バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )

 一般的な言い方で,「勇気を持て,親切にしなさい」などと言うのではなく,子供に何か特定の大胆なことすることを強く勧めて,そのあとで「素晴らしいよ,あなたは勇気がある(少年だ)」と言ってやるとよい。自分のおもちゃの機関車で妹を遊ばせ,妹が大喜びしているのを見ているときに,彼(子ども)に「いいね,あなたはやさしい子だね」と言ってやるとよい。残酷さを扱う場合も,同じ原則があてはまる。つまり,残酷さの芽ばえがほんの少しでも見えはしないかと注意し,発達しないようにするのである。

Do not say, in a general way, “Be brave, be kind “, but urge him to some particular piece of daring, and then say’ ” Bravo, you were a brave boy” ; get him to let his little sister play with his mechanical engine, and when he sees her beaming with delight say, ” That’s right, you were a kind boy.” The same principle applies in dealing with cruelty : look out for its faint beginnings and prevent them from developing.
 出典: On Education, especially in early childhood, 1926, Pt. 2: Education of character, chap. 9: Punishment
 詳細情報:http://russell-j.com/beginner/OE09-070.HTM

 <寸言>
  幼児はいろいろな意味で経験や体験が乏しく(注:言語経験も乏しく)抽象的な思考がほとんどできないことを親は忘れてあるいは気付かず、一般的な言い方をしてしまうことが少なくない、子どもの反応によって、自分が言ったことを子どもが理解したかどうかわかるが、子どもが反発して返事をしなければ、言ったことが理解されたかどうかわからない。そうやって思い込みや誤解が育っていく。