5以外にはありませんから、段階6を真とすることはできず、「結論C」は導かれません。(段階7が偽ということでつじつまが合うため、パラドクスはないということ)

以上の推論のうち、たとえばTTTさんと私とは早くも段階2で意見を異にしています。
εさんと私はどうなのでしょう。どこまで意見一致しているのかを確認させてください。
anyとallの話から始まりましたから、段階5までは一致している、ということでよろしいですか。


ゲームに対する条件 投稿者:ε 投稿日:2015年11月12日(木)16時19分34秒 返信・引用

うーん、今度は言われていることがほとんど分からないですね。
ゲームgがルールだったり期待値計算だったり戦略だったり、全部違うものだと思いますし、そもそも量化すべき数学的対象としてとしてこれらがどういうものなのか判然としません。

職業選択の問題との関連もよくわかりません。職業選択の問題では、すべての職業を経験するということとどれかの職業を選ぶという明らかな違いがあるのに対して、どの場合も交換した方が得というのは、可能性のある封筒ペアの一方を全部開いたりはないわけで、いわば多世界界に存在するそれぞれの私が封筒を開こうとすると、「開かなくとも交換すれば25%得だよ」という神の声が聞こえてきて(実際は数学的推論なのだが)、それを信じる人も信じない人も(神は正しいので)結果は同じになるというだけです。
職業選択問題でいえば
「どんな職業についても、その道で頑張れば幸せになれるよ」
というアドバイスを受け入れた人は、「幸せ」を第一に考える限りどの職業に就くかをあまり気にしなくなるようなものでしょう。


少し別の角度から考えてみます。実は私は条件α、βを誤解していて、その下に書いてある条件

Q:胴元にとって可能性のある任意の2つの封筒ペア{a,2a},{a.a/2}について、それに当たる確率は(正であり)等しい。

のことだと思っていたのです。本ではこれがβから出てくるように書いてありますが、何か暗黙の条件がない限り、決してそんなことはありません。

たとえば、可能性のあるペアが、{1,2},{2,4}だけだとしましょう。このそれぞれに
確率1/2を与えると、βはみたしますが、{4,8}という組み合わせは母集団に含まれてないのでその確率はゼロで、P({2,4})=1/2,P({4,8})=0でQはみたしません。

ここでちょっと前に戻って、ゲームgとは何かということですが、それは条件α、β、Qをみたしうるような数学的対象であるので、やはり私が前に言ったように母集団Wとその上の確率のペア、すなわち確率空間g=(W,P)と考えるのが最も自然なのではないでしょうか。量化は様々な確率空間に関するものとなります。

この問題では未開封でも開封でもプレイヤーが最初に1つが封筒を選択するわけですが、その手間を省いて胴元が最初の封筒をランダムに選んでやっても(プレイヤーの気分は違うでしょうが)確率構造は変わらないので、母集団として順序対(a,2a)や(2a,a)の集合を取ってもよいことは本に書いてある通りです。こちらを順序対バージョン、さっきのを非順序対バージョンと呼ぶことにしましょう。

さて、論点を絞るために、コンピュータシミュレーションの場合だけを考えてみることにします。といっても、封筒の組の集合を考え、それがn個あればスロットがn個のルーレットを用意し、等しい確率で組を選ぶだけです。これは当然ゲームの確定、事前確率の確定を意味しますが、そもそもそれがなければコンピュータシミュレーションにならないので当然です。

すると条件Qはプレイヤーの(ある意味勝手な)等確率の推定が、実際の確率空間と矛盾せず、したがってシミュレーションで用いる確率空間を使って計算した期待値と、プレイヤーの推測による期待値が一致する条件となりますね。

さて、ゲームに対する条件をもう一つ考えます。

F:母集団Wは有限集合である。

(残念ながら)次の結果が成り立ちます:

命題 非順序対バージョンでは、性質FとQは矛盾する。

これはaとして任意の正の実数を許しても成り立ってしまいます。証明は210ページに
書いてあることを言い換えればいいのですが、一応書いておきます。

W={{a_i,a_i/2},(i=1,2,...,n)}とするとき、Aをa_1,...,a_nの最大値とする。仮定より{A,A/2}はWの元で、性質QよりP({A,A/2})=P({A,2A})>0であるからWの中に
{A,2A}という元が存在しなければならず、それはAの取り方に反する。(証明終)

じつは、順序対バージョンではこの欠点を除ける場合があるのですが、そのためには

対称性 (a,2a)がWの元⇔(2a,a)がWの元

を断念する必要があります。簡単にいえば第一成分が最大、最小になる場合をWから除去すればいいのです。まあ、φさんに賛成してもらえるとは思わないけれど、それでよければ

④ ∃g∀x(Kx→Tg)

をみたすようなゲームg(上のように確率空間と解釈した場合)でWが有限集合であるものを実際に構成することができます。そのときxの動く範囲はもちろんWの順序対の第1成分全体の集合です。相当長くなったので、実際のモデルは次回ということで。


追伸 投稿者:φ 投稿日:2015年11月12日(木)02時49分46秒 返信・引用

③ ∀x∃g(Kx→Tg)

 Kは「こちらの封筒に金額xがある」と読んだ方がスッキリしますね。
 ③は「いかなる金額についても、それが手もとに来た場合、期待値増となる実行可能な戦略がある」

④ ∃g∀x(Kx→Tg)
 「いかなる金額が手もとに来ても実行可能で、しかも期待値増となるような同一の戦略がある」

 ④が真なら未開封バージョンで期待値増となる戦略があるはずですが、それは幻想です。

 論理構造は前投稿と変わりませんが、述語K、Tや変項gの解釈としてはこちらの方が自然かと。


Re: ゲームに関する量化 投稿者:φ 投稿日:2015年11月12日(木)02時29分2秒 返信・引用

> No.4219[元記事へ]

εさんへのお返事です。

>
> 211ページの条件αとβをみたすゲームなら常に成り立つと主唱しているわけで、この2条件をゲームgがみたすということをPgで表すとき
>
> ③' ∀x∀g(Pg&Kx→Tg)
>
> ではないでしょうか?
>

条件αは不要で、βさえ真であれば2封筒問題の解決には十分、という趣旨でした。

 さて、「ゲーム」ですが、
 むしろ「ルール」とか、あるいは「正しい期待値計算」とか「正しい集計(シミュレーション結果の)」とか言った方がよかったかもしれません。
 いずれにせよ、T(得である)という述語の項ですから、得か損か(プラスかマイナスか)が判定できるようなものがgの値です。
 gを「ルール」とすれば、Kというやり方そのものを別角度から見ているに過ぎないことになりますが。
 任意のプレイがPを満たす(βを満たす)ことは当然という前提のもとで、Pは省略して書くと、
 開封バージョンは

 ③' ∀x∀g(Kx→Tg)
 ではなくやはり
 ③ ∀x∃g(Kx→Tg)です。

 たとえば開封して6万円があったとき、つまりx=6万のとき、
 ∀g(6万円だけを他方の封筒に交換する → 集計gは得である(プラスの期待値を持つ))
 とは言えません。
 交換するのは6万円しかありませんから、gとして実現するのは(12+3)/2という計算だけです。その他の計算は正しい計算として現実化しておらず(非現実的な計算にとどまり)、K60000 のもとで「得」の判定になっていません。
 ゆえに、∀x∃g(Kx→Tg)を満たすgは一つだけです。
 (換言すると、封筒内金額がわかれば、どの金額を交換するのかというルールが一つだけ決まります)
 各金額xに特有の期待値計算あるいはルールgが対応しています。

 他方、未開封バージョンで全交換が得だという主張は
 ④ ∃g∀x(Kx→Tg) ですが、これは偽です。
 各xに正しい期待値計算が対応してはいるものの、それらは全部異なる計算ですから、すべてのxに共通の計算はありません。(あるとしても、それは「得」という答えを出さず、「プラスマイナスゼロ」という答えを出してしまいます)
 ∀x(Kx→Tg)を真たらしめるgは存在しないわけです。
 換言すると、未開封バージョンで(あるいは開封しても金額を気にせず全交換してしまうやり方で)「期待値増である」と(金額別にではなく、総合的に)判定できる計算は存在しない、ということです。

 (適切な説明になっているか覚束ないですが、まあ趣旨はおわかりいただけるかと……
 職業選択の事例と全く同型ですから)


ゲームに関する量化 投稿者:ε 投稿日:2015年11月11日(水)02時30分39秒 返信・引用

まず、納得していただいてホッとしました。

次に、ゲームに関する量化をするバージョンについての疑問です:
まず、ゲームというのは、(選んだ封筒の金額、選んでない封筒の金額)のペアからなる母集団Wとその上の確率Pの組(W,P)と考えていいですか?
(数学的にはそれ以外には考えられないと思いますし、本でもそう解釈できます)

このとき、問題は

③ ∀x∃g(Kx→Tg)

は弱すぎる主張で、xを与えたとき、とにかく何でもいいからゲームgが存在して
・・・としか言ってないわけですね。

しかし、209ページの真ん中あたりの「ためしに2封筒ゲームを何度も何度も・・」以下に書いてあることはもっと強い主張のような気がします。
つまり211ページの条件αとβをみたすゲームなら常に成り立つと主唱しているわけで、この2条件をゲームgがみたすということをPgで表すとき

③' ∀x∀g(Pg&Kx→Tg)

ではないでしょうか?


Re: ちょっとこれは 投稿者:φ 投稿日:2015年11月10日(火)16時32分25秒 返信・引用

> No.4217[元記事へ]

εさんへのお返事です。

そうですね、①は②を含意します。
偽なる命題という見出しのもとに②を置いたのは間違いでした。①も②も真です。ご指摘ありがとうございます。

①→②が真だからこそ、開封バージョンから未開封バージョンが導出できるように感じられて、パラドクスが生じたわけですね。
①が②を含意するにもかかわらず、〈開封バージョンでの交換の得〉から〈未開封バージョンでの交換の得〉が導き出せない、というのが私の趣旨なのでした。

①∀x(Kx→T)
②(∀xKx)→T

 でTは「プレイヤーが得をする」、Kは開封バージョンの意味からして「xの時に限って交換する」です。
 ②が述べているのは、
 「xの時に限って交換する」というプレイを全金額(すべてのx)についてなせば、T
 ということで、これは真です。
 ただし、「の時に限って」を全金額について行なうことは不可能(「限って」の意味に反する)ですから、②の前件は偽です。つまり、②が真であるのは空虚な意味においてです。
 (空虚に真であるというのを、前回、誤って「偽」として扱ってしまったわけです)

 ①から②が導出されることに変わりありませんが、これは、未開封バージョンで交換が得ということが導出された、ということではありませんね。
 ①→②が真であっても、「開封で交換が得→未開封で交換が得」とはなりません。未開封では当該戦略が使えない、というだけの話です。

 余計なご心配をおかけしないためにも、
 いきなり次の形式だけを書けばよかったですね。

  開封バージョン  any
 ③ ∀x∃g(Kx→Tg)
  未開封バージョン all
 ④ ∃g∀x(Kx→Tg)

③から④は導けません。
 実際、④を満たすゲームgは存在しません。理由は職業選択の場合と同じです。
 職業どうしがバッティングするため全職業を同時に選べないのと同様に、
 全交換では、異なる金額どうしの損得が相殺してしまうので、個別計算ごとに25%増だからといって総計25%増という意味にはならないのです。


ちょっとこれは 投稿者:ε 投稿日:2015年11月10日(火)01時07分39秒 返信・引用

あまり時間がないので、一つだけ気になるところにレスします。

①∀x(Kx→T)

から

②(∀xKx)→T (カッコは念のため付けました)

が導かれないと言われてるのですか?xの動く領域が空でない限り、論理的に導出できると思いますが。


Re: ご無沙汰しています:2封筒問題 投稿者:φ 投稿日:2015年11月 9日(月)03時17分53秒 返信・引用

> No.4215[元記事へ]

εさんへのお返事です。

 お久しぶりです。
 たしか、いちど人文死生学研究会においでになったとき以来ですか。(というかお会いしたのはあの時だけですね)
 コメントありがとうございます。

 any とall の違いは、数学では普通に使うのではありませんか?
 anyどんな数についても、それより大きな数がある。・・・・・・・真
  ∀y∃x(x>y)
 allすべての数よりも(どんな数よりも)大きな数がある。・・・・・・・・偽
  ∃x∀y(x>y)

◆貴方は、どの職業を選ぶこともできる。 any
 ∀x◇Sx 可能様相◇を存在量化で書き直すと、∀x∃wS(x,w)

◆貴方は、すべての職業を選ぶことができる。 all
 ◇∀xSx 可能様相◇を存在量化で書き直すと、∃w∀xS(x,w)
  ↑こんな可能世界はありません。

 さて、
 2封筒問題もまったく同じ構造です。

◆◆どの数についても、交換すれば得をする・・・・・・真
(開封バージョンに相当)
 「個々のどの金額についても、交換すれば得」
∀x(Kx→T)

 ゲームを量化して一般化すると、
   どの金額についても、K戦略でTとなる特定ゲームがある
∀x∃g(Kx→Tg)
    ↑たしかに金額ごとに、交換で得するゲームがあります。金額が違えば各々違うゲームですが。

◆◆すべての数について交換すれば、得をする・・・・・・偽
(未開封バージョンに相当)
 「金額にかかわらず全交換戦略で、全体的に得」
∀xKx→T
 ゲームを量化して一般化すると、
すべての金額についてK戦略をとることでTとなるような、特定ゲームがある
∃g∀x(Kx→Tg)
    ↑こんなゲームは存在しません。すべての金額を通じて同じゲームで、全交換で得するなどというゲームは。

 いかがでしょうか。

 εさんは数学の専門家ですから、
 TTTさんそのほか、過去の諸発言をどうご覧になっているか興味深いところです。
 追々お教えください。


ご無沙汰しています:2封筒問題 投稿者:ε 投稿日:2015年11月 8日(日)19時02分18秒 返信・引用

φさん、εです。覚えていらっしゃいますか?大変ご無沙汰しています。
以前書き込みをしていたのは2006年の2,3月頃なので、もう10年近くになりますね。
最近、どうしていらっしゃるのかとふと思い立ってホームページを見たところ、
今年の4月から東大に移られたそうで。「下半身の論理学」などという大胆不敵な(笑)なタイトルの本の著者を採用するとは、東大もなかなか粋なはからいをしますね。研究条件など格段によくなったと思いますので、お慶び申し上げます。
上の本もですけど、「思考実験リアルゲーム」早速購入しました。2封筒問題は以前お会いした時にお聞きして、よくわからないところがある、と言われていたと思いますが、まとまったものが読めるのはうれしいです。

前置きが長くなりましたが、本題です。
未開封、開封バージョンとも、そもそも考える確率空間が違うのだ、と考えれば基本的には了解できます。
(そう明示的には書いてないけど、私にはそう読めます)
ただ、いくつか疑問の点があり、それを追求していくと全面的反論になってしまうかもしれませんが。

最初の疑問は213ページ、

「どの(any)」と「すべての(all)」とは厳密に区別しなければならない。

という一文です。もちろん、文脈によっては区別があることもあるでしょうが、 数学では厳密に同じ意味であって、ここでの話では、単に 論理記号で書くと

(全称記号)a P(a)
ただし、P(a):開封した封筒にa円入っているとき、そのときだけに交換すれば得をする、

というだけなので、それはanyでもallでも同じになるのではないでしょうか?
もちろん、最初の解答のように、aが異なればそもそも確率空間が異なるのだ、と考えれば問題ないのかもしれませんが
後のほうでは多くのaを同時に考える場合も出てきて、その場合には、すべてとなると、結局、未開封と同じ
になってしまいます。
いや、いろいろなaを同時に考えるモデルを作ってみると(シミュレーションをするにはモデルは必要ですから)
実際未開封でも、常に交換したほうが得、となってしまいます。この詳細は次の機会に書こうと思いますが、
最初の疑問はとりあえず

論理学でanyとallを区別することなどそもそもあるのか?両方とも全称記号で表されるものではないか?

ということです。

最近の掲示板は眺めたのですが、以前にも膨大なレスがあったようで、何か同じような議論があれば読んでみたいと思いますのでリンクなどよろしくお願いいたします。


Re: その他・モンティ・ホール問題の確率論的解答 投稿者:φ 投稿日:2015年10月21日(水)01時39分43秒 返信・引用

> No.4212[元記事へ]

φさんへのお返事です。

 以下の点についてだけ、一つ追伸しておきましょう。
 TTTさんはこれまでに、私がモンティ・ホール・ジレンマについて
 『論理パラドクス』p.88で「仮説P」を提起しつつ、その仮説Pが誤りであることを示したことに、何度か言及しています。
 というか、仮説Pを否定したことを高く評価してくださっているようです。

 それはありがたいのですが、
 以下のようなコメントには毎度「?」と反応するしかありません。

>
>  対称性がある/金額組は既に決まっている/小さい方をNと置いて計算すると確率分布の未知数の部分が打ち消し合う
>  という場合に分岐順序に従った計算が0になるから
>  差額の期待値(増加量の期待値)は0だ
>
> これを仮説Qとでも呼ぶとしましょう。
>
> 金額差が一定の場合は、確かに前件も後件も真となっています。
> だからといって、他の場合(特に比が一定の場合)にも仮説Qが真だとし
> 仮説Qを用いて答えを導くのは早計です。
>
> 対称性のある通常のモンティホール問題では、仮説Pの前件も後件も満たしていたわけですが
> だからといって対称性のない変形モンティホール問題でも仮説Pが正しいとし
> 仮説Pによって答えを導くのは誤りだったわけです。
>
> ベイズ確率の定義(確率論的に言えば条件付き確率の定義)に従った計算結果と、仮説Pによって導き出される結果が
> 違うことから、仮説Pが誤りであることを確かめたのです。
>
>  差額が一定という設定では仮説Qが正しかったのだから、比が一定という封筒問題の設定でも仮説Qを適用して解く
> というφさんのやり方は
>  通常モンティホール問題で仮説Pは間違いでなかったのだから、変則モンティホール問題でも仮説Pが正しいとして適用する
> という間違いと全く同じなのです。
>

 仮説Qは仮説Pとは全然違いますね。
 仮説Pは「何について情報が与えられたか」という、質的な要因による判断です。
 対して、仮説Qは、任意のありうる個々の総額についてちゃんと期待値の計算をして、それを任意の確率分布で重みづけして足し合わせています。その結果は常にゼロです。
 仮説Pと仮説Qでは比べ物になりません。

 仮説Pは、対称性の破れた変形モンティ・ホール問題によって反証されました。仮説Pの前件を保った設定でありながら、後件が偽となる事例を突き付けられたのです。
 対して、仮説Qでは、そのようなことは起きていません。一定なのが金額差だろうが金額比だろうが(一定という条件も実は不要でしょうが)、常に同じ計算方法で未知数は打ち消しあいます。対称性が破れない限り、期待値ゼロは不動です。
 (対称性が破れればもちろん期待値はゼロにはなりません。それは封筒α、封筒βの設定にちなんでhttp://8044.teacup.com/miurat/bbs/4170で計算した通り。しかし対称性を破った設定は仮説Qの反証には使えません)

 ちなみに、対称性の破れがないという条件のもとでは、仮説Pも正しいと思われますがいかがでしょうか。

 仮説Qは、対称性の成立を前件に含んでいるぶん、仮説Pよりも安泰です。
 そして仮説Qは単に対称性の打ち消し作用を前提しているのではなく、計算すると対称性ゆえに確率分布が消去される経緯に基づいているのです。


Re: 訂正 投稿者:φ 投稿日:2015年10月19日(月)15時40分49秒 返信・引用

> No.4211[元記事へ]

KOTAさんへのお返事です。

>
> 封筒の中身の合計額が3xであった場合、
> 封筒の中身を透視できる能力がない限り、
> 一方の封筒の「期待金額」は(3/2)xと解する以外になく、
> 他方の封筒の「期待金額」も同様に(3/2)xと解するしかありません。
> 交換しようとしまいと、「期待金額」は同じです。
> これだけで、未開封パターンの話は終わりです。
> 未開封パターンの議論は無意味だと思います。
>

 まったくその通りですね。
 TTTさんのような人までがこの段階で無駄なこだわりに囚われているのは残念です。

 ふつうは、哲学の人間が無益にこだわるところを数学の人がたしなめるものなんですけれどね。
 たとえば、
 ゼノンのアキレスと亀にいつまでもこだわる哲学者、
 0.99999・・・ ≠ 1 と言い張る哲学者
 は少なくなく、数学者に嘲笑されるものなんですが。

>
> なお、2人がペアで2封筒ゲームをするとどうなるか?
> 上記ルールをペアがともに守ることはできないので2封筒ゲームが成立しません。
> 「Bに該当しない限り必ず交換する。」というルールをペアの両者が守ることはできないので。
>

 二人が4倍ごとに律儀に交換していったら、いちおう二人ともA、B両方を守れているように見えますが・・・・・・?


Re: その他・モンティ・ホール問題の確率論的解答 投稿者:φ 投稿日:2015年10月19日(月)15時33分12秒 返信・引用

> No.4210[元記事へ]

TTTさんへのお返事です。

どうも最近のTTTさんはツッコミどころ満載ですね。・・・
どうしちゃったんでしょうか?

今回もとくに反問したいところだけ記します。

>
> まず
> > 未開封の封筒内金額には一様分布がありえないのだから、任意の確率分布Xを設定してください。
> 等と書いているということは
>
>  封筒問題の未開封状態で2つの金額の事前分布が(一様分布以外で)存在する
> を前提とすることについては認めたということでいんですよね?
>
> 「確率分布の影響は計算過程で消えるから、任意の確率分布で成立」が正しいとしても
> 「確率分布は存在しない」とはならないわけです。当たり前ですね。
>

 プレイヤーの身長はあってもよいが、問題に関係しない、だから存在しなくてもいい、
 というのと同じ意味で私は金額の確率分布について語っています。
 プレイヤーの身長をどう場合分けしても、それぞれの場合にいずれも必ず期待値0になるということです。
 身長が存在しなくていい、というのは、身長の特定の値が、というにとどまらず、いかなる値も存在しなくてよいのです。
 プレイヤーがコンピュータソフト、あるいは国民の総意、あるいは身長測定方向を持たぬ伸縮回転生命体で、身長がないとしてもかまいません。身長が気になる人の前では便宜的に適当な身長をあてがってやればよいのですから。
 問題全体としては、プレイヤーの身長は「存在しない」のですよ。

 確率分布も同じです。何を基準に決めるのか問題設定に一切書いてありません。胴元の心の中に確率分布があったのですか? 誰もアクセスできない主観的イメージの中に?
 そんなものは胴元自身にもわかりませんね。プレイヤーはなおさらです。しかも胴元が存在したかどうかも定かではありません。突風が吹いて粒子が集まり封筒と小切手が偶然生成され、通りすがりの透視能力者が封筒内の数字を読み取ってゲームに利用したのかもしれません。
 はじめから1:2と決めて金額設定したのか、結果的に1:2になっただけなのかすらわかりません。
 問題自身は何も語っていないのですよ。問題がいつどこで出題されるかにも左右されますし。
 問題と文脈がともに沈黙しているということは、事前確率分布は問題に無関係だということ、のみならず「存在しない」と「言ってよい」ということです。

>
> 一般には「手順が違えば確率分布も違う」とは言えません。
>

 「手順が違えば」が十分条件だとは誰も言ってませんよ。
 「手順が違えば確率分布も違うこともある」と言っているのです。

>
> 逆に言えば、「確率分布」だけではなく「手順」も用いないと説明できない事柄があったとすれば
> それは確率論の範疇ではないということです。
>

 確率は、解決のために用いるものであって、問題を設定する道具ではありません。
 確率を用いるまえに、まず問題が記述されている言葉を読み取り、設定を理解し、正しいモデルを作らねばなりません。
 TTTさんはモデル作り(問題の読解)で失敗しているわけですから、確率論以前の段階を考え直してください。期待値の定義(しかも恣意的な定義)をいくら繰り返しても無駄でしょう。

>
> 条件付き確率P(・|A)や条件付き期待値E[・|A]と書くときのAは事象(集合)です。
> 略記として事象に相当するもの(数式や命題、確率変数など)を書くこともありますが
> 「確率的に起こるかどうかが決まるモノ」でなくてはなりません。
>
> Aという設定における確率を考える場合
> 設定Aであることは確率的には決まりませんから、P(・|A)という形で書くのは変で
> 設定Aのとき、Bのときの確率測度はそれぞれ別の記号P,Qで定義して使うとか
> 添え字を用いて測度をP_A,P_Bと定義するなどしなくてはいけません。
>
> P(・|A)、P(・|B)という書き方だと
> Pは「Aの決め方になるのかBの決め方になるのか(それともまた別の決め方になるのか)まで確率的に決まる」
> という設定の確率測度を表すことになり、φさんの挙げた例の設定の確率測度としては適当ではありません。
>

 どうも整合性がありませんね。最近のTTTさんの言うことには。
 設定Aなのか設定Bなのかが確率的に決まらないと言うんですね。
 つまり、AとBの仮説検定(スートを分けたのか分けてないのかの推定)において、事前確率分布は存在しない、と。
 ところが一方で、2封筒問題には、(意識主体として存在するかどうかもわからない)胴元の金額選択に事前確率分布が存在する、と言うのですね。
 A、Bにおいては事前確率が存在せず、2封筒問題では事前確率が存在する、とダブルスタンダードはどうやって正当化するのですか?

 A、Bにそのつど適当な事前確率をあてがうのは自由なんですよ。
 2封筒問題で適当な事前確率分布をあてがうのが自由であるのと同じです。
 ともに、任意のあてがいで同じ答えになるし、実際、「本当の確率分布」など存在しないかもしれないし、問題解決には関係ないのです。
 ともに、必要に応じて確率分布を想像してください。そしてどんな想像内状況でも成立する答えを求めてください。

>
> >  任意の確率分布Xを設定してください。
> >  合計額をYとします。
> >  交換による増額をZとします。
> >  すると、∀X∀Y(E[Z|X,Y]=0)
>
> この書き方は全く駄目ですね。
> この書き方では「金額の確率分布すら確率的に決まる」ということになってしまいます
>
> 合計額毎に確率分布を想定するわけはずですから、そこでの期待値は
> 合計額Yだけ用いてE[・|Y]で書くべきです。
>

 私よりはるかに数学のできるTTTさんらしからぬ発言ですね。……
 どうしてその書き方が「金額の確率分布すら確率的に決まる」ことになるのでしょう?(あるいはそうなるとして、どこが悪いのでしょう?)
 しかもこの書き方は「合計額毎に確率分布を想定する」なんてこととは無縁ですよ。

 ∀X∀Y(E[Z|X,Y]=0) というのは、
 ∀X(∀Y(E[Z|X,Y]=0)) ということです。
 どのように確率分布Xが決まっても、そのもとで各Yについて、すべて期待値0、と言っているだけです。
 その確率分布Xの値は、ただ一つしかなくてもべつにかまいません。Xの変域が絞られていて、Xは見せかけの束縛変項でもよいわけです。(Yについても同様)

 ちなみに、∀Y∀X(E[Z|X,Y]=0) と書いたのであれば、
 ∀Y((∀X(E[Z|X,Y]=0)) ということですが、これについてはTTTさんの好きな「手順は関係ない」というやつで、単にX、Yにかかわらず、ということで、X、Yの順序を変えても同値です。
 「合計額毎に確率分布を想定する」設定は、以下のように書き表されます。

  ∀Y∃X(E[Z|X,Y]=0)

 これはいうまでもなく、
 ∃X∀Y(E[Z|X,Y]=0) や ∃Y∀X(E[Z|X,Y]=0)とは同値ではありません。一方を特定する場合は、手順を変えてはダメということです。

 もひとつちなみに、Xの値がただ一つだけだとしても、トリビアルな意味で確率1という決まり方をしていますから、「金額の確率分布すら確率的に決まる」というのは間違いではありませんね。
 実際に確率分布Xがどのようなものかを(便宜的に)決めるのは、TTTさんのような確率分布が気になる人たちですが、そういう人たちが各々どのように確率分布を決めるかの確率分布には私はもとより興味ありません。
 Xを決めたいと言うなら各人で勝手に決めてくれ、と言っただけです。もともとXを考えなくてよいという立場の私が、説明上、TTTさんのために無理にXを持ち出しただけですからね。

>
> 私の主張は既に書いた通り
>  金額比X:Yが1:2または2:1であるとき(あるいはa>1なる任意の定数aに対してX:Yが1:aかa:1となるとき)
>  E[X],E[Y]が共に存在する分布の場合は、E[Y-X]は存在してE[Y-X]=E[Y]-E[X]
>  E[X],E[Y]のどちらかが存在しない分布の場合は、E[Y-X]は存在しない
> ですから
> 「金額の差が常に定数(特に差が常に0、つまり2つが同額)」という例では
> 後件Bだけでなく前件Aも満たしてないので反例にはなりません。
> Y-Xの期待値を考えているわけですから、Y-Xが限定されるような条件を付ければ
> その場合だけ特殊になるのはむしろ当然です。
>

 「a>1なる任意の定数aに対してX:Yが1:aかa:1となるとき」という条件はいつ導入されたんでしたっけ?
 しかもそれは、全く一般的な条件ではなく、特定の場合を明記しているだけですね。
 それと、「Y-Xが限定されるような条件を付ければその場合だけ特殊になるのはむしろ当然です。むしろ当然です」?
 もしそれを当然というなら、
 「Y-Xの期待値を考えているわけですから、対称性が成り立つという条件を付ければその場合だけ特殊になるのはむしろ当然です。」
 とも言えてしまいます。
 前回述べたように、私は「対称性は特殊だから、頭ごなしに」差額期待値ゼロ、とやったわけではありませんよ。
 かりに設定した総額の各々について、かりに設定した総額の各々について、X-Yの期待値を計算するとどれもゼロになる、という、一般的な計算にもとづいています。
あるいは同じことですが、Xの期待値とYの期待値を計算して差し引きするとどれもゼロになる、という、一般的な計算にもとづいています。
 「Y-Xが定数になる場合は別扱いしよう」というアドホックなやり方はダメです。何度も言いますが一般化してください。

 前回、私が「確実に確かめたいことだけに限ってレスをする」としたすべてにお答えいただいてはおりませんし、今回はさしあたりこのくらいにしておきます。


Re: 訂正 投稿者:KOTA 投稿日:2015年10月18日(日)05時43分6秒 返信・引用

> No.4209[元記事へ]

φさんへのお返事です。

私が言いたいことは以下の通りです。

封筒の中身の合計額が3xであった場合、
封筒の中身を透視できる能力がない限り、
一方の封筒の「期待金額」は(3/2)xと解する以外になく、
他方の封筒の「期待金額」も同様に(3/2)xと解するしかありません。
交換しようとしまいと、「期待金額」は同じです。
これだけで、未開封パターンの話は終わりです。
未開封パターンの議論は無意味だと思います。

開封パターンでは、開封時に金額がわかり、
同時に、「今後」交換すべきでない金額もわかるところが未開封パターンと異なります。
開封パターンの場合
A「原則として交換する。」
B「交換すべきでないときは交換しない。」
を守る限り、平均25%の利得を得ることができます。
交換すべきでないときとは、過去に見た金額の2倍の金額を見たときです。
(最大利得は25%で、それより少ない利得でも良いなら色んな戦略があるかも知れませんが、意味あるでしょうか?)


なお、2人がペアで2封筒ゲームをするとどうなるか?
上記ルールをペアがともに守ることはできないので2封筒ゲームが成立しません。
「Bに該当しない限り必ず交換する。」というルールをペアの両者が守ることはできないので。



Re: その他・モンティ・ホール問題の確率論的解答 投稿者:TTT 投稿日:2015年10月18日(日)04時47分50秒 返信・引用

φさんへのお返事です。

まず
> 未開封の封筒内金額には一様分布がありえないのだから、任意の確率分布Xを設定してください。
等と書いているということは

 封筒問題の未開封状態で2つの金額の事前分布が(一様分布以外で)存在する
を前提とすることについては認めたということでいんですよね?
(X,Yの同時分布に対称性がある場合にのみ限定するのなら、の分布と合計額の分布は1対1対応しますから
の事前分布が存在する」と「合計額の事前分布が存在する」は同値です)

もし「任意のxでAが成立」というようなことが言える場合
「xが具体的に何であろうがAの成立とは関係ない。故にxが具体的に何なのかを考える(定める)必要はない」
ということは言えますが
「xは存在しない(存在し得ない)」とはなりませんからね。

「確率分布の影響は計算過程で消えるから、任意の確率分布で成立」が正しいとしても
「確率分布は存在しない」とはならないわけです。当たり前ですね。


>  このたとえは的外れですね。
>  選んだカードをすべて使った事象の確率で考えるべきです。(ペアの交換もそうなのだから)
>  あるいは、せめて複数のカードを使った事例を考えるべきです(対称・非対称の区別に発展する問題なのですから)。

いいえ。的外れではありません。
封筒問題は金額組を1つ選ぶ(選ばれている)という問題なので
トランプを1枚選ぶ(選ばれている)という事例と同様に考えることができます。


>  A スートを分けない設定
>  B スートをランダムに決めておく設定
>  R……ランダムに選んだ2枚のカードにエースが含まれる

> AとBではいくらでも食い違います。
> 手順は重要なのです。

2つの設定の違いは「確率分布の違い」で説明できます。
当たり前ですが、確率分布が同一なら、確率や期待値は同一になります。
確率分布が異なる場合、期待値の値(期待値計算の計算結果)が同じになることはありますが
定義に基づく期待値計算の計算式は、異なるものとなります。

「手順が違うから確率分布も違う」と言いたいかもしれませんが
トランプを1枚選ぶ例で見たように手順を変えても確率分布が変わらない場合もあるので
一般には「手順が違えば確率分布も違う」とは言えません。
「手順はわからないが確率は分かっている」という場合の確率や期待値を考えることもできますから
確率論では「手順」というのは全く不要で、剃り落すべき概念です。

逆に言えば、「確率分布」だけではなく「手順」も用いないと説明できない事柄があったとすれば
それは確率論の範疇ではないということです。



> P(R|A)=33/221
> P(R|B)=2/13

確率論を準拠しろ、どんな確率空間を前提とするか意識しろ
と言ったそばから、記号の書き方がいい加減ですね。

条件付き確率P(・|A)や条件付き期待値E[・|A]と書くときのAは事象(集合)です。
略記として事象に相当するもの(数式や命題、確率変数など)を書くこともありますが
「確率的に起こるかどうかが決まるモノ」でなくてはなりません。

Aという設定における確率を考える場合
設定Aであることは確率的には決まりませんから、P(・|A)という形で書くのは変で
設定Aのとき、Bのときの確率測度はそれぞれ別の記号P,Qで定義して使うとか
添え字を用いて測度をP_A,P_Bと定義するなどしなくてはいけません。

P(・|A)、P(・|B)という書き方だと
Pは「Aの決め方になるのかBの決め方になるのか(それともまた別の決め方になるのか)まで確率的に決まる」
という設定の確率測度を表すことになり、φさんの挙げた例の設定の確率測度としては適当ではありません。
適当ではないが、そう考えたとしても話の辻褄は合うので許容できなくもないですが

>  任意の確率分布Xを設定してください。
>  合計額をYとします。
>  交換による増額をZとします。
>  すると、∀X∀Y(E[Z|X,Y]=0)

この書き方は全く駄目ですね。
この書き方では「金額の確率分布すら確率的に決まる」ということになってしまいますが
そうすると「金額の確率分布はどうなのか?」という論点が
「金額の確率分布の確率分布はどうなのか?」にすり替わっただけで何の解決にもなりません。
私は「金額の確率分布の確率分布まで遡って考える意義はない」という立場ですし
今までのφさんの主張の中にも「金額の確率分布の確率分布」に相当するようなものはありませんでしたから
そもそも誰も「金額の確率分布の確率分布」なんて話はしていません。

> これをすべてのiについて個別に想定する。
> どの場合も、E[X]=Xi
> つまり、それぞれE[X]が有限の値に確定する(トリビアルな意味で)。

と書いてたように、φさんの立場では
合計額毎に確率分布を想定するわけはずですから、そこでの期待値は
合計額Yだけ用いてE[・|Y]で書くべきです。

従って
>  すると、∀X∀Y(E[Z|X,Y]=0)
>
>  これはすなわち、
>  E[Z]=0
>  ということでしょう。

> 各Yの値ごとにE[Z]の計算をせねばならず、そのいずれもがゼロになる、だから全体にゼロ、という理屈はもうとっくにおわかりのはずですが。

という主張を確率論的に表現すると
 ∀Y(E[Z|Y]=0)
 つまり
 E[Z]=0
 ということ
となります(より正確に書くと、1行目は∀y(E[Z|Y=y]=0) )。
しかし、この主張は確率論的には正しくないのです。

任意のyでE[Z|Y=y]=0ならばE[E[Z|Y]]=0とはなりますが
 E[E[Z|Y]]こそがE[Z]なのだ
というのはφさんの勝手な言い分であって、確率論ではそのようなことは認められません。


> 改めて反例を挙げると、
>  2つの封筒に同額が入っている。
>  ランダムに一方を取った。
>  他方と交換した時の増額の期待値は?
>   ↑
>  こんな簡単な反例があるのだから、一般原理として上記のTTT案をこれ以上使い続けるのは無理ですよ。

それのどこが反例なんでしょうか?
「Aが成立の時、Bも成立」の反例は「Aが成立するがBは成立しない」というものでないと駄目でしょう。
私の主張は既に書いた通り
 金額比X:Yが1:2または2:1であるとき(あるいはa>1なる任意の定数aに対してX:Yが1:aかa:1となるとき)
 E[X],E[Y]が共に存在する分布の場合は、E[Y-X]は存在してE[Y-X]=E[Y]-E[X]
 E[X],E[Y]のどちらかが存在しない分布の場合は、E[Y-X]は存在しない
ですから
「金額の差が常に定数(特に差が常に0、つまり2つが同額)」という例では
後件Bだけでなく前件Aも満たしてないので反例にはなりません。

 金額比が一定の場合だけではなく、もっと一般的な場合も考えるべきだ
というなら「金額差が一定(特に同額)」の場合だけでなく
「一方は他方常にの2乗」とか色々な場合の設定を考えるべきですね。
そのように拡張した場合でもほとんどの場合で
 E[X],E[Y]のどちらかが存在しない分布の場合は、E[Y-X]は存在しない
は成立します。これが成立しない例外は
 とり得る金額差が高々有限個
となるような設定だけです。

Y-Xの期待値を考えているわけですから、Y-Xが限定されるような条件を付ければ
その場合だけ特殊になるのはむしろ当然です。



> 期待値は、可能な試行すべての平均と言えるでしょう。(試行者は同一人物でなくてもよい)
>  すると、未開封バージョンでは、一方の封筒をとる人と他方の封筒をとる人が2人とも、〈可能な試行者〉となります。可能な試行は常にペアでなされるのです。
>  すると当然、交換のすべての可能的試行による増額の平均はゼロとなり、未開封バージョンの増額の期待値がゼロであることが証明できます。
>
> ↑期待値の基本だと思いますが、まさかこんな常識にも反対なのですかね……? TTTさんは。

根拠が"常識"とは情けないですね・・・。
モンティホール問題を間違えた人たちもおそらく似たようなことを思っていたでしょうね。
「常識的に考えれば変えても変えなくても同じ確率1/2のはずだ」と。

> 2封筒問題(未開封)で一様分布が存在しないのは、封筒内金額(合計額)そのものに関してです。
> この確率分布は期待値計算の過程で消えるから無視してよいというのが私が力説するところです。

φさんの主張の
 分岐順序に従った計算(金額組毎に計算してから足し合わせる計算)の過程では
 金額の確率分布は消えるから何でもよい(任意の分布でもいいし存在しなくてもよい)
という部分には文句はありませんよ。争点は
その"分岐順序に従い計算したモノ"が、確率論で定義される期待値といえるのか?(それを期待値と解釈するのは適しているか?)
です。
これを確かめる為には"常識"や"分岐(可能世界)の理論による証明"をいくら持ち出しても全くの無意味で
確率論の定義を参照するしかありません。

確率論の定義を参照することで
> 期待値は、可能な試行すべての平均と言える
という意味付け/解釈が適したものなのか否かが判断されます。
φさんが勝手に「そうに違いない」と思い込んでるだけでは、その解釈が正しい根拠になりません。
(定義の参照結果次第ではその意味付けは全くの誤りなるかもしれない、
 という反証可能性のようなものがなければ、φさんの主張はただのインチキ理論ということになります)


> E[X],E[Y]が存在すれば差の期待値E[Y-X]が存在する、というのはTTTさんの言う通りですが、
>  その逆も無造作に前提してしまったのがTTTさんの誤りです。
>
> 期待値E[Y-X]が存在するならばE[X],E[Y]が存在する、などとはとうてい言えません!

一般には当たり前のことですね。そんな誤りは私はしてませんが・・・?
さらに言えば任意の場合で「期待値E[Y-X]が存在するならばE[X],E[Y](のどちらか)は存在しない」とも言えません。
従って、特定の場合では「E[Y-X]が存在するならばE[X],E[Y]が存在する」が成立、
すなわちその対偶「E[X],E[Y]のどちらかが存在しないならE[Y-X]も存在しない」が成立するのです。
封筒問題がその場合に含まれるのか否かが争点となります。

おそらくφさんは、私が書いた「E[X],E[Y]のどちらかが存在しないならE[Y-X]も存在しない」という部分だけを見て反射的に
そのような指摘をしたのだと思いますが、反論の仕方としてあまりにも杜撰過ぎます。
そういう指摘が有効なのは
 一般に「E[X],E[Y]のどちらかが存在しないならE[Y-X]も存在しない」だから封筒問題でもそうなのだ~!
等の主張に対してのみです。
何度も書いている通り、私は期待値の定義を根拠に主張しているわけですからφさんの指摘は全くの的外れです。


2封筒問題のように
「一方は他方の2倍」という場合を定義によって計算すると
E[X],E[Y]のどちらかが存在しないならE[Y-X]も存在しない
ということが証明されます。

証明は既に書きましたが簡単に言うと
E[Y-X]の存在性を定義に基づき調べる為には
が色々な値をとる(複数の金額組をとり得る)とした場合の
|Y-X|の期待値計算が収束するか(有限か)どうかを調べます。

「一方は他方の2倍」という設定では
|Y-X|は色々な値をとり得るので、期待値計算が発散する可能性があります。
そして実際、E[X],E[Y]が存在しない(|X|,|Y|の期待値計算が発散する)場合に発散することが
以前書いた証明で確かめられました。


> 同額の封筒を交換という例で不満足なら、
> 「一方には他方より100円多く入っている」という例でもいいでしょう。

この例では
|Y-X|は常に100で一定ですので|Y-X|の期待値計算は有限です。
従って期待値の定義通りの計算によって
E[X],E[Y]は存在しないが、E[Y-X]は存在してE[Y-X]=0
となり得ることが確かめられます。

> 「一方には他方の2倍入っている」も全く同じです。
同じではないのです。

定義の条件の確認を怠って無造作に
 「一方と他方の差が定数」の場合はE[X],E[Y]が存在しなくてもE[Y-X]は存在して、E[Y-X]=0だから
 「一方は他方の2倍」のときもE[X],E[Y]が存在しなくてもE[Y-X]は存在して、E[Y-X]=0のはずだ!
などと思ってしまったこと
これが正にφさんの誤りですね。


 対称性がある/金額組は既に決まっている/小さい方をNと置いて計算すると確率分布の未知数の部分が打ち消し合う
 という場合に分岐順序に従った計算が0になるから
 差額の期待値(増加量の期待値)は0だ

これを仮説Qとでも呼ぶとしましょう。

金額差が一定の場合は、確かに前件も後件も真となっています。
だからといって、他の場合(特に比が一定の場合)にも仮説Qが真だとし
仮説Qを用いて答えを導くのは早計です。

対称性のある通常のモンティホール問題では、仮説Pの前件も後件も満たしていたわけですが
だからといって対称性のない変形モンティホール問題でも仮説Pが正しいとし
仮説Pによって答えを導くのは誤りだったわけです。

ベイズ確率の定義(確率論的に言えば条件付き確率の定義)に従った計算結果と、仮説Pによって導き出される結果が
違うことから、仮説Pが誤りであることを確かめたのです。

同様に
確率論の定義から導き出される結果(比が一定という封筒問題の設定ではE[X],E[Y]が存在しない場合は差額の期待値E[Y-X]も存在しない)と、
仮説Pによって導き出される結果(E[X],E[Y]が存在せずとも差額の期待値は存在してE[Y-X]=0である)
は異なります。したがってこのことから、仮説Qが誤りであったことが確かめられたのです。

 差額が一定という設定では仮説Qが正しかったのだから、比が一定という封筒問題の設定でも仮説Qを適用して解く
というφさんのやり方は
 通常モンティホール問題で仮説Pは間違いでなかったのだから、変則モンティホール問題でも仮説Pが正しいとして適用する
という間違いと全く同じなのです。


訂正 投稿者:φ 投稿日:2015年10月17日(土)21時55分5秒 返信・引用

> No.4208[元記事へ]

φさんへのお返事です。

>
>  交換する場合どうしのあいだに隙間(交換しない「地」)を確保しただけではダメで、
>  結局、上限を設けるという形で「交換戦略の利得をもたらす絶対的な外部」を作り出さねばならないようです?
>

 ↑ いや、そんなことはありませんね。
  間違えてました。
  上限の設定は必要ではありませんね。
 単に、「すべての場合にペアの相手と同意が成り立つような交換」ではない方式で、特定の場合に交換を拒んでいけばよいわけですね。

 結局、戦略の対称性を破りさえすればよいわけです。
 つまり、反対側の金額が当たっていたら必ずしも採用できない交換戦略でありさえすればよいわけです。


Re: 追伸 投稿者:φ 投稿日:2015年10月17日(土)21時13分47秒 返信・引用

> No.4207[元記事へ]

KOTAさんへのお返事です。

 なるほど、そのとおりですね。
 双方とも期待値増、というのは、「隙間」を設けても無理なようですか。
 「効率のよい戦略」には限界があるようです。

しかも、やはり非対称性を確保するには、「双方の同意があったときのみ」という条件は撤去しなければなりませんしね。

 プレイヤーAとBのうち、Aの方に決定権を与えましょう。
 つまり、真に「開封バージョンの25%増額戦略」を採用しているのはAだけです。
 実際は、3行ルールに従うと、
 AもBも基本的に同じときに交換を希望しますから、ほとんど対立は起こりません。
 しかし、Aだけが、上限を決めることができます。
 自分の手もとにS円を超える金額がくれば非交換、とAがはじめに決めたとしましょう。
 BはAの決定に従います。
 すると、S/2<x≦S なる初期金額で交換した場合に、Aは平均して25%得をすることになりますね。
 それ以外は損得ありません。

 開封バージョンのモデルは、ただ一つの金額での交換(ペアの相手には二つの金額での交換を強いる)でしたから、やはりトリビアルな上限がありました。
 無限の可能性を持った未開封バージョンの対称性を破るには、開封バージョンで有限種類の金額に限定することが必要のようです。
 つまり、
 交換する場合どうしのあいだに隙間(交換しない「地」)を確保しただけではダメで、
 結局、上限を設けるという形で「交換戦略の利得をもたらす絶対的な外部」を作り出さねばならないようです?

・・・・・・・・・

 (ハムさんへ
 KOTAさんの投稿で返信になっているので、私からは省略します)



Re: 追伸 投稿者:KOTA 投稿日:2015年10月17日(土)10時28分25秒 返信・引用

> No.4205[元記事へ]

φさんへのお返事です。

ペアとなった2人が2封筒の各々を開くゲームを繰り返します。
原則としてこれらの封筒はいずれも交換するが、
過去のいずれかの回で見た金額の2倍の金額を見た場合は交換しない。

このルールを守ったとして、「ペアが封筒を交換した場合のみ」を考えます。
一人が最初の封筒に見た金額が
a、b、c、d、e、f・・・・・
であるとして、
交換後に見た金額を
a’、b’、c’、d’、e’、f’・・・・・
とします。
これは、もう一人が最初の封筒に見た金額が
a’、b’、c’、d’、e’、f’・・・・・
であり、
交換後に見た金額が
a、b、c、d、e、f・・・・・
ということです。

ここで、これらの金額の総和を各々
N=a+b+c+d+e+f+・・・・・
N’=a’+b’+c’+d’+e’+f’+・・・・・
とおくと、
N’/Nは1/2から2までの間に分布します。
N/N’も1/2から2までの間に分布します。

封筒の交換とは結局、NとN’の交換ですから、

仮に一方が1.25倍の利得を得たなら他方は(1/1.25)倍となり損失ということになります。
ともに1.25倍の利得を得るとは思えません。
何か間違っていますでしょうか?


