バートランド・ラッセルの言葉366_画像版

　いま一つ例をあげて申しますと,地球と火星の間に楕円形の軌道にのって回転している中国製の陶器製のティーポットがないとは誰も証明することができませんが,だからといって,そういうものがあるということが,実際に十分に計算に入れられるべきだなどとは誰も考えません。私は,キリスト教の神も,ちょうどこれと同じように実在しそうもないと考えます。

To take another illustration : nobody can prove that there is not between the Earth and Mars a china teapot revolving in an elliptic orbit, but nobody thinks this sufficiently likely to be taken into account in practice. I think the Christian God just as unlikely.
　出典:Dear Bertrand Russell,1969.
　詳細情報：http://russell-j.com/beginner/AGNOSTIC.HTM

　＜寸言＞
　有名な「天空のティーポット」の喩えです。
　ウィキペディアにも「ラッセルのティーポット」という見出しで解説が書かれています。 　即ち、「宇宙のどこかに地球と火星の間を通って太陽を周回するティーポットがあると主張する者が、それは誤りであると誰も証明できないことを根拠にして、周回するティーポットの存在を信じることを求めるのはナンセンスである。（「神の存在」の証明についても同様である。）」という指摘です。