バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )

  恐怖はどのようなものであれ、直視しないことによってよりひどいものになっていく。考えをよそへそらそうと努力すれば、目をそむけようとしている幽霊の恐ろしさが一段と増してくる。あらゆる種類の恐怖に対処する正しい道は、理性的かつ平静に、しかし極力集中的に、その恐怖がすっかり身近なものになるまで考えることである。

Now every kind of fears grows worse by not being looked at. The effort of turning away one's thoughts is a tribute to the horribleness of the spectre from which one is averting one's gaze; the proper course with every kind of fear is to think about it rationally and calmly, but with great concentration, until it has become completely familiar.
 出典: The Conquest of Happiness, 1930, chap.5: Fatigue
 詳細情報:http://russell-j.com/beginner/HA15-060.HTM

 <寸言>
 現実を直視したくないということで,見て見ぬふりをすると,余計にまずい状態になりやすいというお話。いかなることにおいても現実を直視したほうがよいが,それがあまりにも辛いあるいは恐ろしいという場合には,少しずつならしていけば,いずれ慣れてきて,正面から対処できるようになるはず。いづれにしても現状や事実を正しく認識することは大事であり,まず最初にやるべきことであろう。