「アメリカ,ファースト」,「世界は,セカンド」。

 しかし,戦争には反対であるが,各国政府が紛争時において自己の立場の最終的判定者である現在のシステムに賛成であるという意見には,いかなる論理の見せかけすらないことは確かである。もしも戦争が永久に廃絶されるべきであるならば,抵抗できない軍事力を備えた国際的な政府の樹立以外には不可能であろう。

But you cannot say, with any semblance of logic, that you are against war but in favour of the present system, according to which, in a dispute, every government is the ultimate judge in its own case. If war is ever abolished, it will have to be by the establishment of an international government possessed of irresistible armed forces.
出典: Right and Might (written in early of 1930s and pub. in 1975 in Mortals and Others, v.1, 1975.]
詳細情報:http://russell-j.com/SEIGI.HTM

<寸言>
「アメリカ、ファースト」を唱えるトランプは、いかなる小国も自国ファーストを唱える権利があると言っているのであろうか? そうであれば、小国は自国ファーストは実際上不可能であることから、弱肉強食になるだけであり、世界は紛争、悪ければ第三次世界大戦が起こりかねない。そうでないとしたら、つまり、自国やソ連など大国は自国ファーストを唱えてよいが、それ以外は自国セカンドであるべきだと言っているのであろう。
日本は? トランプの気持ちは、対米関係においては、アメリカ、ファーストであり、日本はセカンドに徹しろ、ということであろう。