バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )

 たとえば,日本は,純粋に軍事的な手段で,「偉大な」軍事力に欠くことのできない原材料を中国で獲得した。また,同様にして英国とフランスも,近東(Near East)の石油を獲得した。しかし,両者(日本も英仏)ともに,それ(他国の領土への侵入/侵略)以前に,かなりの程度のエ業的発展(産業の発達)がなかったならば,それ(他国の領土への侵入など)は不可能であったであろう。戦争における経済的要因の重要性は,戦争がより機械化され,科学的なものになるにつれて,着実に増大している。

For example, Japan, by purely military means, has acquired in China raw materials which are essential to great military strength, and in like manner England and France have acquired oil in the Near East, but both would have been impossible without a considerable degree of previous industrial development. The importance of economic factors in war steadily increases as war becomes more mechanized and scientific.
 情報源: Power, 1938.
 詳細情報:https://russell-j.com/beginner/POWER08_220.HTM

 <寸言>
 経済は必然的に多国籍化していく。多国籍企業を生むのは強大な国家である。多国籍企業は世界中に自分の子会社を置き、全体で最も利益をあげる方策をとるので、ふたつの、相反する性格を持つ。一つは、本社のある自国の制約をできるだか受けないように、規制と戦う側面であり、もうひとつは、海外にある子会社の利益や安全を守るために、自国の強大な軍事力に頼るという側面である。