もし自分自身の記憶をもとに判断してよければ,幼少時代の重要で人格を形成する印象は,子供らしく何かに夢中になっている最中のほんの一瞬だけ意識にのぼってくるにすぎないし,またそれは決して大人には話さないものである。どんなことでも外部から強いられてするということはない(漫然といろいろなものを観察する)幼少時代は,若い時代のうちでも重要な時期であると私は思う。なぜなら,その時期は,こうした見た目には一瞬であるが,しかし実は(生涯消えることのない)必要不可欠な印象を形成する時間を与えるからである。
If I may judge by my own recollections, the important and formative impressions of childhood rise to consciousness only in fugitive moments in the midst of childish occupations, and are never mentioned to adults. I think periods of browsing during which no occupation is imposed from without are important in youth because they give time for the formation of these apparently fugitive but really vital impressions.
出典:The Autobiography of Bertrand Russell, v.1, chap. 1, 1967
詳細情報:http://russell-j.com/beginner/AB11-050.HTM
<寸言>
幼い子供が,誰からも強制されることなく,何かに夢中になっている時間の貴重さ
美しい文章だと思いますが,・・・?
「三つ子の魂百まで」という諺がありますが,幼少時代の体験や経験は,普通人が思うよりも,のちのちまで影響を与えるので,重視する必要があるということですね。