ラッセルの言葉(短文篇)

不可知論って宗教?

 その刑務所(注:ラッセルが反戦運動のために第一次世界大戦のときに入れられたブリクストン刑務所)に到着した時,入所のための調書をとらなければならない入口の看守によって,私は大変愉快な気分を味わった。彼が私の信仰している宗教は何かと尋ねたので,私は「不可知論者」(agnostic)だと答えた。彼はその語はどのように綴るのかと尋ねた。そうしてため息をつきながらこう言った。
「まあなんというか,宗教はたくさんあるけど,全ての宗教が同一の神を拝んでいると思いますね」。
 この一言が,その後の約一週間,私を愉快にしてくれた。
 (また)ある時,私がリットン・ストレイチーの『著名なヴィクトリア朝時代人』を読んでいるとき,余りに声高に笑ったので,その看守が大笑いするのを止めさせるためにやって来て,刑務所は処罰の場所だということを忘れてはいけませんと言った。・・・。
 出典: ラッセル『自伝』第1巻第5章「 初婚」
I was much cheered, on my arrival, by the warder at the gate, who had to take particulars about me. He asked my religion and I replied 'agnostic'. He asked how to spell it, and remarked with a sigh: 'Well, there are many religions, but I suppose they all worship the same God.' This remark kept me cheerful for about a week. One time, when I was reading Strachey's Eminent Victorians, I laughed so loud that the warder came round to stop me, saying I must remember that prison was a place of punishment.

Source: The Autobiography of Bertrand Russell, v.2, 1968, chap. 1: The First War.
More Info.:http://russell-j.com/beginner/AB21-270.HTM