中庸は,面白くない教義(信条)であり,私は若い時には中庸を軽蔑と憤りをもって退けたことを覚えている。なぜなら,その当時,私が賛美したのは英雄的な極端であったからである。だが,真理はいつも面白いわけでないけれども,多くの事柄が-実際には,面白いという以外に有利な証拠はほとんどないが-面白いという理由だけで信じられている。
The golden mean is an uninteresting doctrine, and I can remember when I was young rejecting it with scorn and indignation, since in those days it was heroic extremes that I admired. Truth is not always interesting, and many things are believed because they are interesting; although, in fact, there is little other evidence in their favour.
出典: The Conquest of Happiness, 1930, chap. 16:Effort and resignation
詳細情報:http://russell-j.com/beginner/HA27-010.HTM
<寸言>
人の噂などというものは頼りない・いいかげんなものであり,多くの場合,間違っている。しかし人は,自分の場合だったら憤慨するようなことも,他人のことの場合は「ありえる」と思ってしまいがち。お互い,人(他人)の噂話は,疑ってかかった方が安全である。噂話の対象が,敵・嫌いな相手であれ,味方・好きな相手であれ・・・。