2封筒問題・繰り返しバージョン 投稿者:ハム 投稿日:2015年10月17日(土)09時10分13秒 返信・引用

>全交換する場合は、どの交換行為も逆向きの交換行為によって相殺されますが、
>この戦略の交換なら、交換行為は決して相殺されることなく、
>金額ごとに各々25%アップという計算結果を集計することができるのではないでしょうか。

永遠と繰り返すのならば、常に交換すれば25%増しです。
戦略も何もありません。

そして、常に交換しなくても、もう片方から見て25%増しです。
片方の2倍の金額が入っているのですから、片方から見て、両方の封筒で50%増し、片方で25%増しの金額が入っているということです。

この世界では、このようなゲームを永遠と繰り返すことはありませんから、真実は交換が得か否かは分りません。

1万円のときだけ交換するとしても、その1万円が二度と出ないかもしれませんからね。


Re: 追伸 投稿者:φ 投稿日:2015年10月16日(金)13時43分36秒 返信・引用

> No.4204[元記事へ]

KOTAさんへのお返事です。

>
> > 「過去、交換前に手もとに見出した金額の2倍の金額を、新たな封筒を開けたときに見た」
> > 場合だけは交換しないと決めれば、
> > このゲームを延々と続けていくとペアの双方とも平均25%の利得を得ますよね。
> > (双方とも交換したいときだけ交換が成立する)
>
> やっぱりおかしいですよね。
>

それでうまくいくような気がしますが……

 双方のいずれであれ、
 あの3行プログラムに従って交換すべき任意の金額をxとすると、
 4^n×xのときにだけ交換することになり、(nは整数)
 意見の不一致は起こりませんね。(最初は交換で意見一致するので、そのあともいつ交換するかは常に一致)

 それで双方とも、一切交換しない場合や全交換する場合に比べ、
 たしかに得していると思われます。
 全交換する場合は、どの交換行為も逆向きの交換行為によって相殺されますが、
 この戦略の交換なら、交換行為は決して相殺されることなく、
 金額ごとに各々25%アップという計算結果を集計することができるのではないでしょうか。


Re: 追伸 投稿者:KOTA 投稿日:2015年10月16日(金)06時50分42秒 返信・引用

> No.4203[元記事へ]

KOTAさんへのお返事です。


> それはそうと、2封筒問題でよく議論になる例がありますね。
> 2人がペアになって、2封筒の各々を開き、
> 交換を続ければ2人とも25%づつ儲かってしまうというパラドクスです。
>
> この例の場合でも、
> 「過去、交換前に手もとに見出した金額の2倍の金額を、新たな封筒を開けたときに見た」
> 場合だけは交換しないと決めれば、
> このゲームを延々と続けていくとペアの双方とも平均25%の利得を得ますよね。
> (双方とも交換したいときだけ交換が成立する)

やっぱりおかしいですよね。



Re: 追伸 投稿者:KOTA 投稿日:2015年10月15日(木)20時45分30秒 返信・引用

> No.4202[元記事へ]

φさんへのお返事です。

>「過去に見た金額」というのは、「過去に、交換前に手もとに見出した金額」という意味ですね?
> たとえば初回に1万円を交換して2万円ゲットしたなら、
> 次に2万円がくれば交換しない、もし4万円がくれば交換する、――という意味ですね?

そうです。
4万円についても、過去に見ていない限りは交換するわけです。

それはそうと、2封筒問題でよく議論になる例がありますね。
2人がペアになって、2封筒の各々を開き、
交換を続ければ2人とも25%づつ儲かってしまうというパラドクスです。

この例の場合でも、
「過去、交換前に手もとに見出した金額の2倍の金額を、新たな封筒を開けたときに見た」
場合だけは交換しないと決めれば、
このゲームを延々と続けていくとペアの双方とも平均25%の利得を得ますよね。
(双方とも交換したいときだけ交換が成立する)

そう考えれば、2封筒問題というのは
未開封パターンは全く無問題として、
開封パターンも、別にパラドクスではないような気がします。



Re: 追伸 投稿者:φ 投稿日:2015年10月15日(木)18時44分3秒 返信・引用

> No.4201[元記事へ]

KOTAさんへのお返事です。

>
>  原則:交換する
>  例外:過去に見た金額の2倍の金額を見たら交換しない。
>     (当然、第1回目は必ず交換する。)
>

 なるほど、シンプルですね。
 よさそうな再帰的プログラムです。

 「過去に見た金額」というのは、「過去に、交換前に手もとに見出した金額」という意味ですね?
 たとえば初回に1万円を交換して2万円ゲットしたなら、
 次に2万円がくれば交換しない、もし4万円がくれば交換する、――という意味ですね?
 ↑
 (これはとりあえず自明ですよね。初回に1万円から5千円になることもあるが、
 次にまた1万円がくれば、5千円の2倍でありながら「交換する」とすべきでしょうから。……)

 KOTAさんの3行プログラムでよさそうですが、
 これが「最も効率的な戦略」であるかどうかは、証明を要することかもしれませんね。


Re: 追伸 投稿者:KOTA 投稿日:2015年10月15日(木)06時03分10秒 返信・引用

> No.4200[元記事へ]

φさんへのお返事です。

>  交換しないというベースの中に交換する金額をどのように配置する戦略が最も効率的か(最も密に利得を出せるか)、
>  一般化された式によってどなたか教えてくれるとよいのですけれどね。


開封パターンの場合
 原則:交換する
 例外:過去に見た金額の2倍の金額を見たら交換しない。
    (当然、第1回目は必ず交換する。)
が、唯一の戦略のように思うのですが。
これ以外に効率的な方法があり得るのでしょうか?



Re: 追伸 投稿者:φ 投稿日:2015年10月10日(土)21時13分48秒 返信・引用

> No.4199[元記事へ]

 交換しないというベースの中に交換する金額をどのように配置する戦略が最も効率的か(最も密に利得を出せるか)、
 一般化された式によってどなたか教えてくれるとよいのですけれどね。


Re: 追伸 投稿者:KOTA 投稿日:2015年10月10日(土)04時29分33秒 返信・引用

> No.4198[元記事へ]

φさんへのお返事です。

>  xで必ず交換すると決めたならば、2xでは決して交換しない、というパターンを守りさえすればよいのですから。

なるほど、そうですね。
ありがとうございました。


Re: 追伸 投稿者:φ 投稿日:2015年10月10日(土)03時04分39秒 返信・引用

> No.4197[元記事へ]

KOTAさんへのお返事です。

>
> 極端な例として、例えばグラハム数を設定し、
> 開封時の金額がグラハム数未満である限り必ず交換するとすれば
> 平均25%の利得を得ることができる、
> ということですね。
>

 設定した上限より下の部分では交換によって増額ゼロ%ですから、平均は25%より下がりますが、
上限Gのところで25%アップしますね。
 Gより上の金額が出たら交換しないのですが、
 2Gより上の金額でならばまた新たな上限を決めてもかまいませんね。

 つまり、非対称的にして儲けを供給してくる「外部(隙間)」を作ればよいわけですから、
 唯一の上限を設けない方法もあるわけです。
 xで必ず交換すると決めたならば、2xでは決して交換しない、というパターンを守りさえすればよいのですから。

 相殺を避ける効率的な交換パターン(交換する金額の決め方)は、数学が得意な人ならいろいろ提案できるのではないでしょうか。


Re: 追伸 投稿者:KOTA 投稿日:2015年10月 9日(金)09時26分1秒 返信・引用

> No.4196[元記事へ]

φさんへのお返事です。

ようやく理解できました。
開封パターンの本質は、
開封して見た金額と、任意に設定した上限値との差を観念できるということなのですね。

極端な例として、例えばグラハム数を設定し、
開封時の金額がグラハム数未満である限り必ず交換するとすれば
平均25%の利得を得ることができる、
ということですね。


追伸 投稿者:φ 投稿日:2015年10月 9日(金)02時18分41秒 返信・引用

> No.4195[元記事へ]

たとえばあからさまに、
「各xについて、x万斎に2x万斎がx/2を分け与える」
 といった連鎖のモデルを考えたらどうでしょう。

xに上限がないなら、万々斎の内部でやりくりしているだけですから、万々斎そのものは全然肥え太りません。
もしもx≦K、すなわち万々斎を「K万斎以下のすべてのx万斎から成る集団」とすれば、K万斎の儲けの分が万々斎に【外から】すなわち【万々斎に属さない2K万斎から】付け加わりますから、万々斎そのものも儲かりますね。

xに上限がないような万々斎では、外部が存在しないので、儲けを得ることができません。自給自足だけです。


Re: 2封筒問題について 投稿者:φ 投稿日:2015年10月 9日(金)01時50分55秒 返信・引用

> No.4194[元記事へ]

KOTAさんへのお返事です。

>
> すると各斎はいずれも究極的には交換1回あたりの平均で25%儲かるわけです。
> 1万斎は平均2千5百円儲け。
> 百万斎は平均25万円儲け。
> 1億斎は平均2千5百万円儲け。
>
> ですけど、実際には万々斎が一人いるだけです。
> 万々斎は儲からないのですよね? 万々歳とはいかないのですよね。
>
> 1万斎、百万斎、1億斎等の各斎が皆儲かるのに万々斎が儲からないのは矛盾ではないでしょうか?
>

 矛盾ではないでしょう。
 いかなるxについてもx万斎は25%儲かるが、すべてのx万斎から成る万々斎は儲からない、というのは可能です。
 各x万斎はゲームの一部を担っているだけです。
 ゲーム全体を担う万々斎は、[各x万斎の儲け分を2x万斎の損失で相殺する]という構造を持っているため、全体としてプラスマイナスゼロになってしまいます。
 もし万々斎が自粛して上限K万を設け、K万斎の儲けを2K万斎の損失で相殺されることを防いだならば、K万斎の儲けがそのまま残って、全体的に得をしますね。
 しかし上限を設けなければ、
 【いかなるxについてもx万斎の儲けを2x万斎の損失で相殺する】
 ゆえに、儲けはありません。
 自粛しなければxに上限などないので。(胴元の選択には特別な条件が付きませんから)

 ちなみに、x万斎の儲けと2x万斎の損失との相殺は常に完璧です。
 始めに取った金額が大か小かは客観的に1/2ですから(どちらを取っても必ずその鏡像の取り方が存在しますから)、いかなるxについても、厳密にP(交換前は(x、2x))=P(交換前は(2x、x))です。
 ↑これが、未開封バージョンが交換の増額期待値ゼロである理由です。

 部分がすべてプラスだからといって、全体がプラスとは限らないわけですね。x万斎のxに上限がないとするならばですが。


Re: 2封筒問題について 投稿者:KOTA 投稿日:2015年10月 8日(木)19時37分20秒 返信・引用

> No.4193[元記事へ]

φさんへのお返事です。

>もちろん抜けている金額がないように表を作れますが、それを全部合わせて一つのゲームと見なすと、未開封バージョンになってしまうということです。「金額にかかわらず交換する」ことになりますから。

この点が疑問の中核部分です。
抜けている金額がないなら無限回試行で平均25%の利得が得られてしまうのではないでしょうか?

>開封バージョンで期待値が25%アップするのは、金額を排他的に固定して、その部分だけで計算するからです。
>「1万円が来たとき交換する」と決めたら(1万円戦略)、2万円が来た時は決して交換しないと決めなければなりません。もし交換すると(2万円戦略も併用すると)、その時の損失(交換して1万円が来る)によって1万円戦略の利得をチャラにされてしまいます。


ではこんな思考実験はどうでしょうか。
封筒内の金額を見るたびに人格が(名前も)変わるとします。
要するに多重人格です。

この設定で2封筒交換ゲームを無限回行うとします。

ゲーム者の名は万々斎
それが
1万円を見ると1万斎
百万円を見ると百万斎
1億円を見ると1億斎
に人格・名前が変わります。

そして封筒を開けて中の金額を見た各斎は「必ず」封筒を交換します。
結局
1万斎は1万円のときだけ交換します。
百万斎は百万円のときだけ交換します。
1億斎は1億円のときだけ交換します。

すると各斎はいずれも究極的には交換1回あたりの平均で25%儲かるわけです。
1万斎は平均2千5百円儲け。
百万斎は平均25万円儲け。
1億斎は平均2千5百万円儲け。

ですけど、実際には万々斎が一人いるだけです。
万々斎は儲からないのですよね? 万々歳とはいかないのですよね。

1万斎、百万斎、1億斎等の各斎が皆儲かるのに万々斎が儲からないのは矛盾ではないでしょうか?


Re: 2封筒問題について 投稿者:φ 投稿日:2015年10月 8日(木)19時00分52秒 返信・引用

> No.4192[元記事へ]

KOTAさんへのお返事です。

>
> 私がイメージとして挙げた仮想エクセル表には、
> 開封して見た金額(数値)がすべて網羅されている
> (いずれの金額も各々無限回現れる)
> と思ったのですが
> エクセル表に抜けている金額(数値)があるのでしょうか?
>

 もちろん抜けている金額がないように表を作れますが、それを全部合わせて一つのゲームと見なすと、未開封バージョンになってしまうということです。「金額にかかわらず交換する」ことになりますから。

開封バージョンで期待値が25%アップするのは、金額を排他的に固定して、その部分だけで計算するからです。
「1万円が来たとき交換する」と決めたら(1万円戦略)、2万円が来た時は決して交換しないと決めなければなりません。もし交換すると(2万円戦略も併用すると)、その時の損失(交換して1万円が来る)によって1万円戦略の利得をチャラにされてしまいます。

一般に、N円戦略と2N円戦略を併用すると、N円戦略の利得が2N円戦略の損失分によって相殺されます。
2N円戦略の部分では25%得をし、それはN円戦略を相殺した分より高額なのだからよいではないか、というのはダメです。
4N円戦略の損失によって相殺されてしまうからです。

つまり、どこかで打ちとめにしなければなりません。

たとえば上限を設けて、「1千万円以下が来た時だけ交換する」と決めておけば、全体で交換による期待値は約25%増になるでしょう。
 しかし、欲を出して「いくらだろうが交換する」とやってしまうと、未開封バージョンと同じことになり、すべての損得が相殺しあってゼロパーセントになります。


Re: 2封筒問題について 投稿者:KOTA 投稿日:2015年10月 8日(木)07時39分47秒 返信・引用

> No.4191[元記事へ]

φさんへのお返事です。

丁寧なご回答ありがとうございます。

>・それぞれ別々の交換戦略でプレイしている複数の人がみな交換後に期待値25%アップ>ということ
>・すべての金額で交換する戦略でプレイする一人が交換後に期待値0%アップということ
>↑この二つは矛盾しない、というわけです。

ここがわからないところです。

私がイメージとして挙げた仮想エクセル表には、
開封して見た金額(数値)がすべて網羅されている
(いずれの金額も各々無限回現れる)
と思ったのですが
エクセル表に抜けている金額(数値)があるのでしょうか?



Re: 2封筒問題について 投稿者:φ 投稿日:2015年10月 8日(木)04時02分38秒 返信・引用

> No.4189[元記事へ]

KOTAさんへのお返事です。

>
> 最初に開けて見た封筒内金額を固定して(例えば1万)、
> その場合に限って常に交換すると期待金額の平均値は12500円(プラス25%)
> になるのですよね。
>
> すると、結局、(どの金額を見たとしても)全ての封筒を交換した場合でも、
> 交換後の封筒内金額の総和/最初の封筒内金額の総和
> (分母分子とも仮想エクセル表の総和)
> は1.25になってしまうように思われるのですが。
>

「1万のときだけ交換する」という戦略(自己ルール)でゲームをする人は、2万と5千をランダムに得ることになり、25%得ですね。その人個人については、問題ありません。
「1億のときだけ交換する」というルールでゲームをする人は、2億と5千万をランダムに得ることになり、25%得。その人個人についても、問題ありません。
……というふうに、多くの人について考えて、そのすべてを一人の人で兼ねるものと解釈すると、
「すべての金額で交換して総じて25%得になる」
ということになってしまい、これは開封せずにやみくもに交換するのと同じことではないか、つまり未開封バージョンでも期待値25%アップになってしまい、これは明らかに不合理ではないか、というわけですよね。

 未開封バージョンで交換して期待値25%アップというのは不可能ですから(たとえば対戦ゲームとして実施したとき、対戦者双方が交換で25%アップということはありえないし、対称性の原理からしてもありえない)、「x円のときだけ交換する」という戦略で25%アップするというのもおかしいのではないか、というわけですね。

 これはスタンダードな2封筒問題のプレゼンそのもので、パラドクスの中核部分です。

 結論から言うと、「x円のときだけ交換する」という戦略で25%アップするというのは正しく、「すべての金額で交換する」という戦略で25%アップするというのは間違いです。

 どこがおかしかったかというと、
「x円のときだけ交換する」たとえば「1万円のときだけ交換する」という戦略と、「すべての金額で交換する」という戦略とは両立しないからです。
すべての金額で交換するというのは、「1万円のとき【だけ】交換する」というルールに反しています。
実際、「すべての金額で交換する」という戦略では、2万円や5千円が来たときにも交換してしまいますから、「1万円のとき【だけ】交換する」というルールを自ら否定してしまうのです。
結局、「1万円のとき【だけ】交換する」というルールを採用する人は、2万円か5千円が来たときには交換しないというルールも採用しなければなりません。

つまり、「1万のときだけ交換する」人と、「2万のときだけ交換する」人とを合わせて一人と見なすことはできません。

 〈プラス25%交換ゲームの単独プレイヤー〉へと合成する仕方は、制限されています。金額的にトビトビなのです。

 よって、戦略が矛盾しない幾人かの人を合わせて一人と見なし、「その人は交換後に25%期待値アップ」ということは可能だが、
全員を合わせて一人と見なし、「その人は交換後に25%期待値アップ」とみなす、つまり「すべての場合に交換した一人の人が25%期待値アップ」と見なすことはできませんね。

・それぞれ別々の交換戦略でプレイしている複数の人がみな交換後に期待値25%アップということ
・すべての金額で交換する戦略でプレイする一人が交換後に期待値0%アップということ
↑この二つは矛盾しない、というわけです。

もちろん、もう少し詳しい議論で補強することが必要でしょう。
たとえば、
「1万円のときだけ交換する」人Sの反対側の封筒を最初に選んで、いつもSの戦略につきあう可能的プレイヤー(相手方)は、25%損をします。すべての金額についてそのような可能的プレイヤーが必ずいます。その人たち(負け組)の獲得金額パターンは、「交換後に25%期待値アップ」の人々(勝ち組)の獲得金額パターンから漏れています。
 勝ち組と負け組の両方を合わせると、交換による増額期待値ゼロということで辻褄が合うのではないでしょうか。
 勝ち組の人々がすべての金額を網羅しているからといって、「すべての場合に交換して25%アップ」にはならない、のです。


期待値は値の平均 05 投稿者:ハム 投稿日:2015年10月 7日(水)12時23分17秒 返信・引用

>私の解決法は第三のものです。
>それで全然問題は生じないと思われます。

>◆未開封バージョンに無限大を持ち込む方法。

お金は、無限ではなく有限です。
2封筒問題の無限版は、全く別の問題になります。

>◆未開封で交換の期待値ゼロ、開封で交換の期待値+25%で問題ない、とする方法。

未開封と開封で計算を変えるのは、ダブルスタンダードの誤りです。

残るのはこれ↓です。
>◆開封バージョンを未開封バージョンに合わせる方法。

じつはこれも誤りなのです。
期待値を計算すると、未開封のときも開封のときも交換した方が25%得だという結果になります。
この意味は、選んだ金額を含めて繰り返した時に、交換した方が25%得だということです。

2封筒問題を繰り返した場合に、初めに選ぶ金額は決っていませんし、そもそも2封筒問題は繰り返す設定ではありません。
つまり、2封筒問題は期待値計算が有効ではない問題なのです。
有効ではない期待値で2封筒問題を論じること自体が、ナンセンスであり間違いだということです。

2封筒問題は交換してもしなくても損得はまったく分らないということです。


Re: 2封筒問題について 投稿者:KOTA 投稿日:2015年10月 7日(水)11時17分8秒 返信・引用

> No.4187[元記事へ]

φさんへのお返事です。

>◆未開封で交換の期待値ゼロ、開封で交換の期待値+25%で問題ない、とする方法。
>未開封時は常に交換が成立するため対称性の原理でトリビアルに交換の期待値ゼロ、
>開封後は対称性が破れて交換が成立する場合が(特定金額の場合に)限定され、金額ごとにゲームが分割されて試行の母集団が未開封時から再編される。ゲームの数と構造が変わるため、一見矛盾に見える結果が矛盾でないと解釈される。


ここで疑問があります。
「封筒を開けて金額確認、交換」
というゲームを無限回試行するとします。
封筒内に見る金額は任意(ランダム)だとします。

すると、
無限回試行すれば「同じ金額」が「いずれも」無限回出現します。

そこで、例えばエクセル表をイメージして最初の封筒内金額順にソートすると

最初の封筒内金額  交換後の封筒内金額
 1        2
 1        0.5
 1        2
 ・・       ・・
 ・・       ・・
 1万       2万
 1万       5千
 1万       2万
 ・・       ・・
 ・・       ・・
 1億       2億
 1億       5千万
 1億       2億
 ・・       ・・
 ・・       ・・
のような感じでしょうか。あくまでイメージです。

すると、最初に開けて見た封筒内金額を固定して(例えば1万)、
その場合に限って常に交換すると期待金額の平均値は12500円(プラス25%)
になるのですよね。

具体的に、上の仮想エクセル表でその部分を抜き出せば
最初の封筒内金額  交換後の封筒内金額
 1万       2万
 1万       5千
 1万       2万
 ・・       ・・
 ・・       ・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
交換後の封筒内金額の総和/最初の封筒内金額の総和
は1.25(プラス25%)になるというわけですね。

すると、結局、(どの金額を見たとしても)全ての封筒を交換した場合でも、
交換後の封筒内金額の総和/最初の封筒内金額の総和
(分母分子とも仮想エクセル表の総和)
は1.25になってしまうように思われるのですが。

これは変ですよね。

すると、最初に特定金額の場合に限って交換すれば
1.25倍(プラス25%)になるという仮定自体がおかしいように思うのですが。

何か勘違いしてますでしょうか?



Re: 2封筒問題について 投稿者:KOTA 投稿日:2015年10月 7日(水)06時06分3秒 返信・引用

> No.4187[元記事へ]

φさんへのお返事です。

>2封筒問題が一見おかしく見えるのは掛け算の世界に相加平均を適用しているからだ、と言いたいようです。
>真意はわかりませんが、とりあえず2封筒問題の解決にとっては的外れですね。

わざわざ読んでいただきましてありがとうございます。

この本の著者は、東北大学理学部数学科の現役教授であり、数学者・論理学者としてよく知られた方のようです。

2封筒問題については非常に多くの議論や論説がありますが、
この本の中で
「掛け算の世界で期待値に相当するものは「相乗平均」である。」
と言い切っているのがすごく新鮮で
ああ、これで2封筒問題は解決だなと思ってしまいました。

でも、これまでのφさんの書き込みを読むうちに、どうも変だと思うようになりました。
やはり、2封筒問題に相乗平均を持ち込むことは完全な誤りということですね。




Re: 2封筒問題について 投稿者:φ 投稿日:2015年10月 6日(火)22時34分1秒 返信・引用

> No.4160[元記事へ]

KOTAさんへのお返事です。

『チューリングと超パズル』の該当部分を読んでみました。
著者がどういう目的で相乗平均を持ち出しているのかはわかりませんね。記述が簡略すぎて。
2封筒問題が一見おかしく見えるのは掛け算の世界に相加平均を適用しているからだ、と言いたいようです。
真意はわかりませんが、とりあえず2封筒問題の解決にとっては的外れですね。
2封筒問題は、相加平均で考えても「べつにおかしくない」ような説明ができるからです。

2封筒問題の解決法には、何種類かの方針があるように思われます。

◆未開封バージョンに無限大を持ち込む方法。
 無限大が関わると期待値が意味をなさなくなるため、開封バージョンで「交換が得」となるのはべつに不合理ではない、とする。もともと期待値がなかったのだから不定であり、開封金額という新情報が与えられたときどのように確定しても自由、というのが根拠。(?)

◆開封バージョンを未開封バージョンに合わせる方法。
 未開封バージョンでは損得ないことは明らかなので、開封しても損得ないままにするために、開封して見た金額が大きい方である確率を小さい方である確率の二倍と見積もる。果てしなく大きくなる確率変数に対し確率が反比例するような確率分布を考えれば事前分布が確保できてエレガントだから、というのが根拠。(?)

◆未開封で交換の期待値ゼロ、開封で交換の期待値+25%で問題ない、とする方法。
未開封時は常に交換が成立するため対称性の原理でトリビアルに交換の期待値ゼロ、開封後は対称性が破れて交換が成立する場合が(特定金額の場合に)限定され、金額ごとにゲームが分割されて試行の母集団が未開封時から再編される。ゲームの数と構造が変わるため、一見矛盾に見える結果が矛盾でないと解釈される。

 私の解決法は第三のものです。
 それで全然問題は生じないと思われます。


期待値は値の平均 04 投稿者:ハム 投稿日:2015年10月 5日(月)11時22分26秒 返信・引用

> つまり、候補として残るのは、「あっち」が5千円か、2万円か。

で、計算はこう↓ですよね。

(2万-1万)/2+(5千-1万)/2=2500

これは、この式↓のA=1万とした計算です。

(2A-A)/2+(A/2-A)/2=A/4

この式↑は、「こっち」をAとしたときの未開封の交換期待値の増減です。

φ様が未開封の交換期待値の増減として示した式↓と違いますよね。

(2A-A)/2+(A-2A)/2=0

未開封のときと開封のときで違う計算式を使うのは、ダブルスタンダードの誤りです。



未開封のときに、(2A-A)/2+(A-2A)/2=0と計算したのならば、
開封のとき、(2万-1万)/2+(1万-2万)/2=0と計算しなければなりませんし、

未開封のときに、(2A-A)/2+(A/2-A)/2=A/4と計算したのならば、
開封のとき、(2万-1万)/2+(5千-1万)/2=2500と計算しなければなりません。


Re: 期待値は値の平均 03 投稿者:φ 投稿日:2015年10月 5日(月)06時14分48秒 返信・引用

> No.4184[元記事へ]

KOTAさんへのお返事です。

>
> どなたかが「仮定の話ができない人」と書いていましたが本当ですね。
> φさんには無視されるかもしれませんよ。
>

仕方ありませんね。
 私も何%かは教育者なので、放置はできません。限度はありますが。

 説明の練習にはなります。

 これで伝わらなければ、さすがに私も2封筒でハムさんと話をするのは終了です。

         ■未開封バージョン

場合1  (こっち、あっち)=(2A、A)
場合2  (こっち、あっち)=(A、2A)

交換すれば増額の期待値は、いかなるAについても
(2A-A)/2+(A-2A)/2=0

↑未開封なのでAの値はまだ未定です。
つまり、【Aの値としてはまだ無数の可能性が同格に並び立っています。】
(Aは未定ではあるが、差し引きでAが消えるので、期待値計算には影響しません)

         ■開封バージョン

 次に、「こっち」だけを開封しましょう。
 「あっち」は未開封のままなので、金額はまだわかりません。
 少なくとも「こっち」は1万円でした。この新たな情報が得られたので、
 【未確定だったAの値の候補が絞られます。】

開封で1万円があったことから、まず次のように絞られます。
1万を含むペアは以下の4通りだけ。
場合1&〈A=5千〉  (こっち、あっち)=(1万、5千)
または
場合2&〈A=5千〉  (こっち、あっち)=(5千、1万)
または
場合1&〈A=1万〉  (こっち、あっち)=(2万、1万)
または
場合2&〈A=1万〉  (こっち、あっち)=(1万、2万)

「こっち」が1万なので、

場合1&〈A=5千〉 または 場合2&〈A=1万〉
 つまり  あっちは 5千または2万

以上の二つが残る。
この二つについては、確率を改訂するデータが得られていないので、確率1/2ずつ。
よって交換による増額期待値2500円。

 念のため、別の書き方でまとめるとこうです。

 未開封時のAの値の無数の可能性から、開封1万円判明によってA=5千、A=1万の二通りだけが残った。ペアとしては4通り。
場合1から (1万、5千)と(2万、1万) が残り、他の膨大な可能性はすべて脱落。
場合2から (5千、1万)と(1万、2万) が残り、他の膨大な可能性はすべて脱落。
 さらに「1万」は「こっち」にあることもわかったので、
場合1で残った二つから (1万、5千)だけが残る。
場合2で残った二つから (1万、2万)だけが残る。
 つまり、候補として残るのは、「あっち」が5千円か、2万円か。

                 以上


Re: 期待値は値の平均 03 投稿者:KOTA 投稿日:2015年10月 4日(日)15時42分35秒 返信・引用

> No.4183[元記事へ]

ハムさんへのお返事です。

φさんは
> ■開封して〈こっち=1万〉が判明
>場合1  (こっち、あっち)=(2A=1万、A=?)
>場合2  (こっち、あっち)=(A=1万、2A=?)
と書いてるだけであって、

>(2A-A)/2+(A-2A)/2=0
という式は未開封の時の式ですよ。

あなたがおっしゃってることは無茶苦茶です。

どなたかが「仮定の話ができない人」と書いていましたが本当ですね。
φさんには無視されるかもしれませんよ。



Re: 期待値は値の平均 03 投稿者:ハム 投稿日:2015年10月 4日(日)12時47分2秒 返信・引用

> No.4182[元記事へ]

KOTAさんへのお返事です。

>開封パターンでは、場合1のAと場合2のAは違うものですよ。

ハム>そうならば、未開封のときの式↓に代入してしまったことが間違いですね(^_^)
ハム>
ハム> (2A-A)/2+(A-2A)/2=0

>別に間違いというわけではないでしょう。
>異なる意味のAに異なる数をあてがったというに過ぎないのですから。

一つの式の中でAに代入する値は一つだというのは数学の基本ですよ。
それが分らなければ、2封筒問題の議論は無理ですね。
φ様の回答を待ちましょう。


Re: 期待値は値の平均 03 投稿者:KOTA 投稿日:2015年10月 4日(日)11時12分27秒 返信・引用

> No.4181[元記事へ]

ハムさんへのお返事です。

何か話がどんどんズレていきますが。

>そうならば、未開封のときの式↓に代入してしまったことが間違いですね(^_^)

別に間違いというわけではないでしょう。
異なる意味のAに異なる数をあてがったというに過ぎないのですから。

話を戻しますが、
私は、
「開封時に、
場合1が2万で、場合2が1万というのが根本的に間違っている
ということは理解されるのですよね。」
と言っているのです。

同じことを何度も言わせないでください。
未開封時の話をしているのではありません。



Re: 期待値は値の平均 03 投稿者:ハム 投稿日:2015年10月 4日(日)10時26分37秒 返信・引用

> No.4180[元記事へ]

KOTAさんへのお返事です。

> ハムさんへのお返事です。
>
> 開封パターンでは、場合1のAと場合2のAは違うものですよ。
>

そうならば、未開封のときの式↓に代入してしまったことが間違いですね(^_^)

(2A-A)/2+(A-2A)/2=0



Re: 期待値は値の平均 03 投稿者:KOTA 投稿日:2015年10月 4日(日)08時16分46秒 返信・引用

> No.4179[元記事へ]

ハムさんへのお返事です。

開封パターンでは、場合1のAと場合2のAは違うものですよ。

どうしても同じ記号を使うのが生理的にいやなら
開封パターンでは

場合1  (こっち、あっち)=(2A=1万、A=?)
場合2  (こっち、あっち)=(B=1万、2B=?)

とでもすればよいかと。
いずれにしても
場合1が2万で、場合2が1万というのが根本的に間違っているということは理解されるのですよね。


期待値は値の平均 03 投稿者:ハム 投稿日:2015年10月 4日(日)07時45分32秒 返信・引用

じゃ、別の説明をしましょう。

(2A-A)/2+(A-2A)/2=0

未開封の時のこの式↑のAというのは、未定ですがこの式の中で同一の値です。

ところが、開封のときは、場合1のとき5千、場合2のとき1万と、この式の中で異なる値を代入しているのです。
(1万-5千)/2+(1万-2万)/2=-2500

数学で、ある数をAとしたら、そのAに代入する値は、その式の中で同一の値でなければなりません。

この説明で、ご理解いただけますか?


Re: 期待値は値の平均 02 投稿者:KOTA 投稿日:2015年10月 3日(土)18時59分52秒 返信・引用

> No.4177[元記事へ]

KOTAさんへのお返事です。

すみません。訂正します。

誤:場合1が1万で、場合2が2万というのは根本的に間違ってます。

正:場合1が2万で、場合2が1万というのは根本的に間違ってます。



Re: 期待値は値の平均 02 投稿者:KOTA 投稿日:2015年10月 3日(土)18時14分50秒 返信・引用

> No.4176[元記事へ]

ハムさんへのお返事です。

> 未開封のときは小さい方をAとしていますが、開封のときは小さい方を固定していませんよ。
> 正しくは、こう↓なるでしょう。
>
> 場合1  (こっち、あっち)=(2A=2万、A=1万)
> 場合2  (こっち、あっち)=(A=1万、2A=2万)
> ∴(2万-1万)/2+(1万-2万)/2=0
>
> 未開封のときに2A=Aと定義したから、期待値計算が間違ってしまったのです。

φさんが指摘するまでもないので私が間違いを指摘します。
開封のときというのは、開封して1万を見たときの話です。
場合1が1万で、場合2が2万というのは根本的に間違ってます。


期待値は値の平均 02 投稿者:ハム 投稿日:2015年10月 3日(土)09時23分14秒 返信・引用

>          ■未開封
> 場合1  (こっち、あっち)=(2A、A)
> 場合2  (こっち、あっち)=(A、2A)

> 交換すれば差額の期待値は、
>いかなるAについても(胴元が決めた総額3Aがいくらであれ)
> (2A-A)/2+(A-2A)/2=0

>       ■開封して〈こっち=1万〉が判明
> 場合1  (こっち、あっち)=(2A=1万、A=?)
> 場合2  (こっち、あっち)=(A=1万、2A=?)

>それぞれAと2Aを計算してください(2つの「?」を埋めてください)。5千と2万ですよね。
>  場合1、場合2の確率を改訂するデータは与えられていませんから、
>  交換すれば差額の期待値はプラス2500円です。

未開封のときは小さい方をAとしていますが、開封のときは小さい方を固定していませんよ。
正しくは、こう↓なるでしょう。

場合1  (こっち、あっち)=(2A=2万、A=1万)
場合2  (こっち、あっち)=(A=1万、2A=2万)
∴(2万-1万)/2+(1万-2万)/2=0

未開封のときに2A=Aと定義したから、期待値計算が間違ってしまったのです。


M文学&〈AP→EE〉&指定討論 投稿者:φ 投稿日:2015年10月 2日(金)21時55分39秒 返信・引用

ブログに載せたご案内をここにも提示させていただきます。↓

http://green.ap.teacup.com/miurat/4427.html

↑フィクション&シミュレーション、マルチバース等、『思考実験リアルゲーム』系および確率関連の話が主体となります。
(とくに「●研究発表」)

直前すぎてあまり意味をなさないかもしれぬご案内で、失礼いたしました。


Re: 期待値は値の平均 投稿者:φ 投稿日:2015年10月 2日(金)14時02分33秒 返信・引用

> No.4173[元記事へ]

ハムさんへのお返事です。

>
> 未開封のときに小さい方の金額をAとして期待値を計算したのならば、開封のときも小さいほうの金額をもとに期待値を計算しなければならない、というのは了解されるのでしょうか?
>

「小さいほうの金額をもとに」という意味がよくわかりませんが(開封しても小さい方の金額がいくらなのか依然不明なので)、
いずれにしても未開封の場合と開封の場合で期待値計算の方法は同じだ、ということは了解していますよ。

         ■未開封
場合1  (こっち、あっち)=(2A、A)
場合2  (こっち、あっち)=(A、2A)

交換すれば差額の期待値は、
いかなるAについても(胴元が決めた総額3Aがいくらであれ)
(2A-A)/2+(A-2A)/2=0

      ■開封して〈こっち=1万〉が判明
場合1  (こっち、あっち)=(2A=1万、A=?)
場合2  (こっち、あっち)=(A=1万、2A=?)

それぞれAと2Aを計算してください(2つの「?」を埋めてください)。5千と2万ですよね。
 場合1、場合2の確率を改訂するデータは与えられていませんから、
 交換すれば差額の期待値はプラス2500円です。

上の■未開封、■開封それぞれ、実際に何度も繰り返して実験してみるといいでしょうね。
 差額の期待値は計算通りになるはずです。
 論理的にそれ以外になりようがないでしょう。

さて、ここからはTTTさんへのお返事も兼ねたコメントです。

E[X],E[Y]が存在すれば差の期待値E[Y-X]が存在する、というのはTTTさんの言う通りですが、
 その逆も無造作に前提してしまったのがTTTさんの誤りです。

期待値E[Y-X]が存在するならばE[X],E[Y]が存在する、などとはとうてい言えません!

同額の封筒を交換という例で不満足なら、
「一方には他方より100円多く入っている」という例でもいいでしょう。
 E[Y-X]=0ですが、E[X],E[Y]はいずれも存在しません。
 差額の期待値計算の中で未知数が消えるので、事前分布も金額絶対値も気にする必要がなくなるのです。
「一方には他方の2倍入っている」も全く同じです。

最後に、対称性の原理の適用法について念のため。

>
>  はじめに封筒αを受け取った場合
>  手元の金額の期待値は
>  {(2A)×(3/5)}+{A×(2/5)}=8A/5
>  交換した場合の期待値は
>  {(2A)×(2/5)}+{A×(3/5)}=7A/5
>  つまり交換すれば期待値マイナス1/8
>
>  はじめに封筒βを受け取った場合
>  手元の金額の期待値は
>   {(2A)×(2/5)}+{A×(3/5)}=7A/5
>  交換した場合の期待値は
>   {(2A)×(3/5)}+{A×(2/5)}=8A/5
>  つまり交換すれば期待値プラス1/7
>

↑この計算は一見非対称的と思われるかもしれませんが、±A/5という対称性が成り立っています。
だからもちろん、αとβどちらが手元にあるかについてわからなければ、損得も対称的になります。
 オリジナル未開封バージョンで大か小かどちらが手元にあるかがわかれば非対称的でどちらが手元にあるかについてわからなければ対称的になった、という事情とまったく同じです。

手元の封筒がαかβかわからないとしましょう。
 交換の期待値は、交換でA円損する確率とA円得する確率が半々だから、2/5や3/5という確率も、Aという金額の本当の値も関係なくなり、交換による期待値はゼロ。

 一応丁寧な書き方をすれば、総額を3xとして
オリジナル未開封バージョン、αとβのバージョンともに

∀x(1/2*(2x-x)+1/2*(x-2x)=0)

どのxについても差額期待値ゼロということです。
私が、(胴元がプレイヤーより先に総額決定したからといって)xの値を一通りに決めてなどいないことをご確認ください。


期待値は値の平均 投稿者:ハム 投稿日:2015年10月 2日(金)11時24分48秒 返信・引用

間違いを看過できないので、再度指摘させていただきます。

>結局、以下の一言に尽きます。
http://8044.teacup.com/miurat/bbs/4159から再録します。

>期待値は、可能な試行すべての平均と言えるでしょう。(試行者は同一人物でなくてもよい)
> すると、未開封バージョンでは、一方の封筒をとる人と他方の封筒をとる人が2人とも、〈可能な試行者〉となります。可能な試行は常にペアでなされるのです。
> すると当然、交換のすべての可能的試行による増額の平均はゼロとなり、未開封バージョンの増額の期待値がゼロであることが証明できます。

そんな証明はできないでしょう。

その前に、未開封のときに小さい方の金額をAとして期待値を計算したのならば、開封のときも小さいほうの金額をもとに期待値を計算しなければならない、というのは了解されるのでしょうか?
「思考実験リアルゲーム」で犯している間違いです。


Re: 2封筒問題について 投稿者:KOTA 投稿日:2015年10月 1日(木)07時41分16秒 返信・引用

> No.4171[元記事へ]

φさんへのお返事です。

> KOTAさんへのお返事です。
>
> 『チューリングと超パズル』をアマゾンで見たら、
> まさに「相乗平均を使うのは誤り」というレビューが出ていますね。
>
> タイミング的に、KOTAさんつながりでしょうか?
>
> いずれにしても、いくらなんでも数学者がそんな間違いをするはずはないと思うので、どういう事情か読んでみます。

今、アマゾンを見たらそんなレビューがありますね。
私は無関係です。相乗平均を使うのが誤りかわかりませんし。

もしかすると、この掲示板を見た方がレビューしたのかもしれませんね。


Re: 2封筒問題について 投稿者:φ 投稿日:2015年10月 1日(木)03時51分28秒 返信・引用

> No.4162[元記事へ]

KOTAさんへのお返事です。

『チューリングと超パズル』をアマゾンで見たら、
まさに「相乗平均を使うのは誤り」というレビューが出ていますね。

タイミング的に、KOTAさんつながりでしょうか?

いずれにしても、いくらなんでも数学者がそんな間違いをするはずはないと思うので、どういう事情か読んでみます。


Re: その他・モンティ・ホール問題の確率論的解答 投稿者:φ 投稿日:2015年 9月30日(水)04時57分48秒 返信・引用

> No.4168[元記事へ]

TTTさんへのお返事です。

TTTさんにしては突っ込みどころの多すぎる御投稿で、何からコメントしてよいやら迷いますね。……
何やらいたずらに同じことを繰り返して話を拡散させているようで、いささか防御的な感じなのも心配です。

 まず私の趣旨を繰り返しておきます。

 2封筒問題(未開封)で一様分布が存在しないのは、封筒内金額(合計額)そのものに関してです。この確率分布は期待値計算の過程で消えるから無視してよいというのが私が力説するところです。
 対して、プレイヤーが大きい方を取ったか小さい方を取ったかについては、一貫して一様分布でよい。
 交換による増額期待値は、後者によって計算すればよいのであって、前者は全く関係ない。前者については、開封時に(後者に従って)封筒内金額を一様分布で考えればよい。

 未開封の封筒内金額には一様分布がありえないのだから、任意の確率分布Xを設定してください。
 合計額をYとします。
 交換による増額をZとします。
 すると、∀X∀Y(E[Z|X,Y]=0)

 これはすなわち、
E[Z]=0
 ということでしょう。
 XもYも、E[Z]の計算には全く関係ないのですよ。

 各Yの値ごとにE[Z]の計算をせねばならず、そのいずれもがゼロになる、だから全体にゼロ、という理屈はもうとっくにおわかりのはずですが。

 さて、次にTTTさんからの引用に従って述べていきますが、
 分量からして私も思わぬ誤解をしているといけないので
 今回は確実に確かめたいことだけに限ってレスをすることにさせてください。

>
> ジョーカーを除いた1組のトランプ52枚の中から以下の手順で1枚選ぶ;
> まず4種のスートの中からランダムに1つ選び、その後、13種のランクの中からランダムに1つ選ぶ。
> 今、この手順で1枚のカードが選ばれた。このカードの確率分布は?
>
>  選ばれたカードは52枚のどれかで、確率1/52ずつ
> というのがこの状況における正しい確率分布です。
>
>  1枚に確定したのだから、そのカードをMとして「選んだカードがMである確率は1(それ以外のカードである確率0)」
> というのは間違いですが、同様に
>  スートが先に選ばれたのだから、スートは確定している。
>  よってそのスートのA,2,3,…,10,J,Q,Kの13個のどれかで各確率は1/13
>  (確定したスートをXとして、選んだカードのスートがXである確率1、それ以外のスートである確率0)
> というのも間違いです。
>
> 封筒問題の未開封状態も同じで
>  金額の組が確定したのだから(金額の組を先に決めたのだから)
>  その金額の組を{N,2N}とし
>  金額の組が{N,2N}である確率1で、それ以外の組である確率0である
> とするのは誤りなのです。
>
> なぜ誤りなのかというと
> 単に「既に確定した」「先に決めた」というだけの情報は、確率の値を改訂しないからです。
> 「スートが確定した」という情報は
> 「スートが確定してスペードになった or クラブになった or ハートになった or ダイヤになった」
> と同値であり、これを事象(集合)で表すと結局は全事象Sになりますから
> この情報を加味した事象A(任意の事象)の確率P(A|S)は
> 加味しない確率P(A)と同じ値になります。
> 従って、加味した場合の確率空間は
> 加味しない場合(つまり、スートがまだ確定してない段階)の確率空間と全く同一となります。
>
> 改訂がおこるのは
> 「スートがスペードに確定した」等、具体的に何に確定したのかまで判明した場合です。
>

 このたとえは的外れですね。
 選んだカードをすべて使った事象の確率で考えるべきです。(ペアの交換もそうなのだから)
 あるいは、せめて複数のカードを使った事例を考えるべきです(対称・非対称の区別に発展する問題なのですから)。
 たとえばこうです。(以下、計算間違いがあるかもしれませんが、趣旨は伝わるでしょう)

 A スートを分けない設定
 B スートをランダムに決めておく設定
 R……ランダムに選んだ2枚のカードにエースが含まれる

P(R|A)=33/221
P(R|B)=2/13

 S……ランダムに選んだ2枚のカードが違う数である

P(S|A)=16/17
P(S|B)=1

AとBではいくらでも食い違います。
手順は重要なのです。

 期待値でも同様の計算を試みてください。
たとえば「ランダムに選んだ2枚のカードの数の差の期待値」。AとBでは異なります。

>
> 改訂がおこりφさんのいうような確率分布になるのは
> 「金額の組が5千円と1万円だと確定した」というように具体的に金額の組が判明した場合ですが
> 未開封状態はこのような金額組既知状態の問題ではなく
> 金額組無知状態、つまり
>  金額組は{5千円,1万円}かもしれないし、{1万円,2万円}かも、{2万円,4万円}かも、・・・
> といった、無数の組があり得るような状態を考えなければなりません。
>

 そんなことは当たり前です。
 私が言っているのは、
「胴元が金額の組(総額)を決めてから、プレイヤーが選択する」設定と、
 「プレイヤーが選択して勝敗が決まってから、胴元が金額の組(総額)を決める」設定との違いです。
 前者は完全に対称的であり、
 後者は勝敗が決まりましたから対称性が破れています。ここで交換すると、勝敗が逆転するだけで、まだ未定の差額の期待値はプラス無限大かマイナス無限大かであり、計算しようがありませんね。
 後者では、プレイヤーが勝ち負けを交換した場合としない場合で、胴元が同じ金額を選ぶという保証がありません。
 前者では、胴元の決めた金額にもはや変化はない。
  TTTさんや括弧付け替え計算主義者がやっているのはこの後者に対応する計算であって、前者に対応していません。
 前者は、交換前および交換後の封筒内金額の期待値はいずれも計算しようがないまま、交換後の増減の期待値はトリビアルに計算できます。(未知ながら)同額のプラスマイナスにすぎないのだから。
 未知数が消えてホッとするなんてこと、数学では日常茶飯事だと思いますけれど?

