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![]() ラッセル協会会報_第23号 |
「諸君の関心を、次第に広汎かつ非個人的にしていって、ついには自我の壁を少しずつ縮小して、諸君の生命が、次第に宇宙の生命に没入するようにすることである。ラッセルは、こういう考えをもって、しかもほとんど最期まで、自分の年齢に応じた(他から見れば、超人的な!)仕事をし続けた偉人だった。彼にいわすと「青年盛り」の60歳代で、この文章ほど心を鼓舞してくれる文章を、私は知らない。(終)
個人的人間存在は河のようなものであろう。-最初は小さく、せまい土手の間を流れ、烈しい勢いで丸石をよぎり、滝を越えて進む。次第に河幅は広がり、土手は後退して水はもっと静かに流れ、ついにいつのまにやら海へ没入して、苦痛もなくその個的存在を失う。老年になって、このように人生を見られる人は、彼が気にかけ、はぐくむ事物は存在し続けるのだから、死の恐怖に苦しまないだろう。」