バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )

 私たちは,無知のままに教育した若者が,世の中にはこんな悪があるのだということを発見すると,たちまち喜んで悪に走るというような危険を冒してはならない。若い人たちに残酷さへの嫌悪感を植えつけないかぎり,彼らは残酷なことを慎むことはしないだろうし,残酷さが世の中にあるということを知らないかぎり,残酷さへの嫌悪感を持つことはできないのである。

We must not run the risk that the young people whom we have educated in ignorance will turn to wickedness with delight as soon as they discover that there is such a thing. Unless we can give them an aversion from cruelty they will not abstain from it; and they cannot have an aversion from it if they do not know that it exists.
 出典: On Education, especially in early childhood, 1926, Pt. 2: Education of character, chap. 11: Affection and Sympathy
 詳細情報:http://russell-j.com/beginner/OE11-120.HTM

 <寸言>
 現代日本においては、「客観的」で「不偏不党」の歴史教育や報道の名目で、政府批判につながるような学校教育や報道を規制する措置がいろいろ行われている。こういった政府のやり方を国民は許してはならないが、マスコミが政府のコントロール化にある限り、そういった動きをとめることは大変困難だと言わざるをえない。 ラッセルの次の言葉を日頃反芻する必要があるであろう。 「我々の時代において新しいこと(の一つ)は,権力者たち(政府その他大きな権力を持っている人たち)が,自分たちの(様々な)偏見を民衆に押し付けることができる力が増したことである。」 ( What is new in our time is the increased power of the authorities to enforce their prejudices. 出典: Bertrand Russell: Symptoms of George Orwell’s 1984 (1954執筆). Also quoted on Who Said That? BBC TV, Aug. 8, 1958)