バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )


 楽観主義はそれが信頼できる間は気持ちがよいが,一旦信頼できなくなればそれは人をひどくいらだだせる,というのが真実である。特に腹ただしいのは,われわれの抱える問題を共有しない人たちがその問題に対して示す楽観主義である。他人の問題(トラブル)をみて楽観的なことを言うことは,その問題の解決あるいは軽減のためのかなり具体的な提案を伴わないかぎり,非常に危険である。

The fact is that optimism is pleasant so long as it is credible, but when it is not, it is intensely irritating. Especially irritating is the optimism about our own troubles which is displayed by those who do not have to share them. Optimism about other people's troubles is a very risky business unless it goes with quite concrete proposals as to how to make the troubles disappear or grow less.
 出典:'On optimism' in: Mortals and Others; Bertrand Russell's American Essays, 1931-1935, v.1.
 詳細情報:http://russell-j.com/OPTIMISM.HTM

 <寸言>
現政府や財界人,大企業に務めている人たちの基本的な発想は,強いもの(富める者)がより強くなれば(富めば),いずれ弱いもの(貧しい者)にもそのおこぼれがいく,といったものです(亡き)中国の鄧小平と同じです)。
 ラッセルが言うように,,「特に腹ただしいのは,いつも後回しにされる人々の抱える問題を共有しない人たちが,その問題に対して示す楽観主義」(そのうち低所得者層にも恩恵が行き渡るさ,など)です。
 表面上いくら丁寧に,全国民のことを考えている,と言っても,(たとえば原発は最小限にしてできるだけ自然エナルギーにしていくと言いながらさかんに海外に日本の原発や原発技術を売り込むようなことをしているようでは)虚しく響きます。

 「巧言令色鮮し仁(こうげんれいしょくすくなしじん)」