>
> 「E[Y-X]はどうなるか?」に対する私の解答は至ってシンプルで
>
>  E[X],E[Y]が共に存在する分布の場合は、E[Y-X]は存在してE[Y-X]=E[Y]-E[X]
>  E[X],E[Y]のどちらかが存在しない分布の場合は、E[Y-X]は存在しない
>

 ここは堂々巡りしていますね。
 改めて反例を挙げると、
 2つの封筒に同額が入っている。
 ランダムに一方を取った。
 他方と交換した時の増額の期待値は?
  ↑
 こんな簡単な反例があるのだから、一般原理として上記のTTT案をこれ以上使い続けるのは無理ですよ。
 「トリビアルな例だから無視」というのは実践的にはともかく学問的には通用しません。ちゃんと一般化してください。
 私の対称性の原理なら、対称的な場合にはすべて妥当し、表面上対称的にみえない事例にも対処できますよ。(次の事例参照)

>
> 例えば
> 胴元は金額の組を決めた後、
> 確率2/5で2つの内の大きい方の金額を封筒αに入れ、小さい方を封筒βに入れる
> 確率3/5で2つの内の小さい方の金額を封筒αに入れ、大きい方を封筒βに入れる
> これらのことはプレイヤーは知っている
> プレイヤーは封筒α,βの区別がつく(どちらがαであるか分かる)
> という設定
> (プレイヤーがはじめにどちらの封筒は受け取るかについては以下の話には関係ないのでここでは特に決めません)
>
>  はじめに封筒αを受け取った場合
>  手元の金額をAとすると
>  交換した場合の期待値は
>  {(2A)×(3/5)}+{(A/2)×(2/5)}=7A/5
>  つまり交換すれば期待値+40%
>
>  はじめに封筒βを受け取った場合
>  手元の金額をAとすると
>  交換した場合の期待値は
>  {(2A)×(2/5)}+{(A/2)×(3/5)}=11A/10
>  つまり交換すれば期待値+10%
>
>  はじめにどちらの封筒を受け取った場合でも交換した方が期待値プラスになってしまう
>
> 対称性がない場合でも同様のパラドクスが生じるということは
> 対称性があること、すなわち2つの金額の内の高い方、低いである確率は1/2ずつであること、
> あるいはどちらが高い方、低い方なのか全く無知である(ゆえに1/2ずつとする)こと
> は2封筒問題の本質ではないということです。
> 対称性がある場合に限った解法(対称性を根拠にした解法)は良い解答とは言えません。
> その点、私の解答は対称性でない場合も成立する、つまり
> 対称性の有無に関わらない任意の確率分布について成立する
> のでより優れていると言えるでしょう。
>

 理解不能ですねえ。
↑間違い計算の例ということですが、何の利用価値があるのかわかりません。
対称性の原理をあてはめたときと同様の計算で解決する、簡単な事例にすぎませんから。
 手元の金額をAと固定すると合計金額が揺らいでしまうから、2封筒問題未開封バージョンでは一貫して厳禁。この鉄則をなんでわざわざ破ってみせるのか。
なぜこんな間違い計算の例をわざわざ出したのか。
私の対称性の原理の計算では「正しい解決」ができないと勘違いしたのでしょうか?
 合計金額は未知ではあるが決まっているから、3Aと置きましょう。(以下、オリジナル未開封バージョンでの私の計算とまったく同じ方針であることをご確認ください)

 はじめに封筒αを受け取った場合
 手元の金額の期待値は
 {(2A)×(3/5)}+{A×(2/5)}=8A/5
 交換した場合の期待値は
 {(2A)×(2/5)}+{A×(3/5)}=7A/5
 つまり交換すれば期待値マイナス1/8

 はじめに封筒βを受け取った場合
 手元の金額の期待値は
  {(2A)×(2/5)}+{A×(3/5)}=7A/5
 交換した場合の期待値は
  {(2A)×(3/5)}+{A×(2/5)}=8A/5
 つまり交換すれば期待値プラス1/7

ともに、交換による差額の期待値そのものは存在しませんね。
もちろん総額がわかれば差額の期待値が求められますが、わからない状態ではマイナス1/8とかプラス1/7とか増額率で述べるほかありませんね。
同じ計算で、オリジナル未開封バージョンやゲームGの場合は増額率がゼロになるので、総額に依存せず期待値が存在できる、というわけです。
べつに「対称的だからゼロと決めた」なんてアドホックな話ではありません。計算方法は全部いっしょです。

表面上の非対称に惑わされず、対称性を正しく把握するのが対称性の原理です。

 もう一つ注釈しましょう。

>
>プレイヤーは封筒α,βの区別がつく(どちらがαであるか分かる)
>という設定
>(プレイヤーがはじめにどちらの封筒は受け取るかについては以下の話には関係ないので>ここでは特に決めません)
>

 ↑これは曖昧すぎますね。
混乱のもとです。
読者に対してプレイヤーの手元がαかβか決めてしまったら、とくにパラドクスは生じませんね。
しかもそれは、あからさまに非対称的ですから開封バージョンの1バージョンになります。
だから、αとβの両方の場合を(プレイヤーではなく)我々読者に想定してもらって、プレイヤーはわかっていながらあえて交換する、そこに「両方とも得」という疑似パラドクスが生ずるという趣旨でしょう。
 ならば、依然として、読者から見れば対称性が成り立っています。
 つまり、上記設定で対称性の原理が適用できるのは当たり前なのですよ。

>
> 対称でない場合も考えていたなら
> 一人二役すれば全体の増加量は0、その期待値も0であるが、E[Y-X]は存在しても0でない
> という場合もあることが容易にわかるでしょうから
> 「全体の増減が0だからE[Y-X]も0」という理屈が誤りだと気付いたはずです。
> 対称性があるという限定的な条件下に閉じこもって考えいたが故の間違い(仮説Pとある意味で同じ間違い)でしょう。
>

 はじめαだったときとβだったときとでは増額率は異なりますが、差額そのものはプラスマイナスゼロで、プレイヤー自身が(あるいは少なくとも読者が)αかβかわからない場合、E[Y-X]=0です。

>
> 例えば順序を入れ替えて
> どちらの封筒に2つの金額の内の大きい方を決めてから、金額の組を決める
> という設定でも同様のパラドクスが生じることは容易に想像できます。
>
> また
> X,Yの2つの値を決めるからといって、2つの手順が必要というわけではありませんから
> 1つの手順で一気にを決める(X,Yを同時に決める)決めた方も考えられますが
> その場合も同様のパラドクスは生じます。
>

 では具体的に構成してみせてください。
 対称性を表面だけでなく本当に破った設定にしたならば(開封バージョンと同類になるので)構造が違ってしまい、未知数が消えることもなく、対称性の原理は使えないでしょうが。

結局、以下の一言に尽きます。
http://8044.teacup.com/miurat/bbs/4159から再録します。

期待値は、可能な試行すべての平均と言えるでしょう。(試行者は同一人物でなくてもよい)
 すると、未開封バージョンでは、一方の封筒をとる人と他方の封筒をとる人が2人とも、〈可能な試行者〉となります。可能な試行は常にペアでなされるのです。
 すると当然、交換のすべての可能的試行による増額の平均はゼロとなり、未開封バージョンの増額の期待値がゼロであることが証明できます。

↑期待値の基本だと思いますが、まさかこんな常識にも反対なのですかね……? TTTさんは。


Re: 2封筒問題について 投稿者:φ 投稿日:2015年 9月30日(水)04時19分1秒 返信・引用

> No.4164[元記事へ]

KOTAさんへのお返事です。

>
> このようなサイトもあります。
> http://westhawk.blog.fc2.com/blog-entry-67.html
>
> 二つの封筒問題について、ベイズの定理を用いて交換による利得の期待値を計算すると、
> 変更してもしなくても利得は変わらないと結んでいます。
>

 そこでやっているのは、未開封バージョンだけですよね。
 未開封バージョンは対称性の原理で簡単に解決できますから、そんな仰々しい計算に訴えなくても……、と思いますが。
 その計算を採用すれば、開封バージョンを含めた統一的な解法が与えられるんでしょうか?
 そうでないとちょっと大げさすぎます。

 そのサイトの人も「交換による期待値ゼロ」派ですが、TTTさんはそれについてはどう反論すんですかね。


その他・モンティ・ホール問題の確率論的解答 投稿者:TTT 投稿日:2015年 9月28日(月)02時15分46秒 返信・引用

> No.4157[元記事へ]

φさんへのお返事です。

>> 期待値の定義から
>> E[H]=E[E[H|X]]となるのはE[H]が存在する時
>> すなわちE[X]が存在する時、その時のみです。
>>
>
> これについてはすでに反例を認めていただいたと思いますけれど?

私が言っているのはゲームGの話です。
既に書いた通りで、期待値の定義から「E[H]が存在する」と「E[|H|]が存在する」は同値
ゲームGでは|H|とXの分布が同一なので「E[X]が存在する」とも同値です。

私が認めたのは、E[X-X]=0というような例だけでしょう。



>  問題設定を無視したがゆえに、数学者たちはモンティホール・ジレンマで失敗したのです。

失敗した数学者たちは確率空間、確率変数の置き方を間違えたのです。
「2つの扉のうちのランダム1つ選び、それをアタリとする」という場合の確率空間と同じである(それが自明である)と思い込み
それが適切な確率空間であるかの確認を怠ったのが失敗の原因です。

>  登場人物の誰が何を知っているか、どのような意図と順序で選択がなされてきたかを問題設定ごとに考えなければ、正しい確率を求められません。

モンティホール問題では
・司会がどの扉がアタリ/ハズレなのかを知っている。司会は残った扉の中から必ずハズレの扉を選び開けて見せる。今、司会が開けて見せた扉はハズレだった。
・司会はどの扉がアタリ/ハズレなのかを知らない。司会は残った扉の中からランダムに選び開けて見せる。今、司会が開けて見せた扉はハズレだった。

どちらの設定なのかで答えが変わる(モンティホール問題は上記の設定の問題)
ということが知られていると思いますが
確率論的に考えるならば、前者と後者の確率の違いだけを考えればよく、意図などを考える必要はありません。
実際、2つの確率空間はよく似ているのである意味同じ、同種の問題として包括的に扱うことができます。

参加者が選ぶ扉をX,司会が選ぶ扉をY,残った扉をZとし
アタリを1, ハズレを0とする(例えば扉Xがアタリなら「X=1」と表す)と
前者と後者の違いは
P(Y=0|X=0)が1か1/2の違いだけですから、
P(Y=0|X=0)=p とすると、どちらの設定でも
P(X=1|Y=0)=1/(1+2p)
P(Z=1|Y=0)=2p(1+2p)
となります。



> 胴元が決める前の確率分布をベイズ計算に使わねばならない、
> と固執する人に対しては「いったいいつの?」と反問することができます。ビッグバンの瞬間のでしょうか?

前提とする事前分布はいくらでも遡ったモノを考えることができます(現実の時間は関係ないのでビッグバン以前でも良いです)が
結局はの分布(X,Yが決まる直前の分布)で場合するので、そこまで遡って考える意義はないのです。

例えばビッグバンの瞬間を基準とすると、その場合に考えられる任意の事前分布に対して
そのような分布のなかで「の分布でE[X],E[Y]が共に存在する」となるような分布の場合は、差の期待値が存在してE[Y]-E[X]
そのような分布のなかで「の分布でE[X],E[Y]がどちらかが存在しない」となるような分布の場合は、差の期待値は存在しない
となります。

形式的にはビッグバンの瞬間を基準した事前分布による場合分けですが
実質的にはの分布(X,Yが決まる直前の分布)で場合分けするわけですから、そこまで遡って考える必要は全くないことがわかります。



φさんは早く開封状態の話に移りたいようですが
開封状態についてはまた別に言いたいことが多数ある
(特にφさん自身が自説と反することを言ってる部分もある)
ので引き続き保留するつもりです。
が、1点だけ。

> 開封してわかった金額を「データ」として尊重する

本の中で
 開封して判明した金額をデータとして尊重するのであれば、ルールが変わったはず
等とありましたが
 情報を得たことにより前提が変わる(別の確率空間で考える)
というのはベイズ推定の考え方に反します。

ベイズ推定は
 情報を得た状況の確率は、元の状況の条件付き確率として計算する(新しい確率空間を考え直す必要はない)
という理論だからです。

情報を得た状況における確率空間は、その得た情報と元の状況に対応する確率空間から導出されます。
(その導出されたものがちゃんと確率空間になっていることは確率論で保証されています)

また
元の状況に対応する確率空間の確率測度をP、思考対象である事象をAとすると
ベイズ推定における情報(証拠)とは
情報を得た後におけるAの確率:P(A|B)
の「事象B(元の状況に対応する確率空間の事象)」のことです。

つまり
開封してわかった金額を証拠として尊重するのであれば
それが事象となるような確率空間を、開封前の状況に対応する確率空間として考えるべきである
ということです。

φさんのように
開封前の状況では確率分布は存在しないとか、
開封前で自分の持ってる封筒の金額Xがとり得るのはNか2N (2つのうちの小さい方をNとする)の2つだけだ
という考え方の確率分布にしてしまうと
実際に開封して得た情報「Xは1万円だった」を証拠(事象)として考えることができなくなります。
このことからもφさんの考えは不適だったということがわかります。




適用の妥当性 投稿者:TTT 投稿日:2015年 9月28日(月)02時07分41秒 返信・引用

φさんへのお返事です。

> 応用問題への適用の心得一々を定義に書き込むことなどできるわけがありません。

数学の概念や定理などを現実の現象や自然言語で書かれた問題に適用する際
正しく適用すること(その適用が適切であること、誤用でないこと)も心得の一でしょう。
それを判断するには、数学概念の定義や条件、性質を参照するしかありません。

簡単な問題では普通は一々、定義まで遡って確認するなんてことはしませんが
それは単にちゃんと定義に沿っていること、従っていることが自明だから省略しているだけで
省かずに確認することもできます。

 応用問題への適用なら定義や条件を軽視・無視してよい
ということではありません。

「自明だと思い込んで適用したが実は誤用だった」という間違いも少なくありませんから
理屈が怪しかったり、パラドクスが生じたり、意見が割れた時こそ
定義まで遡って考えるということが必要です。



>  問題設定(ゲーム)の構造に従うなんてのは数学以前の常識ですしね。
>  「問題の指示は正しく理解する」と期待値の定義に書かれてないのと同じです。

小学校の算数の足し算の問題
問い1
「ミカンが3個、リンゴが5個あります。合わせて何個でしょう。」

この問いの解答は「3+5=8だから8個」です

 問題文(問題設定)には"ミカン"、"リンゴ"と異なるものが書かれているのに
 「3+5」「8個」というのは"ミカン"や"リンゴ"を無視した答え、すなわち問題設定を無視した答えだから誤りだ!
 「ミカンが3個、リンゴが5個」というのが問題設定に従った正しい答えなのだ!

などと言っても先生からはバツをもらうでしょう。
足し算、つまり自然数(実数)上で通常定義される和で考えるということは
問題文の数(個数)を抜き出し、足し算の数式で表せることだけ考えるということです。
"ミカン"、"リンゴ"といった足し算と関係ない要素は無視しなければなりません。

それと同様で、確率論で考えるということは
問題文の確率に関することだけ抜きだし、確率空間や確率変数で表せることだけ考えるということです。
確率分布はとり得る値(とその値の確率)の集合に対応するものあって、
集合内の順序やグループ分けがどうなっているかまでは確率分布で表せませんから
"分岐順序"("可能世界のまとめ方")はどうやっても確率空間(確率分布)のみで表すことはできません。
確率論で考えるなら"分岐順序"という要素は無視しなければなりません。


足し算の問題
問い2
「イチゴが3個、モモが5個あります。合わせて何個でしょう。」

この問題についてφさんは
 さっきの問題設定は"ミカン"と"リンゴ"だったが今度は"イチゴ"と"モモ"だから問題設定が違う!
 別の問題として考えるべきだ!
などと言うのでしょうか?
この問い2は、足し算の問題として見れば問い1と全く同一の問題です。
なぜなら、どちらも「3+5」という同一の足し算の式で表せるからです。

それと同様で、確率論で考えるという前提下では
問題設定(分岐順序)が異なる問題があったとしても、
同一の確率空間(確率分布)として表せるなら、同一の問題として扱います。

これはつまり、例えばある1つの確率分布について「期待値は0」と言えるなら
その確率分布となるような任意の問題設定で「期待値は0」となることを意味します。
「3+5=8」という1つの式から
「Aが3個、Bが5個ある。合わせて何個?」という問題の答えは任意のA、Bに対して「8個」と言えることと同様です。


「確率・期待値の値は、問題設定に依らずに(確率分布で)決まる」というのは
「どんな問題設定でも同じ値になる」等の無茶苦茶な意味ではなく
「同一の確率分布で表される任意の問題設定で、同じ値になる」という意味です

>  実際に、私が言うような可能世界のまとめ方で問題を解けば確実に期待値ゼロとなり、
>  括弧付け替え計算主義者やTTTさんの仕分けで問題を解けば期待値ナシとか不定とかになるわけで、
>  現に計算結果が異なるわけですから、「ゲームの構造や可能世界の分岐順序に依らずに計算される」は反証されています。

私が言ってるのは
「どんな可能世界のまとめ方で計算したモノでも、全て同じ値になる」ではなく
「正しい期待値(定義に従った、正しく適用された期待値)は、ゲームの構造や可能世界の分岐順序に依らず、確率分布で計算される」
です。そこで反証されているのは前者であって、
φさんの計算によって導出されたモノは期待値ではないので後者は反証されていません。

むしろ期待値の定義から
「期待値計算の足し合わせる順番を変えた計算(可能世界のまとめ方を変えた計算)でも計算結果は必ず同じになるならば、期待値は存在する。
 順番を変えた計算の計算結果が異なるならば、期待値は存在しない」
ということが言えるわけですから
「計算結果が異なる」ということは「期待値は存在しない」と証明されたということです。


「問題設定に依らず」という表現が気に食わないのなら
「問題文(問題設定)を吟味するのは確率空間や確率変数を仮定する(問題設定を確率空間や確率変数に置き換える)まで。
 確率や期待値を計算する段階では問題設定を考慮しない(仮定した確率空間、確率変数だけを使って計算する)」
の意味だと思って下さい。


さて
完全に同一でなくとも
「Aがa個、Bがb個ある。合わせていくつ?」で表せる問題は全て、ある意味同じ、同種の問題として扱えて
答えは「(a+b)個」と表せます。

それと同様で
2つの封筒X,Yに、X:Yが1:2または2:1となるように金額を入れる
という設定の問題を全てを同種の問題として扱うことができ
それに対する答えは(場合分けを含むが)1つの解答で表わせます。
実際、私の解答は
X:Yが1:2または2:1であるような任意の問題設定で成立しています。
(1:2であることも本質でないので、a>1となる任意の定数aに対して金額が1:aかa:1となる問題としても私の解答は成立します)


一方で
 "ミカン"と"リンゴ"は違うものだから同一視せずに考えたい
と思うこと自体は間違いではありません。あくまで足し算として考えた場合には誤りというだけです。
言い換えると、そのように考えたいならば、足し算を適用するのは誤り(足し算として解釈することはできない)、ということです。
例えば「2種の物のそれぞれの個数について考える」なら
"自然数(実数)の和"ではなく、"2次ベクトルの和"を適用するのが適切です。


それと同様で、
 "分岐順序"を考慮して考えたい
というのは確率論として考えた場合は誤りです。
"分岐順序"を考慮して考えたいならば
確率論を適用するのは誤り(分岐順序に従い求めた値を期待値と解釈することはできない)ということです。
"何か"が適用できるとすれば、それは確率論とは異なる理論ということになります。


対称性は本質ではない 投稿者:TTT 投稿日:2015年 9月28日(月)02時02分14秒 返信・引用

φさんへのお返事です。

> 任意の確率分布で同じ答えを出すような解法があれば、それが正しい解法

期待値は確率分布によって存在するかどうかが決まり、存在する場合は分布によって値が計算されると定義されていますから
任意の確率分布で同じ値になるというのは原理的に不可能です。
そのような解法はないので「そのような解法があれば~」という話は全く無意味です。

任意の確率分布に対応するには、場合分けするしかありません。
場合分けを含む解法も立派な解法です。


「任意のxに対応する解法を求めよ」というのは数学的に言えば
「任意のxで答えとなるような対応関係(写像、関数)、を求めよ」ということです。

関数というと、1つの式で表せるものを想像しがちですが
例えば、「x∈Aのときは多項式g(x)、それ以外のときは多項式h(x)」
というようにxに関する場合分けによって複数の式で表せるものも
1つの関数f(x)とみなせます。

任意のxで答えとなるような写像(任意のxに対応する解法)が
このf(x)のような写像(xに関する場合分けを含む解法)になることもあるのです。

ただし
場合分けする際には
場合分けで全ての場合を網羅していることと
無意味な場合分け(分ける必要がないものまで分ける)をしていないかに注意する必要があります。

「E[Y-X]はどうなるか?」に対する私の解答は至ってシンプルで

 E[X],E[Y]が共に存在する分布の場合は、E[Y-X]は存在してE[Y-X]=E[Y]-E[X]
 E[X],E[Y]のどちらかが存在しない分布の場合は、E[Y-X]は存在しない

です。

ここにパラドクスはありません。
私からするとφさんの解法は、単に誤りであるか
特定の場合にしか対応しない不完全な解答、とせざるを得ません。


>  問題中に指定のない要因については、「任意の場合に成り立つ」と理解すべき。
>  2封筒問題の場合、「いかなる確率分布についても成立する解法で答えを出せ」が省略されていると見るべき。(これは暗黙の常識)

問題中に指定のある要因であっても、場合によっては(その指定が問題の本質でないなら)「任意の場合に成り立つ」として考えるべきですね。
指定通りの問題では成立するとしても、指定の内容を少し変えただけの問題には使えないなら、良い解答とは言えません。
与えられた問題をより大きい・広い問題として(より一般化した問題として)考えるべきということです。

2封筒問題の未開封状態は
 手元の金額をAとして、他方の金額は2AかA/2とすると
 はじめにどちらの封筒を受け取った場合でも交換した方が期待値プラスになってしまう
というのがパラドクスでした。
これについては「手元の金額をAとして、他方の金額は2AかA/2とする」という計算は誤りということで(理由は違いますが)私もφさんも認めていますが
対称性がない設定でも、同じ(間違った)計算をすれば同様のパラドクスが生じます。

例えば
胴元は金額の組を決めた後、
確率2/5で2つの内の大きい方の金額を封筒αに入れ、小さい方を封筒βに入れる
確率3/5で2つの内の小さい方の金額を封筒αに入れ、大きい方を封筒βに入れる
これらのことはプレイヤーは知っている
プレイヤーは封筒α,βの区別がつく(どちらがαであるか分かる)
という設定
(プレイヤーがはじめにどちらの封筒は受け取るかについては以下の話には関係ないのでここでは特に決めません)

 はじめに封筒αを受け取った場合
 手元の金額をAとすると
 交換した場合の期待値は
 {(2A)×(3/5)}+{(A/2)×(2/5)}=7A/5
 つまり交換すれば期待値+40%

 はじめに封筒βを受け取った場合
 手元の金額をAとすると
 交換した場合の期待値は
 {(2A)×(2/5)}+{(A/2)×(3/5)}=11A/10
 つまり交換すれば期待値+10%

 はじめにどちらの封筒を受け取った場合でも交換した方が期待値プラスになってしまう

対称性がない場合でも同様のパラドクスが生じるということは
対称性があること、すなわち2つの金額の内の高い方、低いである確率は1/2ずつであること、
あるいはどちらが高い方、低い方なのか全く無知である(ゆえに1/2ずつとする)こと
は2封筒問題の本質ではないということです。
対称性がある場合に限った解法(対称性を根拠にした解法)は良い解答とは言えません。
その点、私の解答は対称性でない場合も成立する、つまり
対称性の有無に関わらない任意の確率分布について成立する
のでより優れていると言えるでしょう。


モンティホール問題や3囚人問題を思い出してみてください。
これらの問題も「はじめの状態は3つ(3人)が対称であること(3つが等確率であること)」は
特に本質的なことではありませんから、対称性があることを根拠にした解答なんてしなかったわけです。

『論理パラドクス』のモンティホールジレンマの項では仮説Pという怪しい理屈を
対称でない設定を考えて計算することによって否定してたでしょう。
対称性のある設定だけ考えていると、仮説Pが誤りであることに気付き難くなります
(別の理屈によって仮説Pを否定できるのかもしれませんが、その理屈が正しいかどうかを確かめるには結局計算が必要)。
封筒問題も同じです。
どうして過去できてたことが、今できなくなってしまったのでしょうか・・・

> 一人二役(可能なプレーヤーを両方受け持つ)で2封筒問題をやってみれば、各回ごとに獲得金額増は現実にゼロとなり、
> 全体の期待値がゼロであることが確かめられます。

自分から見た交換による増加量は Y-X
相手から見た交換による増加量は X-Y
なので
一人二役すれば全体の増加量は (Y-X)+(X-Y)=0
その期待値E[(Y-X)+(X-Y)]=E[0]=0
となりますが、このことはE[Y-X]とは何も関係がありませんから
E[Y-X]=0の根拠には全くなりません。
関係ない話はやめましょう。

対称でない場合も考えていたなら
一人二役すれば全体の増加量は0、その期待値も0であるが、E[Y-X]は存在しても0でない
という場合もあることが容易にわかるでしょうから
「全体の増減が0だからE[Y-X]も0」という理屈が誤りだと気付いたはずです。
対称性があるという限定的な条件下に閉じこもって考えいたが故の間違い(仮説Pとある意味で同じ間違い)でしょう。


対称とする設定がパラドクスの本質ではないのと同様に
金額の組を決めてから、それぞれの封筒にどちらの金額を入れるか決める
という手順の順序の設定も本質ではありません。

例えば順序を入れ替えて
どちらの封筒に2つの金額の内の大きい方を決めてから、金額の組を決める
という設定でも同様のパラドクスが生じることは容易に想像できます。

また
X,Yの2つの値を決めるからといって、2つの手順が必要というわけではありませんから
1つの手順で一気にを決める(X,Yを同時に決める)決めた方も考えられますが
その場合も同様のパラドクスは生じます。

「金額の組を決めてから、それぞれの封筒にどちらの金額を入れるか決める」という設定だけにしか対応できない解答は
良い解答とはいえません。
その点、私の解答は金額組を決めてから~という問題設定でない場合も成立する、つまり
問題設定に依らない任意の確率分布について成立する
のでより優れていると言えるでしょう。


色々な問題設定を考える場合
φさんのやり方では問題設定ごとに考え直さなければならない
つまり問題設定ごとに場合分けしなければなりませんが、それは非効率的で、無駄な場合分けです。

問題設定(値の決め方)は異なるが、確率分布は同一になる
ということはあり得ますが、
問題設定は同一だが、(同じ意味を表す確率の)確率分布は異なる
ということはあり得ませんから
金額の決め方(問題設定)はどうあれ、確率分布で場合分けするのが正しい解法となります。


未開封状態は金額組未知状態 投稿者:TTT 投稿日:2015年 9月28日(月)01時54分24秒 返信・引用

> No.4106[元記事へ]

φさんへのお返事です。

>  実際に、選ばれたペアは一つだけですから、「最後まで候補が無限個並立している」というのは不可能だからです。

「実際に選ばれる金額の組が1つであること」は「選ばれ得る金額の組が有限個であること」の根拠には全くなりません。
φさんがそう思うのは
現代確率論では扱える(古典的確率論では扱えない)とり得る値が無限個の確率分布をφさんが認めてない(わかってない)からか
まず無限個の中からいくつか(有限個)を選び、その有限個の中から1つ選ぶ
という限定的な設定を想像しているから(あるいはその両方だから)でしょう。

とり得る値が無限個の確率分布を認めるなら、
「途中で有限個に絞る」という過程を挟まずに「無限個の中から1つ選ぶ」ということができますから
実際に選ばれた値は1つだが、可能性のある値は無限個ということになります。


>  「そこに何かが一つあることだけがわかっています。それが生きたカブトムシである確率は?」
>  ↑こんな問題に事前分布が存在すると思う方がどうかしているでしょう。

有象無象な話をしているわけではありません。
「"何か"はナンデモ有り」という前提では、その"何か"の集まりが集合かどうかも怪しくなってしまい、確率分布は定義できなくなります。
しかし「確率で考える」といことを前提にするのであれば
 "何か"の集まりは集合であり、確率分布が定義できる(つまり事前分布が存在する)
という前提として考えることになります。
事前分布が存在するということと、そのような事前分布を考えることに意義があるか等は全く別問題です。

とり得る値に上限のない2封筒問題では、とり得る金額の集合はせいぜい自然数全体であり
(金額が有理数や無理数であっても構わないが、後の開封状態のことも考えるなら離散型確率分布が適しているので自然数全体と同じ濃度とすべき)
自然数全体上で定義される確率分布は普通に存在しますから、事前確率分布が存在するのか心配する必要は全くありません。


> そこに何かが一つあることだけがわかっていましたが、いま、それがサイコロであることがわかりました。

とり得る値に上限のない2封筒問題の未開封の状況は
 いま、それが"無限面サイコロ"であることがわかりました。
という状況に相当します。

"サイコロ"と呼ぶと語弊があるかもしれませんが
要は「自然数全体の無限個の中から1つ選ぶ装置」のことです。
"(6面)サイコロ"とは、{1,2,…,6}の6つの中から1つを選ぶ装置であることと同じです。

実際にそのような装置を用意するのは困難ですが、
実際に用意できるかどうかと、確率分布の存在性とは関係ありません。
例えば統計では現実のことであっても
"とり得る値に上限のない確率分布"や"連続型確率分布"に従うとされる事柄や
そのような確率分布に従うという前提での推論がたくさんありますから
「現実的に考えれば、とり得る値の個数が有限個の確率分布とすべき」なんてことはないのです。


未開封状態のとり得る値の個数が無限個の事前確率分布を考えない(考える必要がない)
ということはあっても、存在しない(考えることができない)ということはありません。
そして未開封状態の正しい意味での確率や期待値について考えるなら、事前確率分布を考えなければならないのです。


> たとえば、
> 「このコインは、いずれかの面が出やすくできています。いま投げたとき、オモテが出る確率は?」
> この設定では、確率分布の可能な候補は(P(表)、P(裏))≠(1/2、1/2)というすべての場合です。
> つまり、一様分布だけが除外され、他の無限個の候補が並立します。
> では正解は?
> もちろん、オモテが出る確率は1/2ですね。

> 「一様分布とするのが尤もらしい候補がただ1つ存在するわけでない場合」どころか、
> 「一様分布でないとわかっている場合」にすら一様分布を当てはめねばならない。

下らない例ですね。
その例で「一様分布でないのに一様分布である」となっているのは
前者と後者では確率測度が違うからでしょう。
確率測度Pの分布が一様分布でなくても
別の確率測度Qの分布で一様分布になっているだけです。

平たくいうと、違う意味の確率を混同しているということです。
例えば、客観確率と主観確率を混同してるのでしょう。
客観確率Pでの表裏の分布が一様分布でなくとも、主観確率Qでの表裏の分布が一様分布となっているだけです。


「P(~)」という記号で表わせば、勝手に「~となる確率」を表してくれるわけではありません。
確率を考えるということは、現代確率論に準拠するということ、すなわち
 ある確率空間(S,F,P)を仮定する(問題の状況をその確率空間だと解釈する)
 その時、A∈Fであるような事象Aに対して、P(A)は「事象Aの確率」を表す
という隠れた前提があるということです。

異なる2つの確率空間を考える場合は
 別の確率空間を仮定する、すなわち確率測度Pとは別の確率測度Qを仮定し、その確率は「Q(~)」で表す
といった前提があります。

この隠れた前提があること(現代確率論に準拠するということ)を忘れている・蔑ろにするから
異なる確率測度(違う意味の確率)を混同してしまうなんて間違いを犯すのでしょう。


> 極端な場合、すでに投げてしまったコインがオモテである確率も「1/2」です。結果が決定したからといって「1か0」と言うのは誤りです。

コインが既に投げられた後でもその結果を知らない状態なら確率1/2、結果を知った後の状態なら確率1か0(知った人にとってはどちらか1つに定まる)
極端も何も主観確率としては当たり前の話でしょう。
むしろφさんの方こそ、このことをよくわかってないのでは?

ジョーカーを除いた1組のトランプ52枚の中から以下の手順で1枚選ぶ;
まず4種のスートの中からランダムに1つ選び、その後、13種のランクの中からランダムに1つ選ぶ。
今、この手順で1枚のカードが選ばれた。このカードの確率分布は?

 選ばれたカードは52枚のどれかで、確率1/52ずつ
というのがこの状況における正しい確率分布です。

 1枚に確定したのだから、そのカードをMとして「選んだカードがMである確率は1(それ以外のカードである確率0)」
というのは間違いですが、同様に
 スートが先に選ばれたのだから、スートは確定している。
 よってそのスートのA,2,3,…,10,J,Q,Kの13個のどれかで各確率は1/13
 (確定したスートをXとして、選んだカードのスートがXである確率1、それ以外のスートである確率0)
というのも間違いです。

封筒問題の未開封状態も同じで
 金額の組が確定したのだから(金額の組を先に決めたのだから)
 その金額の組を{N,2N}とし
 金額の組が{N,2N}である確率1で、それ以外の組である確率0である
とするのは誤りなのです。

なぜ誤りなのかというと
単に「既に確定した」「先に決めた」というだけの情報は、確率の値を改訂しないからです。
「スートが確定した」という情報は
「スートが確定してスペードになった or クラブになった or ハートになった or ダイヤになった」
と同値であり、これを事象(集合)で表すと結局は全事象Sになりますから
この情報を加味した事象A(任意の事象)の確率P(A|S)は
加味しない確率P(A)と同じ値になります。
従って、加味した場合の確率空間は
加味しない場合(つまり、スートがまだ確定してない段階)の確率空間と全く同一となります。

改訂がおこるのは
「スートがスペードに確定した」等、具体的に何に確定したのかまで判明した場合です。


同様に、封筒問題も
単に「金額の組が決まった」ということだけわかっても、その場合の確率空間は
金額の組が決まる前の確率空間と同一となります。

改訂がおこりφさんのいうような確率分布になるのは
「金額の組が5千円と1万円だと確定した」というように具体的に金額の組が判明した場合ですが
未開封状態はこのような金額組既知状態の問題ではなく
金額組無知状態、つまり
 金額組は{5千円,1万円}かもしれないし、{1万円,2万円}かも、{2万円,4万円}かも、・・・
といった、無数の組があり得るような状態を考えなければなりません。


> 二つの封筒内の合計金額をXとする。各Xi=3xiについて個別に、交換の期待値を考える。

> これをすべてのiについて個別に想定する。
>  どの場合も、E[X]=Xi
> つまり、それぞれE[X]が有限の値に確定する(トリビアルな意味で)。

私の用意した記号だと
X(とY)は封筒内の金額(に対応する確率変数)を表し
二つの封筒内の合計金額は3Nと表していましたから
そこで書かれている
> E[X]=Xi
は、私の記号でE[3N|N]=3NとかE[3N|N=n_i]=3n_iと表せますね
(E[・|N]は以前にも既に書いているE[・|{X,Y}={N,2N}]と全く同じものを表しています)。
E[3N|N]の存在性は、E[X],E[Y]の存在性とは無関係です。

>> E[H]=E[E[H|X]]となるのはE[H]が存在する時
>> すなわちE[X]が存在する時、その時のみです。
>>
> というTTTさんの主張を全面的に採り入れることができました。

私は私の定義した意味でのE[X],E[Y]が存在すれば差の期待値E[Y-X]が存在すると言っているのであって
E[・|N]で表わされる期待値(E[・]とは別の期待値)の存在性や、別の意味で定義されたE[X]の存在性について述べても
私の主張を採り入れたことにはなりません。

私の記号で表わすE[・|N](つまりφさんのいうE[・])とは
金額組既知状態の期待値を表す記号であって
未開封状態の期待値、つまり金額組無知状態の期待値とは別モノです(それぞれ別の記号で表わせるので)。
よって未開封状態の期待値を、金額組既知状態の期待値を表すE[・|N](φさんのいうE[・])で表すのは間違いです。



> 問題設定からして事前分布が全くわからない無知状態ですから

「全く何もわからない」というわけではありません。
確率論の定義から原理的にわかることもあります。

例えば、確率変数Xのとり得る値の集合が、自然数全体(あるいはその無限部分集合)である
とすると確率論の定義から

lim[n→∞] P(X=n)=0
(nを大きくすると、nになる確率は限りなく0に近付く)

ということが成立することがわかります。
(とり得る値の集合が自然数全体でなくとも同様のことが成り立ちます)。

事前分布を考える上では、このような原理的にわかることを考慮しなければなりません。


> 「一様分布でないとわかっている場合」にすら一様分布を当てはめねばならない

何かわかっている場合も一様分布になることもありますが
それはその得た情報が、確率分布を改訂するような情報ではなかったというだけのことです。
実際、φさんの挙げた例でも
≠<1/2, 1/2>である」という情報は
測度Qでの表裏の確率を改訂するような情報ではありません。

一方で例えば
「表の方が出やすい」すなわち「P(表)>1/2である」という情報を得た場合や
「実はこの試行の前に1回投げていて、その時の結果は表だった」という情報を得た場合は
次に投げる(投げた)時の表裏のQでの(主観確率の)確率分布が一様分布でない分布になることは直観的にもわかるでしょう。
まさか「そのような場合も表、裏が一様分布になる」とか「確率分布は存在しない」とか言いませんよね?
(某掲示板で1度だけそういう主張を見たことがあるので若干心配ですが・・・)

一様でない分布になったということはつまり、一様分布から改訂されて別の分布になったということです。
具体的にどんな分布に改訂するのか計算する方法もあります。

そのような方法を認める(前提とする)なら、そもそもの話であった
何もわからない状態や「≠<1/2, 1/2>である」ということだけわかった状態で
=<1/2,1/2>となる
ということも計算によって導出することができます。

ただし、この方法が適用できるのは
コインやサイコロのようにとり得る値の個数が有限個で、いくつなのか決まっている(分かっている)場合に限ります。

> かりに確率変数の値を無限個認めるとしたら、「一様分布ではないことだけは認めねばならない」ことになります。
> しかし、上と同じ理由で、「だからこそ一様分布」となるわけです。

コインの場合は一様分布であると導出できる方法があるので、Q(表),Q(裏)は一様分布だと認められるのです。
ただしその方法はとり得る値が無限個の場合では適用できず、そして無限個の場合に適用できて一様分布となるような方法は存在しません
(無限個が一様分布ということは原理的に不可能だから)。
従って
> 同じ理由で、「だからこそ一様分布」
とはならないのです。


いかなる設定でも
> わからない場合は「とりあえず」一様分布、とせざるをえません

とする根拠は何もありません。その方針が適用できるのは(根拠が有効なのは)
一様分布とできる設定だけなのです。
その方針・考え方は一様分布とすることができない設定(とり得る値が無限個の場合)においては何の参考にもなりません。
「わからないなら一様分布のはず」という考えに固執するのはやめましょう。

一様分布でない事前分布が存在するとしても何も問題ありません。
むしろ、本当の意味での未開封状態、つまり金額組無知状態の確率や期待値を考えるならば
事前確率分布が存在するという前提で考えなければなりませんから
「一様分布のはずなのに一様分布は不可能だから事前分布は存在しない」という考え方は、
未開封状態、すなわち金額組無知状態を考える上では不適切ということです。


Re: 2封筒問題について 投稿者:KOTA 投稿日:2015年 9月27日(日)10時57分58秒 返信・引用

> No.4163[元記事へ]

φさんへのお返事です。

>その他情報ありましたら教えてください。

このようなサイトもあります。
http://westhawk.blog.fc2.com/blog-entry-67.html

二つの封筒問題について、ベイズの定理を用いて交換による利得の期待値を計算すると、
変更してもしなくても利得は変わらないと結んでいます。



Re: 2封筒問題について 投稿者:φ 投稿日:2015年 9月25日(金)01時19分31秒 返信・引用

> No.4162[元記事へ]

KOTAさんへのお返事です。

>
> 増減がかけ算の場合には期待値に相当するものは相乗平均で計算する、のようなことを述べていました。
> 太郎君の例の後半は厳密には未開封のパターンではないと思いますが、いずれにしても期待値の計算として相乗平均を持ち出している理由がわかりませんでした。
>

 たしかにわかりませんねぇ。
 後半の例は、まさに「金を先に与えてからコインを投げて倍額か半額」のバージョンですね。
 これは文句なく交換するのが得ですが、相乗平均の期待値の計算では交換で増額平均ゼロでもいうのでしょうか。
 増額25パーセントという理屈は覆せないはずですが……

 あまりにも変ですから、
 あるいは数学の人はそのあたり別のとらえ方をしてるんでしょうかね。2封筒問題の趣旨について。

 まあ読んでみます。
 その他情報ありましたら教えてください。


Re: 2封筒問題について 投稿者:KOTA 投稿日:2015年 9月24日(木)07時47分50秒 返信・引用

> No.4161[元記事へ]

φさんへのお返事です。

本屋で立ち読みしただけなのでうまく再現できないかもしれませんが以下のような話です。

太郎君が父親から2つの封筒を見せられ、
「一方の封筒には他方の封筒の倍のお金が入ってる。好きな方を取ってよい。」
と言われた。
太郎君は一方の封筒を開け、中から2千円を取り出した。
父親は、「今なら封筒を取り替えていいぞ。」と言った。
太郎君は期待値を計算し、25%増になると考えて封筒を交換した。
この段階で、父親は、また別の封筒を一つ取りだし、
「この封筒には、今お前が持っている未開封の封筒の中の金額の倍あるいは半額のお金が入っている。今なら交換してもいいぞ。」と言った。
太郎君は期待値を計算して25%増になると考えて封筒を交換した。

著者は、太郎君の計算が間違っているわけではないが、といいながらも、増減がかけ算の場合には期待値に相当するものは相乗平均で計算する、のようなことを述べていました。
太郎君の例の後半は厳密には未開封のパターンではないと思いますが、いずれにしても期待値の計算として相乗平均を持ち出している理由がわかりませんでした。

是非一度この本をお読みになっていただければと思います。



Re: 2封筒問題について 投稿者:φ 投稿日:2015年 9月24日(木)02時39分37秒 返信・引用

> No.4160[元記事へ]

KOTAさんへのお返事です。

>
> 交換によって倍になったり、1/2になったりするような場合は
> 期待値に相当するものは相乗平均(幾何平均)だそうです。
> 確かに相乗平均なら交換しても期待値?は変わらないですが。
>

 それ、どういう文脈の話でしょう?
 2封筒問題には関係ない話のように聞こえますが……

 第1に、相加平均の期待値が開封バージョンと未開封バージョンで変わってしまうところが「パラドクス」とされるわけですから、相乗平均を持ち出してもパラドクスの解決には寄与しません。

 第2に、現実の損得の問題に通用する「期待値」でないと使えないでしょう。たとえば、異論のないバージョンとして、まず金をもらい、
 「そのまま取るか、それとも倍額or半額のコイン投げに挑戦するか」
 といわれたなら、挑戦するのが得です。「相乗平均では損得なしだよ」といわれても、何度も続ければ差額が出るにきまってますから。……
 ↑これは「【交換によって】倍になったり、1/2になったりするような場合」の例ではないので、このバージョンの時は相加平均の期待値を使うんですかね?
 ならば交換&開封バージョンとの違いを説明しなければなりません。


2封筒問題について 投稿者:KOTA 投稿日:2015年 9月23日(水)15時26分46秒 返信・引用

お世話になります。
2封筒問題の議論を楽しく見ています。

田中一之氏(東北大学大学院理学研究科数学専攻教授)の書いた
『チューリングと超(メタ)パズル』 東京大学出版会、2013年11月。ISBN 978-4-13-063901-9。
の165頁に2封筒問題が載っています。

未開封パターンも開封パターンも相乗平均で計算すれば交換の期待値は変わらないと書いてあります。

交換によって倍になったり、1/2になったりするような場合は
期待値に相当するものは相乗平均(幾何平均)だそうです。
確かに相乗平均なら交換しても期待値?は変わらないですが。

これって、正しいのでしょうか?



