バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )

 私たちは,オスロからトロンハイムまで,水上飛行艇(海上飛行艇)でいかなければならなかった。飛行艇が着水した時,何かまずいことが起こったことが明らかとなった。・・・後で知ったことであるが,禁煙になっている客室にいた19人の乗客は全員死亡した。飛行艇が海面にぶつかった時,穴があき,そこから海水が急に流れ込んできたのである。それより先,オスロで,私のために席をとってくれようとしていた友人に,席をとってくれるなら喫煙できるところにしてくれなければ困ると伝え,さらにおどけて「もし私が煙草を吸えないようなら,死んでしまう!」と伝えた。それは,思いがけなく事実となった。

When our plane touched down on the water it became obvious that something was amiss, but none of us in the plane knew what it was. ... We later learned that all the nineteen passengers in the non-smoking compartment had been killed. When the plane had bit the water a hole had been made in the plane and the water had rushed in. I had told a friend at Oslo who was finding me a place that he must find me a place where I could smoke, remarking jocularly, 'If I cannot smoke, I shall die'. Unexpectedly, this turned out to be true.
 出典: The Autobiography of Bertrand Russell, v.3 chap. 1: Return to England, 1969
 詳細情報:http://russell-j.com/beginner/AB31-090.HTM

 <寸言>
 ラッセルは、1921年初春に、北京でインフルエンザにかかって危篤に陥ったが、九死に一生を得ることができた。1948年にも、ノルウェーのトロンハイムに向かう水上飛行艇に乗っていて墜落し、ラッセルを含め、喫煙室にいた乗客だけが生き残った。ラッセルは、喫煙の害を言われると、それはわかるが、でも、私は喫煙をしていたために命が助かったのだから・・・と、おどけて「煙に巻いて」いた。