小学校にあがる前に道徳教育を完了させる必要あり

4-chara 子供が六歳になるまでには,道徳教育はほぼ完成していなければならない。即ち,後年必要になるであろうそれ以上の道徳的美点については,既得の良い習慣と,既に刺激を受けた野心の結果として,少年少女が自発的に伸ばしていくべきものである。その年齢以後に,道徳教育がいろいろと必要になるのは,幼年期の道徳教育がなおざりにされたか,あるいは,良くなかったかという場合のみである。

By the time the child is six years old, moral education ought to be nearly complete ; that is to say, the further virtues which will be required in later years ought to be developed by the boy or girl spontaneously, as a result of good habits already existing and ambitions already stimulated. It is only where early moral training has been neglected or badly given that much will be needed at later ages.
出典: On Education, especially in early childhood, 1926, Pt. 2:Education of character, chap. 4: Fear.
詳細情報:https://russell-j.com/beginner/OE04-010.HTM

[寸言]
gizen_aida-mituo 幼いうちに(6歳までに)できるだけ良い習慣を身につけることが重要。良い習慣をいっぱい身につけていれば、道徳的であろうと努力しなくても、「道徳的な」人間であることができる。
小学校にあがってから必要な道徳教育は、価値判断をするにあたって、知識や情報が必要なものが中心となるべきであり、「道徳」を説教によって強制的に身につけさせるようなことをしては逆効果となる。
その意味合いを理解しない政治家や教育行政担当官(教育行政を担当している国家公務員や地方公務員)が多すぎる。(なかには、それに気づいて、幼稚園も義務教育の範疇に入れて、少国民に対する愛国心教育が必要だと考えている「愛国的な」政治家も一定程度存在している。「従順な」国民づくりは幼児から、といった思いか。)