Re: もう十分でしょう 投稿者:φ 投稿日:2015年 9月22日(火)03時06分31秒 返信・引用

> No.4157[元記事へ]

>φさんへのお返事です。

>
> 交換による増額率の期待値25%増という2封筒問題の構造は未開封から開封まで一貫して変わらないが、
> 交換前の金額が定まったことにより、未開封で増額の期待値ゼロだったのが開封で増額の期待値が増額率の期待値に一致する、ということになります。
>

 ひとこと付け加えます。
 期待値は、可能な試行すべての平均と言えるでしょう。(試行者は同一人物でなくてもよい)
 すると、未開封バージョンでは、一方の封筒をとる人と他方の封筒をとる人が2人とも、〈可能な試行者〉となります。可能な試行は常にペアでなされるのです。
 すると当然、交換のすべての可能的試行による増額の平均はゼロとなり、未開封バージョンの増額の期待値がゼロであることが証明できます。

 他方、開封バージョンでは、一方の封筒をとる人と他方の封筒をとる人が2人とも可能な試行者となる、ということは不可能です。
 なぜなら、その2人は開封して見る金額が必ず異なるからです。
 開封してわかった金額を「データ」として尊重するのが開封バージョンですから、可能な試行者は、開封額を一定額に固定した場合の試行者のみから成るわけです。ペアの両者は同居できません。
 換言すれば、可能的全試行者を同じゲームの可能的試行者に数えることはできないため、開封バージョンとは増額の平均値が異なります。
 開封バージョンでは、可能的全試行者から、期待値計算に関与する試行者の偏った選択がなされたわけです。

 どの額に固定されたとしても、その額での可能的試行者すべての平均は、交換によって25%増、となるはずです(確率分布に特別な条件を設けなければ)。


期待値は平均 30 完 投稿者:ハム 投稿日:2015年 9月21日(月)11時31分49秒 返信・引用

反論がないようですので、まとめて終らせていただきましょう。

「思考実験リアルゲーム」の第9章2封筒問題の誤りは、未開封のときに交換した場合としない場合の期待値が、3A/2となり同じだという計算にあります。
この計算は、少ない方の金額をAとした時の計算なので、交換の期待値を意味しません。

真実は、未開封のときも交換の期待値は、率、額ともに25%増しです。
どちらを取っても同じはずなのに、交換した方が25%増しだというのは変だと思う人は、交換しない場合も25%増しなので、双方を足すと50%増しとなり、双方を選択できるときの期待値になると考えれば理解しやすいのではないでしょうか。


そして、さらに大きな問題があります。
2封筒問題に「期待値」は使えないという問題です。
期待値というのは、その定義から、繰り返す場合に有効で、1回限りの事象には無効なのです。

真の2封筒問題の解決は、期待値を使えない、ということなのでした(^_^)


Re: もう十分でしょう 投稿者:φ 投稿日:2015年 9月20日(日)17時45分3秒 返信・引用

> No.4156[元記事へ]

傍聴人さんへのお返事です。


>
> φさんの親切心には頭が下がりますが、もう終わりにしてはどうでしょうか。
> 要するに無視してください。
>

そうですね、そろそろ整理して、まともなコメントを待望しましょうか。

 まず、
 胴元がペアを選んだ時点で、総額が決定し、全可能世界は次の系列に整理されます。
(二種類のいずれかにプレイヤーがいる、という可能世界群の下位集合の集合です)

{(x1、x2)、(x2、x1)}
{(x2、x3)、(x3、x2)}
{(x3、x4)、(x4、x3)}
……
{(xi、xi+1)、(xi+1、xi)}
……

2封筒問題全体としてはもちろん総額は決まらないのですが、
 胴元の決定はプレーヤーの選択より前なので、プレーヤーの選択の具体的場面に相対的に封筒ペアは決定しています。(総額が確定した可能世界群ペアの集合が2封筒問題の論理空間です)

 だから、括弧付け替え計算主義者が持ち出した
{(x2、x3)、(x2、x1)}
一般に{(xi、xi+1)、(xi、xi-1)}
のような可能世界群のペアは具体的場面に対応していません。
どうしてもxi+1とxi-1を同居させたければ、
[{(xi-1、xi)、(xi、xi-1)}、{(xi、xi+1)、(xi+1、xi)}]
 という形で考えることになります。
 xi+1とxi-1との間の択一状況にはプレイヤーは決して置かれません。封筒内金額は常に対称的ですから。
 言い換えれば、プレイヤーの選択によって、胴元がもともと違う総額を選んでいたような可能世界へ今さら移る可能性はないということですね。いま変化するのは「プレイヤーが大を選んだか、小を選んだか」であって、「胴元がいくらを選んだか」ではありません。

したがって、どの選択状況でも、交換による増額の期待値はゼロです。

 次に、開封して1万円を見出すと、プレイヤーの居る可能世界群の範囲は当然狭まります。
 どう狭まるかというと、段階を追って記すと、
{(x1、x2)、(x2、x1)}
{(x2、x3)、(x3、x2)}
{(x3、x4)、(x4、x3)}
……
というもともとの可能世界群の中から
{(5千、1万)、(1万、5千)}という可能世界群と
{(1万、2万)、(2万、1万)}という可能世界群だけが残り、
それ以外の可能世界群が脱落します。
しかも1万は第1項(交換前金額)とわかりましたから、残った2つの可能世界群の中の各2つ計4つの下位可能世界群から
(1万、5千)と(1万、2万)
だけが選び出されます。
 直近の可能世界群が再編されたのです。
胴元が総額として3万を選んでいた事前確率と1万5千を選んでいた事前確率とは異なるかもしれませんが、全体の確率分布について何の手がかりもなかったので、そんな事前確率はもともと存在せず、この開封段階になって★初めて★その2つだけが候補だったことが判明し、1/2ずつが割り振られます。

↑なぜこれでよいかというと、「事前確率を決めるのは、決定可能な任意の時点でOK」だからです。
胴元が決める前の確率分布をベイズ計算に使わねばならない、と固執する人に対しては「いったいいつの?」と反問することができます。ビッグバンの瞬間のでしょうか?
 いや、もちろん認識的に確率分布が決まった時のです。
 確率分布が認識できるようになったのは、問題設定からして、開封した瞬間でしょう。その時に初めて事前確率兼事後確率が発生しました。

 こうして、交換による増額の期待値は2500円です。

 つまり、
交換による増額率の期待値25%増という2封筒問題の構造は未開封から開封まで一貫して変わらないが、
交換前の金額が定まったことにより、未開封で増額の期待値ゼロだったのが開封で増額の期待値が増額率の期待値に一致する、ということになります。

 以上の論理にはTTTさんといえども反対できないでしょう。


もう十分でしょう 投稿者:傍聴人 投稿日:2015年 9月20日(日)12時25分0秒 返信・引用

> No.4154[元記事へ]

φさんへのお返事です。

こんにちは

世の中には、「仮定の話ができない人」がいます。
本人はいたって真面目なので、よけいに困るのですが。

このような人にいくらやさしく説いても時間の無駄です。
きりがありません。

最初は、奇天烈なボケとφさんの秀逸なツッコミのやりとりを楽しく見ていましたが、もう十分でしょう。

φさんの親切心には頭が下がりますが、もう終わりにしてはどうでしょうか。
要するに無視してください。

TTTさんが出番を待っていますよ。
書き込みのタイミングがつかめないので困っていると思います。



期待値は平均 29 投稿者:ハム 投稿日:2015年 9月20日(日)10時34分47秒 返信・引用

C→2C、2C→Cという定め方は、取った方がC、2Cと定まらないので交換の期待値が計算できません。
さらに、2封筒を両方開封するまで取った方がCか2Cか分らないという問題もあります。
この定義は、期待値としては適当ではなく、間違いのもとです。

> y → 2y と y → (1/2)*y と書くのは自由ですが、
> その場合は同時に 取らなかった方の金額をyと置いて
>  2y → y と (1/2)*y → y
>もぜひ採用してください。
> その書き方でも、増額率の期待値は25%増、増額の期待値はプラスマイナスゼロで、同じです。

2封筒のどちらを取っても、交換の期待値は25%増です。
これは率だけではなく、額においても25%増だということです。

率は25%増だけれども、額はプラスマイナスゼロだというのは矛盾ですよ。

2封筒問題では未開封のときも開封のときも、交換の期待値は、選択した方の25%増です。
これは、少ない方を基準にすれば50%増しであり、多い方を基準にすれば50%減であり、交換した方を基準にすれば増減なしです。

基準によって表現が変わるだけのことで、パラドックスもなにもありません。
未開封のときは、取った方の金額が分らないので、交換した方を基準に考えれば増減なしということになります。


Re: 期待値は平均 28 投稿者:φ 投稿日:2015年 9月20日(日)05時02分57秒 返信・引用

> No.4153[元記事へ]

ハムさんへのお返事です。

>
> じゃ取った方の金額をyとしましょう。
> C→2Cのときの期待値は、y → 2y
> 2C→Cのときの期待値は、y → (1/2)*y
>
> 「五分五分」ではないですよね。
>

 増額率(の期待値)ならともかく、増額の絶対値(期待値)を求めるのに、変数をそのまま残してはいけませんよ。
 何遍も繰り返しているのでそろそろ次の段階に進みたいのですが、
 取った方の金額をyと置くことはできません。同じ文字には同時に同じ値しか代入できませんからね。
 C→2Cのときと2C→Cのときではyの値に二倍の相違があるのですから。

 Cと2Cをまとめて強引にyと書きたいなら書いてもいいですが、その場合は当然
 y → 2y と y → (1/2)*y とでは、増額の絶対値はプラスマイナスゼロです。
 (増額率の期待値は25%増ですけどね)

 議論するほどのこともない理屈です。

 y → 2y と y → (1/2)*y と書くのは自由ですが、
 その場合は同時に 取らなかった方の金額をyと置いて
  2y → y と (1/2)*y → y
もぜひ採用してください。
 その書き方でも、増額率の期待値は25%増、増額の期待値はプラスマイナスゼロで、同じです。

>
> ちなみに、
> 期待値は、2y*(1/2)+(1/2)*y*(1/2)=(5/4)*y
>  増減は、(5/4)*y-y=(1/4)*y
>
> つまり、増減の期待値は25%増しになります。
>

↑ですからそれは増減のではなく増減率の期待値ですよ。
ちなみに、取ってない方をyと置けば、ハムさんの言う「増減の期待値」は25%減になってしまいます。


期待値は平均 28 投稿者:ハム 投稿日:2015年 9月19日(土)11時49分5秒 返信・引用

>(取った方、もう一方)が
>ア (C,2C)か(2C,C)かいずれか → 開封して1万円
> C=1万 または 2C=1万  つまり交換すれば獲得金額は
> 2C=2万円 または C=5千円

数学では、C×C=2C ですが、C=2C ですと? ( ̄Д ̄;)
その定義では、Cを使って期待値計算ができませんよ。

>未開封バージョンでは、 C→2C または 2C→C が五分五分ですから交換による増額の期待値はゼロ。

取った方が少ない場合と、取った方が多い場合で「五分五分」だとおっしゃっているのですか?

じゃ取った方の金額をyとしましょう。
C→2Cのときの期待値は、y → 2y
2C→Cのときの期待値は、y → (1/2)*y

「五分五分」ではないですよね。

ちなみに、
期待値は、2y*(1/2)+(1/2)*y*(1/2)=(5/4)*y
 増減は、(5/4)*y-y=(1/4)*y

つまり、増減の期待値は25%増しになります。


Re: 期待値は平均 27 投稿者:φ 投稿日:2015年 9月19日(土)03時46分8秒 返信・引用

> No.4151[元記事へ]

ハムさんへのお返事です。

> > 未開封では(取った方、もう一方)が(C,2C)か(2C,C)かいずれかですよ。(順序付きであることに注意)
>
> それは、(C,C/2)か(C/2,C)と定めることもでき、こう定めれば、Cは多い方の金額を意味します。
> (C,2C)と定めるということは、Cは少ない方の金額を意味するわけです。
>
> だから、少ない方をCと決めるのは、期待値計算としては適当ではないわけです。
> 先に、「3.期待値の計算間違い。」があると指摘したのは、この意味でした。
>

 小さい方とか大きい方とかにこだわる理由が不明なので(Cが大だろうが小だろうが話は同じなので)、改めて整理しておきます。

 (取った方、もう一方)が
 ア (C,2C)か(2C,C)かいずれか → 開封して1万円
  C=1万 または 2C=1万  つまり交換すれば獲得金額は
  2C=2万円 または C=5千円
 イ (C,C/2)か(C/2,C)かいずれか → 開封して1万円
  C=1万 または C/2=1万  つまり交換すれば獲得金額は
  C/2=5千円 または C=2万円

 アとイは正確に同じことです。

>
> 少ない方をCと決めれば、期待値計算は、C*(1/2)+2C*(1/2)=C*(3/2) となりますので、少ない方Cの50%増しですね。
>
> 2封筒問題で、未開封のときに少ない方をCと定めたのならば、開封のときも少ない方を基準に期待値計算をしなければなりません。
>

 すみませんが意味不明。
 何度でも整理しますが、
 未開封バージョンでは、 C→2C または 2C→C が五分五分ですから交換による増額の期待値はゼロ。
 あるいは C/2→C または C→C/2 が五分五分ですから交換による増額の期待値はゼロ。
 どちらの書き方をしても同じ。

 開封バージョンでは、 1万→2万 または 1万→5千 が五分五分ですから交換による増額の期待値は25%。
 「C=1万 または 2C=1万」「C/2=1万 または C=1万」どちらの書き方をしようが同じ。


期待値は平均 27 投稿者:ハム 投稿日:2015年 9月18日(金)11時52分47秒 返信・引用

> 未開封では(取った方、もう一方)が(C,2C)か(2C,C)かいずれかですよ。(順序付きであることに注意)

それは、(C,C/2)か(C/2,C)と定めることもでき、こう定めれば、Cは多い方の金額を意味します。
(C,2C)と定めるということは、Cは少ない方の金額を意味するわけです。

> 「少ない方の金額」は未知なのでそれを基準にしても意味ないでしょう。開封金額を基準にしなければ。

だから、少ない方をCと決めるのは、期待値計算としては適当ではないわけです。
先に、「3.期待値の計算間違い。」があると指摘したのは、この意味でした。

> いずれにせよ、
> 交換による増額率の期待値は未開封ver.開封ver.ともに25%増、
> 交換による増額の期待値は未開封でver.でゼロ%増、開封ver.で25%増、
> ですね。

少ない方をCと決めれば、期待値計算は、C*(1/2)+2C*(1/2)=C*(3/2) となりますので、少ない方Cの50%増しですね。

2封筒問題で、未開封のときに少ない方をCと定めたのならば、開封のときも少ない方を基準に期待値計算をしなければなりません。


Re: 期待値は平均 26 投稿者:φ 投稿日:2015年 9月18日(金)03時09分23秒 返信・引用

> No.4149[元記事へ]

ハムさんへのお返事です。

>
> それは、2封筒問題で「少ないほうの金額をCと定める」、ということですね。
> そうすると、
> 未開封のときの交換期待値は、(3/2)*C となりますね。
> 開封のときの交換期待値は、少ないほうの金額が10,000円のときは、(3/2)*10000 となりますね。
> 未開封と開封で何の差もないですね。
>

  「少ないほうの金額が10,000円のとき」とは?
 それが成り立つかどうかは両方開封するまでわかりませんね。
 片方開封するだけですから、「少ないほうの金額」がいくらかなんてまだわかりません。


> > 開封してたとえば1万円発見すれば、新情報が加わりますから、問題が変わります。
> > ペアは(C,2C)か(2C,C)かいずれかでしたが、
> > (1万、2万)か(1万、5千)かいずれというふうに変化するでしょう。
>
> それは、「開封した方をCと定める」ことになります。
> 「少ないほうの金額をCと定める」ことと違いますよね。
>

 え?
 未開封では(取った方、もう一方)が(C,2C)か(2C,C)かいずれかですよ。(順序付きであることに注意)
 開封して1万円ということは、C=2万 あるいは 2C=2万
 「開封した方をCと定める」のではありません。未開封のときと同じく、開封金額はCまたは2Cのまま。それが2万と判明しただけです。

>
> 開封した方をCと定めれば、交換の期待値は、25%増しです。
> 少ないほうの金額をCと定めれば、交換の期待値は、(少ないほうの金額の)50%増しです。
>

 「少ない方の金額」は未知なのでそれを基準にしても意味ないでしょう。開封金額を基準にしなければ。

 いずれにせよ、
 交換による増額率の期待値は未開封ver.開封ver.ともに25%増、
 交換による増額の期待値は未開封でver.でゼロ%増、開封ver.で25%増、
 ですね。


期待値は平均 26 投稿者:ハム 投稿日:2015年 9月17日(木)11時35分32秒 返信・引用

> 重要なのは、確率変数の値は二つしかないということです。
> 2封筒ゲームの仕組みからして、胴元が提供する金額は2種類だけですから当然です。

> だから、手もとの金額をCと置き、向こう側の封筒内の金額を2CまたはC/2とするような考えはダメということです。三つの未知数が登場してしまいますからね。
> 未知数は最大で二つ、それが確率変数の値になります。

それは、2封筒問題で「少ないほうの金額をCと定める」、ということですね。
そうすると、
未開封のときの交換期待値は、(3/2)*C となりますね。
開封のときの交換期待値は、少ないほうの金額が10,000円のときは、(3/2)*10000 となりますね。
未開封と開封で何の差もないですね。

> 開封してたとえば1万円発見すれば、新情報が加わりますから、問題が変わります。
> ペアは(C,2C)か(2C,C)かいずれかでしたが、
> (1万、2万)か(1万、5千)かいずれというふうに変化するでしょう。

それは、「開封した方をCと定める」ことになります。
「少ないほうの金額をCと定める」ことと違いますよね。

> 未開封バージョンの時と同じく、交換による増額率の期待値はプラス25パーセントで同じですが、

開封した方をCと定めれば、交換の期待値は、25%増しです。
少ないほうの金額をCと定めれば、交換の期待値は、(少ないほうの金額の)50%増しです。

基準点を変えれば、期待値が違うのはあたりまえのことですね。


Re: 期待値は平均 25 投稿者:φ 投稿日:2015年 9月17日(木)03時30分12秒 返信・引用

> No.4147[元記事へ]

ハムさんへのお返事です。

>
> 交換して2Cになったときは、+C、交換してCになったときは、-C、だから増減はゼロだということですか?
> それならば、
> 交換して20,000円になったときは、+10,000円、交換して10,000円になったときは、-10,000円だから増減はゼロですね。
>

 特定の値を入れてしまってはダメです。
 未開封バージョンは、ペアになった二つがCと2Cだという関係構造しかわかっていません。
 値がわかってしまってはゲームになりません。

 重要なのは、確率変数の値は二つしかないということです。
 2封筒ゲームの仕組みからして、胴元が提供する金額は2種類だけですから当然です。

 だから、手もとの金額をCと置き、向こう側の封筒内の金額を2CまたはC/2とするような考えはダメということです。三つの未知数が登場してしまいますからね。
 未知数は最大で二つ、それが確率変数の値になります。

>
> 未開封も開封も差がありません。
> パラドックスなど無いことになりますね。
>

 開封してたとえば1万円発見すれば、新情報が加わりますから、問題が変わります。
 ペアは(C,2C)か(2C,C)かいずれかでしたが、
 (1万、2万)か(1万、5千)かいずれというふうに変化するでしょう。
 当然です。ちなみに確率変数の値は2個のままです。

 未開封バージョンの時と同じく、交換による増額率の期待値はプラス25パーセントで同じですが、
 今度は元金の値が確定しているため、交換で得する場合と損する場合の元金に変化ありません。
 よって、交換による増額の率だけでなく絶対値そのものの期待値がプラス25パーセントになるというわけです。
 堂々たる期待値計算ですね。



期待値は平均 25 投稿者:ハム 投稿日:2015年 9月16日(水)12時41分1秒 返信・引用

> C、2Cいずれかを選んだプレイヤーの最初の金額は、交換して得をした場合は交換して損をした場合に比べ、もともと半分でした(当たり前ですね)。
> したがって、交換による増額率の期待値は+25%であるにもかかわらず、増額そのもの(絶対値)の期待値はゼロです。

交換して2Cになったときは、+C、交換してCになったときは、-C、だから増減はゼロだということですか?
それならば、
交換して20,000円になったときは、+10,000円、交換して10,000円になったときは、-10,000円だから増減はゼロですね。

未開封も開封も差がありません。
パラドックスなど無いことになりますね。

いずれにしろ、この計算は期待値ではありませんよ。


Re: 期待値は平均 24 投稿者:φ 投稿日:2015年 9月16日(水)03時07分42秒 返信・引用

> No.4145[元記事へ]

ハムさんへのお返事です。

>
> 未開封バージョンでも、プレーヤーが選んだ封筒をAと決めれば、増額の期待値が25%増になることは、容易にお分かりになるはずです。
> あとは、「未知数の25%増」をどのように解釈するかという問題になります。
>

 Aと勝手に決めても確率変数ですからね。値は二通りあります。
 A=C、A=2Cの二通り。
 合計金額3Cは胴元が知っていてもはや変化しませんから、
 C、2Cいずれかを選んだプレイヤーの最初の金額は、交換して得をした場合は交換して損をした場合に比べ、もともと半分でした(当たり前ですね)。
 したがって、交換による増額率の期待値は+25%であるにもかかわらず、増額そのもの(絶対値)の期待値はゼロです。

 この部分は簡単な算数なので、議論には値しないでしょう。(問題設定を変えない限り)
 学界でも議論の焦点となるのはもっぱら開封バージョンとの関係です。
 増額率だけでなく増額の期待値も+25%になるのは開封バージョンなので。


期待値は平均 24 投稿者:ハム 投稿日:2015年 9月15日(火)11時42分40秒 返信・引用

>見えない中味金額をA円、B円と名づけ、先ほどAさんはA円の封筒を、BさんはB円の封筒を選んだが、さて、あなたがいま選んだ封筒はどちらでしょう。

この主催者はプレーヤーが選んだ封筒を知っているのですよね。
だから、交換した時の期待値は、プレーヤーが選んでいない方です。

そもそも、A,Bと名前を付けるのであれば、意味のあるつけ方をすべきです。
プレーヤーが選んだ封筒をAと決めても同じことですよね。
だから、交換の期待値はBです。
そして、A,Bを選ぶときの期待値は、(A+B)/2です。
こういう差が明らかになるようにA,Bを決めるべきです。

>未開封バージョンでは交換すると→ 増額率の期待値25%、増額の期待値ゼロ%(ゼロ円)。
> 開封バージョンでは交換すると→ 増額率の期待値25%、増額の期待値も25%。
>……というのがとりあえず正解ですね。

未開封バージョンでも、プレーヤーが選んだ封筒をAと決めれば、増額の期待値が25%増になることは、容易にお分かりになるはずです。
あとは、「未知数の25%増」をどのように解釈するかという問題になります。


Re: 期待値は平均 23 投稿者:φ 投稿日:2015年 9月15日(火)02時28分3秒 返信・引用

> No.4143[元記事へ]

ハムさんへのお返事です。

>
> > なんだかすっかりデタラメになってきちゃいましたね。
>
> 自分がA円かB円を選択して、交換するときの期待値は、自分がA円を持っている時はB円、B円を持っている時はA円に決っています。
>

 一貫して未開封バージョンの話をしていますからお忘れなく。
  ↓ 9月12日(土)05時22分38秒
>
>見えない中味金額をA円、B円と名づけ、先ほどAさんはA円の封筒を、BさんはB円の封筒を選んだが、さて、あなたがいま選んだ封筒はどちらでしょう。
>
  ↑ http://8044.teacup.com/miurat/bbs/4137

未開封バージョンでは交換すると→ 増額率の期待値25%、増額の期待値ゼロ%(ゼロ円)。
開封バージョンでは交換すると→ 増額率の期待値25%、増額の期待値も25%。
……というのがとりあえず正解ですね。


期待値は平均 23 投稿者:ハム 投稿日:2015年 9月14日(月)11時27分2秒 返信・引用

> 「地球が自転を止める」とは、月に特定の面を向け続けるダンベル状態のことですか。

地球が自転を止めるころには、月は地球から離れていますので、地球の衛星ではなくなっているかもしれませんね。

ハム> 交換した時の期待値は、AかBのどちらか、でしょう。
ハム>(A+B)/2、と明らかに違いますよね。

> なんだかすっかりデタラメになってきちゃいましたね。

自分がA円かB円を選択して、交換するときの期待値は、自分がA円を持っている時はB円、B円を持っている時はA円に決っています。

> 各プレイヤーは一度限りですが、胴元は多くのプレイヤーに接していくとします。

これは主語が胴元なので、2封筒問題とは違う問題です。
多くのプレーヤーに2封筒問題をやらせるのならば、繰り返す場合と同様に期待値計算ができますよ。


Re: 期待値は平均 22 投稿者:φ 投稿日:2015年 9月14日(月)04時00分30秒 返信・引用

> No.4141[元記事へ]

φさんへのお返事です。

>
>  各プレイヤーは一度限りですが、胴元は多くのプレイヤーに接していくとします。
>  未開封バージョンで、プレイヤーが交換して獲得金額何%増になったかを胴元が記録していくとしましょう。
>  回数が増えれば増えるほど、平均はゼロパーセントに近づいていくはずです。
>  それが各プレイヤー(各人一回限り)にとっての、交換の期待値です。
>

 ↑いま書いていて気付いたんですが、
 差額の期待値とパーセントの期待値を混同気味でうっかりしていました。
 増額そのものでなく増額率の期待値を計算すると、
 数が増えれば増えるほど、平均はゼロパーセントではなく、プラス25パーセントに近づいていきますよね。
 差額はゼロに近づきますが。(回数増とともに高額が出現してくるからゼロに近づかない、という人もいるでしょうが、能率的に常に2人のプレイヤーで交換ゲームをやれば絶対値は関係ないことがわかります)

 未開封バージョンでも、交換による「増額率」の期待値は25%ですね。
 ただし損得には反映しませんが。


Re: 期待値は平均 22 投稿者:φ 投稿日:2015年 9月14日(月)03時32分53秒 返信・引用

> No.4140[元記事へ]

ハムさんへのお返事です。

>
> 地球も遠い将来、自転を止めますが、その時の動きは月と同じです。
> その時は、天文学会も進歩して、(自転のない)公転をしている、と解釈してほしいものです。
> そうしないと、私のようなオッカムの剃刀信者が苦しむことになります(^_^)
>

 「地球が自転を止める」とは、月に特定の面を向け続けるダンベル状態のことですか。
 その場合も、地球と月は現在と同じく共通重心の周りを公転しあうことになりますが、そのとき、〈地球と月から成るダンベル〉は自転していることになるでしょうね。ダンベルは自転しながら太陽の周りを公転するというわけです。

>
> 交換した時の期待値は、AかBのどちらか、でしょう。
> (A+B)/2、と明らかに違いますよね。
>

 なんだかすっかりデタラメになってきちゃいましたね。
 サイコロの出目の期待値も、1か2か3か4か5か6のどれか、というわけですか。

>
> 混乱するのがイヤなので、ちょっと整理させていただきます。
> 問題は3つあります。
>

 整理するも何も、「期待値」の語義を無視した状態で整理はできませんよね。
 ちなみに、
 各プレイヤーは一度限りですが、胴元は多くのプレイヤーに接していくとします。
 未開封バージョンで、プレイヤーが交換して獲得金額何%増になったかを胴元が記録していくとしましょう。
 回数が増えれば増えるほど、平均はゼロパーセントに近づいていくはずです。
 それが各プレイヤー(各人一回限り)にとっての、交換の期待値です。


期待値は平均 22 投稿者:ハム 投稿日:2015年 9月13日(日)09時30分26秒 返信・引用

> まあそうです。
> あと、自転軸がない場合は自転してないでしょう。地球の周りをまわる人工衛星の多くはそうかも。適当に動いていて規則的な回転の軸や方向が設定できないようなものは。

地球も遠い将来、自転を止めますが、その時の動きは月と同じです。
その時は、天文学会も進歩して、(自転のない)公転をしている、と解釈してほしいものです。
そうしないと、私のようなオッカムの剃刀信者が苦しむことになります(^_^)

> さて、どちらを選択しても「25%増」になるのか。
> (今手にしているのを手放して最初の選択に戻せばトイレ後のファイナルアンサーを覆したことになり一種の交換だし、ファイナルアンサーにとどまれば最初の選択から交換したことになる)

期待値の計算をすれば「25%増」になります。
「未知数の25%増」の解釈の問題ですね。

> A、Bのどちらを選んだかわからないため、期待値は(A+B)/2、交換した時の期待値も(A+B)/2 で、交換による増額の期待値は厳密にゼロです。

交換した時の期待値は、AかBのどちらか、でしょう。
(A+B)/2、と明らかに違いますよね。

混乱するのがイヤなので、ちょっと整理させていただきます。
問題は3つあります。
1.期待値は1回限りに使えない。
2.「A、Bを選択」と「A、Bを交換」は、同じではない。
3.期待値の計算間違い。


Re: 期待値は平均 21 投稿者:φ 投稿日:2015年 9月13日(日)02時43分7秒 返信・引用

> No.4138[元記事へ]

ハムさんへのお返事です。

>
> メリーゴーランドの馬は、自転のない公転をしている、というのは了解されるのですよね。
>

 まあそうです。
 あと、自転軸がない場合は自転してないでしょう。地球の周りをまわる人工衛星の多くはそうかも。適当に動いていて規則的な回転の軸や方向が設定できないようなものは。

>
> 常に選択した未開封の封筒の25%増ですから、どんどん増えるわけではありません。
>

 一度選択したあと、トイレに行って、戻ってから再び封筒を手に取ったとします。
 観察者に「さっきと違うのだね」と指摘されました。
 同じ封筒だと勘違いして、別のを取ってしまったのです。
 「どっちを選択したことにするのか、自分で決めていいよ」と言われました。
 さて、どちらを選択しても「25%増」になるのか。
 (今手にしているのを手放して最初の選択に戻せばトイレ後のファイナルアンサーを覆したことになり一種の交換だし、ファイナルアンサーにとどまれば最初の選択から交換したことになる)

>
> って、A円、B円のどちらかを選ぶ時の期待値は、A円、B円のどちらかを選んでから交換するときの期待値と違うのは明らかでしょう。
>

 A、Bのどちらを選んだかわからないため、期待値は(A+B)/2、交換した時の期待値も(A+B)/2 で、交換による増額の期待値は厳密にゼロです。

>
> 誰にとっても、1兆円の確率1/5を目指して、1億円を賭けるようなことをするなということです。
>

そういう賭けをしてきたから文明が進歩してきたのでしょうけれどね。


期待値は平均 21 投稿者:ハム 投稿日:2015年 9月12日(土)18時50分47秒 返信・引用

> それは、公転と同期している場合は自転していないと定義する、と決めただけじゃないでしょうかね

メリーゴーランドの馬は、自転のない公転をしている、というのは了解されるのですよね。

> 専門外もいいところなので深入りしませんが。

実際に計測する必要などないのですよ。
思考実験で分ります。

> 常に交換した方が25%増なら、ぐるぐる回していけばどんどん増えていきますね。

常に選択した未開封の封筒の25%増ですから、どんどん増えるわけではありません。

> もっと抽象的には、
> 見えない中味金額をA円、B円と名づけ、先ほどAさんはA円の封筒を、BさんはB円の封筒を選んだが、さて、あなたがいま選んだ封筒はどちらでしょう。と問うても同じです。

この問題は、A円、B円のどちらを選んだか分りませんが、2封筒問題はA円、B円のどちらかを選んでいますから、同質ではないでしょう。

> どういう計算方法か教えていただけますか。

って、A円、B円のどちらかを選ぶ時の期待値は、A円、B円のどちらかを選んでから交換するときの期待値と違うのは明らかでしょう。

> ハムさんにとって1億円を1万日間使える身分は、1億円単独の効用の4倍未満の効用しかないというだけの話ですね。

誰にとっても、1兆円の確率1/5を目指して、1億円を賭けるようなことをするなということです。


Re: 期待値は平均 20 投稿者:φ 投稿日:2015年 9月12日(土)05時22分38秒 返信・引用

> No.4136[元記事へ]

ハムさんへのお返事です。

>
> 月の1点に加速度計と速度計を置いて計測すれば、その数値は公転中一定ですが、観覧車のゴンドラの動きのときは、その数値が変化することは容易に分かります。
> これは、月が自転をしていないことを示す思考実験になります。
>

 それは、公転と同期している場合は自転していないと定義する、と決めただけじゃないでしょうかね。
 実際は、中心も半径も違うのだから同期していても別の回転ですよね。
 あと、速度計や加速度計の商品説明をいくつかウェブで見たところ、回転運動の検出には適さないようなことが書いてありましたよ。重力によって攪乱されるからだそうです。
 あくまで自転軸を基準とする運動を対象として、自転軸からの異なる隔たりにおける線速度を測るべきでしょう。
 専門外もいいところなので深入りしませんが。

>
> 期待値の計算をすれば、常に交換した方が25%増しです。
> 永遠と増えていくことはありません。
>

 常に交換した方が25%増なら、ぐるぐる回していけばどんどん増えていきますね。

>
> 2封筒問題をそのように置き換えることが間違いです。
> 選んだ封筒を交換するか否かという問題は、「プレーヤーA、Bのどちらが自分かわからない」という問題と同質ではありません。
>

 同質です。
 見分けの付かない封筒のうち一つをプレーヤーにいったん選ばせてから退室させ、
 その部屋に別の2人A、Bを入れ、それぞれ別のを選ばせて持ってこさせ、「どちらがあなたと同じ選択をしたでしょう?」とプレーヤーに聞けばいいです。
 自分はA、Bいずれかと同じなのだが、どちらかわかりません。
 もっと抽象的には、
 見えない中味金額をA円、B円と名づけ、先ほどAさんはA円の封筒を、BさんはB円の封筒を選んだが、さて、あなたがいま選んだ封筒はどちらでしょう。と問うても同じです。

>
> さらに、「プレーヤーA、Bのどちらが自分かわからない」場合の期待値の計算方法の問題があります。
> 期待値ではない計算をしていませんか?
>

 どういう計算方法か教えていただけますか。

>
> ま、1億円よりも1兆円の方がいいに決っていますが、確率が4/5より1/5を選ばせるほどではないということでしょう。
>

 ハムさんにとって1億円を1万日間使える身分は、1億円単独の効用の4倍未満の効用しかないというだけの話ですね。


期待値は平均 20 投稿者:ハム 投稿日:2015年 9月11日(金)12時10分2秒 返信・引用

> まあとにかく、公転の影響をいくつ持ち出しても自転の影響を否定はできないでしょう。

>  自転軸に沿って北極から中心を経て南極まで時計を並べ、赤道に沿って時計を並べ、それらの進み方を比べれば、公転による影響から自転による影響を分離して観測できるのではないですかね。
>  まあ専門外だから深入りしませんが。

月の1点に加速度計と速度計を置いて計測すれば、その数値は公転中一定ですが、観覧車のゴンドラの動きのときは、その数値が変化することは容易に分かります。
これは、月が自転をしていないことを示す思考実験になります。

> いっぺん封筒を取ってから、開封せずに交換してください。そのとき、またもう一度交換するとまた25%増しになりますか?
> 延々と交換するとどんどん期待値が増していくなんてことは不可能ですよね。

期待値の計算をすれば、常に交換した方が25%増しです。
永遠と増えていくことはありません。

> 別々の封筒を取ったプレーヤーA、Bのどちらが自分かわからない、という状態が2封筒問題です。
> 自分がA、Bどちらであれ、期待値は2人の平均であり、交換しても同じことです。

2封筒問題をそのように置き換えることが間違いです。
選んだ封筒を交換するか否かという問題は、「プレーヤーA、Bのどちらが自分かわからない」という問題と同質ではありません。

さらに、「プレーヤーA、Bのどちらが自分かわからない」場合の期待値の計算方法の問題があります。
期待値ではない計算をしていませんか?


> 一度に1億円得たら堕落する人は多そうですが、1兆円だと堕落する必要もないでしょうね。

ネット情報ですが、当選金額の高い海外の宝くじ当選者は、毎日パーティー三昧、豪遊しまくり、気が付けば借金三昧というケースは多いそうですよ。

ま、1億円よりも1兆円の方がいいに決っていますが、確率が4/5より1/5を選ばせるほどではないということでしょう。


Re: 期待値は平均 19 投稿者:φ 投稿日:2015年 9月11日(金)02時30分21秒 返信・引用

> No.4133[元記事へ]

ハムさんへのお返事です。

 まあとにかく、公転の影響をいくつ持ち出しても自転の影響を否定はできないでしょう。

 自転軸に沿って北極から中心を経て南極まで時計を並べ、赤道に沿って時計を並べ、それらの進み方を比べれば、公転による影響から自転による影響を分離して観測できるのではないですかね。
 まあ専門外だから深入りしませんが。

>
> 未開封でも交換の期待値は、選択した封筒の25%増しですよ。
> だから、開封した場合と差がなく、パラドックスなどないのです。
>

 未開封で交換して25%増しという話はもうとっくに済んでいるはずですけど。
 いっぺん封筒を取ってから、開封せずに交換してください。そのとき、またもう一度交換するとまた25%増しになりますか?
 延々と交換するとどんどん期待値が増していくなんてことは不可能ですよね。

 別々の封筒を取ったプレーヤーA、Bのどちらが自分かわからない、という状態が2封筒問題です。
 自分がA、Bどちらであれ、期待値は2人の平均であり、交換しても同じことです。

 開封して対称性が破れると、その理屈が成り立たなくなる。
 それだけの話です。

>
> 文化によって堕落も違うのでしょうが、1兆円もらっても堕落しない人というのは、ちょっと考えにくいですね。
> 仕事を止めて遊びほうけ、遊びにも飽きて相場でもやれば、たちまち破産してしまうでしょう。
> そうならないように、寄付など慈善事業に使うのがよさそうです。
>

 一度に1億円得たら堕落する人は多そうですが、1兆円だと堕落する必要もないでしょうね。
 そもそも一個人が一兆円持って相場をやる必要など感じないでしょう。つまり破産するのはかなり難しいですよ。
 損得という感情を超越して、すごく性格良くなるんじゃないでしょうか。


期待値は平均 19 投稿者:ハム 投稿日:2015年 9月10日(木)14時36分21秒 返信・引用

> 月の赤道上空に静止衛星を置いて、直下に受信点があるとすれば、特殊相対性理論により、横ドップラー効果というのが予測されるらしいですよ。それも自転の証拠。

その横ドップラー効果は、公転中に変化しませんから、自転していないことを裏付けますね。
観覧車のゴンドラの動きのときは、横ドップラー効果は、公転中に変化しますので、自転を裏付けることになるでしょうね。

>未開封で交換の期待値ゼロだったのが、開封で交換の期待値25%はなぜか、という問題です。それでパズルとしては十分です。

未開封でも交換の期待値は、選択した封筒の25%増しですよ。
だから、開封した場合と差がなく、パラドックスなどないのです。

期待値というのは、繰り返す場合に有効なので、2封筒問題に適用できないのです。
それを無理やり適用するから、パラドックスモドキにもなるわけです。

> 「堕落」というのは怪しい概念ですね。
> べつに堕落してもいいのではありませんか。
> 信仰者から見れば、神に祈りを捧げない私はかなり堕落した人間でしょうが、べつにどうってことありません。私から見れば信仰にうつつを抜かしている人々こそ堕落していますし。

文化によって堕落も違うのでしょうが、1兆円もらっても堕落しない人というのは、ちょっと考えにくいですね。
仕事を止めて遊びほうけ、遊びにも飽きて相場でもやれば、たちまち破産してしまうでしょう。
そうならないように、寄付など慈善事業に使うのがよさそうです。


Re: 期待値は平均 18 投稿者:φ 投稿日:2015年 9月10日(木)03時11分40秒 返信・引用

> No.4130[元記事へ]

ハムさんへのお返事です。

>
> 扁平は公転や地球の引力などの影響もうけるので、月の場合は自転の証拠にはなりませんし、コリオリの力も公転で働きますから、自転の証拠にはなりませんよ。
>

 それはまた乱暴な意見ですね笑
 複数の原因があるからといって、どんぶり勘定で個々の原因を消すことができはしませんよ。
 自転と公転では中心も傾きも半径も違うので、遠心力やコリオリの力の現われは大いに異なるのではないでしょうか。
 考えられる異種の影響をすべて合わせて、その差し引き総計の予測値を観測値と比べれば、一要因としてたしかに自転が働いている、と確認できることでしょう。

>
> ということは、観覧車のゴンドラのような動きが、自転していない月の動きだとおっしゃるわけですね。
> その場合、地球の引力に対して自転していることになりますよ。
>

 地球の引力に対して自転? 自転とは軸の周りの動きのことですよね?

 月の赤道上空に静止衛星を置いて、直下に受信点があるとすれば、特殊相対性理論により、横ドップラー効果というのが予測されるらしいですよ。それも自転の証拠。
  さらには、
 一般相対性理論により、月の低緯度地点にある時計の方が高緯度地点にある時計より進みが遅いことが実験で示されるはず。それも自転の証拠。

 お好みなら、公転による相対論的効果も加えて計算してください。
 公転が影響するからといって、自転の影響を無視したりすると、計算値と観測値とが決して合わないでしょう。

 遠心力による扁平、コリオリの力、諸々の相対論的効果、その他、すべて総合すると「月が自転している」は否定できないんじゃないですかねえ。

>
> 2封筒問題の文脈なのですから、2封筒問題の「期待値」の話のはずです。
>

 2封筒問題は、眠り姫問題にわざわざ姫を冠する等と同じく、印象深くするために損得の選択の設定になっていますが、
本質は効用ではなく金額の期待値の問題です。プレイヤーの欲望は関係ありません。
未開封で交換の期待値ゼロだったのが、開封で交換の期待値25%はなぜか、という問題です。それでパズルとしては十分です。

>
> 1兆円当った人は、働かなくなるので、労働の喜びが得られませんね。きっと堕落した人生を送ることでしょう。
>

 「堕落」というのは怪しい概念ですね。
 べつに堕落してもいいのではありませんか。
 信仰者から見れば、神に祈りを捧げない私はかなり堕落した人間でしょうが、べつにどうってことありません。私から見れば信仰にうつつを抜かしている人々こそ堕落していますし。


期待値は平均 18 投稿者:ハム 投稿日:2015年 9月 9日(水)13時06分53秒 返信・引用

> 扁平がある以上、無視できないでしょう。遠心力は働いていると言うべきでしょう。地球より自転が遅いのだから影響も小さいのは当たり前です。値が小さいから無視するというのは乱暴です。

> 月面上でジャイロスコープがコリオリの力を検出しなくなったとき、それが自転していない状態でしょうから、そのとき月が地球からどう見えるかをやはり計算すればいいのではないですかね。

扁平は公転や地球の引力などの影響もうけるので、月の場合は自転の証拠にはなりませんし、コリオリの力も公転で働きますから、自転の証拠にはなりませんよ。

> 宇宙空間にとどまる物体Aから月をたとえぱ北極側から見た場合、月の公転とは別にはっきり一回転が観測できるはずです。
> 月の公転とは月全体の位置の移動であり、
> 月の自転とは月の向きの変化です。
> Aから、月の公転を自動追尾する望遠鏡で北極を見た場合、見た人は、単に自転しているものと認識するでしょう。
> 自動追尾望遠鏡で見て自転しているように見えなければ、月は自転していないといえるのではないでしょうかね。よくわかりませんが。

ということは、観覧車のゴンドラのような動きが、自転していない月の動きだとおっしゃるわけですね。
その場合、地球の引力に対して自転していることになりますよ。

> 何の期待値かが問題ですね。
> たとえば庶民にとって、百兆円と千兆円とで十倍の差があるというのは、金銭欲の問題においては意味を為しませんね。
> 欲望や選好を問題にする文脈であれば、金額ではなく効用の期待値で論じるべきです。
> もちろん金額の期待値を論じる文脈もあるでしょうが。

2封筒問題の文脈なのですから、2封筒問題の「期待値」の話のはずです。
1億円が4/5のクジと1兆円が1/5のクジの話は、1回限りのときは期待値で選択しないということですね。

> 現実的な話をするならば、1億円を得て人はほんとに幸福になりますかね?
> 1億円というのは、郊外にちょっと広い土地プラス家を買おうと思ったら足りないくらいの額であり、使い方をあれこれ悩まねばならない額であって、むしろ煩わされて不幸になるんじゃないですかね?
> 1兆円ならまあ幸福になれるでしょう。毎日1億円無駄に使って百日ほど過ごして、だまされたとわかったとしても痛くもかゆくもないし。余裕しゃくしゃく、おおらかな人生を過ごせるでしょう。
> さらに一万倍の1京円あれば、個人の力で国際関係や地球環境を変えることができますね。
> まあ、1億円じゃ使い方が難しすぎて、よほど賢くないと以前より幸福になれはしませんよ。

それも分りませんよ。
1兆円当った人は、働かなくなるので、労働の喜びが得られませんね。きっと堕落した人生を送ることでしょう。
1億円ならば、郊外に小さな家を買って、労働にいそしみ、幸せな人生を送ることでしょう(^_^)

まあ、当らないより1億円当った方が幸せであることは確かでしょう。
そういう幸せな人を多く生み出す「1億円が4/5のクジ」を勧めるべきですね。
その方が恨まれることも少ないですしね。


Re: 期待値は平均 17 投稿者:φ 投稿日:2015年 9月 9日(水)06時33分22秒 返信・引用

> No.4127[元記事へ]

ハムさんへのお返事です。

>
> 緯度秤動は、月が1点を一定方向へ向けていることで説明できます。
> 扁平率も、月は地球の約1/3なので、無自転説に有利です。
> 月の動きは、自転を想定しなくても説明できるのです。
>

 扁平がある以上、無視できないでしょう。遠心力は働いていると言うべきでしょう。地球より自転が遅いのだから影響も小さいのは当たり前です。値が小さいから無視するというのは乱暴です。
 私は専門外なのでこのへんは調べてほしいですが、
 宇宙空間にとどまる物体Aから月をたとえぱ北極側から見た場合、月の公転とは別にはっきり一回転が観測できるはずです。
 月の公転とは月全体の位置の移動であり、
 月の自転とは月の向きの変化です。
 Aから、月の公転を自動追尾する望遠鏡で北極を見た場合、見た人は、単に自転しているものと認識するでしょう。
 自動追尾望遠鏡で見て自転しているように見えなければ、月は自転していないといえるのではないでしょうかね。よくわかりませんが。

>
> なによりも、自転派は、月が自転を止めたときの動きを説明できないのが致命的ですね(^_^)
>

 その動きは上記のとおりです。地球から見たときどう見えるかは計算してください。
 あと、
 月面上でジャイロスコープがコリオリの力を検出しなくなったとき、それが自転していない状態でしょうから、そのとき月が地球からどう見えるかをやはり計算すればいいのではないですかね。
 これも私の専門外でかなりいい加減な意見かもしれないですから、調べてほしいですが。

>
> 期待値というのは、定義の決っている言葉です。
> その定義以外の意味で「期待値」というのは、それだけで間違っていることになりますよ。
>

 何の期待値かが問題ですね。
 たとえば庶民にとって、百兆円と千兆円とで十倍の差があるというのは、金銭欲の問題においては意味を為しませんね。
 欲望や選好を問題にする文脈であれば、金額ではなく効用の期待値で論じるべきです。
 もちろん金額の期待値を論じる文脈もあるでしょうが。

>
> そのクジの効果だけでいえば、1億円が4/5のクジのほうが1兆円が1/5のクジよりも最大多数の最大幸福だといえますよね。
>

現実的な話をするならば、1億円を得て人はほんとに幸福になりますかね?
 1億円というのは、郊外にちょっと広い土地プラス家を買おうと思ったら足りないくらいの額であり、使い方をあれこれ悩まねばならない額であって、むしろ煩わされて不幸になるんじゃないですかね?
 1兆円ならまあ幸福になれるでしょう。毎日1億円無駄に使って百日ほど過ごして、だまされたとわかったとしても痛くもかゆくもないし。余裕しゃくしゃく、おおらかな人生を過ごせるでしょう。
 さらに一万倍の1京円あれば、個人の力で国際関係や地球環境を変えることができますね。
 まあ、1億円じゃ使い方が難しすぎて、よほど賢くないと以前より幸福になれはしませんよ。


期待値は平均 17 投稿者:ハム 投稿日:2015年 9月 8日(火)12時29分13秒 返信・引用

> 経度秤動だけでなく、緯度秤動も説明しなければなりませんし、なにより月の扁平の原因となっている遠心力も説明しなければなりません。

> これらすべてを〈個別に〉理屈づけることはできても、それではオッカムの剃刀に合格しません。
> 〈統一的に〉説明するには、月が自転していると考えるべきなのでしょう。

緯度秤動は、月が1点を一定方向へ向けていることで説明できます。
扁平率も、月は地球の約1/3なので、無自転説に有利です。
月の動きは、自転を想定しなくても説明できるのです。
ならば、余計な自転を排除するのが、「オッカムの剃刀」として正しいですよね。

なによりも、自転派は、月が自転を止めたときの動きを説明できないのが致命的ですね(^_^)


> 金額は効用に対応しますから、効用の期待値を考慮しているということです。
> 期待値を考慮しないとすれば、「当たらなければ無意味」という考慮だけとなるはずです。

期待値というのは、定義の決っている言葉です。
その定義以外の意味で「期待値」というのは、それだけで間違っていることになりますよ。

> 4人が一億円もらっても大したことはできませんが、一人でも一兆円を得たとき、その購買力が経済を活性化する可能性があります。財産は天下のめぐりものですからね。
> 金の代わりに、食料などで置き換えればわかりやすいでしょう。
> 四億より一兆の方がめぐりめぐってより多くに幸をもたらすことは目に見えています。

経済効果ならば、どちらがいいかは一概にいえません。
貧富の差の少ない日本のほうが、少数の大金持ちのいる産油国よりいいですしね。

そのクジの効果だけでいえば、1億円が4/5のクジのほうが1兆円が1/5のクジよりも最大多数の最大幸福だといえますよね。


Re: 期待値は平均 16 投稿者:φ 投稿日:2015年 9月 8日(火)06時19分24秒 返信・引用

> No.4124[元記事へ]

ハムさんへのお返事です。

>
> 秤動は、月が1点を一定方向へ向けていることと、公転面が楕円であることで説明できます。
>

 経度秤動だけでなく、緯度秤動も説明しなければなりませんし、なにより月の扁平の原因となっている遠心力も説明しなければなりません。
 四十億年にわたる自転軸の変化も含め、
 これらすべてを〈個別に〉理屈づけることはできても、それではオッカムの剃刀に合格しません。
 〈統一的に〉説明するには、月が自転していると考えるべきなのでしょう。
 これは文学者に聞いてほしいですが、月の公転による遠心力と自転による遠心力は働き方がたぶん異なるはずです。月の扁平の原因は自転でしょう。

>
> 1回限りのときは、期待値ではなく、確率と金額を考慮しているわけです。
>

 金額は効用に対応しますから、効用の期待値を考慮しているということです。
 期待値を考慮しないとすれば、「当たらなければ無意味」という考慮だけとなるはずです。

>
> 1億円の確率が4/5のクジを勧めれば、4人を幸せにして、1人しか不幸にしませんが、
> 1兆円の確率が1/5のクジを勧めれば、1人しか幸せにならずに4人が不幸になります。
>
> 最大多数の最大幸福を目指すのが正しいのではないでしょうか。
>

 4人が一億円もらっても大したことはできませんが、一人でも一兆円を得たとき、その購買力が経済を活性化する可能性があります。財産は天下のめぐりものですからね。
 金の代わりに、食料などで置き換えればわかりやすいでしょう。
 四億より一兆の方がめぐりめぐってより多くに幸をもたらすことは目に見えています。

期待値は平均 16 投稿者:ハム 投稿日:2015年 9月 7日(月)16時24分40秒 返信・引用

> 月の自転軸は中にちゃんとあるでしょう。北極と南極もあるし。
> 月の自転軸は40億年でかなり傾きが変わったようで、だから昔は地球に違う面を見せていたようです。
> あと、秤動がありますね。
> 月の公転と自転は必ずしも同じスピードで同期してはいないため、そのズレが経度秤動となって観測されます。
> というような何やかんやを統一的に説明するには、月の自転の存在を認めないと無理でしょう。現象を個別に説明していたのでは、オッカムの剃刀に反してしまいます。

秤動は、月が1点を一定方向へ向けていることと、公転面が楕円であることで説明できます。
自転している派は、月が自転を止めたときに、どういう動きをするのか説明できないのではないですか?
それは、月が自転していないからです(^_^)

> 1回限りのときにも有効だからこそ、1億円60%、1兆円40%の賭けでハムさんは後者に賭ける気になるわけです。
> 1回限りでは期待値が無意味というのが本当なら、確率だけに従って選択するはずですからね。1億円51%、1兆円49%の賭けでも前者を選ぶはずですからね

