バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )

 性関係における道徳(性道徳)は,迷信にとらわれていない場合は,本質的に,相手を尊敬すること,及び,相手の気持ちを考慮することなしに,個人的満足のための手段としてのみ相手を利用したがらないこと,から成り立っている。売春婦に敬意が払われ,性病の危険が除かれたとしても,(それでもやはり)売春が望ましくないのは(望ましくないままであるのは),この原理に背くからである。

Morality in sexual relations, when it is free from superstition, consists essentially of respect for the other person, and unwillingness to use that person solely as a means of personal gratification without regard to his or her desires. It is because prostitution sins against this principle that it would remain undesirable even if prostitutes were respected and the risk of venereal disease were eliminated.
 情報源: Bertrand Russell :Marriage and Morals, 1929
 詳細情報:https://russell-j.com/beginner/MM11-080.HTM

 <寸言>
 国が豊かになると経済的な理由で売春婦になる女性は減っていく。しかし、求愛という面倒なことをせずに性的満足を得たい男性は、(男女同権の意識が高い国の男性でも)後進国に観光などで行った時に「旅の恥はかき捨て」「みんなで(一緒に)やれば怖くない」の精神で売春婦を利用することがけっこうある(過去にけっこうあり、メディアに報じられた。いわゆる「観光売春」である。) たとえば、日本人の男性グループがタイなどで「集団買春」をしたことが世界に報道され、評判を落としたことが何度かあった。