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バートランド・ラッセル 結婚論 第6章 ロマンティックな恋愛 n.3 - Marriage and Morals, 1929, by Bertrand Russell

Back(前ページ)  Forward (次ページ) 第6章イントロ索引 Contents(総目次)

ギリシア・ローマ的伝統とゲルマン的伝統


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 中世を通じて、キリスト教会のギリシア・ローマ的伝統と、貴族社会のゲルマン的伝統(チュートン民族的伝統)との間に、とても奇妙な区分があった。どちらも文明に貢献したが、その貢献はまったく別個のもの(distinct)であった。キリスト教会は、学問、哲学、教会法、キリスト教世界(キリスト教国)の一体性という理念に貢献したが、これらはいずれも、古代地中海文明(注:ギリシア・ローマ文明)から受け継いだ伝統の所産である。俗人(liaty 平信徒)は、慣習法、非宗教的な政治形態、騎士道、詩、ロマンス(恋愛小説)に貢献した。特にここで関わりのある(我々が関心を持つ/とりあげる)貢献は、ロマンチックな恋愛である。

Chapter VI: Romantic Love

Throughout the Middle Ages there is the most curious division between the Greco-Roman traditions of the Church and the Teutonic traditions of the aristocracy. Each had its contribution to make towards civilization, but the contributions were entirely distinct. The Church contributed learning, philosophy, the canon law, the conception of the unity of Christendom--all of them results of the tradition handed down from Mediterranean antiquity. The laity contributed the common law, the forms of secular government, chivalry, poetry, and romance. The contribution which especially concerns us is romantic love.
(掲載日:2016.07.11/更新日: )