1回限りのときは、期待値ではなく、確率と金額を考慮しているわけです。
1億円60%、1兆円40%のとき、私ならば後者を選ぶでしょうが、もちろん前者を選んでも良いと思います。

1億円の確率が4/5のクジを勧めれば、4人を幸せにして、1人しか不幸にしませんが、
1兆円の確率が1/5のクジを勧めれば、1人しか幸せにならずに4人が不幸になります。

最大多数の最大幸福を目指すのが正しいのではないでしょうか。



Re: 期待値は平均 15 投稿者:φ 投稿日:2015年 9月 7日(月)04時58分33秒 返信・引用

> No.4122[元記事へ]

ハムさんへのお返事です。

>
> 回転軸が物体の中にあれば、自転ですが、外にあれば公転です。
> メリーゴーランドの馬は、回転軸が馬の外にあるので、自転ではなく公転しているわけです。
> 月も同様です。
>

 月の自転軸は中にちゃんとあるでしょう。北極と南極もあるし。
 月の自転軸は40億年でかなり傾きが変わったようで、だから昔は地球に違う面を見せていたようです。
 あと、秤動がありますね。
 月の公転と自転は必ずしも同じスピードで同期してはいないため、そのズレが経度秤動となって観測されます。
 というような何やかんやを統一的に説明するには、月の自転の存在を認めないと無理でしょう。現象を個別に説明していたのでは、オッカムの剃刀に反してしまいます。

>
> 経験上、4/10の割合というのは、5/10と大差がないと感じられるのです。3/10は明らかに差があると感じます。
> 統計学的にいうと、偏差の範囲ということでしょうか。
> 確率を重視しているということです。
>

 いずれにしても、「一度限りのギャンブルでは期待値は無意味」というのは誤りでしたね。

>
> 期待値というのは繰り返す場合に有効なのです。
>

 1回限りのときにも有効だからこそ、1億円60%、1兆円40%の賭けでハムさんは後者に賭ける気になるわけです。
 1回限りでは期待値が無意味というのが本当なら、確率だけに従って選択するはずですからね。1億円51%、1兆円49%の賭けでも前者を選ぶはずですからね。


期待値は平均 15 投稿者:ハム 投稿日:2015年 9月 6日(日)10時09分37秒 返信・引用

> 自転していると言うべきでしょうね。
> メリーゴーランドの馬の位置をずらして中心に近づけてみてください。
> 中心に位置したとき、ぐるぐる自転しているはずです。
> もし自転していなかったなら、中心に近づけても同じ方向を向いたままでしょう。

回転軸が物体の中にあれば、自転ですが、外にあれば公転です。
メリーゴーランドの馬は、回転軸が馬の外にあるので、自転ではなく公転しているわけです。
月も同様です。

> 6対4ならBを選ぶということは、ハムさんは実は期待値主義者だということですね。
> ハムさんには、1兆円が1億円の6/4以上7/3未満の効用を持つと感じられているということです。

経験上、4/10の割合というのは、5/10と大差がないと感じられるのです。3/10は明らかに差があると感じます。
統計学的にいうと、偏差の範囲ということでしょうか。
確率を重視しているということです。

> 私は8/2以上はあると思いますけれどね。
> 「1兆円が当たる確率2割」と「1億円が外れる確率2割」なら、ためらいなく前者を選びます。2割という確率はともに無視できませんからね。

本当によ~く考えていただきたいのです。
1億円をもらえる確率が4/5ですよ。これは普通、1億円もらえますよね。

その1億円を捨てて、1兆円の確率が1/5のクジを引くことが正しいとお思いですか?
まさに期待値の誤用ですよ。

期待値というのは繰り返す場合に有効なのです。


Re: 期待値は平均 14 投稿者:φ 投稿日:2015年 9月 6日(日)04時38分40秒 返信・引用

> No.4120[元記事へ]

ハムさんへのお返事です。

>
> メリーゴーランドの馬は、自転していませんよね。月の運動は、メリーゴーランドの馬の運動と同じで、ただの公転なのです。それを、自転と公転の周期が同じだなどと余計なことだと思うのですがね。
>

 自転していると言うべきでしょうね。
 メリーゴーランドの馬の位置をずらして中心に近づけてみてください。
 中心に位置したとき、ぐるぐる自転しているはずです。
 もし自転していなかったなら、中心に近づけても同じ方向を向いたままでしょう。

>
> 5対5ならばB,6対4でもBですかね。7対3ならAを選びます。
>

 それは変ですね。
 一度限りの場合期待値が「無意味」というハムさんですから、6対4でも断乎Aを選ぶはずですが。

 6対4ならBを選ぶということは、ハムさんは実は期待値主義者だということですね。
 ハムさんには、1兆円が1億円の6/4以上7/3未満の効用を持つと感じられているということです。
 (繰り返しますが、社会構造と人間心理は金額に比例した効用をもたらす仕組みになっていないので、金額でなく効用に期待値を適用すべき)
 私は8/2以上はあると思いますけれどね。
 「1兆円が当たる確率2割」と「1億円が外れる確率2割」なら、ためらいなく前者を選びます。2割という確率はともに無視できませんからね。


期待値は平均 14 投稿者:ハム 投稿日:2015年 9月 5日(土)16時12分50秒 返信・引用

>「自転」という概念を天文学から消去できるなら話は別ですが、月に限っての説明ですから、「自転していない」が仮説の節約になっているとは言えません。
> 公転一週につき別の一回転をしていることは事実ですから、それを自転と呼ぶのは自然でしょう。
>「自転していない」というのはどんな動きをしていることになるのか曖昧なので、いずれにしても「自転と公転がいっしょなんですよ」と付け加える必要が出てしまいます。

メリーゴーランドの馬は、自転していませんよね。月の運動は、メリーゴーランドの馬の運動と同じで、ただの公転なのです。それを、自転と公転の周期が同じだなどと余計なことだと思うのですがね。

> 生涯にただ一度、次のようなくじを引きます。

> 選択肢A 1億円ゲット8本、1万円ゲット2本から成るくじ を1回1本だけ引く。
> 選択肢B 1万円ゲット8本、1兆円ゲット2本から成るくじ を1回1本だけ引く。

> どちらを選びますか?
> 私はBですが、ハムさんはAですよね。
> 8対2でなく、6対4でもAを選ぶのですよね? 期待値は無意味なのだから。
> これもアンケートをとってみるといいと思います。
> Aを選んで1万円になってしまった人は後悔するでしょうねえ。そういう後悔の可能性を承知しつつAを選ぶ人は、よほど度胸のある人だと思います。

Aはほぼ確実に1億円ゲットできるのに、その1億円を捨てて、ほぼ1万円が確実なBを選ぶ人というのはバクチ打ちでしょうか。おそらく、多くの人はAを選ぶと思いますよ。
Aを選んで1万円になったとしても、Bを選べばよかったとは思いませんね。
Bの方が夢がありますが、「生涯にただ一度」ならば堅実なAを選びます。

5対5ならばB,6対4でもBですかね。7対3ならAを選びます。

堅実に生きろ、バクチをするな、というのは倫理道徳としても正しいですよね(^_^)


Re: 期待値は平均 13 投稿者:φ 投稿日:2015年 9月 5日(土)04時21分31秒 返信・引用

> No.4118[元記事へ]

ハムさんへのお返事です。

>
> 「オッカムの剃刀」で考えるならば、月は自転していないと考えるべきです。月の運動を説明するのに、月は「(自転せず)公転している」といえばよく、「自転周期と公転周期が同じだ」という説明よりも楽です。
>

「自転」という概念を天文学から消去できるなら話は別ですが、月に限っての説明ですから、「自転していない」が仮説の節約になっているとは言えません。
 公転一週につき別の一回転をしていることは事実ですから、それを自転と呼ぶのは自然でしょう。
 「自転していない」というのはどんな動きをしていることになるのか曖昧なので、いずれにしても「自転と公転がいっしょなんですよ」と付け加える必要が出てしまいます。

>
> 正しさには、論理的な正しさと、倫理や道徳、常識的な正しさがあると思うわけです。
> 2封筒問題は期待値の御用だというのは、統計学的には正しい。
> さらに、実例などから常識的にも正しいことになるわけです。
>

 期待値に倫理はさしあたり無関係です。
 しかも、倫理というよりギャンブル嫌い(安定志向)のバイアスが合理的思考を曇らせるということがあるでしょう。
 前回考えた諸可能性3つに、一つ付け加えておきましょう。
 1回限りのギャンブルでは……
  ◆期待値は合理的決定にとって無意味。
  ◆人々は合理的でなくなることが多い。
  ◆人々の想像力に限界があって効用を正しく思い描けない。
  ★安定志向(未来予想の確実性志向)が現状維持へのバイアスをもたらす。(確率1の選択肢の方を過剰に好んでしまう)

 そこで次のように設定を変えたらどうでしょう。一方の選択肢を、「1億円ゲットの確率1」ではなく、たとえば「1億円ゲットの確率8割」に変更するのです。
 生涯にただ一度、次のようなくじを引きます。

 選択肢A 1億円ゲット8本、1万円ゲット2本から成るくじ を1回1本だけ引く。
 選択肢B 1万円ゲット8本、1兆円ゲット2本から成るくじ を1回1本だけ引く。

 どちらを選びますか?
 私はBですが、ハムさんはAですよね。
 8対2でなく、6対4でもAを選ぶのですよね? 期待値は無意味なのだから。
 これもアンケートをとってみるといいと思います。
 Aを選んで1万円になってしまった人は後悔するでしょうねえ。そういう後悔の可能性を承知しつつAを選ぶ人は、よほど度胸のある人だと思います。


期待値は平均 13 投稿者:ハム 投稿日:2015年 9月 4日(金)14時27分54秒 返信・引用

> 月の自転が現象として見えない理由と同じく、波の収縮が現象として見える理由は、量子力学と整合的な解釈としてはただ一つに決まります。
> 合意がないのは、もっぱら物理学者が「オッカムの剃刀」の真義を理解していないからでしょう。

「オッカムの剃刀」で考えるならば、月は自転していないと考えるべきです。月の運動を説明するのに、月は「(自転せず)公転している」といえばよく、「自転周期と公転周期が同じだ」という説明よりも楽です。
いずれにしろ、多世界解釈同様に、ただの説明に過ぎません。
説明ならば、ことさら合意が必要ではないということでしょうね。

> ですから、1兆円を狙う人もけっこういますって。

> 1億円でいいという人は、日常生活の惰性に囚われすぎて合理的思考のできなくなっている人でしょう。
> プレイヤーが全員、「自分は1回限り」と思って期待値を無視したら、胴元は笑いが止まりません。

多くの人は、一生をかけて家やマンションを買うのですよ。
その家を、確率1/2で1万円札にしてしまうような賭けをする必要がないのですよ。
失えば、二度とその家は買えないのですからね。

一般にギャンブルは、悪いことだとされているのはご存知ですよね。

> 「期待値という考えがない」からといって、期待値が選択において無意味であることにはなりません。
> 前者は経験的心理学、後者は規範的経済学ですから。

> 現実に人々が期待値計算に反した選択をするからといって、それが正しいとは限らないのです。
> 現実の行動傾向が常に正しいなら、差別や紛争を無くそうとする試みは無根拠ということになります。

正しさには、論理的な正しさと、倫理や道徳、常識的な正しさがあると思うわけです。
2封筒問題は期待値の御用だというのは、統計学的には正しい。
さらに、実例などから常識的にも正しいことになるわけです。


Re: 期待値は平均 12 投稿者:φ 投稿日:2015年 9月 3日(木)19時34分37秒 返信・引用

> No.4116[元記事へ]

ハムさんへのお返事です。

>
> 月の自転などは、以前は自転していない派が多かったようですが、現在では自転していると解釈が定まったようですね。
> こういう定まり方をしていないのが量子力学の解釈問題で、物理学会等で解釈の合意があるわけではないですよね。
>

 月の自転が現象として見えない理由と同じく、波の収縮が現象として見える理由は、量子力学と整合的な解釈としてはただ一つに決まります。
 合意がないのは、もっぱら物理学者が「オッカムの剃刀」の真義を理解していないからでしょう。

>
> 2封筒問題1万倍バージョンで、1万円を得た人が交換し、1億円を得た人は交換しないのは、期待値に従っていないからです。
>

 ですから、1兆円を狙う人もけっこういますって。
 ハムさんがそうしないとすれば、「1兆円の効用」をちゃんと想像できていないからではないでしょうか。
 考えてもみましょう。
 1億円じゃ人生変わりませんが、1兆円あれば、毎日1億円ずつ使っても三十年近くもつんですよ。
 1億円はべつにいま放棄しても努力で実現可能範囲内だが、1兆円はこういうギャンブルでなければ実現不可能。
 確率二分の一なら、1兆円を狙うでしょう。狙わなければ後悔します。
 1億円でいいという人は、日常生活の惰性に囚われすぎて合理的思考のできなくなっている人でしょう。
 プレイヤーが全員、「自分は1回限り」と思って期待値を無視したら、胴元は笑いが止まりません。

>
> 1万円を得た人が交換するのは、1億円になればラッキーだと思うからですし、
> 1億円を得た人が交換しないのは、1万円になってしまうのはイヤだと思うからですね。
> 期待値などという考えはないのです。
>

 「期待値という考えがない」からといって、期待値が選択において無意味であることにはなりません。
 前者は経験的心理学、後者は規範的経済学ですから。

 以下の可能性が並立しています。
 1回限りのギャンブルでは……
 ◆期待値は合理的決定にとって無意味。
 ◆人々は合理的でなくなることが多い。
 ◆人々の想像力に限界があって効用を正しく思い描けない。

 後二者の場合、期待値に罪はありません。
 現実に人々が期待値計算に反した選択をするからといって、それが正しいとは限らないのです。
 現実の行動傾向が常に正しいなら、差別や紛争を無くそうとする試みは無根拠ということになります。


期待値は平均 12 投稿者:ハム 投稿日:2015年 9月 2日(水)13時11分33秒 返信・引用

> コペンハーゲン解釈なるものは、世界像を欠いているので、「解釈」ではありません。ただの計算の便宜です。

> 同様に、実在しない収縮がなぜ観測されてしまうのかというメカニズムを、多世界解釈だけが量子力学と整合的に説明できるので、
> 地動説:周転円=多世界解釈:波の収縮=真なる理論:現象というわけです。

月の自転などは、以前は自転していない派が多かったようですが、現在では自転していると解釈が定まったようですね。
こういう定まり方をしていないのが量子力学の解釈問題で、物理学会等で解釈の合意があるわけではないですよね。

> 損得を考える(つまり欲求や動機を考える)場合、期待値の「値」というのは額面どおりの金額ではなく、社会的環境に条件付けられた効用です。つまり、効用の期待値(期待効用)を考えるべきです。

> 上の思考実験では、社会や家庭の仕組みからして、プレーヤーにとって1兆円が〈1億円の効用の2倍〉に程遠い効用しか持たないということに過ぎません。
>  ちなみに、
>  庶民にとってであれ一生の間に有意義に使える金額の限度(効用の上限)は1億円をはるかに上回るでしょうから、
>  上の思考実験であっても、1億円をもう一方の封筒に交換する人は多いと思いますよ。
>  1億円じゃ現実に大した贅沢もできませんしね。持ち家の有無なんて幸福度に大した違いは生じません。

2封筒問題1万倍バージョンで、1万円を得た人が交換し、1億円を得た人は交換しないのは、期待値に従っていないからです。
1万円を得た人が交換するのは、1億円になればラッキーだと思うからですし、1億円を得た人が交換しないのは、1万円になってしまうのはイヤだと思うからですね。
期待値などという考えはないのです。
そしてそれが正しいわけで、統計学からも裏付けられます。

2封筒問題のパラドックスモドキというのは、期待値の誤用に原因があるわけです。


Re: 期待値は平均 11 投稿者:φ 投稿日:2015年 9月 1日(火)17時33分5秒 返信・引用

> No.4114[元記事へ]

ハムさんへのお返事です。

>
> 量子力学の解釈は、多世界解釈やコペンハーゲン解釈などいろいろあって決着していません。
> 解釈が多様であるということも、「実体」ではない証拠ではないでしょうか。
>

 コペンハーゲン解釈なるものは、世界像を欠いているので、「解釈」ではありません。ただの計算の便宜です。

>
> 波束の収縮は、コペンハーゲン解釈ですよね。
> 多世界解釈は、並存する多世界を主観が一つを選択しているという解釈ではなかったですか。
>

 波の収縮は、惑星の周転円と同じで、物理的世界に実在しないが観測の中だけに現われる現象ですね。
 天動説では周転円は実在ですが、地動説では実在しません。
 同様に、実在しない収縮がなぜ観測されてしまうのかというメカニズムを、多世界解釈だけが量子力学と整合的に説明できるので、
 地動説:周転円=多世界解釈:波の収縮=真なる理論:現象
 というわけです。

>
> つまり、このクジは確率主義者も期待値主義者にもそっぽを向かれてしまいます。
>

 数字は適当にあてがってしまったので、
 前設定を A、B 当たれば二千円獲得→三千円獲得 C 当たれば九千円獲得→一万円獲得 と変えておきましょう。

>
> 2封筒問題1万倍バージョンは、多数回やるならば交換した方が得ですので、「多数回のうちの一度」というつもりで、1億円の家を交換して1万円札にしてしまった人は、家族に泣かれ糾弾され離縁されてしまうでしょう。
>

 また話が戻ってしまいましたが、
 損得を考える(つまり欲求や動機を考える)場合、期待値の「値」というのは額面どおりの金額ではなく、社会的環境に条件付けられた効用です。つまり、効用の期待値(期待効用)を考えるべきです。

 上の思考実験では、社会や家庭の仕組みからして、プレーヤーにとって1兆円が〈1億円の効用の2倍〉に程遠い効用しか持たないということに過ぎません。
 ちなみに、
 庶民にとってであれ一生の間に有意義に使える金額の限度(効用の上限)は1億円をはるかに上回るでしょうから、
 上の思考実験であっても、1億円をもう一方の封筒に交換する人は多いと思いますよ。
 1億円じゃ現実に大した贅沢もできませんしね。持ち家の有無なんて幸福度に大した違いは生じません。


期待値は平均 11 投稿者:ハム 投稿日:2015年 9月 1日(火)11時52分28秒 返信・引用

> 物理理論の解釈とは、理論の構文論がいかなる実在に対応しているかを定めることです。

量子力学の解釈は、多世界解釈やコペンハーゲン解釈などいろいろあって決着していません。
解釈が多様であるということも、「実体」ではない証拠ではないでしょうか。

> 波の収縮は至るところで報告されています。
> 地球の公転の証拠が周転円であるように、多世界の実在の証拠が波の収縮です。

波束の収縮は、コペンハーゲン解釈ですよね。
多世界解釈は、並存する多世界を主観が一つを選択しているという解釈ではなかったですか。

> ですから、本人の視点でゲームの同一性を認識できるとは限らないということです。
>  A(費用千円、当たれば二千円獲得)、B(Aと同じ)、C(費用三千円、当たれば九千円獲得)の、それぞれ当選確率1/3のくじ引きを「一回だけ」やるつもりで、
>  確率主義者が「AとB」を買うとします。

AとBを買えば、2千円払って当っても2千円しかもらえないので、損をします。

>  期待値主義者は「Cだけ」を買います。

Cだけを買えば、3千円払って3回に1回当って9千円もらう時に限り損得なしですね。
つまり、このクジは確率主義者も期待値主義者にもそっぽを向かれてしまいます。

> 忘れたころ、二人はまたそのくじを同じ要領で買います。(くじの名前も主催者も場所も異なるので、実質上同じくじだとは認識せずに)
> それが生涯になんだかんだで結局何百回もあったとします。
> 本人は毎回一度限りのつもりで「思えば一度限りのギャンブルを何百種類もやったなあ」と思っています。
> 結局、確率主義者は、期待値主義者に比べて、かなり損をしているはずです。

> 「一度だけ」と思っていても、その判断は間違っていることが多いので(われわれは異なる装いの同種の経験を繰り返しているので)「多数回のうちの一度」というつもりで臨むのが正解ということになります。

2封筒問題1万倍バージョンは、多数回やるならば交換した方が得ですので、「多数回のうちの一度」というつもりで、1億円の家を交換して1万円札にしてしまった人は、家族に泣かれ糾弾され離縁されてしまうでしょう。
そんなことが正解のわけがないでしょう。

1回きりならば確率、多数回ならば期待値によって判断せよというのが統計学による正解です。


Re: 期待値は平均 10 投稿者:φ 投稿日:2015年 9月 1日(火)03時16分31秒 返信・引用

> No.4112[元記事へ]

ハムさんへのお返事です。

>
> ブラックホールは、アインシュタインの重力場方程式から導き出されましたが、同様に多世界を導き出す実証された理論はないはずです。
> 解釈は、実在でも、実在の予測でもないことは、理解されるのですよね。
>

 いや、ですから、量子力学そのものが多世界の記述なのですよ。マクロとミクロの理論的区別のない世界観のもとでの「重ね合わせ」とはそういうことですからね。
 「解釈」という言葉で、文学作品の解釈のようなものを連想してはいけません。
 物理理論の解釈とは、理論の構文論がいかなる実在に対応しているかを定めることです。

>
> それは初めて聞きました。
> 学会等で報告されているのですか?
>

 波の収縮は至るところで報告されています。
 地球の公転の証拠が周転円であるように、多世界の実在の証拠が波の収縮です。

>
> 初めてそのゲームをやれば、それが1回目です。
> もう1回やれば、それは2回目です。
> 簡単なことでしょう(^_^)
>

 ですから、本人の視点でゲームの同一性を認識できるとは限らないということです。
 A(費用千円、当たれば二千円獲得)、B(Aと同じ)、C(費用三千円、当たれば九千円獲得)の、それぞれ当選確率1/3のくじ引きを「一回だけ」やるつもりで、
 確率主義者が「AとB」を買うとします。
 期待値主義者は「Cだけ」を買います。
 (確率主義者は、少ない出費で当たる確率は高いのだから「Cだけ」より「AとB」の方がよいと思っています)

 忘れたころ、二人はまたそのくじを同じ要領で買います。(くじの名前も主催者も場所も異なるので、実質上同じくじだとは認識せずに)
 それが生涯になんだかんだで結局何百回もあったとします。
 本人は毎回一度限りのつもりで「思えば一度限りのギャンブルを何百種類もやったなあ」と思っています。
 結局、確率主義者は、期待値主義者に比べて、かなり損をしているはずです。

 「一度だけ」と思っていても、その判断は間違っていることが多いので(われわれは異なる装いの同種の経験を繰り返しているので)「多数回のうちの一度」というつもりで臨むのが正解ということになります。


期待値は平均 10 投稿者:ハム 投稿日:2015年 8月31日(月)12時14分39秒

> 理論的に予測はされていますよ。
> 現存の量子力学それ自体が多世界の記述であり、その実在の予測です。

ブラックホールは、アインシュタインの重力場方程式から導き出されましたが、同様に多世界を導き出す実証された理論はないはずです。
解釈は、実在でも、実在の予測でもないことは、理解されるのですよね。

> 候補も観測されていますよ。ブラックホールと同程度の間接的観測でよければ。

それは初めて聞きました。
学会等で報告されているのですか?

> なにをもって「一回きり」と判定する根拠とすべきかは難しく、「これは多数試行のうちの一つだ」という前提で望む方が賢明だったりするでしょう。

初めてそのゲームをやれば、それが1回目です。
もう1回やれば、それは2回目です。
簡単なことでしょう(^_^)

2封筒問題では、期待値が標準偏差の1/2内に出現する確率が1回目の時は0%です。
1回目の時は期待値に何の期待もできないということです。
これは統計学の結論ですね。


Re: TTTさんへの追伸2 投稿者:φ 投稿日:2015年 8月31日(月)05時20分20秒

> No.4110[元記事へ]

 http://8044.teacup.com/miurat/bbs/4109に対し
「このように考えれば」以下は撤回します、と言いましたが、
 撤回せずにやはりきちんと書きなおしてみましょう。
(あくまでhttp://8044.teacup.com/miurat/bbs/4106への補足です)

 未確定(ゆえ非存在)を〈各確定の集合〉に置き換える方策として、
 「各々の特定の仕方をした確率分布」ではなく、
 「各々のペア決定(2封筒の合計金額)」を採用することにします。
 プレーヤーの選択より前に合計金額が決まっているので、これが問題設定に従った考え方です。
 「特定の合計金額の確率1、その他の合計金額の確率ゼロ」という具体的な各場合をすべて(概念的に)列挙するわけです。

 換言すれば、確率変数の一つの値を確率1とするような偏った確率分布だけをすべて考えるということです。(実質、胴元の選択後の「プレーヤーにとっての事前確率」はそれらだけで十分ですから)

 二つの封筒内の合計金額をXとする。各Xi=3xiについて個別に、交換の期待値を考える。

たとえば
■第1段階 胴元が金額ペアを決定。……合計金額X1=3x1であることだけは確定。他の場合は確率ゼロ
■第2段階 プレーヤーが封筒を選ぶ。……(x1、2x1)(2x1、x1)のいずれかであることだけは確定。他の場合は確率ゼロ
■第3段階 封筒を交換する。……(2x1、x1)(x1、2x1)のいずれかであることだけは確定。他の場合は確率ゼロ

 これをすべてのiについて個別に想定する。
 どの場合も、E[X]=Xi
 つまり、それぞれE[X]が有限の値に確定する(トリビアルな意味で)。

 交換による差額をHとして、どのXiについても、E[H]=0.
 つまりE[H]=E[E[H|X]]=0

 繰り返すと、事前確率分布はないので、各iについてP(Xi)を気にする必要はなし。Xiを確定したところから各々交換の期待値がゼロであることを確認すればよい。
 これで、

>
> E[H]=E[E[H|X]]となるのはE[H]が存在する時
> すなわちE[X]が存在する時、その時のみです。
>

というTTTさんの主張を全面的に採り入れることができました。

 よって、未開封バージョンでは「交換による差額の期待値はゼロ」が正解。

 端的に「E[X]が存在しなくてもE[H]は存在しうる」と対称性原理で片づけるhttp://8044.teacup.com/miurat/bbs/4106の考え方の方が優れていると私は思いますが、
あくまでE[X]の存在性をE[H]にリンクさせるTTTさんに対しては、
 E[X]を確定させた場合にばらして、各々の場合に交換の期待値を算出する今回の考え方の方が納得しやすいのではないでしょうか。


Re: TTTさんへの追伸2 投稿者:φ 投稿日:2015年 8月30日(日)17時47分34秒

> No.4109[元記事へ]

 訂正します。
E[X]が存在できない具体的な確率分布があるというのが
もともとのTTTさんの指摘でしたね。
それに対して私が「問題全体にもともとE[X]はない」と応じたのでした。

前回の「言い換え」は、
 E[X]が存在できない確率分布の場合も含めて
「いかなる確率分布についても成立する解法で答えを出せ」に従っている、という趣旨でした。
 前回の
 「このように考えれば」
 以下は撤回します。
 上記の趣旨には変更ありません。


TTTさんへの追伸 投稿者:φ 投稿日:2015年 8月30日(日)17時00分24秒

> No.4106[元記事へ]

φさんへのお返事です。


 以下の私の記述ですが、

>
>  2封筒問題の素直な理解は次のようなものです。
>  ■第1段階 胴元が金額ペアを決定。……{x、2x}であることだけは確定。ただしxの確率分布はナシ
>  ■第2段階 プレーヤーが封筒を選ぶ。……(x、2x)(2x、x)のいずれかであることだけは確定。xの確率分布はナシ
>  ■第3段階 封筒を交換する。……(2x、x)(x、2x)のいずれかであることだけは確定。xの確率分布はナシ
>

 次のように言い換えてもよいと思われます。(「未確定ゆえ非存在」を「可能なあらゆる場合の集合」に置き換えるのは諸分野でなされている措置なので)

■第1段階 胴元が金額ペアを決定。……{x、2x}であることだけは確定。ただしxの確率分布は任意
■第2段階 プレーヤーが封筒を選ぶ。……(x、2x)(2x、x)のいずれかであることだけは確定。xの確率分布は任意
■第3段階 封筒を交換する。……(2x、x)(x、2x)のいずれかであることだけは確定。xの確率分布は任意

 任意の確率分布で同じ答えを出すような解法があれば、それが正しい解法。
 現に、問題設定の可能世界の分岐経緯に従って計算すれば、
 Σpn((2Xn-Xn)/2+(Xn-2Xn)/2)=0
 これはいかなる具体的な確率分布のもとでも成り立つ。

 問題中に指定のない要因については、「任意の場合に成り立つ」と理解すべき。
 2封筒問題の場合、「いかなる確率分布についても成立する解法で答えを出せ」が省略されていると見るべき。(これは暗黙の常識)

 このように考えれば、各々の特定の仕方をした確率分布の場合に常にE[X]が存在できることになり、

>
> E[H]=E[E[H|X]]となるのはE[H]が存在する時
> すなわちE[X]が存在する時、その時のみです。
>

というTTTさんの主張を全面的に採り入れることができます。

 いかなるE[X]の場合にも同じ答えを出す計算方法は一つだけですから(しかも案の定、可能世界の分岐経緯に合致した解釈に基づいている)、
 それが「任意の確率分布について成立する解法で答えを出せ」という指示に従った解法です。

 よって、未開封バージョンでは「交換による差額の期待値はゼロ」が正解。


Re: 期待値は平均 09 投稿者:φ 投稿日:2015年 8月30日(日)16時17分7秒

> No.4107[元記事へ]

ハムさんへのお返事です。

>
> 理論的に存在が予測され、候補が観測されている天体と違い、多世界は予測も観測もされていないので「実体」ではないですね。
>

 理論的に予測はされていますよ。
 現存の量子力学それ自体が多世界の記述であり、その実在の予測です。
 候補も観測されていますよ。ブラックホールと同程度の間接的観測でよければ。

>
> だから、1回きりのときは期待値は意味がないということですね。
> 2封筒問題では、期待値が標準偏差の1/2内に出現する確率は、1回目は0%、2回目は1/2%、3回目は3/4%、4回目は7/8%・・・となります。
> この場合、3回以上やる場合に、期待値が有効となるわけですね。
>

「一回きり」とはいっても、実は、同種のギャンブルを我々は何度も繰り返しているのではないでしょうか。
 各々のギャンブルの場所、名前、時刻が大きく異なっているからといって、各々独立したギャンブルと見なせるとは限りません。

 なにをもって「一回きり」と判定する根拠とすべきかは難しく、「これは多数試行のうちの一つだ」という前提で望む方が賢明だったりするでしょう。
 1回きりのつもりでいたら、成り行きで何度もやる羽目になり、いつも「これが最後、だからやっぱり1回きり」と思いきや、気が付いたら何百回もやっていて、毎回期待値を無視したために結局損した、なんてこともありえます。


期待値は平均 09 投稿者:ハム 投稿日:2015年 8月29日(土)18時59分17秒

> 直接経験できないが間接的に経験できるので
> クオークやブラックホールと同程度の「実体」だということでよいのではないですか。多世界は。

理論的に存在が予測され、候補が観測されている天体と違い、多世界は予測も観測もされていないので「実体」ではないですね。

> 確率変数の値が一つしかない場合を除けば。

「確率変数の値が一つ」ならば、それは確率変数ではないですね。

> ただし、一回限りのギャンブルでも、前に述べたように必ず多世界の私たちが同時に同じ試行をしているわけですから、
>  「私」全員を平均すれば必ず期待値どおりになります。(多世界が無限個だとして)
>  ただし分岐後は各々の私は結果ごとにまとめられてそれぞれ別人になりますから、平均しても意味ありませんけれどね。

だから、1回きりのときは期待値は意味がないということですね。
2封筒問題では、期待値が標準偏差の1/2内に出現する確率は、1回目は0%、2回目は1/2%、3回目は3/4%、4回目は7/8%・・・となります。
この場合、3回以上やる場合に、期待値が有効となるわけですね。


Re: 定義に基づく期待値 投稿者:φ 投稿日:2015年 8月29日(土)04時14分9秒

> No.4103[元記事へ]

TTTさんへのお返事です。

>
>  確率変数のとり得る値が無限個なので事前分布を一様分布とすることは不可能なら
>  単に、事前分布は一様分布ではない(事前分布は一様分布でない分布である)というだけのことで
>  つまり「未知なら一様分布とせよ」というやり方はこの場合には使えないというだけです。
>

 ↑これは正確な言い方ではありませんね。
 正しくは、
 事前分布は一様分布ではない、または、確率変数のとり得る値が実は有限個である
 設定次第でどちらが真であるかが決まります。両方真であってもかまいません。

 ところが、問題設定からして事前分布が全くわからない無知状態ですから、上の2命題について主観的には
 「一様分布でない分布のうちいかなるものなのかわからない」
 「確率変数のとり得る値がわからない」
 という状態にあります。
 主観確率の考えでは、わからない場合は「とりあえず」一様分布、とせざるをえませんが、
p.211注28 β「胴元によって選ばれる可能性のあった封筒ペアは、どれも選ばれる確率が等しい」により
 可能性のあった封筒ペアは実は有限、と考えるのが現実的な対応でしょう。
 実際に、選ばれたペアは一つだけですから、「最後まで候補が無限個並立している」というのは不可能だからです。胴元の知識の中では確率変数の範囲は収縮しており、プレイヤーもその事情を知っています。
 いつまでも胴元の決定前の脳内状態を尊重する必要はない。つまり確率変数の値は有限個、ということだけがわかったのです。
  したがって、
 確率変数の値についての判断は、次の手掛かりが得られるまでペンディング、というのが最も現実的な対応となります。
 次の手掛かりとは、封筒を開封して金額を見たときです。
 その段階になって初めて、
 「2種類のペアについて一様分布」という事前確率の判断が得られます。
 2封筒問題は、ゲームの開始時には設定が不完全なため確率分布については何も言えず、開封したときに初めて確率分布が定められるという問題であることがわかるでしょう。
事前確率は開封バージョンになって初めて意味を持ちます。
 事前確率がないところに事後確率が決まる、という言い方はTTTさんにとって違和感があるようですから、開封バージョンにおいて「事後確率」と言わず、「事前確率」と言うことにしましょう。
 事前確率が開封時に初めて決まったのだと。

 「そこに何かが一つあることだけがわかっています。それが生きたカブトムシである確率は?」
 ↑こんな問題に事前分布が存在すると思う方がどうかしているでしょう。
 未開封バージョンはそういう問題に相当します。
 開封バージョンは、たとえば次のような第二段階に相当します。
「そこに何かが一つあることだけがわかっていましたが、いま、それがサイコロであることがわかりました。平らに置かれています。6の目が上を向いている確率は?」
 ここで初めて、確率分布が決まったわけです。
 それ以前には「その何かがサイコロであった確率」なんて存在しませんでした。(ゼロでないというトリビアルな意味以外では)

>
> 「未知なら一様分布」が問題なく運用できる場合というのは
> 「一様分布とするのが尤もらしい候補がただ1つ存在する場合」だけです。
>

 それは違いますね。たとえば、
「このコインは、いずれかの面が出やすくできています。いま投げたとき、オモテが出る確率は?」
この設定では、確率分布の可能な候補は(P(表)、P(裏))≠(1/2、1/2)というすべての場合です。
つまり、一様分布だけが除外され、他の無限個の候補が並立します。
では正解は?
もちろん、オモテが出る確率は1/2ですね。
極端な場合、すでに投げてしまったコインがオモテである確率も「1/2」です。結果が決定したからといって「1か0」と言うのは誤りです。

TTTさんが挙げた「例外」の中にこの例も含まれうるのでしょうが、
「一様分布とするのが尤もらしい候補がただ1つ存在するわけでない場合」どころか、
「一様分布でないとわかっている場合」にすら一様分布を当てはめねばならない。その種の事例はきわめて多く、そういう事例はもはや「例外」とは言えません。

 封筒問題でも、
 かりに確率変数の値を無限個認めるとしたら、「一様分布ではないことだけは認めねばならない」ことになります。
 しかし、上と同じ理由で、「だからこそ一様分布」となるわけです。
 もちろん無限個の確率変数に直接適用はできませんから、
 「開封して確率変数の値の候補を絞ってから、一様分布を適用しよう」という条件付き適用となります。
 条件付き適用という方策に何ら問題はありません。
 事前分布は開封時に初めて決まるのですからね。

>
>  一応あらかじめ断っておきますが
>  2封筒問題の未開封状態において
>  金額の組{N,2N}のうち
>  ・小さい方Nがはじめの封筒の金額である可能性;X=N,Y=2N
>  ・大きい方2Nがはじめの封筒の金額である可能性;X=2N,Y=N
>  これらに関して「未知だから一様分布」とすれば良い
>  候補がこれ1つということで、問題ないじゃないか
>
> という考えは駄目ですからね。
> それだけではXの事前分布(の事前分布)全体が決まらないので
> 正しい意味で未開封状態を考えたことになりません。
>

 ですから、未開封状態では事前分布は存在しないのです。問題解決に支障ありません。
 未開封問題は、対称性の原理で解くことができる問題であって、事前確率分布は全く関係ないのです。
 TTTさんは私の「期待値」の用法に御不満のようですが、TTTさんの「事前分布」の方により問題がありそうですね。当該問題に無関係の概念に固執するのはやめましょう。
 括弧付け替え計算のような誤りを指摘するときにのみ、「個々の試行では(問題全体としてでなく)原理的に事前分布がありうる」ことを自覚することが必要になるだけです。(たとえば『思考実験リアルゲーム』p.219~)

>
> 期待値の定義から
> E[H]=E[E[H|X]]となるのはE[H]が存在する時
> すなわちE[X]が存在する時、その時のみです。
>

 これについてはすでに反例を認めていただいたと思いますけれど?
 E[X]が存在しなくてもE[H]が存在する場合なんていくらでもあるし、それゆえE[H|X]など媒介せずともダイレクトにE[H]を求められる場合もあるでしょう。
 一般に完全な対称性が成り立つ場合がそれに該当し、2封筒問題未開封バージョンが典型例です。

>
> 期待値の定義では
>  期待値は、ゲームの構造や可能世界の正しい分岐順序に従い計算しなければならない
> なんて定義はされていません。
>

 応用問題への適用の心得一々を定義に書き込むことなどできるわけがありません。
 問題設定(ゲーム)の構造に従うなんてのは数学以前の常識ですしね。
 「問題の指示は正しく理解する」と期待値の定義に書かれてないのと同じです。
 ゲームの構造は参加者の知識を決定します。2封筒問題は主観確率の問題ですから、「プレーヤーの知識(あるいは信念)のあり方」が確率計算(期待値計算)の仕方を制約します。
 自分の属する可能世界がどのように分岐してきたかという知識は、確率判断の合理性に大いに影響するのです。

>
> 言い換えれば
>  期待値は、ゲームの構造や可能世界の分岐順序に依らずに計算される
> ということです。
> 期待値の定義では、"問題設定"、"ゲームの構造"、"論理空間"などによって定められているわけではなく
> とり得る値の集合{h1,h2,h3,…}で定められています。
> 期待値を考える上では、φさんの挙げるそれらの要素は無視できる
> というだけのことです。
>

 問題設定を無視したがゆえに、数学者たちはモンティホール・ジレンマで失敗したのです。
 登場人物の誰が何を知っているか、どのような意図と順序で選択がなされてきたかを問題設定ごとに考えなければ、正しい確率を求められません。

 実際に、私が言うような可能世界のまとめ方で問題を解けば確実に期待値ゼロとなり、
 括弧付け替え計算主義者やTTTさんの仕分けで問題を解けば期待値ナシとか不定とかになるわけで、
 現に計算結果が異なるわけですから、「ゲームの構造や可能世界の分岐順序に依らずに計算される」は反証されています。
 一人二役(可能なプレーヤーを両方受け持つ)で2封筒問題をやってみれば、各回ごとに獲得金額増は現実にゼロとなり、全体の期待値がゼロであることが確かめられます。

 確認しておきましょう。
 2封筒問題の素直な理解は次のようなものです。
 ■第1段階 胴元が金額ペアを決定。……{x、2x}であることだけは確定。ただしxの確率分布はナシ
 ■第2段階 プレーヤーが封筒を選ぶ。……(x、2x)(2x、x)のいずれかであることだけは確定。xの確率分布はナシ
 ■第3段階 封筒を交換する。……(2x、x)(x、2x)のいずれかであることだけは確定。xの確率分布はナシ
封筒の識別不可能性により、可能世界の集合に収縮は一切ナシ。
つまり第2段階と第3段階の区別はナシ。(交換を一度だけでなく任意の回数というふうに変更しても2封筒問題の構造に変更なし)
よって、交換による獲得差額の期待値はゼロ。全体集合が同じなので。
これはE[H]=E[E[H|X]]となるのはE[H]が存在する時のみ、という原理に違反していません。
 ■第4段階 プレーヤーが封筒を開封、2万円を見出す。……(2万、4万)(2万、1万)のいずれかであることに確定(可能世界の集合が収縮)。ここで初めてxの確率分布が成立。封筒選択はランダムなので一様分布。

 これだけの話です。何のパラドクスもありません。
 この自然な計算を拒んで、あえて未開封バージョンに期待値の適用を拒む動機はないのです。開封時に期待値が引き継がれるわけですから。


Re: 期待値は平均 08 投稿者:φ 投稿日:2015年 8月29日(土)03時54分10秒

> No.4104[元記事へ]

ハムさんへのお返事です。


>
> 多世界解釈が優れていても、経験できませんので、「実体だぁ」などと安易にお叫びにならない方がよろしいかと(^_^)
>

 直接経験できないが間接的に経験できるので
 クオークやブラックホールと同程度の「実体」だということでよいのではないですか。多世界は。

>
> 1回きりの場合で、期待値通りになるような思考実験は無いですよね?
>

 確率変数の値が一つしかない場合を除けば。
 ただし、一回限りのギャンブルでも、前に述べたように必ず多世界の私たちが同時に同じ試行をしているわけですから、
 「私」全員を平均すれば必ず期待値どおりになります。(多世界が無限個だとして)
 ただし分岐後は各々の私は結果ごとにまとめられてそれぞれ別人になりますから、平均しても意味ありませんけれどね。


期待値は平均 08 投稿者:ハム 投稿日:2015年 8月27日(木)12時15分19秒

>解釈と称するものの中では、多世界解釈だけが解釈の名に値する、という話でした。

多世界解釈が優れていても、経験できませんので、「実体だぁ」などと安易にお叫びにならない方がよろしいかと(^_^)


>「当たったら1億円もらえて、外れたら1千万円払う」ならやめておくが
>「当たったら1億円もらえて、外れたら千円払う」ならやる、というわけですね、ハムさんは。

>期待効用が逓減しない範囲においては、1回限りの賭けにおいてもハムさんは期待値に従って判断しているわけです。

私は「期待効用が逓減」しているであろう「宝くじ」を買うことがあります。
それと同じことで、期待値によって判断しているわけではありません。

>一千万円以上でも期待金額と期待効用が主観的に比例するような金持ちであれば、迷わずやるでしょう。

金持ちほどケチなもので、分の悪い賭け事はしませんが、繰り返しこのゲームができるのであれば、やるでしょうね。
1回きりの場合で、期待値通りになるような思考実験は無いですよね?


