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我々の欲求は,実際のところ,多くのモラリスト(道徳家)が考えているよりも一般的なものでありかつそれほど利己的なものではない。もしそうでなかったらいかなる倫理学の理論も道徳的改善を可能としないだろう。実際,人々が現在よりも人類の一般的幸福に一致するように行為するようになるのは倫理的理論によってではなく,知性や幸福や恐怖からの解放を通しての広範かつ寛容な欲求の育成(開拓)によってである。
Our desires are, in fact, more general and less purely selfish than many moralists imagine ; if it were not so, no theory of ethics would make moral improvement possible. It is, in fact, not by ethical theory, but by the cultivation of large and generous desires through intelligence, happiness, and freedom from fear, that men can be brought to act more than they do at present in a manner that is consistent with the general happiness of mankind.
Source: Religion and Science, 1935, by Bertrand Russell
More info.: https://russell-j.com/beginner/RS1935_09-130.HTM
<寸言>
「最大多数の最大幸福の達成」(できるだけ多くの人々が幸福を享受できること)を人類はめざすべきであろうが、だからといって(最大幸福が可能だからといっ)、「公共の利益」のためには一部の集団や一部の国(つまり、マイノリティ)が不当な扱いを受けても仕方がない、とは言えない。
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