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三浦俊彦「バートランド・ラッセル」
(小事典)世界から見た日本』(=「エナジー小事典」n.11
/エッソ石油株式会社広報部、1988年12月刊)p.191.


ラッセル Bertrand Russell(1872-1970)

 イギリスの数学者・哲学者・平和運動家。著書『数学原理』『社会改造の諸原理』『西洋哲学史』など七〇冊余。一九二〇年十○月から翌年七月まで北京大学客員教授をつとめた帰途、一九二一年(大正一〇年)七月一七日〜三○日、雑誌「改造」の招聘で日本を訪れた。第一次大戦中の反戦活動のためケンブリッジの教職をおわれ投獄もされた人物として、大正デモクラットたちの共感を得、来日前後にラッセルブームが巻きおこされた。しかしラッセルの方は、中国滞在を楽しみ中国文化を全面的に賞賛したのとは対照的に、戦間期国際社会の危険分子として日本を警戒し、滞日中に接した日本人にも概して悪い印象を抱いた。当時の彼の中国・日本観は『中国の問題』(一九二二年)にまとめられている。戦後、とくにビキニの第五福竜丸事件以後は、反核運動の象徴的拠点としての日本に期待を寄せ、長崎大学の「ラッセル平和財団日本資料センター」等を通じ日本の反核運動家と深い交流を保った。