定義に基づく期待値 投稿者:TTT 投稿日:2015年 8月27日(木)00時11分38秒

> No.4084[元記事へ]

> {+(x1), +(x2), +(x3), …}∪{-(x1), -(x2), -(x3), …}というグループ分けは、
> その恣意的な(ゲリマンダー的な)可能世界の仕分けBをやっているのです。ゲームの構造に対応していません。

>  γは可能世界の正しい分岐順序に従った期待値計算であり、δは分岐の経緯を無視した誤った計算です。


期待値の定義では
 期待値は、ゲームの構造や可能世界の正しい分岐順序に従い計算しなければならない
なんて定義はされていません。
言い換えれば
 期待値は、ゲームの構造や可能世界の分岐順序に依らずに計算される
ということです。

「可能世界の正しい分岐順序に従いうべき」というのはφさんの勝手な自分ルールであり
期待値の定義に反した誤りであるというのが私の一貫した主張です。
いい加減、この誤りを認めるか
まともな反論、すなわち期待値の定義に沿った形での反論や説明をしてください。



> {+(x1), +(x2), +(x3), …}∪{-(x1), -(x2), -(x3), …}という書き方はよくありませんね。

> プレーヤーが存在している可能性のある可能世界群は
>  {+(x1), +(x2), +(x3), …}
> {-(x1), -(x2), -(x3), …}
>  の二種類ではありません。

{+(x1), +(x2), +(x3), …}∪{-(x1), -(x2), -(x3), …}は
2つのグループ(集合)に分ける意図等があったわけではありません。
これで1つの集合を表すものであり
{h1,h2,h3,…}と同一の集合ですから、φさんの指摘は全くナンセンスです。

{+(x1), +(x2), +(x3), …, -(x1), -(x2), -(x3), …}
といった感じで書こうとも思ったのですが、この書き方は数学的には問題があるので
∪を用いて書いただけです。
{±(x1), ±(x2), ±(x3), …}
{+(x1), -(x1), +(x2), -(x2), +(x3), -(x3), …}
{+(x1), -(x1) }∪{+(x2), -(x2) }∪{+(x3), -(x3) }∪…
等の書いても、同じ集合を意味するので本来は全く問題ないのですが
「+と-が交互に(セットになって)並んでいる」という間違った印象を与えやすいのでわざと避けました。

{h1,h2,h3,…}は集合ですから、集合内の順序やグループ分けは関係ありません。
h1,h2,h3,…という番号付けは単に利便性の為であって
異なる番号付けをしたり、どんなグループ分けをしても集合としては同じです。
("h_n"の具体的な定義を書いていないのはその為です)

期待値は集合{h1,h2,h3,…}によって定義されているのに
「期待値は特定の順序やグループ分けによって計算しなければならない」というのは間違いです。
このことが分かっているなら{±(x1), ±(x2), ±(x3), …}等の書き方でも何の問題もないのですが
案の上φさんはこの間違いを犯していますから、だからそういう書き方をしなかったのです。


> ∪で結びつければどうせ同じ全体集合になるのだから同じじゃないか、というのは問題設定を無視することになります。

φさんは期待値の定義を無視しないで下さい。
期待値の定義では、"問題設定"、"ゲームの構造"、"論理空間"などによって定められているわけではなく
とり得る値の集合{h1,h2,h3,…}で定められています。
期待値を考える上では、φさんの挙げるそれらの要素は無視できる
というだけのことです。



「正しい分岐順序に従い計算する値」を考えたいのなら
「期待値」とは別の概念として定義し、頑張って広めて下さい。
しかしおそらく、そんな別概念を作っても誰も相手にしないと思いますがね。
少なくても私は興味ありません。

「期待値」と銘打つから注目したのであって、
そんな「期待値モドキ」みたいな概念に
全くないとまでは言いませんが、大した意義があるとは思わないので。

現状は
「期待値」の威を借りてるだけなんですよね。
期待値で成立したことがその別概念でも成立するとは限らず、確かめ直す必要があるはずですが
期待値の名で偽ることで誤魔化し、期待値のもつ利便性をそのまま持っているかのように見せかけています。
φさんがその別概念の意義に自信があるというなら
こんな卑怯なやり方しなくてもいいのにと思うのですが・・・


定義に基づく期待値 投稿者:TTT 投稿日:2015年 8月27日(木)00時07分27秒

φさんへのお返事です。

> 『思考実験リアルゲーム』p.211の注28に述べた
> β「胴元によって選ばれる可能性のあった封筒ペア(ゲームGの場合、「金額」)は、どれも選ばれる確率が等しい」
> ということが(全くの無知無設定ゆえに)帰結するからです。

現実の問題ではなく論理の問題を考えているわけですから
「元によって選ばれる可能性のあった封筒ペア」が無限種類あると考えることもできます。

> 封筒ペアの選び方を無限種類と考える必要はない
とありますが、裏を返せば
無限種類でない(有限種類である)と考える必要もありません。

 無限種類ある場合は難しいから
 有限種類しかない場合にだけに限定してまず考えよう
ということなら良いのですが
有限の場合だけ考えて解決したからといって、完全解決したことにはならないのです。


> 決まらないまま(というか、決まってはいけないという設定のまま)、
> 「とにかく金額入りの封筒がここにあります」というのが2封筒問題です。(私の今回のゲームGもそうです)
>  そういう場合、端的に、確率分布は存在しません。

これは考え方(前提)の違いですね。
ただしφさんの考える主観確率はかなり狭義的なものになってしまっています。


> 未設定だから主観確率の趣旨からして事前確率分布は一様分布とせよ。
> ところが可能な確率変数の値が無限個なので一様分布は不可能。だから事前確率は存在せず。

「未知なら一様分布とせよ」というやり方が有用なケースが多々ありことは認めますが
万能ではありません。
数学的に見れば単なる仮定でしかなく
常識でも特別なことでもなんでもないので、大前提とすべきことでもありません。

 確率的に考えるということは
 何かしら確率空間(つまり事前分布)が存在することを大前提として考えるということ。
 確率変数のとり得る値が無限個なので事前分布を一様分布とすることは不可能なら
 単に、事前分布は一様分布ではない(事前分布は一様分布でない分布である)というだけのことで
 つまり「未知なら一様分布とせよ」というやり方はこの場合には使えないというだけです。

こういう考え方をしても何も問題ありません。
現代数学の確率論における確率とは
確率空間(簡単に言えば確率分布)の存在によって定義されるので、確率的に考える時に
「何らかの確率空間(事前分布)が存在を前提とする」というこの考え方のほうがむしろ正当性があり自然でしょう。

一方で
 「未知なら一様分布とせよ」を大前提とし
 一様分布が不可能なら事前分布は存在しない
というφさんの考え方は
「未知なら一様分布とせよ」を大前提とする正当性がありません。

古典的確率論における確率なら
何らかの一様分布の前提下で定義されますから
古い常識として「未知ならとにかく一様分布とせよ」というのがあったのかもしれませんが
可能な確率変数の値が無限個のような場合は
古典的確率論では扱えないので、そのような古い常識では封筒問題に通用しないというだけですね。


あるいは
「未知なら一様分布とせよ」というやり方が有用なケースが多々あること
を根拠に「未知ならとにかく一様分布とせよ」を大前提としているのかもしれませんが
それも正当性に欠けます。
先程も言ったように、このやり方は万能ではないからです。


「未知なら一様分布」が問題なく運用できる場合というのは
「一様分布とするのが尤もらしい候補がただ1つ存在する場合」だけです。

例外として、複数の候補(AとBとする)があったとしても
・Aに対して一様分布と仮定すれば、Bも一様分布になる場合
・さらにその逆も成立する場合
・Aに対して一様分布を仮定しても、Bの分布について一切定まらない場合(AとBが確率論的に独立であることが尤もらしい場合)
 つまりAとBの両方にそれぞれ一様分布を仮定しても矛盾しない場合
に関しても問題なく運用することができます。
(1つ目に関してはより尤もらしい候補はAだと見なす、2つ目に関してはAとBは同等のものと見なす
 3つ目に関してはAとBの同時分布を一様分布とすべきと見なすことができるので実際にはどれも真の例外というわけではありませんが)


一方で、円滑に運用できない場合というのもあって
例えば、この手の話でよく話題になったりもしますが
一様分布とするのが尤もらしい候補が2つ(AとB)以上あるのに
Aを一様分布とすればBが一様分布にならず、Bを一様分布とすればAが一様分布にならずという場合。
このような時は「どれに対して一様分布とすべきか」によって確率が一意に定まらなくなってしまいます。

そして
あまり話題にはなりませんが、運用できない場合というのは実は他にもあって
「候補がただ1つでない」かつ「候補が複数でもない」場合、すなわち
「一様分布とするのが尤もらしい候補が1つも存在しない場合」です。

確率論の定義から、上限のない一様分布は原理的不可能なので
とり得る値に上限のない確率変数は一様分布とする候補にはなり得ません。
その為に候補が1つも存在しないということが起こり得てしまいます。

一様分布とするのが尤もらしい候補が複数の場合には、何らかの方法によって1つ選ぶことで、何とか運用することも可能ですが
候補が0個の場合にはそれもできませんから運用のしようがありません。


「未知なら一様分布」が運用できる場合に、それ運用するというのは別に良いのですが
「未知なら一様分布」が運用できない場合の話で
  運用できる場合の有用性を根拠として「未知なら一様分布」を大前提とすべき
というのはおかしいですよね。

「未知なら一様分布」を大前提とする考え方は
「一様分布とするのが尤もらしい候補がただ1つ存在する(あるいは1つ以上存在する)時のみ」に有用なことが多い考え方というだけで
候補が0個の問題(封筒問題の未開封状態におけるの事前分布や、ゲームGのXの分布をどうするか)
には全く通用しないというだけです。


一応あらかじめ断っておきますが
 2封筒問題の未開封状態において
 金額の組{N,2N}のうち
 ・小さい方Nがはじめの封筒の金額である可能性;X=N,Y=2N
 ・大きい方2Nがはじめの封筒の金額である可能性;X=2N,Y=N
 これらに関して「未知だから一様分布」とすれば良い
 候補がこれ1つということで、問題ないじゃないか

という考えは駄目ですからね。
それだけではXの事前分布(の事前分布)全体が決まらないので
正しい意味で未開封状態を考えたことになりません。



φさんの考え方が正当性に欠ける怪しいものであるとはいえ
事前分布が存在するかしないかに関しては、「考え方の違い」と言うことはできるのですが
> E[H]もE[E[H|X]]もゼロです。
などは「考えの違い」では済まず、完全な誤りです。

事前分布が存在しないというφさんの考え方では
封筒問題の計算γや計算δ、E[X]やE[Y-X]、ゲームGのE[H]は意味のないものになってしまいます。
 E[E[H|X]]こそがE[H]だ
なんてことにはなりません。

期待値の定義から
E[H]=E[E[H|X]]となるのはE[H]が存在する時
すなわちE[X]が存在する時、その時のみです。

 E[X]は存在しないけど、E[E[H|X]]こそがE[X]なんだ!
というφさんの主張は、期待値の定義的には何の根拠もないのです。


> 期待値は、特定の値を持たないなら値として存在するとは言えず、「2封筒問題は問題として設定内に封筒内金額の期待値を持たない」
> つまり「期待値は存在しない」。
> これは言葉の誤用ではないでしょう。

論理の話で例えると
意味のある文章(命題)に対して、真であるとか偽であるとか考えることができるわけですが
意味を成してない出鱈目な文(文ですらなく"単なる言葉の羅列","文字の羅列"と言った方がいいのかもしれません)に対して
真偽を考えることができません。
出鱈目な文Aに対して「Aは真である」とか「Aは偽である」とは言えませんよね。
「Aという命題は偽である」という文BがあったからといってAが命題になってくれるわけではありません。
Aは命題ではないのだから、この文Bは誤り、命題という言葉の誤用と言えるでしょう。

これと同様で「事前分布が存在しない」という前提の下では"期待値"や"E[X]"といった文字列、記号列は意味を成していません。
「封筒内金額の期待値」等と書いたからといって、これが確率論で定義されている意味での期待値になってくれるわけではないのです。
意味を成していないので「存在する」とか「存在しない」といったことを考えたり言ったりすることはできません。
「封筒内金額の期待値は存在しない」という文は誤りで、期待値という言葉の誤用と言えます。


Re: 期待値は平均 07 投稿者:φ 投稿日:2015年 8月26日(水)16時06分8秒

> No.4100[元記事へ]

ハムさんへのお返事です。

>
> 正しく予測する理論は経験できますが、解釈はなんの予測もしませんので、経験できません。
>

 解釈が必要かどうか、有用かどうかはともかく、
 解釈と称するものの中では、多世界解釈だけが解釈の名に値する、という話でした。
 コペンハーゲン解釈は、なんの世界像にも基づいておらず、解釈ではありません。

>
> 当たったら1億円もらえるが、外れたら1千万円払う場合でもやりますか?
> 私はやりませんが、期待値主義者はやるのですか?
>

 一千万円以上でも期待金額と期待効用が主観的に比例するような金持ちであれば、迷わずやるでしょう。
 庶民にとっての「当たったら千円で外れたらマイナス百円」と同じ感覚で。
 「期待値に従って判断するのが合理的」というのは、もちろん現実的に意味をなす期待値についての話ですから(当人の生活水準、経済状態、将来計画など)、主観的期待効用で期待値計算するべきです。

 いずれにしても、当たる確率1/6の1回限りゲームで
 「当たったら1億円もらえて、外れたら1千万円払う」ならやめておくが
 「当たったら1億円もらえて、外れたら千円払う」ならやる、というわけですね、ハムさんは。
 当たる確率はどちらも同じなのに。
 ということは、やはりハムさんも期待値主義者です。
 期待効用が逓減しない範囲においては、1回限りの賭けにおいてもハムさんは期待値に従って判断しているわけです。
 「1回きりの時は期待値が無意味になるのです」というのは、やはり錯覚でしたね。……


期待値は平均 07 投稿者:ハム 投稿日:2015年 8月26日(水)12時06分26秒

>理論に忠実な多世界解釈のみが、「解釈」の名に値します。

正しく予測する理論は経験できますが、解釈はなんの予測もしませんので、経験できません。

> 「公正なサイコロを振って出る目を予想し、当たったら1億円もらえるが、外れたら千円払う」というゲームを一回だけやらないかと持ちかけられたとしましょう。

当たったら1億円もらえるが、外れたら1千万円払う場合でもやりますか?
私はやりませんが、期待値主義者はやるのですか?


Re: 期待値は平均 06 投稿者:φ 投稿日:2015年 8月26日(水)00時25分20秒

> No.4098[元記事へ]

ハムさんへのお返事です。

>
> 関数は関数として理解すればよく、解釈は必須ではないはずです。
>

自然科学にとって解釈は必須ですが、
かりに必須でないとしても、「解釈」を自称する以上は理論に忠実な解釈であるべきですね。
理論に含まれていない要素を勝手に付け加える「解釈」はどれも失格です。
理論に忠実な多世界解釈のみが、「解釈」の名に値します。

>
> 「効用の期待値」というのは、金額に比例した効用が得られるということなのですよね。
> そうだとしても、1回きりの時に期待値を得ることはありませんから、1回きりの時は期待値が無意味になるのです。
>

 一回限りの時は期待値よりも確率が優先される場合はあるにせよ、期待値が優先されることの方が圧倒的に多いでしょう。まして「無意味」と言うのは暴論です。
 たとえば、
 「公正なサイコロを振って出る目を予想し、当たったら1億円もらえるが、外れたら千円払う」というゲームを一回だけやらないかと持ちかけられたとしましょう。
 私だったら迷わずこのゲームをやりますけれどね。
 ハムさんはやらないのですよね。期待値は有利だが一回限りのゲームだから期待値は無意味であり、確率からいって当たりにくいと思われますから。
 アンケート調査で意見聴取してみるといいと思います。


期待値は平均 06 投稿者:ハム 投稿日:2015年 8月25日(火)14時09分22秒

> 量子力学を信じるという条件の下では、理論を文字通りに認める多世界解釈だけが正しい解釈です。それ以外で満足できる人はどこか勘違いしているというべきでしょう。

関数は関数として理解すればよく、解釈は必須ではないはずです。
いずれにしろ、関数の経験は、解釈の経験ではないですね。

> 2封筒問題は、効用の期待値に関するバラドクスなので、金額がどうなろうとも金額に比例した効用が得られるという暗黙の仮定に依存しています。
>そうでなければ、「まあまあ満足できる金額の時には交換しない」という、主観的効用の閾値についての心理学問題にすぎなくなります。

心理を無視すればナンセンスということになりますが、「効用の期待値」なる考えに従っても同じことです。

> 一回限りで、開封して1億円が出たとき、交換と非交換では損得の確率は同じですが、損した時のマイナス効用が大きすぎるので、期待効用計算により、非交換が合理的となるわけです。

「効用の期待値」というのは、金額に比例した効用が得られるということなのですよね。
そうだとしても、1回きりの時に期待値を得ることはありませんから、1回きりの時は期待値が無意味になるのです。

>「平均を当てるゲーム」というのは、平均値そのものが唯一試行と多数試行とで正解が異なりますから、合理的選択が違ってくるのは当然です。

そうなのですよ。
期待値は平均なので、「唯一試行と多数試行とで正解が異な」ると考えられるわけです(^_^)


Re: 期待値は平均 05 投稿者:φ 投稿日:2015年 8月24日(月)20時13分54秒

> No.4096[元記事へ]

ハムさんへのお返事です。

>
> 地動説は経験ではなく概念でしょう。
> 量子力学の多世界というのも、多世界解釈という概念であり、他にコペンハーゲン解釈などがあります。
>

 つまり地動説と同程度には多世界解釈は信憑性があるというわけです。
 コペンハーゲン解釈は、量子力学に含まれていないアドホックな仮説(波動関数の収縮、マクロとミクロの区別など)を持ち出している点で、哲学的に完全に失格です。
 量子力学を信じるという条件の下では、理論を文字通りに認める多世界解釈だけが正しい解釈です。それ以外で満足できる人はどこか勘違いしているというべきでしょう。

>
> 「効用の期待値」?
> このゲームを複数回繰り返すのならば、1億円の時も交換すべきですね。
> 1回きりだから交換した方が得だといえないのです。
>

 効用と金額は比例しませんからね(庶民にとって百兆円と千兆円が効用の上で区別できるとは思えません)。
 2封筒問題は、効用の期待値に関するバラドクスなので、金額がどうなろうとも金額に比例した効用が得られるという暗黙の仮定に依存しています。
 そうでなければ、「まあまあ満足できる金額の時には交換しない」という、主観的効用の閾値についての心理学問題にすぎなくなります。

 常にプレーヤーの主観的効用の閾値内にとどめるため、開封して1億円を超えた場合はその百分の一に換算する、などというルールを設けてもよいかもしれません。
 一万倍ではなく二倍設定のオリジナルバージョンでは閾値はあまり目立ちませんけれどね。

>
> このゲームを複数回繰り返すのならば、1億円の時も交換すべきですね。
> 1回きりだから交換した方が得だといえないのです。
>

 唯一試行と反復試行では合理的選択が異なるというのは、その通りですね。『多宇宙と輪廻転生』の眠り姫の議論でも述べたとおりです。
 だからといって、唯一試行において期待値が重要でなくなるなどということはありません。
 一回限りで、開封して1億円が出たとき、交換と非交換では損得の確率は同じですが、損した時のマイナス効用が大きすぎるので、期待効用計算により、非交換が合理的となるわけです。
 1億円と1兆円の区別に効用の差がない庶民であれば、反復試行で毎回交換しようがしまいが損得の違いはないでしょうね。
 1万回試行するとして、
 毎回非交換で、確実に1兆円獲得。毎回交換で、だいたい5千兆5千万円獲得。
どちらも損得ありませんよね。1億円を超えればどれも同じの庶民感覚、という設定のもとでは。

>
> サイコロの出目の平均を当てるゲームで、「1,2」、「3,4」、「5,6」のうちのどれかを当てる問題ならばどうでしょう。
> 期待値に従うならば、「3,4」に賭けるのが正解となりますが、1回目の時だけは、どれも確率1/3です。
>

「平均を当てるゲーム」というのは、平均値そのものが唯一試行と多数試行とで正解が異なりますから、合理的選択が違ってくるのは当然です。
 「平均を当てるゲーム」は、何回試行できるのかによってそれぞれ別のゲームになると言うべきでしょうね。……


期待値は平均 05 投稿者:ハム 投稿日:2015年 8月24日(月)12時54分39秒

>18日から沖縄で研究会をしており、さっき帰ってきました。

φ先生もお年を召され、簡単に論破できるようになってしまったと思っていたのですが、っなわけないですよね(^_^)

>太陽の動きを見ることが「地球の自転を経験すること」であるように、
>波動関数の収縮を記録することは「私たちの環境が多世界であることを経験すること」なのです。

地動説は経験ではなく概念でしょう。
量子力学の多世界というのも、多世界解釈という概念であり、他にコペンハーゲン解釈などがあります。

>「1万円→1円 のリスクを怖れて 1万円→1億円 のチャンスを見送る」 のは愚か。逆は賢明。
>「1億円→1万円 のリスクを怖れて 1億円→1兆円 のチャンスを見送る」 のは賢明。逆は愚か。

>効用の期待値に従うということですね。
>確率主義では、↑の賢明と愚かの違いを説明できませんね。

「効用の期待値」?
このゲームを複数回繰り返すのならば、1億円の時も交換すべきですね。
1回きりだから交換した方が得だといえないのです。

>反復試行をした場合には期待値に従った選択が意味を持つ(損得の違いを生ずる)とハムさんは言いたいのですから、
>「出る目に近い予想をした者が勝ち」というゲームを持ち出すべきでしょう。
>そういうゲームなら、「3,4」に賭けるのが正解です。
>1回限りのゲームであっても、期待値から遠い「1,2」や「5,6」に賭ける人は非合理的です。

サイコロの出目の平均を当てるゲームで、「1,2」、「3,4」、「5,6」のうちのどれかを当てる問題ならばどうでしょう。
期待値に従うならば、「3,4」に賭けるのが正解となりますが、1回目の時だけは、どれも確率1/3です。


Re: 期待値は平均 04 投稿者:φ 投稿日:2015年 8月23日(日)02時27分56秒

> No.4090[元記事へ]

ハムさんへのお返事です。

18日から沖縄で研究会をしており、さっき帰ってきました。
 その間、この掲示板は読めず、失礼しました。

>
> 私たちは、多世界を経験することができません。私も経験したことがありません。そういうことを「実体だぁ!」などとあまり叫ばない方がいいと思います。
>

 私たちは多世界を経験していますよ。科学者でない人にとっては間接的にですが。
 すなわち、波動関数の収縮がそれです。
 太陽の動きを見ることが「地球の自転を経験すること」であるように、
 波動関数の収縮を記録することは「私たちの環境が多世界であることを経験すること」なのです。


>
> 1億円といえば土地付きの家が買えますが、その家が1万円札になるリスクに挑戦するのですか? 家族が泣きますよ。
>

 ですから、何故そういう非対称が生ずるのですか?
 「1万円→1円 のリスクを怖れて 1万円→1億円 のチャンスを見送る」 のは愚か。逆は賢明。
 「1億円→1万円 のリスクを怖れて 1億円→1兆円 のチャンスを見送る」 のは賢明。逆は愚か。

 確率だけが重要なら、愚かと賢明の差はなくなるはずです。
 1/2なのに、なぜ愚かと賢明の絶対的差が生ずるのか。
 期待効用に従うべきだからです。
 1億円も1兆円も、庶民にとっては大差ないように感じられます。効用の違いが感じられないのです。
 1億円と1万円 の効用の差は大きいので、1億円→1万円 のリスクを怖れて 1億円→1兆円 のチャンスを見送るのは賢明、となるのです。
 効用の期待値に従うということですね。
 確率主義では、↑の賢明と愚かの違いを説明できませんね。

>
> ハム>サイコロの出目が3以下か4以上かを当てる問題ならばどうでしょう。
> ハム>期待値が3.5であることを知っている期待値主義者は、4以上に賭けませんか?
>
> この問題の訂正版を考えました。
> サイコロの出目が「1,2」、「3,4」、「5,6」のうちのどれかを当てる問題です。
> 期待値が3.5であることを知っている期待値主義者は、喜々として「3,4」に賭けるでしょうが、確率はただの1/3です。
>

 どの目が出るかを「当てなければならない」ゲームでは、なんべん繰り返しても期待値は関係ありません。つまりハムさんの趣旨とずれてしまいますね。
 反復試行をした場合には期待値に従った選択が意味を持つ(損得の違いを生ずる)とハムさんは言いたいのですから、
 「出る目に近い予想をした者が勝ち」というゲームを持ち出すべきでしょう。
 そういうゲームなら、「3,4」に賭けるのが正解です。
 1回限りのゲームであっても、期待値から遠い「1,2」や「5,6」に賭ける人は非合理的です。


期待値は平均 完 投稿者:ハム 投稿日:2015年 8月21日(金)12時21分24秒

まとめさせていただきます。

期待値というのは平均ですので、平均できる状況において意味があるわけです。
1回きりの事象は、事象の平均ができませんので、平均である期待値には期待できません。(^_^)
1回きりの事象は、期待値ではなく確率に従うのが正しい選択になります。

(なお、量子力学の多世界解釈が事実だとしても、各世界の平均値に収束するわけではないので同じことです。)

2封筒問題は、1回きりの事象にもかかわらず期待値に従おうとしたところがパラドックスの原因だったわけです。


期待値は平均 04 投稿者:ハム 投稿日:2015年 8月19日(水)12時10分38秒

ハム>サイコロの出目が3以下か4以上かを当てる問題ならばどうでしょう。
ハム>期待値が3.5であることを知っている期待値主義者は、4以上に賭けませんか?

この問題の訂正版を考えました。
サイコロの出目が「1,2」、「3,4」、「5,6」のうちのどれかを当てる問題です。
期待値が3.5であることを知っている期待値主義者は、喜々として「3,4」に賭けるでしょうが、確率はただの1/3です。


期待値は平均 03 投稿者:ハム 投稿日:2015年 8月18日(火)12時59分1秒

>どちらを取っても得なら、交換したあとまた交換、交換……ときりがありませんから。

だから、2封筒問題では、期待値ではなく確率に従うべきだと、申し上げるわけです。これから、明らかになるといいと思います。

>量子力学が文字通りに真なら、多世界は実体ですね。ただの概念ではありません。

量子力学が大嫌いだったアインシュタインが転生した世界では、きっと不確定性原理ではなく確定原理によって量子力学が記述されていることでしょう。
私たちは、多世界を経験することができません。私も経験したことがありません。そういうことを「実体だぁ!」などとあまり叫ばない方がいいと思います。

>1万円→1円 のリスクを怖れて、1万円→1億円 のチャンスを見送るというんですか?

1億円といえば土地付きの家が買えますが、その家が1万円札になるリスクに挑戦するのですか? 家族が泣きますよ。

>「1または2または3」「4または5または6」のどちらか一方だけに必ず賭けなければならないとします。
>  (目の数の金額×1万円をもらえるとします)

その設定ならば数が多い方に賭けるに決っています。
サイコロの出目が3以下か4以上かを当てる問題ならばどうでしょう。
期待値が3.5であることを知っている期待値主義者は、4以上に賭けませんか?


Re: 期待値は平均 02 投稿者:φ 投稿日:2015年 8月17日(月)15時59分27秒

> No.4087[元記事へ]

ハムさんへのお返事です。

>
> 未開封の時も開封の時も、交換してもしなくても相手より25%得です。
>

↑意味不明ですが……? 未開封のときは対称的でプラスマイナスゼロということですね。どちらを取っても得なら、交換したあとまた交換、交換……ときりがありませんから。
 ちなみに、非対称の開封のときは、相手側が開封してこちらが未開封の場合は、交換すると損になります。

>
> 2.は、私も大好きな考え方なのですが、いかんせん実体がありません。事実ではなく概念だということですよね。
>

 量子力学が文字通りに真なら、多世界は実体ですね。ただの概念ではありません。

>
> 3.「1万倍」だといえば交換したくなるかもしれませんが、「1万分の1」だといえば、あまり交換したくありません。
>

1万円→1円 のリスクを怖れて、1万円→1億円 のチャンスを見送るというんですか?

>
> こんなのはどうでしょう。サイコロの期待値は3.5なので、3より大きな数に賭けたとしても、勝つ確率は1/2です。
>

「1または2または3」「4または5または6」のどちらか一方だけに必ず賭けなければならないとします。
 (目の数の金額×1万円をもらえるとします)
 どちらも勝つ確率は1/2なので、どちらに賭けても同じことだ、というのは間違いです。
 「1または2または3」に賭ければ期待値は1万円、
 「4または5または6」に賭ければ期待値は2万5千円
 後者に賭けるべきです。

 「予想申告した目が出れば当たり」という場合は、どの目を予想申告しても勝率は同じ1/6ですが、迷わず6と予想申告すべきです。

 一度限りの賭けでも、期待値の高い方に賭けるべきなのです。


期待値は平均 02 投稿者:ハム 投稿日:2015年 8月17日(月)14時44分6秒

1.は、「不思議」ではなく、未開封の時も開封の時も、交換してもしなくても相手より25%得です。これは「片方の2倍」という2封筒問題の設定が原因です。ある正の数の2倍と1/2を平均すればある数より大きくなるだけのことです。

2.は、私も大好きな考え方なのですが、いかんせん実体がありません。事実ではなく概念だということですよね。

3.「1万倍」だといえば交換したくなるかもしれませんが、「1万分の1」だといえば、あまり交換したくありません。

こんなのはどうでしょう。サイコロの期待値は3.5なので、3より大きな数に賭けたとしても、勝つ確率は1/2です。


Re: 期待値は平均 投稿者:φ 投稿日:2015年 8月17日(月)01時08分6秒

> No.4085[元記事へ]

ハムさんへのお返事です。

>
> 期待値というのはあくまでも平均です。このゲームを何回も繰り返すのならば交換した方が得なのですが、1回きりならば、期待値ではなく確率によって選択すべきだと思うのです。
> 確率によって選択するならば、得をする確率は1/2、損をする確率も1/2なので、私ならば交換しません。得たものを失うリスクが1/2というのは、リスクが大きすぎると感じるのです。
>
> 1回きりのゲームにおいて、期待値に沿った選択は正しくなく、確率に従うべきだと思うわけです。
>

 1回限りの出来事については期待値のみならず、確率すら意味をなさない、という論者も多いですよね。
 ハムさんは、一度限りのことについて、確率は意味をなすと考えるのですね。

 さて、ハムさんの疑問について答えるとしたら、3つあると思うのです。

 1. 2封筒問題を、損得ではなく、計算上の期待値の問題として考える。
 未開封のときは交換による新たな獲得金額の比率の期待値はゼロなのに、開封したとたんにプラス25パーセントとなる「不思議」を説明しなければならない、という2封筒問題の趣旨は、ハムさんの疑問によって影響を受けません。あくまで計算のパラドクスの問題ですから。

 2. シュレーディンガーの猫や量子自殺で見ていただいたように、我々は皆、自分がただ一人だと感じているが、実は、パラレルワールドに住む内面的に区別のつかない無数の人間の集合体です。
 つまり、一度しか試行していないように見えても、実は同時に無数の試行(開封して判明した金額を共通とする同設定の無数の試行)をしていることになります。

 3. 「1回きりのゲームにおいて、期待値に沿った選択は正しくなく、確率に従うべき」というのは一般に正しくありません。設定を変えて、一方が他方の1万倍だとしましょう。
 開封して10万円だったら、ぜひ交換すべきでしょうね。10億円を目指さないという人はよほど特殊な状況にいるのでしょう。(ただちに10万円払わないと殺される、とか)
 開封して10億円だったら交換すべきでない、というかもしれません。日常感覚ではそのとおりでしょうが、効用が金額に比例するという設定が2封筒問題ですから(心理でなく論理の問題なので)、プレーヤーとして金額に合わせた新たな立場を考えるべきです。
 たとえば大企業や国家や国際連合など。
 プレーヤーの論理的な再設定により、やはり交換が正解となるでしょう。国家が10億円ぽっち得ても何もできませんが、10兆円あればかなりの国際貢献ができるので。
 というわけで、一般に期待値に従って選択すべきだ、というのは真です。

 以上の三つのうち、3は1と同じことになりますけれどね。


期待値は平均 投稿者:ハム 投稿日:2015年 8月16日(日)19時00分12秒

こんにちは。
久々に先生の本「思考実験リアルゲーム」を読みました。今回も知的好奇心を大いに刺激されました。「抜き打ち試験のパラドクス」の解決はアッパレです。
読み進むうちに、「量子自殺」と「2封筒問題」に疑義が浮びました。
こちらでは、「2封筒問題」の書き込みが多いようなので、「2封筒問題」の疑義から呈させていただきます。

・2封筒問題の疑義
「開封バージョン」なるものにおいて、期待値が25%増になるので、交換した方が得になるとおっしゃっていますが、期待値をこのように使うのは良くないと思うのです。
期待値というのはあくまでも平均です。このゲームを何回も繰り返すのならば交換した方が得なのですが、1回きりならば、期待値ではなく確率によって選択すべきだと思うのです。
確率によって選択するならば、得をする確率は1/2、損をする確率も1/2なので、私ならば交換しません。得たものを失うリスクが1/2というのは、リスクが大きすぎると感じるのです。

1回きりのゲームにおいて、期待値に沿った選択は正しくなく、確率に従うべきだと思うわけです。


Re: 期待値の存在性 投稿者:φ 投稿日:2015年 7月27日(月)04時31分1秒

> No.4083[元記事へ]

TTTさんへのお返事です。

>
> 単純に
> 「期待値(期待値計算)が具体的に計算できない」と「期待値が存在しない(期待値計算が絶対収束しない)」
> を混同しているのしょうか。
> それとも
> 「Xに関する事前分布が分からない(情報が何も与えられていない)」と「事前分布が存在しない」を混同していて
> 「事前分布が存在しないから期待値も存在しない」と思っているのでしょうか。
>

 期待値が発散するから存在しないということと、事前確率分布や期待値がわからない、ということはもちろん別のことでしょう。
 2封筒問題においては、特定の事前確率分布や期待値を与えてしまうと問題が成り立たないという構造を持つので、単に「事前確率分布や期待値についての情報がない」というより、「特定の値や分布に定めてはいけないという指令が与えられている」と言うべきです。
 期待値は、特定の値を持たないなら値として存在するとは言えず、「2封筒問題は問題として設定内に封筒内金額の期待値を持たない」つまり「期待値は存在しない」。
これは言葉の誤用ではないでしょう。
事前確率や期待値は、そのつど勝手に決めてイメージするのは自由ですが、問題の本質には関係ありません。2封筒問題では(ゲームGでも)事前確率は使わないのです。
2封筒問題は、事前確率や期待値がなくても、交換による金額変化の期待値を求めることができたり、開封という条件付けによって事後確率が発生し期待値が求められるという問題なのです。

>
> 事前分布は未知(あるいは未定)なだけで、存在はします。
> 確率の話をしているわけですから、「確率的に定まる(事前分布が存在する)」と考えるのが大前提でしょう。
>

 事前確率分布は常に存在するとでもいうのでしょうか?
 それは錯覚でしょう。
 確率分布を与えるためには、母集団を限定しなければなりません。たとえば、封筒に金額を入れる(あるいは金額ペアを決める)胴元は男なのか女なのか、年齢、国籍はどうなのか、人間に限定するのかコンピュータプログラムも含むのか、キーボードの上を歩いた猫や風によって偶然印字される場合も含むのか、金額決定メカニズムのどの範囲までを問題設定として含むのかが決まっていないのです。
 決まらないまま(というか、決まってはいけないという設定のまま)、「とにかく金額入りの封筒がここにあります」というのが2封筒問題です。(私の今回のゲームGもそうです)
 そういう場合、端的に、確率分布は存在しません。
 これは言葉の誤用ではないでしょう。

>
> もし「確率の話はしたくない」「事前分布は存在しない」と言い張るのであれば
> 「期待値E[X]やE[Y-X]が存在するのか否か」という話自体ができません
> (長々書いていた計算γや計算δなどの話も全て無意味になってしまいます)
> から、いずれにしろ「E[X]は存在しない」と言うことにはなりません。
>

 問題全体として事前確率分布がないのだからE[X]は存在できないが、E[Y-X] はE[X]に依存せずに存在できるというのが2封筒問題およびゲームGです。
 もちろん、事前確率分布がないからといってナンデモアリではありません。
 『思考実験リアルゲーム』p.211の注28に述べたβ「胴元によって選ばれる可能性のあった封筒ペア(ゲームGの場合、「金額」)は、どれも選ばれる確率が等しい」ということが(全くの無知無設定ゆえに)帰結するからです。
 母集団全体は未設定なので事前確率分布はないが、ゲームの進展により母集団が確定すれば(たとえば封筒内金額を見れば)、残った可能性に対して一様分布を当てはめればよいということですね。
 換言すると、
 「未設定だから主観確率の趣旨からして事前確率分布は一様分布とせよ。ところが可能な確率変数の値が無限個なので一様分布は不可能。だから事前確率は存在せず。しかし一方を開封すればペアが2種類に決定するので、事後確率分布は一様分布として決定できる」。

>
> Hのとり得る値の集合{h1,h2,h3,…}は
> {+(x1), +(x2), +(x3), …}∪{-(x1), -(x2), -(x3), …}という集合と同値で
> 期待値の定義より
> Hの期待値E[H]は
> 級数Σ{(h_k)×(P(H=h_k))}が絶対収束するならば、に存在し、その収束値となります。
>

 {+(x1), +(x2), +(x3), …}∪{-(x1), -(x2), -(x3), …}という書き方はよくありませんね。
 この書き方は、ゲームGの問題設定を無視しています。
 ゲームGは「ある未知の金額入りの封筒をすでにもらっている」という設定です。
 つまり、これからGをすることで変化する金額変化の値の集合で各可能世界群を表記するとして、
封筒を手にしているプレーヤーが存在している可能性のある可能世界群は
 {+(x1), +(x2), +(x3), …}
{-(x1), -(x2), -(x3), …}
 の二種類ではありません。
{+(x1), -(x1) }
{ (x2), -(x2) }
{(x3), -(x3) }
……
という無数の種類の可能世界群です。
 胴元が金額を決めた時点は、コインの裏表が決まる時点よりも前なのですから。
 つまりコイン投げをする直前、プレーヤーは
A「金額はすでに決まっていて勝ちか負けかが未定で重ね合わさっている」状態に居るのであって、
B「勝ちか負けかがすでに決まっていて金額が未定で重ね合わさっている」状態に居るのではありません。

 ∪で結びつければどうせ同じ全体集合になるのだから同じじゃないか、というのは問題設定を無視することになります。2封筒問題における括弧付け替え計算主義者と同じことになってしまいますね。
 確率変数の値をグループ分けするとき、必ず、問題設定からして意味のある(原理的に同じ重みで重ね合わせになっている値どうしを組み合わせた)可能世界群ごとに分けなければなりません。重ね合わさっていない可能性どうしを勝手に重ね合わせるのは反則です。たとえば、遠い昔に分岐した世界どうしを組み合わせ、これから分岐するはずの世界どうしを引き離してしまうのは捏造です。
  {+(x1), +(x2), +(x3), …}∪{-(x1), -(x2), -(x3), …}というグループ分けは、その恣意的な(ゲリマンダー的な)可能世界の仕分けBをやっているのです。ゲームの構造に対応していません。
 論理空間(可能世界の集合)は到達可能関係による構造を持っています。胴元による金額決定と、コイン投げによる勝敗決定の順序に従ってください。

>
> 絶対収束するか判断する為には|H|の期待値計算を調べます。
> |H|のとり得る値の集合は
> {+(x1), +(x2), +(x3), …}で
> 各確率はp(n)なので
> 級数Σ{(x_n)×p(n)}が収束すれば、そのときに限り、E[H]が存在します。
>

 {+(x1), +(x2), +(x3), …} という区分けは、コイン投げの直前に意味をなす可能世界群ではない(なぜか勝敗を勝手に決めたうえで封筒内金額の変化を許している)ので、この集合に依拠したTTTさんの説明は無効です。数字を並べ替えて恣意的に機械計算したにすぎず、ゲームの時間的進展(可能世界の分岐の歴史)に対応していません。
 「コインを投げて、勝ちか負けかが決定し、プレーヤーもそれを認識した。では結果はどうなったか、読者の観点からの期待値を求めてください」という出題なら、{+(x1), +(x2), +(x3), …}∪{-(x1), -(x2), -(x3), …}というグループ分けが意味をなすかもしれませんが。
 しかしそれはゲームGではありません。
 ゲームGは、コイン投げ直前の、プレーヤー視点の期待値を問う設定のつもりなので。(2封筒問題もプレーヤー視点でしたから、自然な設定のはずです)

>
> 2封筒問題における計算γも
> X-Yの期待値計算ではなく
> E[X-Y|N]の期待値計算、つまりE[EX-Y|N]]を求める計算です。
> (ただしN=min{X,Y}という確率変数。つまり{X,Y}={N,2N}となるようなN)
>
> ちなみに
> 計算δはE[X-Y|X]の期待値計算、E[E[X-Y|X]]です。
>

 そのとおりで、各段階を経て期待値を求めまたその期待値を順に求めてゆく、というのがゲーム全体の期待値を求める正しい方法になります。
 γは可能世界の正しい分岐順序に従った期待値計算であり、δは分岐の経緯を無視した誤った計算です。

>
> 単にE[E[H|X]]を求めただけでは
> E[H]の存在性については何もいえません。
> (実際には既に示したようにE[X]が存在する場合に限り、E[H]も存在します)
>

金額がもう決められて、コイン投げの結果はまだ重ね合わさっているという当該状況では、対立する可能性は {+(xk), -(xk) } だけです。
 これの期待値は、当該状況の可能世界群においては(つまり可能などのkについても)ゼロに決定しており、E[H]もE[E[H|X]]もゼロです。


期待値の存在性 投稿者:TTT 投稿日:2015年 7月25日(土)18時46分10秒

> No.4082[元記事へ]

φさんへのお返事です。

はじめに訂正というか補足

Xの期待値計算が絶対収束する「ならば」E[X]は存在する

というようなことを書きましたが、一応言っておくと
定義なのですから
この「ならば」は「⇒」という意味ではなく「⇔」の意味です。
つまりより厳密な言い方をするなら

Xの期待値計算が絶対収束する「ならば、そのときに限り」E[X]は存在する

となります。
「⇒」の意味だと勘違いして
 絶対収束しない場合はE[X]の存在性について何も言えない
 絶対収束しない場合も、E[X]は存在するかもしれない
等と考えるのは誤りですので注意してください。


> 「あり得る」どころか、
> ただ未開封の封筒が与えられて他に何の情報もないという2封筒問題未開封の一般的設定では、
> 封筒内金額そのものの期待値は存在しない、
> ということは、ここにおられた全員が認めていたと思いますが。
> 私も例外ではありません。

まずここから違います。
私は「存在しない(存在し得ない)」なんて言ってません。

私は
定義(|X|の期待値計算が収束するか発散するか)で、期待値E[X]が存在するのかどうか決める
と言っているのに、なぜ

> 「公式から判断する」という原理によれば、
>  始めにもらった封筒内金額をXとして、E[X]は存在せず、

なんてことになるのでしょうか?
|X|の期待値計算が発散すると示せるんですか?

それは無理ですよね。Xに関する確率分布が分からないので
|X|の期待値計算は収束するとも発散するとも断言できず、どちらの可能性もあります。
E[X]が存在する可能性、存在しない可能性のどちらもあります。


φさんが「E[X]は存在しない(存在し得ない)」という勘違いをしている
(しかもお互い認めてるという勘違いまでしている)のはなぜでしょう?

単純に
「期待値(期待値計算)が具体的に計算できない」と「期待値が存在しない(期待値計算が絶対収束しない)」
を混同しているのしょうか。
「2封筒問題未開封の一般的設定では、封筒内金額そのものの期待値は具体的に計算できない」
ということであれば私ももちろん認めていますが
「具体的に計算できない」と「期待値が存在しない(条件収束しない)」は全く意味が違います。

それとも
「Xに関する事前分布が分からない(情報が何も与えられていない)」と「事前分布が存在しない」を混同していて
「事前分布が存在しないから期待値も存在しない」と思っているのでしょうか。

事前分布は未知(あるいは未定)なだけで、存在はします。
確率の話をしているわけですから、「確率的に定まる(事前分布が存在する)」と考えるのが大前提でしょう。

もし「確率の話はしたくない」「事前分布は存在しない」と言い張るのであれば
「期待値E[X]やE[Y-X]が存在するのか否か」という話自体ができません
(長々書いていた計算γや計算δなどの話も全て無意味になってしまいます)
から、いずれにしろ「E[X]は存在しない」と言うことにはなりません。


> ゲームGをするときの利得の期待値

まず準備として確率空間を考えます。
標本空間Ωは

, , , …
, , , …

という要素からなる集合として表せ
確率測度Pは、x_nの分布p(n)を用いて
P(ω=)=P(ω=)=p(n)/2
と表せます。


> ゲームGをするときの利得
> 〈Gをした場合にしない場合よりいくら得するか〉

これに対応する確率変数(Hとする)とは

ω=のとき
> その封筒を返却して倍額入りの封筒をもらう
だから
-(x_n)+2(x_n)=+(x_n)

ω=のとき
> 単に返却する
だから
-(x_n)

となるΩ上の実数値関数となります。


Hのとり得る値の集合{h1,h2,h3,…}は
{+(x1), +(x2), +(x3), …}∪{-(x1), -(x2), -(x3), …}という集合と同値で
期待値の定義より
Hの期待値E[H]は
級数Σ{(h_k)×(P(H=h_k))}が絶対収束するならば、に存在し、その収束値となります。


絶対収束するか判断する為には|H|の期待値計算を調べます。

|H|のとり得る値の集合は
{+(x1), +(x2), +(x3), …}で
各確率はp(n)なので
級数Σ{(x_n)×p(n)}が収束すれば、そのときに限り、E[H]が存在します。

ところで
|H|の期待値計算Σ{(x_n)×p(n)}は
Xの期待値計算でもあるので

E[X]が存在すれば、そのときに限りE[H]も存在する
と言えます。


定義に従い考えていけば
何も難しいことはない平凡な事例だと思うのですが。



>  Σpn((2Xn-Xn)/2+(0-Xn)/2)=0
>
>  ↑この計算は合っていますか?
>  合っていないとしたら、どこがダメですか。


この計算は定義と照合して考えると
Hの期待値計算ではなく
E[H|X]の期待値計算、つまりはE[E[H|X]]を求める計算です。

2封筒問題における計算γも
X-Yの期待値計算ではなく
E[X-Y|N]の期待値計算、つまりE[EX-Y|N]]を求める計算です。
(ただしN=min{X,Y}という確率変数。つまり{X,Y}={N,2N}となるようなN)

ちなみに
計算δはE[X-Y|X]の期待値計算、E[E[X-Y|X]]です。


補足
条件付期待値E[H|X=x]が存在するとき、その値はxによって変わりうるので
f(x)=E[H|X=x]となるような関数fを定義することができるのですが
この関数fを用いて表される確率変数f(X)をE[H|X]と書きます。
E[H|X]は確率変数なので、期待値を考えることができ
存在するならば、E[E[H|X]]と表されます。



期待値や条件付確率、条件付期待値の定義から導出される公式として

 確率変数X,Yとして
 E[X]が存在し、E[X|Y=y]が任意のyで存在するとき
 E[E[X|Y]]も存在し、E[E[X|Y]]=E[X]となる

というのがあるので
E[H]が存在するのであれば
φさんの計算で求まるE[E[H|X]]はE[H]と同値となり
φさんの計算も間違いではありません。

しかし単にE[E[H|X]]を求めただけでは
E[H]の存在性については何もいえません。
(実際には既に示したようにE[X]が存在する場合に限り、E[H]も存在します)

E[E[H|X]]が存在して0になるからといって
E[H]も存在して0になると判断するのは間違いです。


E[H]が存在する時に適用できる公式を
E[H]が存在しない可能性もあるのに適用してしまったこと
(しかもそれにより「E[H]が存在する」と導出するという循環論法を犯してしまっていること)
がφさんの誤りです。


Re: (無題) 投稿者:φ 投稿日:2015年 7月13日(月)21時27分43秒

> No.4079[元記事へ]

TTTさんへのお返事です。

>
> その前に確認しますがφさんは
> 未開封バージョンで、封筒内金額の期待値が存在しない(有限の値ではない)ことも有り得る
> というのは認めるのですね?
>

「あり得る」どころか、ただ未開封の封筒が与えられて他に何の情報もないという2封筒問題未開封の一般的設定では、封筒内金額そのものの期待値は存在しない、ということは、ここにおられた全員が認めていたと思いますが。私も例外ではありません。
 問題になるのは、交換したときの利得(獲得金額変化)であり、それを期待値で表現できるかどうかです。

>
>> 封筒の交換による獲得金額変化の期待値が存在しないと判断するための、
>> TTTさんの一般的原理を教えてください。
>>
> 当然のことですが、期待値の定義(あるいはその定義から導出される公式などの命題)から判断するしかありません。
>
>  級数Σ{(x_k)×(p_k)}が絶対収束するならば
>  その収束値をXの期待値といいE[X]と表す.
>
> > ある未知の金額入りの封筒をもらったとして、その封筒を同額入りの封筒と交換した時
> というような場合、つまりY=Xの場合には
> 例えE[X],E[Y]が存在しなくとも
> Z=Y-Xのとり得る値は0だけ(当然その確率は1)なので
> {|0|×1}=0<∞
> よってE[Y-X]は存在し、E[Y-X]=0
> と言えるのです。
>

 「期待値の定義(あるいはその定義から導出される公式などの命題)から判断する」が一般的原理ということですね。
  それでは、ひとつ質問があります。
  Z=Y-Xのとり得る値は0だけ ではない事例です。
 「ある未知の金額入りの封筒をすでにもらっているとして、次に、〈①その封筒を返却して倍額入りの封筒をもらう、②単に返却する〉の一方を、フェアなコイン投げで決めるゲームGをする場合」

 ゲームGをするときの利得の期待値です。
 (〈Gをした場合にしない場合よりいくら得するか〉の期待値)
 「公式から判断する」という原理によれば、
 始めにもらった封筒内金額をXとして、E[X]は存在せず、
 ゲームGをすれば利得の期待値は (2X-X)/2+(0-X)/2=0
 正確には(以下2行は本当は不要ですが)
 各Xn の確率pn の分布がどうであれ
 Σpn((2Xn-Xn)/2+(0-Xn)/2)=0

 ↑この計算は合っていますか?
 合っていないとしたら、どこがダメですか。
 合っているとしたら、元の2封筒問題で同じ趣旨の計算をしてはなぜダメですか。
 まずはこのことの説明をしていただかないと先へ進めない気がするので。


(無題) 投稿者:TTT 投稿日:2015年 7月12日(日)03時14分2秒

> TTTさんは括弧付け替え計算が誤りであることについては同意なのですね。ならば大筋で私は満足です。

残念ながら無限大論者に共感できないからといって、φさんの論に共感、同意できるというわけでもありません。
9章10章の確率の話の中でφさんの論に共感、同意できる部分は極わずか、ほとんどありませんでした。

指摘したいことが多過ぎて、書いてるとどこまででも長くなりそうなので
今回の投稿では以下の点にだけお答えします。

> 未開封バージョンで、「交換したときの得失の期待値はゼロ」というのは「期待値」という用語の誤用だというわけですか。
> その根拠は?

> 封筒内金額の期待値が存在しないから、というものでしょうか。

もちろん違います。
が、その前に確認しますがφさんは
未開封バージョンで、封筒内金額の期待値が存在しない(有限の値ではない)ことも有り得る
というのは認めるのですね?

計算γやδとやらでは
金額の各組の選ばれる確率を
…,f,g,h,i,…
としていたわけですが、この分布によっては
手元の金額Xや、もう一方の金額Yの期待値E[X],E[Y]は存在しないこともあり得るわけです。

同様に
> 交換したときの損得
> 交換したときの得失
つまりは
交換した時の増加量
Y-X
の期待値E[Y-X]も分布によっては存在しないこともあり得る
というだけのことです。


> 封筒の交換による獲得金額変化の期待値が存在しないと判断するための、TTTさんの一般的原理を教えてください。

当然のことですが、期待値の定義(あるいはその定義から導出される公式などの命題)から判断するしかありません。

☆期待値の定義

(離散型)確率変数Xの取り得る値の集合を
{x_1, x_2, x_3, …} (i≠j⇒x_i≠x_j)とし
X=x_k である確率P(X=x_k)=p_k、Σ{p_k}=1とすると


 級数Σ{(x_k)×(p_k)}が絶対収束するならば
 その収束値をXの期待値といいE[X]と表す.


