自力で考えること -「有識者」を悪用して全て決められては困る

seizentaii_katayotteiru02 私たちの日常活動の大部分は,協調的であるべきであり,協調は本能的な基礎を持っていなければならない。にもかかわらず,私たちは皆,自分が特によく知っている事柄については自力で考えられるようになるべきであり,また,自分が大切だと信じている場合には,たとえ人気のない意見でも公言する勇気をもっているべきである

The bulk of our ordinary activities must be co-operative, and co-operation must have an instinctive basis. Nevertheless, we should all learn to be able to think for ourselves about matters that are particularly well known to us, and we ought all to have acquired the courage to proclaim unpopular opinions when we believe them to be important.
出典: On Education, especially in early childhood, 1926, chap. 2: The Aims of Education
詳細情報:http://russell-j.com/beginner/OE02-220.HTM

<寸言>
世の中の複雑化にともない,現代ではそれぞれの分野の専門家(有識者/学識経験者等)でなければよくわからないことが増えてきている。それを良いことに、政府や官庁や自治体などでは「有識者会議」(からなる第三者委員会)などが設けられ、その答申や提言を尊重してものごとが決められることが多くなっている。
abe_manuplate 大方の国民もそういった提言や意見を尊重することになりやすいがここには非常に大きな危険がある。政府などが自分たちに都合のよい人々(有識者!)を選んで有識者会議などを設置し、為政者の望む提言や意見を言わせるという事態が多くなってきている。天皇の生前退位の問題に関する有識者会議などはその典型であろう。有識者会議が意見を求めた専門家の人選は非常に偏っていると言わざるを得ない。安倍総理の後ろ盾となっている人物が多すぎる。