バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )

 自己を超越するものに思考と希望を集中できる人は,人生の普通の悩みごとの中に,全くのエゴイストには望めない,ある種の安らぎを見いだすことができる。

The man who can centre his thoughts and hopes upon something transcending self can find a certain peace in the ordinary troubles of life which is impossible to the pure egoist.
 出典: The Conquest of Happiness, 1930, chap.5: Fatigue
 詳細情報:http://russell-j.com/beginner/HA15-030.HTM

 <寸言>
 自己中心的な人間(エゴイスト)や自己を過大評価する人間の不幸。
 自己を客観視できる人間は極端な不幸に陥らない。
 自分を超えるものの視点で(ただし神の視点ではなく)世界や自己をみられる人間は幸福。

 ラッセルが自己を超越するものとここでいっているのは一神教の「神」(たとえばキリスト教のイエスなど)ではない。
 アインシュタインの場合と同じく,宇宙的宗教感情とでもいったらよいか・・・。宇宙の広大さから考えれば一人の人間はごくちっぽけな塵のようなものであるが,そんなちっぽけな人間がこの広大な宇宙を想像することができるという不思議さ・・・等々。