これが(離散型の場合の)期待値の定義です。

「級数Σ{(x_k)×(p_k)}が絶対収束する」とは
「級数Σ{|(x_k×(p_k)|}が収束する」ということです。
p_k は確率なので常に|p_k|=p_k≧0ですから
「級数Σ{|x_k|×(p_k)}が収束する」とも換言できます。
また、このような級数は
収束しない場合は必ず+∞に発散する(振動したり、-∞に発散することはない)ので
収束することを便宜的に「Σ{|x_k|×(p_k)}<∞」と書くこともあります。

一般的なことではありませんが、この掲示板内などでは
Σ{(x_k)×(p_k)}のことを、
Xの期待値計算(またはE[X]の期待値計算)と呼んでいました。
Σ{|x_k|×(p_k)}とは、|X|の期待値計算のことですから
E[X]が存在する為の条件は、|X|の期待値計算が収束する(有限値になる)こと
と換言することもできますね。


簡易的に書かれたものには「絶対収束する場合に期待値が定義される」という条件が明記されてないことが多く
残念ながらwikipediaの「期待値」の離散型確率変数の期待値の定義にも書かれてはいませんが
連続型確率変数の定義のところにはある
Xが可積分である;∫|X(ω)|dP(ω)<∞ 場合に期待値が定義される
という部分がこれに相当し(∵可積分とは積分の絶対収束のこと)、
離散型の場合にも厳密には(定義がwell-definedである為には)必要になります。


さて
確率変数X,Yに対して
Y-Xというのも1つの確率変数(Zとする)とみなせますから
Y-Xの期待値というものも(存在するかどうか、存在する場合に値はいくつになるか)
考えることができるわけです。

E[Y-X]が存在するか否かを定義通りに求めるには
Z=Y-Xとして
Zのとり得る値{z1,z2,z3,…}と、各値に対応する確率{p1,p2,p3,…}を列挙し
Σ{|z_k|×(p_k)}が収束するか否かを調べればよいのです。


> ある未知の金額入りの封筒をもらったとして、その封筒を同額入りの封筒と交換した時
というような場合、つまりY=Xの場合には
例えE[X],E[Y]が存在しなくとも
Z=Y-Xのとり得る値は0だけ(当然その確率は1)なので
{|0|×1}=0<∞
よってE[Y-X]は存在し、E[Y-X]=0
と言えるのです。



封筒問題の設定の場合

簡単な場合として
とり得る金額が2^n (n=…,-2,-1,0,1,2,…) のみの場合
つまり
n=…,-2,-1,0,1,2,…で
=<2^n, 2^(n+1) >となる確率p(n)
=<2^(n+1), 2^n >となる確率q(n)

Σ{p(n)}+Σ{q(n)}=1
という場合で考えます。
(とり得る金額として他の自然数や有理数、可算個の無理数なども含むような一般の場合でも
  工夫すれば同様に計算できるので、この簡単な場合で示せばほぼ十分なのです)

この場合において
|Z|=2^n となる確率はp(n)+q(n)
なので
Σ{(2^n)×{p(n)+q(n)}}が収束するか否かを調べれば
E[Z]=E[Y-X]が存在するかどうかがわかります。

ところで、定義から
Xの期待値計算e[X]=Σ{(2^n)×{p(n)+q(n-1)}}
これを整理すると
e[X]=Σ{(2^n)×{p(n)+2q(n)}}.
同様に
e[Y]=Σ{(2^n)×{2p(n)+q(n)}}.
2式を合わせて3で割ると
{e[X]+e[Y]}/3=Σ{(2^n)×{p(n)+q(n)}}
となり、右辺が|Z|の期待値計算になりました。

E[X],E[Y]が存在しない(X,Yの期待値計算e[X],e[Y]が+∞に発散する)場合には
|Z|の期待値計算も+∞に発散するので
E[Z]=E[Y-X]は存在しない
と言うことができます。

ちなみにこの計算では
X,Yの確率分布に対称性があること
すなわちp(n)=q(n)である
という条件は用いていないので、X,Yの確率分布が対象でない場合
例えば、Xが選ばれた金額の組の内の低い方である確率は60%,高い方である確率は40%であるとする設定など
でも成立します。



今回はここまで。
以下、保留事項をメモしておきます。

> 私の「未開封バージョンの得失の期待値はゼロ」という推論プロセスのどこに誤りがあるのか

期待値の定義に沿わない、反してる部分が誤りになるのですが
具体的に指摘して説明していくと長くなりそうなので、次投稿にまわします。
期待値の定義を知ったことでφさん自身が誤りを自覚し、自説を一部でも撤回するなら
その分、私が指摘する労力が減って楽なのですが・・・。


> ではその「別のある仮定」「無条件でない場合」とはどういうものなのでしょうか

> 私の「迷走」なるものについての具体的ご指摘

これらは一方の封筒を開封した状態や封筒問題全体の話が関わってくるので
未開封状態に関して一段落つくまでは保留します。


Re: 『思考実験リアルゲーム』読みました 投稿者:φ 投稿日:2015年 6月26日(金)15時33分4秒

> No.4077[元記事へ]

TTTさんへのお返事です。

>
> 本の細かい批判に入る前にまずは2点だけ
>

「細かい批判」の方に期待させていただくとして、
とりあえず二つの点に簡単にお答えしておきます。

>
> 1点目
>
> > 無限大論者の立場では、「未開封バージョンで交換したときの損得の期待値が計算できない」
> > という初歩的ナンセンスに陥ってしまう
>
> 10章の最後で「思考実験で検証することができない例」として「学術用語の意味または定義に関わる主張」というのがありましたが
> これが正にそれで、「期待値」の定義上「(例え交換前後に対称性があっても)期待値が存在しない」ということはありますから
> ナンセンスでもなんでもありません。
>

 開封バージョンには無限大が関わってきませんから、未開封バージョンのことを言っていますよね。
 で、未開封バージョンで、「交換したときの得失の期待値はゼロ」というのは「期待値」という用語の誤用だというわけですか。
 その根拠は?
 封筒内金額の期待値が存在しないから、というものでしょうか。
 もしそれが根拠なら、納得しがたいですね。
 たとえば、ある未知の金額入りの封筒をもらったとして、その封筒を同額入りの封筒と交換した時に新たに得られる金額の期待値は?
 ゼロですね。プラス未知の金額マイナス同じ金額で、ゼロです。対称性の原理により。
 つまり、封筒内金額の期待値が存在しないからといって、「なにかと交換した場合(ほかに、返却した場合、等々)」の期待値が存在しないということはありませんね。

 というわけで、「封筒内金額の期待値が存在しないから」というのは、その封筒についてある操作がなされた時の期待値が存在しないことの一般的な理由にはなりえません。
 封筒の交換による獲得金額変化の期待値が存在しないと判断するための、TTTさんの一般的原理を教えてください。
 あるいは、もしTTTさんがそう判断しないなら、私の「未開封バージョンの得失の期待値はゼロ」という推論プロセスのどこに誤りがあるのか、もっと明確にお願いします。

>
> 2点目。
>
> 本に出てくる無限大論者の考えに私が共感・理解できる部分はほとんどありませんでした。
>

 それならいいんです。
 しかし実際、括弧付け替え計算をする人がいたでしょう、この掲示板には。
 TTTさんは括弧付け替え計算が誤りであることについては同意なのですね。ならば大筋で私は満足です。

>
> 確かに私は「期待値が存在しない(無限大になる)」というケースを紹介しましたが
> それは2封筒問題の話を発展していった時(つまり別のある仮定をした時)に導出される結論の1つとして言ったのであって
> 無条件に(元の問題の設定で)「期待値が存在しない(無限大になる)」とは言ってませんし
> それが2封筒問題の答えだとも言ってません。
>
> この掲示板では私以外にも期待値が存在しない(無限大になる)場合に関して書かれている方も居ましたが
> その方も基本的には私と同様の考えで
> 「無条件に元の問題で期待値が無限大になる」等とは言っていなかったはずです。
>

 ではその「別のある仮定」「無条件でない場合」とはどういうものなのでしょうか。
 あくまで2封筒問題の話をしたいので、あまり変則的な事例に変えてほしくはありませんが。

>
> 存在しない(存在が相当怪しい)無限大論者を長々と相手にしている点は
> 今回のφさんの迷走の大きな理由の1つだと思います。
>

 ここで括弧付け替え計算をしていた人は明らかに無限大論者でしたよ。
 私の「迷走」なるものについての具体的ご指摘を楽しみに待ってます。


『思考実験リアルゲーム』読みました 投稿者:TTT 投稿日:2015年 6月25日(木)19時59分31秒

お久しぶりです。
『思考実験リアルゲーム』読みました。

9章10章の確率の話を読んで
φさんの考え方は、確率論やベイズ確率の考え方とは異なる、逆行してる
と再認識しましたが、それだけではなく
今回はいつにも増して迷走してる印象を受けました。

今までのφさんの理論はまだ
単に「数学的、ベイズ的な考え方とは異なる別の考え方をしてる」という捉え方もできなくはなかったので
「(数学的、ベイズ的には間違いだけれど)一応、理論の筋は通っている」と思える部分もあったのですが
今回の本の内容は、φさんの理論の中で考えても、「捉え方」の問題では済まない部分、筋の通っていない部分が多くありました。

これでは
本を読んでも全く理解できなかったという人が居るのも無理ないでしょうね。



本の細かい批判に入る前にまずは2点だけ

1点目

> 無限大論者の立場では、「未開封バージョンで交換したときの損得の期待値が計算できない」
> という初歩的ナンセンスに陥ってしまう

10章の最後で「思考実験で検証することができない例」として「学術用語の意味または定義に関わる主張」というのがありましたが
これが正にそれで、「期待値」の定義上「(例え交換前後に対称性があっても)期待値が存在しない」ということはありますから
ナンセンスでもなんでもありません。

ただ10章最後で
> 「期待値」のそういう定義が不満なら、「本当は違う」と主張するのではなく、
> 「定義を変えよう」と提案すべきなのである。
などと書かれている部分がありますが、これには反対です。
期待値のように広く用いられている学術用語の定義を軽々しく変えるべきではありません。
そんなことをしても無用な混乱や悪用を招くだけです。

「本来の期待値の定義とは異なるが、こういう意味のものを期待値だと新しく定義しよう」
と提案するよりも
「こういう意味のものは、(期待値とは別概念として別の名前で)○○と呼ぼう」
と提案すべきでしょう。


「常識的に考えれば、対称性があるんだから交換したときの損得の期待値は0だ」
という主張は、期待値の定義からは、通りません。
「(期待値の定義を本来のものから変えて)そうなるものを期待値と呼ぶんだ~」と言うのではなく
期待値とは別の概念を作って「○○(期待値とは別の概念)が0になる」という主張の仕方をするか
"損得"の定義や"常識"の方を見直すべきです。



2点目。

本の中で"無限大論者"なる者が出てきますが、
私は無限大論者ではありません。
もしφさんが私のことを無限大論者だと思って、
私に反論するつもりで無限大論者に対する反論を書いているのであれば、相当酷い見当違いです。
悪質な藁人形論法と言えるでしょう。

私の主張は無限大論者の主張と部分的に似ている所もあるかもしれませんが
考え方は全然違います。
本に出てくる無限大論者の考えに私が共感・理解できる部分はほとんどありませんでした。

例えば、無限大論者の考えとして
> 封筒の中の金額はいくらでもありうる。
> だから、金額の可能性を列挙してゆくと無限大に発散し、期待値が求められない。

と書かれています(こう考える人がけっこう多いとまで書かれています)
が、この時点で私の考えとは全く異なるし
それどころか、こんなことを言ってる人を私は見たことがありません。
少なくともこの掲示板ではこのようなことを言っていた人居ませんでした。


確かに私は「期待値が存在しない(無限大になる)」というケースを紹介しましたが
それは2封筒問題の話を発展していった時(つまり別のある仮定をした時)に導出される結論の1つとして言ったのであって
無条件に(元の問題の設定で)「期待値が存在しない(無限大になる)」とは言ってませんし
それが2封筒問題の答えだとも言ってません。

この掲示板では私以外にも期待値が存在しない(無限大になる)場合に関して書かれている方も居ましたが
その方も基本的には私と同様の考えで
「無条件に元の問題で期待値が無限大になる」等とは言っていなかったはずです。


そもそも
「可能な金額がいくらでも大きくなり得るから、金額の期待値も無限大」
というのが明らかな誤りでしょう。
「可能な金額が無限個でいくらでも大きくなるけど、期待値は存在(有限)」ということもあります。

しかし
「期待値が存在しない場合」というのを知ってる人や
「金額の可能性が無限個にある場合」に着眼点をもつような人が
「金額の可能性が無限にあるなら期待値は無限大になる」という間違いを犯す
(しかも「そういう人がけっこう多い」)というのはどうも考えにくい。

逆に「金額の可能性が無限にある場合」や「金額の可能性が無限にある場合」を考えたこともないような人は
「金額の可能性が無限にあるなら期待値は無限大になる」と考えることもないでしょうから
この間違いを犯すこともないはずです。

無限大論者なる者は
知識がなければ犯しようがない間違いであり
知識があるならまず犯さない間違い
を犯している不自然な存在です。

本当は実在していない、φさんの創り出した藁人形
と考えた方がよほど尤もらしいでしょう。

存在しない(存在が相当怪しい)無限大論者を長々と相手にしている点は
今回のφさんの迷走の大きな理由の1つだと思います。


Re: 『下半身の論理学』を読みました 投稿者:φ 投稿日:2015年 2月17日(火)02時20分47秒

> No.4075[元記事へ]

しゃもじさんへのお返事です。

誤記のご指摘ありがとうございます。

『思考実験リアルゲーム』の第9章、第10章は、確かに難しいですよね。
 私も百%正しいと確信できるか、と言われると、「まだ考察の余地があるかもしれない」と言わざるをえませんが、
 「無限大論者」が間違っていることについては十分説明できたのではないかと思っています。
 なによりも、無限大論者の立場では、「未開封バージョンで交換したときの損得の期待値が計算できない」という初歩的ナンセンスに陥ってしまうのが致命的です。

 さて、
 女にとってSEXは最終兵器のはずなのですが、まあかなり値崩れしていますね。
 核兵器を使いかねない国のように、sexを簡単に使う(使いかねない)女は「男に媚びている」と周囲の女から白い目で見られる傾向はまだまだあるのですが、
 「簡単に使うわけではなく、好きな人に使う(特定の男だけに媚びる)」場合にはむしろよいことだと女からも男からも見られていて、それがねぇ…………という話になるわけです。

 男にとってSEXは……男自身にとってはとりあえず兵器でも何でもないですよね。むしろ自己目的的な娯楽というか。
 だから(女と違って)目的を果たせなかったときの虚しさのようなものはないですよね。それ自体目的だから。

 男にとって「女にとってのSEX」が重大なものであり続けていることは確かだとは思いますけれどね。


Re: 『下半身の論理学』を読みました 投稿者:しゃもじ 投稿日:2015年 2月15日(日)23時29分58秒

φさんへのお返事です。

 少し前の投稿についてですが、

>  そのレビューで言われている 「セックスは女の武器」 のトリッキーさは、世に誤って伝えられている感があります。
>  レビュアーさんの言うとおり「女の武器を使うのではなく、「使わない」戦略」が重要なわけで。
>  核の抑止戦略と同じ。
>  セックスは核兵器なんですね。女にとっては。
>  (男にとっては?)

 ここ(男にとっては?)が、難しいです。
 核兵器と対称的な比喩が浮かびません。どんなものでしょうか……。
 ※たぶん、最後に軽く付言されたクイズと思いますが、もやもやが続いています。

 ところで、『思考実験リアルゲーム』、先ほど読み終えました。とても楽しかったです。

 私も集中的議論・散発的議論など繰り広げられたら(せめて一枚噛むとかできたら)楽しかろうと思いますが、正直、第10章はただ文字をなぞっていくような読みしかできませんでした。
 場面設定を脳内維持するのが難しかったですね。敵役(?)の無限大論に丁寧に反駁するあたりから上の空になってしまった感じは否めません。
 相手方の主張や動機を理解できないことと、単純に私の数学音痴(したがって確率音痴)により。

 一方で、第3章から第8章は、とくに量子自殺・量子不死については、ちょっと興奮ですね。
 賞金より生死や幸福を扱ったほうが舞台を脳内維持しやすいことなどあるのかもしれません。

 さて、内容的批判ができないものの、いくつか誤記と思うものを見つけましたので、ご報告します。

 1 第6章の扉(p. 127)の英語の箇所 "faking re[g]ults of thought experiments" とありますが re[g]ults は re[s]ults ではないでしょうか?
 2 第6章(p. 130)第5段落『名指し[の]必然性』は、『名指し[と]必然性』
 3 第7章の扉(p. 145)の名前の箇所 "Schrodinger[?] cat" は、"Schrodinger['s] cat" ※アキュートアクセントではなくアポストロフィに


Re: 二人の子供問題について 投稿者:φ 投稿日:2015年 2月11日(水)00時43分56秒

> No.4073[元記事へ]

Old Boyさんへのお返事です。

>
> "I have two children. One is a boy born on a Tuesday. What is the probability I have two boys?"
>
> これの答えも1/2なのですね? 1/3や13/27ではなく。
>

 自分で言っているわけですから、「少なくともひとりは男の子ですか?」「はい」というパターンではありませんね。
 ましてや「少なくともひとりは火曜日生まれの男の子ですか?」「はい」というパターンでもありませんね。
 何曜日だろうが、たまたまひとりの男の子にあてはまる曜日を言ったわけで。

 ふたりとも男の子である確率は、1/2です。

 「火曜日生まれの男の子はいますか?」「います」という場合は、
 ふたりとも男の子である確率は、13/27 です。

 ↑この理屈は、すでにご覧になったかもしれませんが、
 『論理パラドクシカ』問10でわりと詳しく述べました。


Re: 二人の子供問題について 投稿者:Old Boy 投稿日:2015年 2月10日(火)21時29分29秒

> No.4072[元記事へ]

φさんへのお返事です。


いやあ、人の話を聞いてぱっとそういう区別(計算)は難しいかと。


ちなみに

"I have two children. One is a boy born on a Tuesday. What is the probability I have two boys?"

これの答えも1/2なのですね? 1/3や13/27ではなく。



Re: 二人の子供問題について 投稿者:φ 投稿日:2015年 2月 8日(日)15時02分3秒

> No.4071[元記事へ]

Old Boyさんへのお返事です。

>
> "I have two children."
> と言ったときに。
> 男の子はいますか?と質問されて、
> "At least one is a boy."
> と答えれば「男の子2人である」確率は1/3。
>
> "I have two children."
> と言い、続けて(質問なしに自分から)
> "At least one is a boy."
> と答えれば「男の子2人である」確率は1/2。
>
> どちらも、確率を計算する情報としては極めて明確かもしれませんが
> 確率の計算法を区別することは凡人には不可能ですね。
>

 前者をα、後者をβとして、
 ともに、ベイズの定理にシコシコ当てはめれば、いちおう簡単と言えるのではないでしょうか。

P(A)……P(男男)=1/4
P(B)……P(男女)=1/4
P(C)……P(女男)=1/4
P(D)……P(女女)=1/4
P(E|A)=αでもβでも1
P(E|B)=αでは1 βでは1/2
P(E|C)=αでは1 βでは1/2
P(E|D)=αでもβでも0

P(A|E)=P(E|A)P(A)/(P(E|A)P(A)+P(E|B)P(B)+P(E|C)P(C)+P(E|D)P(D)=αでは1/3 βでは1/2

ちなみに、
さらに「本当ですか?」と聞いて「はい」と答えた場合は、ウソをつく確率をゼロとすれば(これはすべての発言に前提されている条件なので)、

P(G)……P(はい)=1
P(A|E&G)=P(A|E)
αでもβでも計算に影響ありません。


Re: 二人の子供問題について 投稿者:Old Boy 投稿日:2015年 2月 8日(日)10時47分56秒

> No.4067[元記事へ]

φさんへのお返事です。

ありがとうございました。
二人の子供問題というのはとても難しいですね。

"I have two children."
と言ったときに。
男の子はいますか?と質問されて、
"At least one is a boy."
と答えれば「男の子2人である」確率は1/3。

"I have two children."
と言い、続けて(質問なしに自分から)
"At least one is a boy."
と答えれば「男の子2人である」確率は1/2。

どちらも、確率を計算する情報としては極めて明確かもしれませんが
確率の計算法を区別することは凡人には不可能ですね。



Re: 『下半身の論理学』付録1周辺について 投稿者:φ 投稿日:2015年 2月 8日(日)03時03分51秒

> No.4069[元記事へ]

しゃもじさんへのお返事です。

>
>  図表A-1中の準恋愛主義の説明「誰もが恋愛する社会であるべし」と、「社会」という言葉を使われていた理由もわかりました。
>

 個々人レベルの倫理と社会の規範との区別、意外と重要だと思うのですよ。
 まさにテーマとした少子化や非婚化がそうですよね。
 社会としては、「みなが結婚する社会にしよう」「みなが二人以上子を産む社会にしよう」
 しかし、個人に対して
 「結婚しろ」「子どもを産め」と義務づけるのは人権侵害でしょう。

 結婚至上主義と準結婚至上主義の違いに相当します。結婚至上主義は、人権侵害なんですね。他方、準結婚至上主義は人権侵害とは言えない。自然に社会がそうなるように……という規範であって、個人レベルの義務へと降りてこないからです。
 「準」がつくと、ゆるやかになるわけです。


Re: 『下半身の論理学』付録1周辺について 投稿者:しゃもじ 投稿日:2015年 2月 7日(土)23時43分26秒

> No.4068[元記事へ]

φさんへのお返事です。

>
>  いや、そういうことではなく……
>
>  前者は、個々の人間ひとりひとりについて、□∃y(Lxy)が成り立つ、ということですから、個人倫理ということになります。
>  後者は、∀x∃y(Lxy) が義務、ということで、命題(事実)そのものに課せられた義務、つまり社会倫理ということになります。
>  後者は、結果として全員が恋愛している状態が実現していればOKなので、個々人にまで義務が及んでいる必要はありません。
>  その意味で、後者の方が義務度が弱い、というわけです。
>

 かなり間違ってましたね……。
 「結果として実現していればOK」というところと、後述の「大まかな結果主義」というところで、「準」を冠していることの理解が進みました。
 確かに、個々人に義務が及んでいなくても、たまたまであれなんであれ、結果実現というのはありうる話ですね。

>  ただし、現実には生まれてこなかった〈可能な人間〉というものがいるなら、その人は、前者(恋愛至上主義)の場合、恋愛する義務はないことになります。つまり、別の可能世界では、恋愛しない人がいてもかまいません。現実に存在する人間についてしか義務が述べられていないので。

 指摘されてみれば、あくまで、これは現実の人間(特に現実の女子への懸念)についての話ですもんね。

>  〈可能な人間〉に対してまで恋愛の義務を負わせるのは不必要な束縛なので、こちらは重視しなかった次第です。(よって、こちらの条件を満たしていても重要性の小さい条件をクリアしているということで「準」恋愛至上主義)。
>
>  社会の状態に関する大まかな結果主義が準恋愛至上主義、個々人にあてはめるキメ細かい倫理が恋愛至上主義、といった感じですね。

 図表A-1中の準恋愛主義の説明「誰もが恋愛する社会であるべし」と、「社会」という言葉を使われていた理由もわかりました。


Re: 『下半身の論理学』付録1周辺について 投稿者:φ 投稿日:2015年 2月 7日(土)21時09分15秒

> No.4066[元記事へ]

しゃもじさんへのお返事です。

>
>  ?A 恋愛至上主義と *準恋愛至上主義の違いがはじめわからなかったのです。これをどうにか理解したつもりなのです。
>  ∀x□∃y(Lxy)と □∀x∃y(Lxy)
>
>  前者は「いつでもどこでも同じような恋愛の相手がいるべき」
>  後者は「恋愛の相手がいるべき──ですが、国や時代がちがえばそういう相手がみな同じ姿形にはなりっこないですね──いずれにせよ恋愛相手は、いるべき」
>
>  ということで、後者が若干ゆるい設定なので「準」恋愛至上主義なのだと考えました。
>

 いや、そういうことではなく……

 前者は、個々の人間ひとりひとりについて、□∃y(Lxy)が成り立つ、ということですから、個人倫理ということになります。
 後者は、∀x∃y(Lxy) が義務、ということで、命題(事実)そのものに課せられた義務、つまり社会倫理ということになります。
 後者は、結果として全員が恋愛している状態が実現していればOKなので、個々人にまで義務が及んでいる必要はありません。
 その意味で、後者の方が義務度が弱い、というわけです。

 ただし、現実には生まれてこなかった〈可能な人間〉というものがいるなら、その人は、前者(恋愛至上主義)の場合、恋愛する義務はないことになります。つまり、別の可能世界では、恋愛しない人がいてもかまいません。現実に存在する人間についてしか義務が述べられていないので。
 後者(準恋愛至上主義)の場合、現実には生まれてこなかった〈可能な人間〉が生まれているような可能世界でも、全員が恋愛していることが求められます(個々人の義務ではなく、社会への要請として)。
 その意味で、後者の方が実現結果への制約は大きいと言えます。
 〈可能な人間〉に対してまで恋愛の義務を負わせるのは不必要な束縛なので、こちらは重視しなかった次第です。(よって、こちらの条件を満たしていても重要性の小さい条件をクリアしているということで「準」恋愛至上主義)。

 社会の状態に関する大まかな結果主義が準恋愛至上主義、個々人にあてはめるキメ細かい倫理が恋愛至上主義、といった感じですね。


Re: 二人の子供問題について 投稿者:φ 投稿日:2015年 2月 7日(土)20時30分4秒

> No.4065[元記事へ]

Old Boyさんへのお返事です。

> >>
> >> 男 男 の場合 最低一人は男だと言う・・1
> >> 男 女 の場合 最低一人は男だと言う・・1
> >> 女 男 の場合 最低一人は男だと言う・・1
> >> 女 女 の場合 最低一人は男だと言う・・0
> >>
> >> しゃべったのは、「最低一人は男だ」ということのみなので。
>
> >「最低一人は男ですか? はいいいえで答えてください」「はい、最低一人は男です」という受け答えならば、その通りです。
>
> それでは、
> "I have two children.
> At least one is a boy."
>
> としゃべった人に「本当ですか?」と問い
> 「本当です。」という答えが返ってきたら
> 二人の男の子を持つ確率が1/2から1/3に変化するのでしょうか?
>

 変化しません。
 「男の子」を主題とするパターンは、話者が決めてしまっていますから。

 「本当ですか(最低一人は男ですか)?」は、質問者が決めた質問とは言えませんからね。単にもう一回同じ発言をしてもらったにすぎず、情報価値はありません。


Re: 『下半身の論理学』付録1周辺について 投稿者:しゃもじ 投稿日:2015年 2月 7日(土)10時18分19秒

φさんへのお返事です。

>
>  Lxy、Sxy、Mxyと書いた時点で二項関係のつもりです。
>
>  なお、反射性が成り立つかどうかは、二項関係であることに影響はありません。反射性とは、たまたまx=y のとき真となるかどうかという、二項関係の性質の一つなので。
>
>  (ちなみに、L、Sも、Mと同様、反射性を持たないと規定するのがシンプルでよさそうですね)
>

 ありがとうございます、誤解していました。そして、規定しておくという方法があるんですね。
 思えば数学の問題などで但し書きで規定することはふつうにあることでした。

>  そうですね、ここ難しいです。
>
>  様相論理では一般に
>  □(P→Q) →  (□P→□Q)  ですが、
>  (□P→□Q) →  □(P→Q)  ではないので、
>  同値ではないですね。

 □(P→Q)→(□P→□Q) は一般にはなりたつのですね。
 P→□Q との違いを考えはじめようとすると……しばらく記号を見つめているだけになります。

>  ただし、様相の意味が義務論理的なものなので、成り立つ定理が通常の様相論理とは違ってきます。
>  なにしろ義務様相では
>  □P → P とか P → ◇P とかいった、様相論理で当然成り立つ定理が成り立たないので……
>

 なるほど。義務論理的ものはまた別の考え方があると。
 様相論理を説明しているウェブサイトを参考に、一度納得しかけた箇所があったのですが、じつは理解の仕方が違うかもしれませんね。

 ?A 恋愛至上主義と *準恋愛至上主義の違いがはじめわからなかったのです。これをどうにか理解したつもりなのです。
 ∀x□∃y(Lxy)と □∀x∃y(Lxy)

 前者は「いつでもどこでも同じような恋愛の相手がいるべき」
 後者は「恋愛の相手がいるべき──ですが、国や時代がちがえばそういう相手がみな同じ姿形にはなりっこないですね──いずれにせよ恋愛相手は、いるべき」

 ということで、後者が若干ゆるい設定なので「準」恋愛至上主義なのだと考えました。

>  『下半身の論理学』文献表の最後に挙げたウリクトの『規範と行動の論理学』が使えるかどうか、試してみる価値はあるかもしれません。
>  とはいえ、現実の女子らへの親目線的懸念のモチーフからはどんどんズレていってしまいそうですが……

 私のこの質問にも、思わぬところではまってる感がただよっているような……


Re: 二人の子供問題について 投稿者:Old Boy 投稿日:2015年 2月 7日(土)06時21分9秒

> No.4062[元記事へ]

φさんへのお返事です。

何度もありがとうございます。

>すると、「『最低一人は女である』と言わなかった」ことが新たに得られた立派な情報となります。

そこが今一つわからないところです。

>> 無作為に選ばれた一人が、突然あなたに向かって次のように言い出しました。
>> "I have two children.
>> At least one is a boy."
>> この人が二人の男の子を持つ確率はいくつですか?
>>
>> この場合は次の4つの場合に分けられると思うのですが。
>> (事前確率はすべて1/4なので省略します。)
>>
>> 男 男 の場合 最低一人は男だと言う・・1
>> 男 女 の場合 最低一人は男だと言う・・1
>> 女 男 の場合 最低一人は男だと言う・・1
>> 女 女 の場合 最低一人は男だと言う・・0
>>
>> しゃべったのは、「最低一人は男だ」ということのみなので。

>「最低一人は男ですか? はいいいえで答えてください」「はい、最低一人は男です」という受け答えならば、その通りです。

それでは、
"I have two children.
At least one is a boy."

としゃべった人に「本当ですか?」と問い
「本当です。」という答えが返ってきたら
二人の男の子を持つ確率が1/2から1/3に変化するのでしょうか?



Re: 『下半身の論理学』付録1周辺について 投稿者:φ 投稿日:2015年 2月 7日(土)03時11分3秒

> No.4063[元記事へ]

しゃもじさんへのお返事です。

>
>  本書中Lxy、Sxy、Mxyが二項関係だとは一言も述べられていなく、それどころか「ここだけで用いられる記号」とまで書いてあるのにもかかわらず、私がかってに二項関係っぽいと思い、なんとなく遊んでいるだけのような気がしてきたためです。この記号は、もともとそういう検証をされ得る対象とはならないものでしょうか。
>

 Lxy、Sxy、Mxyと書いた時点で二項関係のつもりです。

 なお、反射性が成り立つかどうかは、二項関係であることに影響はありません。反射性とは、たまたまx=y のとき真となるかどうかという、二項関係の性質の一つなので。

 (ちなみに、L、Sも、Mと同様、反射性を持たないと規定するのがシンプルでよさそうですね)

>
>  (2)図表A-1の「?6 純愛主義」∀x∀y□(Sxy→Lxy)などは、分配法則のように、
>
>   ∀x∀y(□Sxy→□Lxy)と書いても同値でしょうか?
>

 そうですね、ここ難しいです。

 様相論理では一般に
 □(P→Q) →  (□P→□Q)  ですが、
 (□P→□Q) →  □(P→Q)  ではないので、
 同値ではないですね。
 ただし、様相の意味が義務論理的なものなので、成り立つ定理が通常の様相論理とは違ってきます。
 なにしろ義務様相では
 □P → P とか P → ◇P とかいった、様相論理で当然成り立つ定理が成り立たないので……

 『下半身の論理学』文献表の最後に挙げたウリクトの『規範と行動の論理学』が使えるかどうか、試してみる価値はあるかもしれません。
 とはいえ、現実の女子らへの親目線的懸念のモチーフからはどんどんズレていってしまいそうですが……


『下半身の論理学』付録1周辺について 投稿者:しゃもじ 投稿日:2015年 2月 6日(金)23時47分7秒

 『下半身の論理学』の付録1関連の記号について、質問があります。

 (1)「ここだけで用いられる記号(述語定項)」のLxy、Sxy、Mxyといった書式から、なんとなく二項関係について検索していたのですが、この3つの記号については、それぞれ反射性、対称性、推移性、ユークリッド性が3つすべてに当てはまったり、部分的に当てはまったり、ぜんぜん当てはまらなかったりします。

 ※反射性についてはLxx(自愛?)とかSxx(自慰?)はあってもMxx(自婚??)は意味不明、とかそんな当てはめ方です。

 そこでふと思ったのは、そもそもこのような検証は有意義な作業なのだろうか……、ということです。

 本書中Lxy、Sxy、Mxyが二項関係だとは一言も述べられていなく、それどころか「ここだけで用いられる記号」とまで書いてあるのにもかかわらず、私がかってに二項関係っぽいと思い、なんとなく遊んでいるだけのような気がしてきたためです。この記号は、もともとそういう検証をされ得る対象とはならないものでしょうか。

 見た目はよく似たような書式であるけれど、各性質が当てはまるかどうかは各記号が何を言っている記号かを点検しないといけない、ということに何か妙な感じを抱きました。(演算の際は、記号の意味するところなど無視してガンガン処理していけるのが記号のよさのはずなのに……? といった疑問です)

 (2)図表A-1の「?6 純愛主義」∀x∀y□(Sxy→Lxy)などは、分配法則のように、

  ∀x∀y(□Sxy→□Lxy)と書いても同値でしょうか?

  対偶をとってみると、

  ∀x∀y(~□Lxy→~□Sxy)
  「xとyが恋人どうしであること が必要ではない ならば xとyに肉体関係があること は必要ではない」
  →「《運命の恋人》ではない ならば セックスはしなくてもよい(セックスは義務ではない)(まあ、別にしてもいいですよ)」
  →これは純愛主義の定義?

  ということで、分配法則のようなものは使えないのかなと考えているところです。


Re: 二人の子供問題について 投稿者:φ 投稿日:2015年 2月 6日(金)23時38分46秒

> No.4061[元記事へ]

Old Boyさんへのお返事です。

>
> 自分から、(聞かれもせず)「最低一人は男である」と言った場合なのですが。
> この場合も「『最低一人は女である』と言わなかった」ことが新たに(同時に)得られた情報なのでしょうか?
>

 http://8044.teacup.com/miurat/bbs/4053で述べたように3-2)の設定はあいまいですが、3-1)よりはましです。
 つまり、何らかの刺激によって話者が自分の子どものことを喋る気になり、「女子」でなく「男子」を思い浮かべて「少なくとも一人は男子」と言ったと解釈するのが自然でしょう。

 第三者が「男子」を主題として問題に指定したのが3-1)、話者が自発的に「男子」を選んだのが3-2)というわけです。

 たしかに3-2)の設定は不備です。
 なので、「問題の趣旨をくみ取って」寛容に解釈してやるのがよいでしょう。
 たとえば、http://8044.teacup.com/miurat/bbs/4055 で述べたように、話者は
 「「最低一人は◎だと言う」という形の発言を必ずすることになっており、◎として「男」が選ばれた、というような設定です。(子どもが二人であることもわかっているとするのは当然です)
 すると、「『最低一人は女である』と言わなかった」ことが新たに得られた立派な情報となります。

 まあ確かに、
 突然「最低一人は男である」と言った
 というだけでは、不自然すぎて、余計な発話動機を勘ぐってしまいますから、問題としては成立しがたいですけれどね。


Re: 二人の子供問題について 投稿者:Old Boy 投稿日:2015年 2月 6日(金)21時12分28秒

> No.4059[元記事へ]

φさんへのお返事です。

>  まとめると、
>   最低一人は男である ←・・・・・・・・・・・二つの場合に共通の「新たに得られた情報」
>  「最低一人は女」と答えなかった ←・・・・・・前者の場合にだけ「新たに得られた情報」

そうではなく、
自分から、(聞かれもせず)「最低一人は男である」と言った場合なのですが。
この場合も「『最低一人は女である』と言わなかった」ことが新たに(同時に)得られた情報なのでしょうか?



Re: 『下半身の論理学』電子書籍版の文字 投稿者:φ 投稿日:2015年 2月 6日(金)00時24分29秒

> No.4058[元記事へ]

しゃもじさんへのお返事です。

 なるほど、端末によって違うんですね。
 電子書籍も発展途上といったところでしょうか。

>
>  アドホック日記2月4日の記事ですが、『のぞき学原論』も寄贈されていなかったんですね。
>  アマゾンで出だしだけ立ち読みができて、たしかファインチューニングを説明しているところに惹かれ、そのまま購入ボタンを押したのでした。紙の本が自宅に届き、読み進めてみてびっくりしたのはいい思い出です。
>

 寄贈を控えても、目ざとい学生が「先生あれヤバイですよ!」などと言ってくるんですけれどね。
 『のぞき学原論』の主題は後半身だったので(原理的には)男女平等ネタゆえむしろ大丈夫だったかもしれませんが、
 『下半身の論理学』は前半身なので、オーソドックスなぶん普通に白眼視されそうな気がした次第です。


Re: 二人の子供問題について 投稿者:φ 投稿日:2015年 2月 5日(木)23時48分41秒

> No.4057[元記事へ]

Old Boyさんへのお返事です。

>
> 可能性が確率計算にどのような関係があるのでしょうか?
> この問題では、得られた情報は「二人の子供がいる」と
> 「最低一人は男です」という言葉だけです。
> 「最低一人は女です」とは言わなかった。(「最低一人は女です」という情報はない。)
> 得られていない情報を確率計算に使用してよいのでしょうか?
>
> 事前確率に対し、新たに得られた情報だけを加味して計算することで事後確率が得られると思うのですが。
>

 「新たに得られた情報」はあったのです。

 「最低一人いる性別をひとつだけ答えてください」「男です」
 ↑
 「女です」とは答えなかった、というのが「新たに得られた情報」です。
 換言すれば、「最低一人は女」という答えが返ってこなかった、という事実が「新たに得られた情報」。
 女の子がいない確率が、以前より高く見積もられることになるのです。

 「最低一人は男ですか?」「はい」
 の場合も、女の子がいない確率が以前より高くはなりましたが、「最低一人は女です」と答える可能性は始めからなかったので、その答えが返ってこなかったということに限って言えば「新たに得られた情報」とはなりません。

 よって、「最低一人は女」という答えがなされなかった、という事実が、
 (前者と後者とで結果的に共通の事実でありながら)
 前者の場合は「新たに得られた情報」であり、後者の場合は「新たに得られた情報」ではないというわけです。

 まとめると、
  最低一人は男である ←・・・・・・・・・・・二つの場合に共通の「新たに得られた情報」
 「最低一人は女」と答えなかった ←・・・・・・前者の場合にだけ「新たに得られた情報」


Re: 『下半身の論理学』電子書籍版の文字 投稿者:しゃもじ 投稿日:2015年 2月 5日(木)22時41分2秒

φさんへのお返事です。

>
>  編集に問い合わせたところ、
>  データ作成時に太字が反映されていることは確認できていたとのことです。
>  ただし、PaperwhiteではなくKindle Fireという端末で見たとのこと。
>  再確認するとのことでした。
>

 電子書籍のデータを完全に再現できる端末と、再現しきれない端末があるんですね。
 手元にある端末で比べたところでは、次のようでした。

                     (1)        (2)         (3)
                  太字を再現する?  ∀∃の表示は正しい?  ~の表示は正しい?
 電子書籍端末 「Kindle Paperwhite」   NO         NO          NO
 Androidアプリ「Amazon Kindle」     NO        YES         NO
 Windowsソフト「Kindle Software」    NO        YES         NO
 そして;
 電子書籍端末 「Kindle Fire」      YES         ?           ?

 (1)や(2)については端末次第(&端末のソフトのバージョン次第?)のようで、
 (3)についてはデータ作成時から横書き用の「~」を使っていない恐れが高そうですね。


>  書評の出にくい本ですが、ウェブ外でたぶん初めての書評が出ました。(北海道新聞1月25日)
>  ↓
>  ただし、ウェブからはあと数日で消えるようです。↓
>  http://www5.hokkaido-np.co.jp/books/new/5.html

 ご紹介ありがとうございます。保存しました。
 充実しているのに授業に使いづらかったり、女子の啓蒙のために書いたのに女子大に寄贈しづらかったり……。うーん。

 アドホック日記2月4日の記事ですが、『のぞき学原論』も寄贈されていなかったんですね。
 アマゾンで出だしだけ立ち読みができて、たしかファインチューニングを説明しているところに惹かれ、そのまま購入ボタンを押したのでした。紙の本が自宅に届き、読み進めてみてびっくりしたのはいい思い出です。


Re: 二人の子供問題について 投稿者:Old Boy 投稿日:2015年 2月 5日(木)22時07分19秒

> No.4055[元記事へ]

φさんへのお返事です。

何度もありがとうございます。
ただ、何となく違和感があります。

> つまり、「最低一人は女です」と言う可能性もあった。

可能性が確率計算にどのような関係があるのでしょうか?
この問題では、得られた情報は「二人の子供がいる」と
「最低一人は男です」という言葉だけです。
「最低一人は女です」とは言わなかった。(「最低一人は女です」という情報はない。)
得られていない情報を確率計算に使用してよいのでしょうか?

事前確率に対し、新たに得られた情報だけを加味して計算することで事後確率が得られると思うのですが。



Re: 『下半身の論理学』電子書籍版の文字 投稿者:φ 投稿日:2015年 2月 5日(木)14時45分39秒

> No.4050[元記事へ]

しゃもじさんへのお返事です。

>
>   http://open.mixi.jp/user/29675278/diary/1936196074
>   「[…]学術用語が太字になっているのと同時に、実存的処女厨、啓蒙的処女厨、といった造語も同じ太字になっていて[…]」
>
>  ということは、紙の本は太字になっているのですね。電子書籍では普通の字のままなのです。
>  ※太字の付き方に吹いたというのを読んで、太字になっていないまま読んだ私はちょっとだけ(惜しい!)と思いました。
>

 編集に問い合わせたところ、
 データ作成時に太字が反映されていることは確認できていたとのことです。
 ただし、PaperwhiteではなくKindle Fireという端末で見たとのこと。
 再確認するとのことでした。

 書評の出にくい本ですが、ウェブ外でたぶん初めての書評が出ました。(北海道新聞1月25日)
 ↓
 ただし、ウェブからはあと数日で消えるようです。↓
 http://www5.hokkaido-np.co.jp/books/new/5.html


Re: 二人の子供問題について 投稿者:φ 投稿日:2015年 2月 4日(水)21時42分32秒

> No.4054[元記事へ]

Old Boyさんへのお返事です。

>
> 無作為に選ばれた一人が、突然あなたに向かって次のように言い出しました。
> "I have two children.
> At least one is a boy."
> この人が二人の男の子を持つ確率はいくつですか?
>
> この場合は次の4つの場合に分けられると思うのですが。
> (事前確率はすべて1/4なので省略します。)
>
> 男 男 の場合 最低一人は男だと言う・・1
> 男 女 の場合 最低一人は男だと言う・・1
> 女 男 の場合 最低一人は男だと言う・・1
> 女 女 の場合 最低一人は男だと言う・・0
>
> しゃべったのは、「最低一人は男だ」ということのみなので。
>

「最低一人は男ですか? はいいいえで答えてください」「はい、最低一人は男です」という受け答えならば、その通りです。

 しかし3-2)の問題設定では、聞かれもしないのに自分からいきなりそのセリフを言ったわけですね。
 つまり、「最低一人は女です」と言う可能性もあった。
 ところがそう言わずに「最低一人は男です」と言ったのですから、

  男 男 の場合 最低一人は男だと言う・・1
  男 女 の場合 最低一人は男だと言う・・1/2
  女 男 の場合 最低一人は男だと言う・・1/2
  女 女 の場合 最低一人は男だと言う・・0

 男男の確率は1/2です。
 (ただし厳密に考えると、
 「必ず「最低一人は◎だと言う」という形の発言をする」
 という前提がないと3-2)は問いとして成り立ちませんね。自発的に発する言葉のバリエーションは無数で、「少なくとも一人」より「一人は……」「二人とも……」という言い方の方が自然ですから)

「最低一人いる性別を答えてください」「男です」
 ↑こういう設定にすれば、文句なく1/2です。

 つまり、
 「最低一人は男ですか?」「はい」 → 男男は1/3  ・・・・・・ 3-1)
 「最低一人いる性別は?」「男」  → 男男は1/2  ・・・・・・ 3-2)

 どちらも得られた情報は「最低一人は男」で同じですが、
 情報の得られ方が異なるため、男男の確率が異なるのです。


Re: 二人の子供問題について 投稿者:Old Boy 投稿日:2015年 2月 4日(水)20時45分30秒

> No.4053[元記事へ]

φさんへのお返事です。

ご回答ありがとうございます。

ただ、私としては
3-2)のほうも疑問なのですが。

無作為に選ばれた一人が、突然あなたに向かって次のように言い出しました。
"I have two children.
At least one is a boy."
この人が二人の男の子を持つ確率はいくつですか?

この場合は次の4つの場合に分けられると思うのですが。
(事前確率はすべて1/4なので省略します。)

男 男 の場合 最低一人は男だと言う・・1
男 女 の場合 最低一人は男だと言う・・1
女 男 の場合 最低一人は男だと言う・・1
女 女 の場合 最低一人は男だと言う・・0

分子 = 1
分母 = 1+1+1
計算すると
確率 = 1/3  となるのではないでしょうか?
しゃべったのは、「最低一人は男だ」ということのみなので。



Re: 二人の子供問題について 投稿者:φ 投稿日:2015年 2月 4日(水)15時43分28秒

> No.4052[元記事へ]

Old Boyさんへのお返事です。

見たところ、http://www5.ocn.ne.jp/~kartec/Math/Monty3.htm
3)二人の子供の問題 の記述はあいまいですね。
3-1)がまずいです。

>
> いろいろ聞き出すと次の事が解かりました。
> "The person has two children.
> At least one is a boy."
>

「At least one is a boy」とわかった経緯が書かれてありません。
場合分けしましょう。

■「わかり方」1
 ★むこうが最初に、男子校の学費がどうこうという話をしてきた。
 「話者の頭に最初に浮かんだそのひとり」が第1子か第2子かによって、次のように場合分けされます。

      1子 2子  もともとの確率  最初に男子の話になる確率
 場合A   男 男    1/4   ×    1
 場合B   男 女    1/4   ×   1/2
 場合C   女 男    1/4   ×   1/2
 場合D   女 女    1/4        0

場合A、B、Cのうち場合Aの確率はいくらか、という問題ですから、正解は1/2です。

■「わかり方」2
 ★こちらが「男の子がいれば……」とぼやいたら、「うちはいますが……」となった。
 その答えは第1子か第2子かいずれか一方が男であれば必ず成立するので、次のように場合分けされます。

      1子 2子  もともとの確率  最初に男子の話になる確率
 場合A   男 男    1/4   ×    1
 場合B   男 女    1/4   ×    1
 場合C   女 男    1/4   ×    1
 場合D   女 女    1/4        0

場合A、B、Cのうち場合Aの確率はいくらか、という問題ですから、正解は1/3です。

「わかり方2」が 3-1)第三者の目で事実を述べた問題文
 で、
「わかり方1」が 3-2)喋った言葉として記載した問題文
 ということなんでしょうね。
 3-2)の

>
> 無作為に選ばれた一人が、突然あなたに向かって次のように言い出しました。
> "I have two children.
> At least one is a boy."
>

という設定は人工的というか非現実的すぎて解釈に苦しみますが、設問者の意図としては「むこうが自発的に、男子校の学費の話をしてきた」というようなことでしょう。これはまあ問題ありません。
 他方、
3-1)はあいまいすぎてこのままではダメです。
 設問者は「わかり方2」を想定しているのだと思われますが。

 というわけで、

 男の子があるという事実と、「男の子があると発言する」事との区別

 という区別はそれだけでは意味をなしません。
 「事実」がどうやってわかったのか、「発言」がなぜなされたかの特定が必要です。

 問題設定は具体的にやってもらわないと困りますよね。……


二人の子供問題について 投稿者:Old Boy 投稿日:2015年 2月 4日(水)08時03分56秒

こんにちは

もう古典に属する問題かもしれませんが教えていただけると幸いです。

http://www5.ocn.ne.jp/~kartec/Math/Monty3.htm

問題文により答が変わるという一般論はわかるのですが、
男の子があるという事実と、「男の子があると発言する」事では確率の計算が異なるのでしょうか?
どうも違いが理解できません。



Re: 『下半身の論理学』を読みました 投稿者:φ 投稿日:2015年 2月 3日(火)04時12分27秒

> No.4050[元記事へ]

しゃもじさんへのお返事です。

>
>  特定主張の導出にも、何か魅力を感じますね。
>  ともあれ、記号論理が本領発揮するところの概念の明確化からはじめようと思います。
>

「概念」には、処女とか非処女とかいう述語(性質)だけでなく、「反性愛主義」とか「超恋愛至上主義」とかいう、図表A-1にあるような「イデオロギー」も含まれますね。
 イデオロギーを気質と考えれば「述語(性質)」に統一されますが……

>
>  このブックレビューを読んでいて気づいたことがありました。
>
>   http://open.mixi.jp/user/29675278/diary/1936196074
>   「[…]学術用語が太字になっているのと同時に、実存的処女厨、啓蒙的処女厨、といった造語も同じ太字になっていて[…]」
>
>  ということは、紙の本は太字になっているのですね。電子書籍では普通の字のままなのです。
>  ※太字の付き方に吹いたというのを読んで、太字になっていないまま読んだ私はちょっとだけ(惜しい!)と思いました。
>

 なるほど、そういうこともあるのですか。
 原稿でいくつかの単語をゴチックに指定しており、それがそのままゲラに反映されましたから、電子書籍でそれが出ないのはちょっと残念ですね……
 あるいは端末の事情でしょうか。

 そのレビューで言われている 「セックスは女の武器」 のトリッキーさは、世に誤って伝えられている感があります。
 レビュアーさんの言うとおり「女の武器を使うのではなく、「使わない」戦略」が重要なわけで。
 核の抑止戦略と同じ。
 セックスは核兵器なんですね。女にとっては。
 (男にとっては?)


