私たちは皆、何かを達成すること(or 何かに影響力を及ぼすこと)を好むが,権力愛に関するかぎり,何を達成するか(or 何に影響力を与えるか)について気にしない。おおざっぱに言って,達成が困難であればあるほど,達成の喜びはますます大きくなる。人はフライ・フィッシングを好むが,それは難しいからであり,木に止まっている鳥を撃とうとしないのは,易しいからである。
We all like to effect something, but so far as the love of power is concerned we do not care what we effect. Broadly speaking, the more difficult the achievement the more it pleases us. Men like fly-fishing, because it is difficult ; they will not shoot a bird sitting, because it is easy.
出典: On Education, especially in early childhood, 1926, Pt. 2: Education of character, chap. 6: Constructiveness.
詳細情報:http://russell-j.com/beginner/OE06-010.HTM
<寸言>
自分が才能のある事柄において成功すれば気持ちがよいが,自らの弱点を克服して成功したほうがもっと爽快感を味わうことができる。
逆に以前できていたことが少しずつできなくなると少し憂鬱になったり,いつまでも若い時と同じことができるはずはないと諦観を覚えるようになる。そうであっても、死ぬまで、できるだけ自分でできることを多く残したいと考えるが、重い病気になればそれも叶わぬ夢となる。
従って、年をとると「健康第一」が大部分の人の合言葉となる。90歳の老人は「為せば成るなさねばならぬ何事も」などと言わないであろう。70歳を超えれば「(何でも)為せば成る」なんて言わなくなる、また,思わなくなるであろう。言うとしたら自分に対してではなく、他人(特に若い人)に対してであろう。