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Marriage and Morals, 1929

ラッセル『結婚論(結婚と性道徳)』(松下彰良・訳)

第七章 女性の解放 n.8

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第七章 女性の解放 n.8

 以上の事情を考えると、多くの男性が経済的な理由で早い時期に結婚することは不可能と考えている一方で多くの女性がまったく結婚できないでいる以上、男女平等のためには、女性の美徳(ここでは性的美徳/貞操)の伝統的な基準の緩和が要請される,ということが明らかになる(注:第一次世界大戦により多くの男性が戦死。そのため長期間にわたって結婚できない女性が存在していたことに注意)。(男女平等の立場に立つのであれば)もしも、男性に婚前の性交(prenuptial intercource)が許されるのであれば(事実そのとおりであるが)、女性にもまたそれが許されなければならない。また、女性のほうが男性よりも多いすべての国において、算術的必然から(数があわないために)未婚のままでいなければならない女性たちがまったく性体験を禁じられているのは、明らかに不公平である。疑いもなく、婦人運動の先駆者たちは、こういう結果を視野(考慮)に入れていなかった。しかし、現代の後継者たちは、そのことをはっきりと認識している。そうして、誰であれこの結論に反対する者は女性に対する正義(公正さ)を支持していないという事実を直視しなければならないのである。

Chapter VII: The Liberation of women, n.8

In view of the above circumstances, it is evident that so long as many men for economic reasons find early marriage impossible, while many women cannot marry at all, equality as between men and women demands a relaxation in the traditional standards of feminine virtue. If men are allowed prenuptial intercourse (as in fact they are), women must be allowed it also. And in all countries where there is an excess of women it is an obvious injustice that those women who by arithmetical necessity must remain unmarried should be wholly debarred from sexual experience. Doubtless the pioneers of the women's movement had no such consequences in view, but their modern followers perceive them clearly, and whoever opposes these deductions must face the fact that he or she is not in favour of justice to the female sex.
(掲載日:2016.08.01 /更新日: )