バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )

 青年期の数年間の私は,とても孤独であり,不幸であった。感情生活においても,知的生活においても,ラッセル家の人々に対して,頑なに秘密を保つことを余儀なくされた。私の関心は,性と宗教と数学の間にわけられた。私は,青年期に性に没頭したことを想い出すと不愉快になる。あの頃私が,どういうふうに感じていたかを思い出したくない。しかし,こういうふうであればよかったといった希望的なことはのべずに,事実あった通りを以下述べるよう最善を尽くしてみよう。
The years of adolescence were to me very lonely and very unhappy. Both in the life of the emotions and in the life of the intellect, I was obliged to preserve an impenetrable secrecy towards my people. My interests were divided between sex, religion, and mathematics. I find the recollection of my sexual preoccupation in adolescence unpleasant. I do not like to remember how I felt in those years, but I will do my best to relate things as they were and not as I could wish them to have been.
 出典:The Autobiography of Bertrand Russell, v.1, chap. 1, 1967
 詳細情報:http://russell-j.com/beginner/AB12-010.HTM

 <寸言>
 赤裸々な自伝の第1巻。
 『ラッセル自伝』(The Autobiography of Bertrand Russell, 3 vols.)には,膨大な量の書簡や日記が収録されています。幼児期のものは少しだけですが、青年期のものは多く含まれています。青年期の日記は祖母などにみられたくないということで、鍵付きの日記帳に「ギリシア語練習帳」とタイトルがつけられ、ギリシア文字で綴られています。15歳くらいからいろいろな思索が綴られており、なかでも宗教(キリスト教)に関してできるだけ客観的に検討しようとした努力を垣間見ることができます。この思索の末についに宗教(キリスト教信仰)を捨てることになります。