Re: 『下半身の論理学』を読みました 投稿者:しゃもじ 投稿日:2015年 2月 2日(月)21時56分13秒

φさんへのお返事です。

>  記号論理での特定主張の導出(推論)は難しいにしても、誤解防止のための「概念の明確化」(定義)には記号論理が大いに活躍できるだろうと感じています。
>

 特定主張の導出にも、何か魅力を感じますね。
 ともあれ、記号論理が本領発揮するところの概念の明確化からはじめようと思います。
 表示のみならず、内容についてもきちんと批判的に読めるように──。

>  表示についてお気づきあればどんどんご指摘ください。
>  内容についての批判的ご指摘あれば、さらに歓迎です。
>  部分的なこと瑣末なことでもひっかかりあればぜひ。(いかにも瑣末なディテールに致命的な誤解が露出していたりするので)

 ──と書いたそばからまたもや表示サイドの指摘ですが……このブックレビューを読んでいて気づいたことがありました。

  http://open.mixi.jp/user/29675278/diary/1936196074
  「[…]学術用語が太字になっているのと同時に、実存的処女厨、啓蒙的処女厨、といった造語も同じ太字になっていて[…]」

 ということは、紙の本は太字になっているのですね。電子書籍では普通の字のままなのです。
 ※太字の付き方に吹いたというのを読んで、太字になっていないまま読んだ私はちょっとだけ(惜しい!)と思いました。


Re: 『下半身の論理学』を読みました 投稿者:φ 投稿日:2015年 2月 2日(月)12時21分52秒

> No.4048[元記事へ]

しゃもじさんへのお返事です。

>
>  うっかりAのように読んでしまいますね。(BをみてもなおAのような読み間違いを犯しそうです)
>

 大新聞と2ちゃんねるではどちらの方が信用できるかわかりきってるだろう、と安心していると、足もとをすくわれたりしますね。

>
>  付録1をおさらいし、やってみようと思います。
>

 「処女」その他の概念の定義が食い違っているために無用の対立が起きている例が多すぎるようにも思われます。
 記号論理での特定主張の導出(推論)は難しいにしても、誤解防止のための「概念の明確化」(定義)には記号論理が大いに活躍できるだろうと感じています。

 否定記号についてご指摘ありがとうございました。
 表示についてお気づきあればどんどんご指摘ください。
 内容についての批判的ご指摘あれば、さらに歓迎です。
 部分的なこと瑣末なことでもひっかかりあればぜひ。(いかにも瑣末なディテールに致命的な誤解が露出していたりするので)


Re: 『下半身の論理学』を読みました 投稿者:しゃもじ 投稿日:2015年 2月 1日(日)18時32分53秒

φさんへのお返事です。

>
>  2ちゃんねるや知恵袋で非処女が叩かれているのを見て初めて認識を新たにし、不安になっている非処女がけっこう多いですね(怒るのではなく深刻に考え込んでいる非処女を私は複数知っています)。
>  最近の処女率上昇傾向は、ネットが啓蒙的に作用しているに違いありません。少し遅れて結婚率も上がってくるのではないでしょうか。
>  (http://green.ap.teacup.com/miurat/4089.htmlに引用したAのように真逆に理解するマスコミの傾向は相変わらずでしょうが)
>

 そうであってほしいです。
 しかし上の記事は、うっかりAのように読んでしまいますね。(BをみてもなおAのような読み間違いを犯しそうです)

>
>  図表A-1の要領で、ミクロな具体的事例を批判的に解釈した記号表現を個別に関係づけてみれば、重要な洞察が生まれる気がしています。
>  男女非対称の挿入行為は結婚内に封じ込め、婚前・婚外では非挿入的性愛を解放する、的傾向が理想社会を帰結するなどと「証明」できれば面白いのですが―――(完全に結論先決めのバイアスがかかって哲学とは言い難くなりますが)―――

 付録1をおさらいし、やってみようと思います。

 おさらい中に気づいたことですが、またひとつ、電子書籍版特有と思われる(もしかしたら表示端末固有;Kindle Paperwhiteの)誤記がありました。
 否定記号の「~」が縦書の「~」のままですね。
 ※縦書の場合は「S」のような形で正しいですが、これをこのまま横書きに流用しているので「谷─山」のような記号になっています。


Re: 『下半身の論理学』を読みました 投稿者:φ 投稿日:2015年 1月31日(土)18時05分32秒

> No.4046[元記事へ]

しゃもじさんへのお返事です。

>
>  女にだらしない男をへこませるような呼称ってむずかしいですね。
>  「チャラ男」といわれてかえって得意になりそうな人も中にはいそうです。
>

 男にとって素人女とのセックスは、本来金を払ってでも(かつ必ずしも好みの女相手でなくても)やりたいことをするわけですから、かりにバカにされたとしてもヘッチャラですね。
 しかも本当にやりたいことをやっているのだからバカにするやつもいない。
 私個人としてはチャラ男は絶滅してほしいと思っていますが(あとがき末尾近く; p.374)、バカにする気にはなれません。
 対して簡単にセックスする女は、本来金をもらってやることをタダでやらせるわけですから、いかにも間抜けであると感じます(私の知るヤリマンたちはほぼ例外なく中絶を経験し、セックスが自傷行為同然になっています)。
 違法行為をしているわけでない彼女らの生き方を否定してはいけませんが、どうしても嘲りの雰囲気が周囲に醸し出されることは確かで、、それに気づかぬ女は「悪」でないにしても「哀れ」だということを、もっと女自身が知るべきだと思うわけですが……

>
>  やはり、後戻りできない人には辛い話ですね。
>  処女は入口の問題なのだとしても、この問題を深刻に考えはじめるのはむしろ、事後の場合が多そうです。
>

 2ちゃんねるや知恵袋で非処女が叩かれているのを見て初めて認識を新たにし、不安になっている非処女がけっこう多いですね(怒るのではなく深刻に考え込んでいる非処女を私は複数知っています)。
 最近の処女率上昇傾向は、ネットが啓蒙的に作用しているに違いありません。少し遅れて結婚率も上がってくるのではないでしょうか。
 (http://green.ap.teacup.com/miurat/4089.htmlに引用したAのように真逆に理解するマスコミの傾向は相変わらずでしょうが)

>
> できれば図表A-1のような表現でも投稿してみたかったものですが、なかなか、ミクロなところにはまってしまって叶わずです。
>

 図表A-1の要領で、ミクロな具体的事例を批判的に解釈した記号表現を個別に関係づけてみれば、重要な洞察が生まれる気がしています。
 男女非対称の挿入行為は結婚内に封じ込め、婚前・婚外では非挿入的性愛を解放する、的傾向が理想社会を帰結するなどと「証明」できれば面白いのですが―――(完全に結論先決めのバイアスがかかって哲学とは言い難くなりますが)―――


Re: 『下半身の論理学』を読みました 投稿者:しゃもじ 投稿日:2015年 1月30日(金)22時02分46秒

φさんへのお返事です。

>
>  「チャラ男」というのが最も軽蔑的な呼称でしょうかね。

 女にだらしない男をへこませるような呼称ってむずかしいですね。
 「チャラ男」といわれてかえって得意になりそうな人も中にはいそうです。

>
>  しかし、非処女と結婚した男の幾人かとはやはり険悪になってしまいました。
>  この本のせいで複数の非処女と絶交状態になりましたが、非処女と結婚した男たちとも(絶交ではないが)ちょいまずいことになった感じです。
>  男はこういうネタでは動じないものかと思っていたので、けっこう意外でした……。
>  「処女」というトピックに関しては、男も女なみに傷つきやすいということです。
>

 やはり、後戻りできない人には辛い話ですね。
 処女は入口の問題なのだとしても、この問題を深刻に考えはじめるのはむしろ、事後の場合が多そうです。

>  だからまあ、
>  危険なミクロ分析は少し抑えて、
>  気に入っていただけた(?)図表A-1を洗練する形でマクロ分析に専念した方がよさそうかもしれません。

 お気に入りです。
 気分や雰囲気に終わらないところ、分析されて説明がつけられるところが好みなのかもしれません。

 そんな憧れもあり、できれば図表A-1のような表現でも投稿してみたかったものですが、なかなか、ミクロなところにはまってしまって叶わずです。


Re: 『下半身の論理学』を読みました 投稿者:φ 投稿日:2015年 1月30日(金)05時00分42秒

> No.4044[元記事へ]

しゃもじさんへのお返事です。

 「県境フェチ」というのは知りませんでしたが、性的な意味合いがない場合もどんどん「フェチ」を使う潮流がありますね。
 「好きなものの話」ではフェチとはあまり言ってませんでしたが、「たけしのコマ大数学科」の解説者の中村亨は「自称アルキメデスフェチ」という設定でした。

 たしかに「フェティシズム」にはもともと性的でない意味もあるわけですが。

>
>  「安い男」という表現をはじめて聞いたかもしれません。 (「給料が安い男」という表現ならば見聞きしたことありますが)
>  女が「高かったり」「安かったり」することは承知で、それは男も同様という考えですね。男は「稼ぐか」「稼がないか」のはずなのに。
>

 「チャラ男」というのが最も軽蔑的な呼称でしょうかね。
 チャラ男・チャラ女どうしでつるんでくれれば不本意な恋愛が激減するわけですが、明朗なチャラ男ほどあっけらかんと初物食いを狙ったりするところが厄介です。
 さいわいチャラ男の中にも(第2章で北原みのりの本から引用したように)軽々しく処女を食うことには躊躇いを覚えるタイプが多いようではありますが。

>
>  もし女が「ああ、男が話す言葉の裏を全部見抜けたなら……!」と願い、叶い、心のなかを覗けたとしても、当の男の頭のなかが自己欺瞞中だったり錯覚中だったりするとお手上げですね。
>

 処女への肯定的評価を公言すると〈自分の経験値が低い証拠〉ととられるのではないかと警戒する男が少なからずいます。
 『下半身の論理学』執筆中に幾人もの男の意識をじかに探ってみましたが、「結婚相手として処女にはこだわらない」的な返答をする独身男がけっこう多かったです。
 ところが、こちらが「条件が同じなら私は当然、処女を望むけれどね」と言うと、「え、それでいいんだ」みたいな解放感+安堵感をみなぎらせて「ほんとはそうですよね」といった感じでほとんどの男が合流してくるのです。

 しかし、非処女と結婚した男の幾人かとはやはり険悪になってしまいました。
 この本のせいで複数の非処女と絶交状態になりましたが、非処女と結婚した男たちとも(絶交ではないが)ちょいまずいことになった感じです。
 男はこういうネタでは動じないものかと思っていたので、けっこう意外でした……。
 「処女」というトピックに関しては、男も女なみに傷つきやすいということです。

 だからまあ、
 危険なミクロ分析は少し抑えて、
 気に入っていただけた(?)図表A-1を洗練する形でマクロ分析に専念した方がよさそうかもしれません。


Re: 『下半身の論理学』を読みました 投稿者:しゃもじ 投稿日:2015年 1月29日(木)21時21分42秒

φさんへのお返事です。

>  「亭主元気で留守がいい」は女の気持ちとして一般に真実なのでしょう。
>

 そういえば、第1章にイクメン不人気傾向に関するお話がすでにありましたね。

>  〇〇フェチ、は安易かつ恣意的に量産できるトピックです。
>  「付き合ってればとりあえずセックス」という定型とは対極でありながら、同質の惰性に流されやすいトピックなんです。
>

 ○○フェチって、○○好きと変わらないんですねえ。
 はじめ、「フェチ」は○○が人間由来成分を含んでいるときに好んで使われる表現なのだ、などと考えましたが、違いますね。
 なぜなら「県境フェチ」などを説明できませんから。(県境を設定するにあたっては人間が絡みますけども)

 ……スカトロフェチとスカトロ好きは一緒ですかね。
 なんとなくの話ですが、「私はスカトロフェチです」という表現には、何かプロフェッショナルな響き、その好みに関する制御可能性を感じられ、
 一方で「スカトロ好き」という表現には、あからさまに物好きな、アマチュア的印象を受けます。ちょっと危なっかしい感じにも近いです。

>  「ヤリ目の男性って、ふと空しくなったりしないのでしょうか?……引っかかる女に対して「安い女」だの思っているのかな、と感じているのですが、逆に自分自身も「安い男」に成り下がってるという意識はないのかなぁ、と」
>  などと、男性心理生理への無理解ぶりを典型的に露呈してくれていますね。
>  重宝なサンプルです。

 「安い男」という表現をはじめて聞いたかもしれません。 (「給料が安い男」という表現ならば見聞きしたことありますが)
 女が「高かったり」「安かったり」することは承知で、それは男も同様という考えですね。男は「稼ぐか」「稼がないか」のはずなのに。

>  男自身ですら誤解しているくらいだから(処女にはこだわらない、と頑として言い張る男はみな自己欺瞞か錯覚に陥っている、というのが私の(独断的?)信念です)まあ女が勘違いするのも無理ないわけですが……

 もし女が「ああ、男が話す言葉の裏を全部見抜けたなら……!」と願い、叶い、心のなかを覗けたとしても、当の男の頭のなかが自己欺瞞中だったり錯覚中だったりするとお手上げですね。


Re: 『下半身の論理学』を読みました 投稿者:φ 投稿日:2015年 1月29日(木)05時04分16秒

> No.4042[元記事へ]

しゃもじさんへのお返事です。

>
>  そうすると、「イクメン」とか「男も子育てに参加を!」といったキャンペーンは、どういうひとたちが実施しているのでしょう。
>

 イクメンぶりをアピールする男は結婚相談所でも人気最低であるようなことを山田昌弘が書いてましたし、女子大生に聞くと、あまり家にいなくていいから稼いでほしい、というのが本音のようです。
 「亭主元気で留守がいい」は女の気持ちとして一般に真実なのでしょう。

>
>  三五館から予定されている〈フェチ論〉につながるのでしょうか。そういうことだったのですね、誤読してしまいました。
>  (ちなみにタイトルのアンケート、私は『フェチの論理学』に1票です)
>

 ただ、フェチ論はかなり難しいということがわかってきつつあります………
 人志松本の〇〇な話の「好きなものの話」など観ていると、到底普遍性のなさそうなものを熱を込めて好き好き言い張ればそれだけで最低限のウケが保証されるんですね。
 〇〇フェチ、は安易かつ恣意的に量産できるトピックです。
 「付き合ってればとりあえずセックス」という定型とは対極でありながら、同質の惰性に流されやすいトピックなんです。

>
>  ※その認識により、私はアナル処女といった表現をよく解しません。
>  (そっちの穴に関する男性器被挿入履歴にはあまり興味がない)
>  (もっとも《処女かつアナル非処女》というのは稀なことと思うので推定の材料として関心を示すことにはなりそうですが)
>

 前半身より後半身に執着しがちな私にしても、アナル処女より通常の処女の方が大切だと考えます。
 参考文献に挙げた『モンスターウーマン――「性」に翻弄される女たち』(宝島社新書)には、アナル挿入は提供しながら処女は守り続ける風俗嬢の話がありました。
 《処女かつアナル非処女》は意外と希少種ではないかもしれません。

>
>  (1)ヤリチン「入学」できず。
>  (2)ヤリチン「入学」できず、「妻一筋」。
>  (3)ヤリチン「入学」まではできた。
>  (4)ヤリチン「卒業」まではできた。
>  (5)ヤリチン「卒業」、「妻一筋」。←ベストアンサー氏
>

 ヤリチン入学はヤリマン入学よりはるかにはるかに難しいですからねえ。
 まず柄にもない選り好みを捨てるのが第一歩なんでしょうね。
 ヤリチン卒業はヤリマン卒業よりこれまた難しい気がします。
 男は幸か不幸か女と違って年齢を重ねてもモテうるという宿業のもとにあるので……

 http://oshiete.goo.ne.jp/qa/8270670.htmlの質問者は、
 「ヤリ目の男性って、ふと空しくなったりしないのでしょうか?……引っかかる女に対して「安い女」だの思っているのかな、と感じているのですが、逆に自分自身も「安い男」に成り下がってるという意識はないのかなぁ、と」
 などと、男性心理生理への無理解ぶりを典型的に露呈してくれていますね。
 重宝なサンプルです。
 「愛のないセックスは男だって楽しくないはず」という思い込みが、些細な恋愛の駆け引きで処女喪失する女を大量生産しているのでしょう……
 男にも確かに恋愛感情や一筋思考があるがゆえに、女はなおさら誤解するかですね。
 男自身ですら誤解しているくらいだから(処女にはこだわらない、と頑として言い張る男はみな自己欺瞞か錯覚に陥っている、というのが私の(独断的?)信念です)まあ女が勘違いするのも無理ないわけですが……


Re: 『下半身の論理学』を読みました 投稿者:しゃもじ 投稿日:2015年 1月28日(水)22時16分37秒

φさんへのお返事です。

>  子どもというのは、母親さえいれば幸福に育つような気がするのですが、どうなんでしょう。
>  父親なんて、しょせん家庭では疎外されるのでは?
>  とくに娘は父親を嫌いますしね。
>  シングルマザーたちに対し、(法的福祉的サポート以外に)「俺の子かも」と思っている多数の男たちが家庭外から各々適当な加減で支援する、という社会がたぶん一番安定するでしょう。

 「男だって……!」という思いからか、反例を探してみたくなるところです。
 しかし一般的にどうであるかを点検してみれば、きっとそのとおりなのでしょうね。
 産むわけでもなく、産まれたあとお乳がでるわけでもなく。口や手を出さず肉ATMに徹しているのがおだやかだ──。

 そうすると、「イクメン」とか「男も子育てに参加を!」といったキャンペーンは、どういうひとたちが実施しているのでしょう。

 男ですかね。父親が疎外される理由として、従来の父親のスタイルが「非イクメン」「子育て不参加」であったことを指摘する男。
 「父親にも、母親なみに子どもと接する時間が与えられれば、母親なみの子育てができ、子どもには対母親なみの態度でもってむかえられ、したがって肉ATMで終わることはない」と考える男。

 この先の数十年は、イクメンがはたして疎外されずに済むかどうかを確かめられることになりますね。
 もっとも、イクメンになることを許されるような立場にあるということは、ATM機能の方も相当高性能のはずですから、判定が難しそうです。

>  あとがきの最後に記した「挿入以外の文化的な性愛」とは、具体的にはさまざまなフェチを念頭に置いていたのですが、性愛が多様化すれば、「本番の相手は配偶者に限る」という純潔主義が定着しうると思います。
>

 三五館から予定されている〈フェチ論〉につながるのでしょうか。そういうことだったのですね、誤読してしまいました。
 (ちなみにタイトルのアンケート、私は『フェチの論理学』に1票です)

 挿入以外のフェチがあることを自覚できていないから、「とりあえず挿入」というメニューしか見当たらないのでしょうね。
 田舎はやることが少なくてヤる、などといいますが、本当にやること少ないのか疑ってみると……。

>  SMプレイ経験なしの非処女と、SMプレイ経験ありの処女だったら、普通の男はどっちをとりますかね。私は断然後者です。
>  つまり『下半身の論理学』で禁欲の勧めを説いたつもりは全然なくて、
>  未婚のときはSMでもスカトロでも多様な性愛で愛を確かめ合えばいい、ただし挿入はするな(女が心底から挿入されたい性欲を持ち後悔しない自信がある場合を除く)、といった感じです。
>

 そうですね、私も禁欲の勧めとまでは読み取りませんでしたが、挿入以外ならおおいに結構といった意味合いは読み逃していました。
 なお、私も断然後者です。女性器への挿入と他の行為とは、まったく異なりますね。

 ※その認識により、私はアナル処女といった表現をよく解しません。
 (そっちの穴に関する男性器被挿入履歴にはあまり興味がない)
 (もっとも《処女かつアナル非処女》というのは稀なことと思うので推定の材料として関心を示すことにはなりそうですが)

>  ちなみに、処女より非処女の方が非生殖的プレイに抵抗を示す傾向があるようです。
>

 指入れ厳禁のヘルス嬢など、そこをしっかり徹底的にガードする代わり、他の方面にはいろいろと積極的なイメージがあります。
 指名を取るために指(あるいはそれ以上)を許す女もいるなか、きちんと守りぬいている女には、客としては当然に残念だとしても、その態度を見せられた者としては嬉しい気持ちになります。(希少種の生存を確認したかのような気持ち)

>  私も4です。
>  あとで、5と同列に並ぶ分岐レベルとして、5’もありかと考えました。
>
>    5’ ナマ(ゴムなし)のセックス相手として自分が初 を望む
>
>  やはり4で変わらないとは思いますが。
>

 5’が開設されたなら、5からそこに流れこむ人はいるように感じます。
 私も微妙なところですし。

 それは、対象の女が「ガード」の意味をどこに設定しているかによります。
 ゴムを完璧なガード(もちろんそんなことはないのですが)と女自身が本気で信じているならば、あるいはレベル5’にまでずらせるかも……?

>  男は常に多数の女で「別個にクリア」したいと思いつつ、「安心できる究極の愛する女」を求めていることは確かですね。
>  私も、いちども結婚せずに今まで来ていますが、本音を言うと、恋愛や遊びのための駆け引きなんていい加減面倒だし、生活の第一義でもないので、理解し合えて安らげるただ一人の女を捕まえたいという気持ちはないわけではないですね。
>  ↓ここを見ると、
> http://oshiete.goo.ne.jp/qa/8270670.html
>  ベストアンサー氏がNo.7~No.8で「ヤリチンだった自分が妻一筋に」を語っていますね。
>  いい話です。
>  正直ちょっと憧れます。
>

 いい話ですねえ。
 ベストアンサー氏いいですね。たぶん生き方だってベストです。

 「妻一筋だった自分がヤリチンに」がありえないだけに(∵ヤリチンに転向した途端ただちに「妻一筋ではなかった自分」に改定される)、可能なコースを全部たどった感のある氏に憧れます。

 いみじくも氏はヤリチンを「卒業」したといっています。妻一筋を「卒業」はありえません。
 世に「入学」すらできない男がいるなか、卒業できるものを卒業し、しかも「妻一筋」にゴールインです。

 (1)ヤリチン「入学」できず。
 (2)ヤリチン「入学」できず、「妻一筋」。
 (3)ヤリチン「入学」まではできた。
 (4)ヤリチン「卒業」まではできた。
 (5)ヤリチン「卒業」、「妻一筋」。←ベストアンサー氏

>  浮気したくなくなるほどに愛しい女と暮らす生活、まあ大半の男は本心ではそれを望んでいるかもしれません。
>  現実にはそんな女に巡り会えそうもないので、次善の策として(諦めて)男は「別個にクリア」に走るのでしょう。

 2◎の動きがすすむにつれ、浮気の愉しさ(? 未経験なのでわかりませんが)はなくなっていきそうですね。
 法律の縛りがあるからこそ浮気はたのしいのに! という反発がありそうです。

>  男の進化論的本能も現代環境では「ジーンよりミーム」での分身作りに向かっていますし(第5章)。

 「[…]どのようなミームが生物学的子孫を増やして栄えてゆくかは、あらかじめ予測することはできない[…]」のは、私としては救われるところです。
 どんな弾が当たるものかわからないからこそ、頭やEQなどがべつに優れてはいないことをわかっていてもミーム(と自分が考えるもの)を発信してみようという気になれる、と思うからです。

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Re: 『下半身の論理学』を読みました 投稿者:φ 投稿日:2015年 1月28日(水)05時56分38秒

> No.4040[元記事へ]

しゃもじさんへのお返事です。

>
> あまりに歳の離れた子どもだと一緒にスポーツなどで遊んであげられなくなる、というのも動機になりえますね。
> (思考の最中に「我が子」という単語が出てこない私自身には、あまり響いてこない動機ですが)
>

 子どもというのは、母親さえいれば幸福に育つような気がするのですが、どうなんでしょう。
 父親なんて、しょせん家庭では疎外されるのでは?
 とくに娘は父親を嫌いますしね。
 シングルマザーたちに対し、(法的福祉的サポート以外に)「俺の子かも」と思っている多数の男たちが家庭外から各々適当な加減で支援する、という社会がたぶん一番安定するでしょう。

>
> 性的なことは不特定物で済ませられますね。不特定「物」と書いたのはまさにものでも可能なので。
> 本の中にあった、原始的な挿入によらない文化的な性愛……たぶんこの方面へのあこがれが「よほどの動機」になるのかも、と思います。
>

 あとがきの最後に記した「挿入以外の文化的な性愛」とは、具体的にはさまざまなフェチを念頭に置いていたのですが、性愛が多様化すれば、「本番の相手は配偶者に限る」という純潔主義が定着しうると思います。

 SMプレイ経験なしの非処女と、SMプレイ経験ありの処女だったら、普通の男はどっちをとりますかね。私は断然後者です。
 つまり『下半身の論理学』で禁欲の勧めを説いたつもりは全然なくて、
 未婚のときはSMでもスカトロでも多様な性愛で愛を確かめ合えばいい、ただし挿入はするな(女が心底から挿入されたい性欲を持ち後悔しない自信がある場合を除く)、といった感じです。

 ちなみに、処女より非処女の方が非生殖的プレイに抵抗を示す傾向があるようです。

>
> なるほど。初物スペクトル説(?)ですね。
> (ちなみにこのなかでは4です)
>

 私も4です。
 あとで、5と同列に並ぶ分岐レベルとして、5’もありかと考えました。

   5’ ナマ(ゴムなし)のセックス相手として自分が初 を望む

 やはり4で変わらないとは思いますが。

>
> アドホック日記で取り上げられていた http://open.mixi.jp/user/29675278/diary/1936196074 のレビュアの「あまり嬉しくありませんね(>_<)」について、
> 私は、嬉しくなく思う気持ちは理解できますし、かつ、私自身は別に嬉しくないことはない、という思いなのです。
> それどころか毎日、安心して暮らしていけそうな気までしてしまいます。
>

 男は常に多数の女で「別個にクリア」したいと思いつつ、「安心できる究極の愛する女」を求めていることは確かですね。
 私も、いちども結婚せずに今まで来ていますが、本音を言うと、恋愛や遊びのための駆け引きなんていい加減面倒だし、生活の第一義でもないので、理解し合えて安らげるただ一人の女を捕まえたいという気持ちはないわけではないですね。
 ↓ここを見ると、
http://oshiete.goo.ne.jp/qa/8270670.html
 ベストアンサー氏がNo.7~No.8で「ヤリチンだった自分が妻一筋に」を語っていますね。
 いい話です。
 正直ちょっと憧れます。

>
> それでいて2◎にも「別個にクリア」のためには賛成なのです。
> しかし、これは、結婚でなくてもいいのかなと考えました。つまり、お店の利用ということですが。
>

 浮気したくなくなるほどに愛しい女と暮らす生活、まあ大半の男は本心ではそれを望んでいるかもしれません。
 現実にはそんな女に巡り会えそうもないので、次善の策として(諦めて)男は「別個にクリア」に走るのでしょう。
 男の進化論的本能も現代環境では「ジーンよりミーム」での分身作りに向かっていますし(第5章)。


Re: 『下半身の論理学』を読みました 投稿者:しゃもじ 投稿日:2015年 1月27日(火)23時07分13秒

> No.4039[元記事へ]

φさんへのお返事です。


>  (ただし人さまざまで、私の知る独身男で、「彼女は経産婦だから」とか言ってセックスのチャンスを見送ったのがいましたが……)

帝王切開の痕があるとちょっと……という話を最近よみましたが、
ひょっとすると経産婦であることを決定づける情報だからなのかもしれませんね。

>  ★から考えると(2)もあてはまりそうですね。
>  しかし、付き合った女と深入りして、責任上結婚せねばならなくなった、などというとき、
>  相手女性が条件◆に程遠かったりしたら不本意ですよね。
>
>  そういう万一の場合を考えると、
>  ある程度力の入った恋愛においては、◆をすべてクリアできないまでも重要項目についてはクリアしている女を選ぼう。
>  そこで(2)が否定され、(1)が成立するのでしょう。

★(=こだわらないタイプだ)と言っているのに(2)(=実はこだわりがない)をあっさり否定していたことに無自覚でした。

恋愛への力の入れようで、◆(=条件)については重要項目に絞るよう調整が入ると。(ミニマックス)
この場合の「力の入った恋愛」というのは、「他の異性との関係を制限される」という機会コストも惜しくないような恋愛、ということですね。
そして、そのような投資も構わないとするのは……結婚がちらつくからでしょうか。

>  理想が関わってくるのは女の結婚観であって、
>  男の場合は理想より、そもそも動機が生まれるかどうかなのでは。

ここは、はじめ「読んで理解でき、かつ、実感が伴っていない」という状態になりましたが、
おそらく◆と理想とを取り違えたからだと思います。

>  女にとって結婚は明らかにメリットがありそうですが、
>  男にとっては率直に言って結婚はとりわけメリットはないんですよね。
>  生殖的タイムリミットもないので「結婚しなきゃ」的プレッシャーも自覚もなく、よほどの動機づけが必要なわけです。

あまりに歳の離れた子どもだと一緒にスポーツなどで遊んであげられなくなる、というのも動機になりえますね。
(思考の最中に「我が子」という単語が出てこない私自身には、あまり響いてこない動機ですが)

>  「性行為の安定した相手を確保したい」は結婚の動機になりえますが、
>  結婚せずとも女が簡単にやらせてくれる社会では、その動機もありませんしね。
>  逆に夫婦間でのレイプも認定されるようになった人権社会では、性的には結婚のメリットは全くないと言えます。

性的なことは不特定物で済ませられますね。不特定「物」と書いたのはまさにものでも可能なので。
本の中にあった、原始的な挿入によらない文化的な性愛……たぶんこの方面へのあこがれが「よほどの動機」になるのかも、と思います。

>  初物趣味にもいろんな段階がありそうです。厳格な順に、
>  彼女にとって
>  1 付き合う相手として自分が初 を望む
>  2 キスを含む粘膜接触相手として自分が初 を望む
>  3 セックス(レイプを含む)相手として自分が初 を望む
>  4 自発的セックスの相手として自分が初 を望む
>  5 オルガスムを得た相手として自分が初 を望む
>   ……

なるほど。初物スペクトル説(?)ですね。
(ちなみにこのなかでは4です)

> 「同時に成り立たない条件を別個にクリア」は重要ですね。
>  男の本音は2◎支持なのだと思います。
>  女の本音は1◎でしょう。
>  現在のフリーセックスの風潮は、1◎を捨てながら2◎を確立できないという中途半端な状況です。
>  そこに処女厨問題が発生するわけですね。

いまの正直な思いなのですが、1◎を賛成と書いたのは、ここを読んだいまでも変わりませんね。
うーん、なぜなのでしょう……。

アドホック日記で取り上げられていた http://open.mixi.jp/user/29675278/diary/1936196074 のレビュアの「あまり嬉しくありませんね(>_<)」について、
私は、嬉しくなく思う気持ちは理解できますし、かつ、私自身は別に嬉しくないことはない、という思いなのです。
それどころか毎日、安心して暮らしていけそうな気までしてしまいます。

それでいて2◎にも「別個にクリア」のためには賛成なのです。
しかし、これは、結婚でなくてもいいのかなと考えました。つまり、お店の利用ということですが。
(ここでもまた「我が子」のことを視野に入れない私の考え方が出ているようです)

>  出産した病院で直ちに検査をする制度にすれば、その問題はクリアできるでしょう。
>  赤ちゃん取り違えも防げますから女にとってもメリットありです。

これは、確かにそうでした。そうすると3◎については完全に賛成です。
(ここではなぜか意識にのぼる「我が子」……)


Re: 『下半身の論理学』を読みました 投稿者:φ 投稿日:2015年 1月27日(火)16時26分14秒

> No.4038[元記事へ]

しゃもじさんへのお返事です。

>
> 恋人に関しては気にしないタイプです。・・・★
> 恋人が配偶者に変身する見込みはない、という条件付きで……。
>

 やはりそうですか。
 恋愛と結婚は別ですよね。男にとっては。
 (ただし人さまざまで、私の知る独身男で、「彼女は経産婦だから」とか言ってセックスのチャンスを見送ったのがいましたが……)

>
>  《独身主義かつ処女厨》という状態に不安定な感じを覚えるのは…
>  私が次のいずれかだから;
>  (1)実は独身主義者ではない
>  (2)実は処女にこだわりがない
>

 ★から考えると(2)もあてはまりそうですね。
 しかし、付き合った女と深入りして、責任上結婚せねばならなくなった、などというとき、
 相手女性が条件◆に程遠かったりしたら不本意ですよね。

 そういう万一の場合を考えると、
 ある程度力の入った恋愛においては、◆をすべてクリアできないまでも重要項目についてはクリアしている女を選ぼう。
 そこで(2)が否定され、(1)が成立するのでしょう。

>
> そうすると《独身主義者かつ処女厨》というのは《やたら理想の高い処女厨》のこと…?
> 私はちょっと考え直したほうがよいのかもしれません。
>

 理想が関わってくるのは女の結婚観であって、
 男の場合は理想より、そもそも動機が生まれるかどうかなのでは。

 女にとって結婚は明らかにメリットがありそうですが、
 男にとっては率直に言って結婚はとりわけメリットはないんですよね。
 生殖的タイムリミットもないので「結婚しなきゃ」的プレッシャーも自覚もなく、よほどの動機づけが必要なわけです。
 「性行為の安定した相手を確保したい」は結婚の動機になりえますが、
 結婚せずとも女が簡単にやらせてくれる社会では、その動機もありませんしね。
 逆に夫婦間でのレイプも認定されるようになった人権社会では、性的には結婚のメリットは全くないと言えます。

>
> 自分の考え方を点検してみると、「我が子」とか「投資」といった単語が見当たりませんでした。
>

 「投資」には「機会コスト」も含まれると考えれば、
 「他の異性との関係を制限される」という機会コストは、「結婚における投資」のうち重要な要因ではないでしょうか。このコストは、女にとってより男にとってダメージが大きいですし。

>
> となると、『下半身の論理学』本文中の「初物趣味説」に重なりそうなところですが、★により、「初物趣味」にもなりきれていないようです。
>

 初物趣味にもいろんな段階がありそうです。厳格な順に、
 彼女にとって
 1 付き合う相手として自分が初 を望む
 2 キスを含む粘膜接触相手として自分が初 を望む
 3 セックス(レイプを含む)相手として自分が初 を望む
 4 自発的セックスの相手として自分が初 を望む
 5 オルガスムを得た相手として自分が初 を望む
  ……

>
> >  ともあれ
> >  1◎結婚まで純潔を守るべしという風潮を定着させる
> >  2◎結婚制度をゆるくして多夫多妻制にする
> >  3◎父子DNA鑑定を法的に義務づける
> >  少子化対策は
> >  この3通りしかないというのが『下半身の論理学』の主張です。
>
> 1◎に賛成します。
> 2◎は《初回は初物厨》としては一瞬とまどいますが、◆のような条件を掲げる私としてはよろこぶべき制度なのかもしれません。(同時に成り立たない条件を別個にクリアできるかもしれないため)
>

「同時に成り立たない条件を別個にクリア」は重要ですね。
 男の本音は2◎支持なのだと思います。
 女の本音は1◎でしょう。
 現在のフリーセックスの風潮は、1◎を捨てながら2◎を確立できないという中途半端な状況です。
 そこに処女厨問題が発生するわけですね。

>
> 3◎は、賛成とともに、精度(鑑定の前後も含めた精度)が気になるところです。
> DNA鑑定自体は99.9999%の精度を誇っていたとしても、別な人のサンプルと取り違えていないか、とか、その鑑定書は本物なのか、とか。
>

 出産した病院で直ちに検査をする制度にすれば、その問題はクリアできるでしょう。
 赤ちゃん取り違えも防げますから女にとってもメリットありです。


Re: 『下半身の論理学』を読みました 投稿者:しゃもじ 投稿日:2015年 1月26日(月)23時33分57秒

φさんへのお返事です。

ご回答とお返事、ありがとうございます。

> 処女厨の多くは、結婚と関係ない恋愛においては相手女性が処女かどうかあまり気にならないものだと思うのですが、しゃもじさんはどうなんでしょう。
>  恋人にも処女を求めるタイプですか?

恋人に関しては気にしないタイプです。・・・★
恋人が配偶者に変身する見込みはない、という条件付きで……。

※恋人が配偶者になる見込みがないときにかぎり、比べられることはなんともない、
 正確には、比べられることについては考えにもおよんでいない、といった感じです。

>  独身主義者なら、終生の投資が義務づけられないのだから(相手を変えるのは自由なのだから)処女にこだわる動機は薄いと思うのですが……

あらためて、なぜ独身主義者なのに処女にこだわりを持っているのかを考えてみました。

 《独身主義かつ処女厨》という状態に不安定な感じを覚えるのは…
 私が次のいずれかだから;
 (1)実は独身主義者ではない
 (2)実は処女にこだわりがない
 (3)実は(1)かつ(2)だ

(1)はありそうだと思いました。
実現することのない厳しい条件や、同時に叶うことのない不可能な条件を設定していて、これがクリアされるならばぜひとも結婚したいし、心の底からよろこんで終生投資したい、いや、させてほしい。

でも、もともとクリアできるような設定になっていない。・・・◆
私が条件をゆるめないかぎり、私の外形は独身主義者とほとんど変わりなく、しまいには自分で自分自身を独身主義者と錯覚してきている……。

(2)はなさそうです。というのは(1)の条件の中には処女であることも含まれるため。
(3)は(2)がなさそうなので、なし、と。

そうすると《独身主義者かつ処女厨》というのは《やたら理想の高い処女厨》のこと…?
私はちょっと考え直したほうがよいのかもしれません。

>  現代日本のようにガッチリ一夫一妻の家族制度が確立されていると、
> 女〈確実な我が子を少数〉vs.男〈不確実な我が子を少数〉
> となってしまい、バランスが崩れ、終生投資を義務づけられる男の側に強迫神経症的処女厨衝動がくすぶり続けるわけですね。

 現代の日本のような強固な結婚制度(レベル1)、
 少しゆるめた結婚制度(レベル2)、
 そして乱婚制(レベル3)

の各制度内に自分を置いて、《処女厨》度に変化が見られるか考えてみました。

どうも、レベル1~3にかかわらず、何かこだわりが残ります。
かつ、これを考えている間の自分の考え方を点検してみると、「我が子」とか「投資」といった単語が見当たりませんでした。

となると、『下半身の論理学』本文中の「初物趣味説」に重なりそうなところですが、★により、「初物趣味」にもなりきれていないようです。

当座の決着点は、「私は《「初回は初物で」趣味者》なのだろう」というところです。
振り返ると、ゲーム、本、車、建物賃貸借など、私は「初回の契約のみ」初物にものすごいこだわりを見せているのですが、そのあとは平気で中古品も選択肢に入れています。

「初回に一度でも初物メダルが獲得できれば、あとはこだわらない」といった考えなのだと思います。

>  ともあれ
>  1◎結婚まで純潔を守るべしという風潮を定着させる
>  2◎結婚制度をゆるくして多夫多妻制にする
>  3◎父子DNA鑑定を法的に義務づける
>  少子化対策は
>  この3通りしかないというのが『下半身の論理学』の主張です。

1◎に賛成します。
2◎は《初回は初物厨》としては一瞬とまどいますが、◆のような条件を掲げる私としてはよろこぶべき制度なのかもしれません。(同時に成り立たない条件を別個にクリアできるかもしれないため)

3◎は、賛成とともに、精度(鑑定の前後も含めた精度)が気になるところです。
DNA鑑定自体は99.9999%の精度を誇っていたとしても、別な人のサンプルと取り違えていないか、とか、その鑑定書は本物なのか、とか。

>  本当のフリーセックスのためには、セックスフリーの女の立場を尊重する(男に迎合しない女を支持する)風潮が必要なのですけれどね。

そうですね。
なぜかふと、「女は結局のところ、頭の良いのが最高だ」というフレーズを思い出しました。

性別年齢関係なく、大切なひとが何かに(自由の結果ではなく不自由の結果として、)迎合している状態、あるいは実際にそんなことはなくても、迎合するんじゃないかという予感だけで、とても不安になります。

長々と失礼しました。


Re: 『下半身の論理学』を読みました 投稿者:φ 投稿日:2015年 1月26日(月)03時12分28秒

> No.4035[元記事へ]

しゃもじさんへのお返事です。

 いや、付録までみっちりお読みいただけたようで嬉しい限りです。

>
> 意外だった(自分の直感とずれた)のは、《?♀厨》を表現するには結婚制度が必要なことです。
>

 結婚制度があっても、現代日本のように強固なものではなく離婚が簡単にできて婚外子を育てやすい乱婚社会であれば、処女厨は激減するでしょうね。
 第3章の適応度説のところで述べたように(紙の本でpp.179-80)、
 多夫多妻社会では、女〈確実な我が子を少数〉vs.男〈不確実な我が子を多数〉で釣り合いがとれるからです。

 現代日本のようにガッチリ一夫一妻の家族制度が確立されていると、
女〈確実な我が子を少数〉vs.男〈不確実な我が子を少数〉
となってしまい、バランスが崩れ、終生投資を義務づけられる男の側に強迫神経症的処女厨衝動がくすぶり続けるわけですね。

>
>  「私は一生シングルでいるつもりで、かつ《?♀厨》である。
>  このとき《?♀厨》の表現にはなぜ結婚制度を絡めないといけないのか…
>  …あっ、そもそも結婚制度がなければ《シングル》という状態もないのか(あれ?)」
>
> などと読後も脳内でぐるぐるしているところです。
>

処女厨の多くは、結婚と関係ない恋愛においては相手女性が処女かどうかあまり気にならないものだと思うのですが、しゃもじさんはどうなんでしょう。
 恋人にも処女を求めるタイプですか?
 独身主義者なら、終生の投資が義務づけられないのだから(相手を変えるのは自由なのだから)処女にこだわる動機は薄いと思うのですが……

 (2ちゃんねるなどでよく言われる「処女厨は比べられるのを嫌う非モテ」という思い込みが間違いであることは、恋愛では処女厨もとくに処女を求めはしないという事実から明らかです)

 電子書籍の誤記のご指摘ありがとうございました。青土社に伝えておきます。
 当該箇所、紙の本では誤記はありませんでした。

 目次と章タイトルの表記を「×♀厨」としたのは、「処女」という言葉を出してしまうと、序章の問のネタバレになってしまうからでした。
 ただ、今になってみると、ネタバレになってもわかりやすさの点から「処女厨」という言葉を明示すべきだったかなと思います。

 ともあれ
 1◎結婚まで純潔を守るべしという風潮を定着させる
 2◎結婚制度をゆるくして多夫多妻制にする
 3◎父子DNA鑑定を法的に義務づける
 少子化対策は
 この3通りしかないというのが『下半身の論理学』の主張です。

 1に関しては、セックスに関してはマスコミが右も左もこぞって「自由化」派で、純潔主義など唱えようものなら売れなくなるから絶対に非処女を貶めるようなことは書きませんし、
 かといって一夫一婦制に異を唱えるような「暴論」も出したがらない。
 保守にも前衛にもなりきれない状態でいつまでも推移ですかね……

 本当のフリーセックスのためには、セックスフリーの女の立場を尊重する(男に迎合しない女を支持する)風潮が必要なのですけれどね。


先の投稿の文字化けについて 投稿者:しゃもじ 投稿日:2015年 1月25日(日)20時09分0秒

先の投稿ですが、肝心の表記が化けていたので、訂正します。
《?♀厨》というようにクエスチョンマークに化けているところについて、
クエスチョンマークは本来、「ばつ」「エックス」「加減乗除の乗」マークに準ずるものを表示させようと意図しました。(《X♀厨》)


『下半身の論理学』を読みました 投稿者:しゃもじ 投稿日:2015年 1月25日(日)20時01分9秒

『下半身の論理学』を読みました。ものすごく、面白かったです。

以下、感想と誤記のご報告と質問(と蛇足)です。

(感想)

《?♀厨》というテーマはかなり私秘的で、見てはいけないものを覗いているような楽しさがありました。
デリケートでドロっとしたイメージのある《?♀厨》が読み進めるごとに分析的に処理されていく感じが爽快で、
特に、図表A-1を見たときに絶頂を迎えた感があります。

意外だった(自分の直感とずれた)のは、《?♀厨》を表現するには結婚制度が必要なことです。

 「私は一生シングルでいるつもりで、かつ《?♀厨》である。
 このとき《?♀厨》の表現にはなぜ結婚制度を絡めないといけないのか…
 …あっ、そもそも結婚制度がなければ《シングル》という状態もないのか(あれ?)」

などと読後も脳内でぐるぐるしているところです。

付録1におけるxの母集団が「もし同性だったら」「もし人間じゃなかったら」
「もし人間ファックスなどでできた人間だったら」「もし喪失時の記憶を喪失していたら」などと考えながら
二周目を読み進めていこうと思います。

(電子書籍の誤記について)

紙の書籍でなく電子書籍で購入したので、ページ数を示せないのですが、次は誤記ではないかと思いました。

(1)「OKWeb」→「OKWave」(端末で示される位置No. ではNo. 690)
(2)付録1中、「∀」および「∃」がすべて横書きされていない。
(3)付録1中、「∀x∀y(Sx&Sy→[x]=y&Mx)」(位置No. 5249)のうち、左記で[x]と囲ったxが横書きされていない。

(質問)
そのものズバリを書くのがためらわれたので(なぜか口にするのもつらいです)、
この投稿にあたっては、本に倣って《?♀厨》の表記を使いました。
ところが、振り返るとなぜ処女厨を《?♀厨》と表記するのかなと、素朴な疑問にとらわれました。

※……なぜAかと問うためにはまずAであることを示さないといけないのだろう思いますが、
 本文ではタイトル以外に一切使われていない《?♀厨》の表記がきっと処女厨を示しているというのは、あくまで推定です。

(蛇足)
仲畑貴志の本が目の前の本棚に2冊あって、ふと目にとまりました。

ひとつは赤い色の装丁で、
『みんなに好かれようとして、みんなに嫌われる(勝つ広告のぜんぶ)』という書名です。

もうひとつは青い色の装丁で、
『ホントのことを言うと、よく、しかられる(勝つコピーのぜんぶ)』という書名です。

なんだか、色と、タイトルと、今回読んだ『下半身の論理学』とが、関連しているように感じられました。
さらにはサブタイトルの「広告」がモテ戦略のように見えてきて、「コピー」が生殖のように見えてきたり……。
失礼いたしました。