バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )

 10歳ないし12歳から思春期にかけて,少年はとても愛情(優しい気持ち)が乏しくなりがちであり,彼の性質に(愛情を)押し付けても何も得ることはない。青少年時代を通じて,大人の生活におけるよりも同情を示す機会が少ない。それはひとつには同情を効果的に表現する力が大人のようにないからであり,ひとつには若い人は多くの場合他の人の利益は除外して(考えることなしに)生きていくために自分を訓練することを考えなければならないからである。

From ten or twelve years old until puberty a boy is apt to be very destitute of affection, and there is nothing to be gained by trying to force his nature. Throughout youth there is less occasion for sympathy than in adult life, both because there is less power of giving effective expression to it, and because a young person has to think of his or her own training for life, largely to the exclusion of other people’s interests.
 出典: On Education, especially in early childhood, 1926, Pt. 2: Education of character, chap. 11: Affection and Sympathy
 詳細情報:http://russell-j.com/beginner/OE11-010.HTM

 <寸言>
 親子愛、兄弟愛、郷土愛、愛国心、その他、愛(情)を義務化することは,その愛(情)を破壊することである。お互いの関係や社会‥国家との関係がよければそういった愛情は自然に育まれてくるはずである。親子愛でも愛国心でも、愛(情)を強制しようとする者は、愛(情)に失敗した者であろう。
 因みに、自民党の新憲法草案では、[愛国心だけでなく)次のように家族愛も義務化しようとしている。おろかな集団である。(憲法は第一に守らなければならないものであるため、たとえば、家族同士が助けあっていない者に対しては、生活保護を与えなかったり、カットしたりすることが「可能」となる。)

(自民党の新憲法草案)
1 家族は、社会の自然かつ基礎的な単位として、尊重される。
  家族は、互いに助け合わなければならない。