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ラッセル『権力』(松下彰良・訳)

Power; a new social analysis, by Bertrand Russell
(London; George Allen & Unwin, 1938)


総目次

第5章「王権」 イントロ累積版

  1. 王の起源は,聖職者(僧侶)の起源と同様,先史時代(有史以前)からのものであり、王権発達の初期の段階は、最も遅れた未開人たちの間に今なお残っているものから推測するほかはない。

  2. しかし,この種の王権(が存在するため)には,(それ以前に)長期にわたる政治の発展や未開人の社会よりずっと高度に組織化された社会がなくてはならない

  3. 移住や外国(人)の侵入は,慣習破壊の強い力であり,従って,政府の必要(性)を生む強い力でもある。

  4. 初期の(原始時代の)族長(部族長)が発達して歴史上の王(注:歴史に名前をとどめている王)になっていった段階がどのようなものであったにせよ,エジプトとバビロニアにおいては,歴史的記録が存在している最も初期の段階でこの過程は既に完了していた。

  5. ハンムラビ大王は,自ら,灌漑の利用について次のように記録にとどめている。

  6. ギリシア人は,多くの都市国家において,歴史的記録が始まった時期以前に(注: at or before 始まった時期及びそれより前/みすず書房の東宮訳では歴史的記録が始まった時期を含めず「史実に残っている時期より前」と誤訳),政治的支配者としての王を排除した。

  7. 蛮族の侵入によって,君主制が再び導入(採用)されたが,そこには(幾分の)相違が伴っていた。

  8. ルネッサンス期の君主制には,カトリック教会と争っていた初期の王と比較して,一つの大きな長所があった。
  9. 商業は,王(君主)が封建的無政府状態に対抗するのを支援(支持)したけれども,自分たちが十分強力だと感した時には,常に共和主義的であり続けてきた
  10. フレデリック・バルバロッサの時代のロンバルディア同盟とともに始まった商業とナショナリズムの同盟(関係)は,次第にヨーッパ全体に広まり,ロシアの二月革命において,その最後かつ束の間の勝利を達成した。

  11. 伝統的権力は,外部から破壊されない場合は,ほとんど常に,一定の展開を通り抜ける(生き残る)。

  12. けれども,これらは全て,制限つきの革命であった。
第6章 むきだしの権力