まえがき |
★第1章 半島の南向き問題 |
1 なぜ世界の半島はほとんど南向きなのか? | 地形の謎 |
2 原因が「ある」と言うだけで十分か? | 物理学的説明 |
3 説明の参照点は何だろう? | 相対的な還元 |
4 「なぜ」とはどういう意味か? | 事実と確率 |
5 非物理学的な還元とは? | 心理的偏向 |
6 南向き問題の論理学的教訓は? | 還元、前提、習慣 |
7 必ずしも答える必要はない? | 哲学的解答 |
8 よい問いと悪い問いがある? | 意味と事実の一致 |
9 「よい問い」「悪い問い」の判別法は? | 質問の特定性 |
10 「南向き問題」は悪い問いなのか? | 事後的な問い |
11 「南向き問題」がよい問いであるためには? | 事実と意義の独立性 |
12 悪い問いがよい答えを持つ? | ヒューリスティクス |
13 結論が正しければすべてよしなのか? | 論理の手続き |
14 日本列島の半島は? | ヒューリスティクスとロジックの相乗作用 |
15 「私」という神秘? | 自我体験の論理 |
16 「この問い」は特別な体験か? | 自己確証的な文 |
[コラム] クイズ:なぜ真ん中に命中しているのか? |
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★第2章 論理とは何か |
1 「論理的」とは何か? | 中庸の徳 |
2 「論理」が嫌われるのはなぜ? | 文化、科学技術、数学 |
3 「論理」の反対語は? | 論理と感情 |
4 問題解決の方法は論理だけか? | 論理とひらめき |
5 能率的な解き方とは? | アルゴリズムとヒューリスティクス |
6 論理と直観を併用すると? | 非存在証明 |
7 なぜあのとき言わなかったのか? | 試行錯誤と規定適用 |
8 「他の条件が等しければ」? | 論理の適用範囲 |
9 決めたことは実行すべし? | 抑止戦略のパラドクス |
10 言語にいつ論理が備わるのか? | 論理と主張 |
11 偏見が論理と結びつくと? | 論理と独断 |
12 枠組みをどのように埋めるか? | 論理と事実 |
13 事実と論理は区別できるか? | 経験的事実と論理的真理 |
14 論理は思考の楽譜である? | デジタルとアナログ |
15 分析できないところまで分析すると? | 論理とクオリア |
16 1+1=2は実験できるか? | 論理と因果 |
17 行動と理屈が矛盾することはあるか? | 論理と実践 |
18 なぜ人間は論理的能力を持つのか? | 論理と自然 |
[コラム] クイズ:代表性ヒューリスティクス |
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★第3章 論理学とは何か |
1 何が正しいか決められるのか? | 真と偽 |
2 真でも偽でもない文とは? | 有意味と無意味 |
3 日常言語と論理言語の違いは? | 主語と述語 |
4 文はなぜ真か偽でありうるのか? | 文と命題 |
5 同じ文でも時によって意味が違う? | 文と言明 |
6 「したがって」で思考が生まれる? | 文と推論 |
7 推論は多次元である? | 論理的vs蓋然的/理論的vs実践的/論理学的vs心理学的 |
8 論理で脳の限界を超えるには? | 推論と理論 |
9 議論の出発点は何か? | 公理と定理 |
10 偽なる文の否定は必ず真? | 文否定と述語否定 |
11 辻褄を合わせるにはどうするか? | 矛盾 |
12 絶対的真理がある? | トートロジー |
13 「クジラは肺呼吸する」は間違いだ! | 深層と表層 |
14 言語には無限のレベルがある? | 対象とメタ |
15 自分自身について自分で語れるか? | 嘘つきのパラドクス |
16 拡張してゆくための推論とは? | 演繹と帰納 |
17 類推が認識を作り出す? | アナロジー |
18 名前で指し示すのか性質で指し示すのか? | 外延と内包 |
19 間違いないはずなのに間違っている? | パラドクス |
[コラム] 論理記号のまとめ |
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★第4章 論理学の規則 |
1 足し算も割り算も仕組みは同じ? | 関数 |
2 どれが関数でどれが関数でないのか? | 対応付け |
3 {真、偽}を{真、偽}に変換する? | 真理値と真理関数 |
4 真偽が機械的に決まらなくても関数? | 非真理関数 |
5 「かつ」とは何か? | 真理関数と時間 |
6 ふたたび「かつ」とは何か? | 順接、逆接、因果 |
7 「または」とは何か? | 両立的選言と背反的選言 |
8 「ならば」とは何か? | 真理関数と内容的関連 |
9 「ならば」を定義するには? | 真理表による計算 |
10 「ならば」の定義は変ではないのか? | 「ならば」のパラドクス |
11 「ならば」が伝える情報量は? | 必要条件、十分条件 |
12 論理と集合は同じ記号を使っている? | 「ならば」と包含関係 |
13 文はどのようにしてできるのか? | 命題関数 |
14 なんであれ「関数」と解釈してよい? | 論理学の自由さ |
15 開いた文、閉じた文とは何か? | 定項と変項、量化子 |
16 「すべて」「ある」という言葉は論理に不可欠? | 量化 |
17 「なんでも栄養になる」は論理学ではどう書くの? | 「すべて」の論理形式 |
18 「誰かが走る」は論理学ではどう書くの? | 「ある」の論理形式 |
19 どうして論理学の文法は日常言語と違うのか? | 「すべて」「ある」の論理形式 |
20 論理式は意外と自由である? | 論理式への複数の翻訳 |
21 論理式に翻訳してみよう! | 練習問題 |
22 現実ではない世界も存在する? | 様相と可能世界 |
[コラム] 論理学における例文について |
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★第5章 論理学の原理 |
1 当り前の原理が役に立つ? | 同一律 |
2 原理の正しい表現法は? | 矛盾律と排中律 |
3 排中律は必ず正しいか? | 真理述語の範囲 |
4 「でないことはない」は「である」なのか? | 二重否定 |
5 三段論法の基本とは? | 前件肯定、後件否定 |
6 正しいはずの原理がなぜ間違う? | 対偶 |
7 正面から説得できないときの論証法は? | 構成的ジレンマ |
8 「宇宙人はいないかもしれない」の否定文は? | 部分否定と全部否定 |
9 きめ細かい三段論法を使うには? | 全称例化、存在汎化 |
10 具体例と一般論を往復する推論とは? | 全称汎化、存在例化 |
11 望ましい推論を続けてゆくコツは? | 演繹定理 |
12 何かが「ない」ことをどうやって証明する? | 背理法 |
13 なぜ科学や論理学が可能なのか? | 充足理由律、無差別原理、斉一性原理 |
14 説明はスリム化するべきである? | オッカムの剃刀 |
15 自分は特別だと思ったら大間違い! | 平凡の原理 |
16 自分は平凡だと思ったら大間違い! | 観測選択効果 |
17 相手の言葉は正しいと想定せよ? | 寛容の原則 |
18 適切な文を語れ! | 関連性の原則 |
[コラム] エピメニデスのパラドクス |
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★第6章 誤謬と詭弁…………論理学の反省 |
1 権威に頼れば正しい論証ができる? | 発生論的誤謬 |
2 論点のすり替えはないか? | 燻製ニシンの議論 |
3 結論が先取りされていないか? | 循環論法と論点先取 |
4 いつまで同じ説明が続くのか? | 無限後退 |
5 一定した意味で言葉が使われているか? | 多義性の誤謬 |
6 議論に自作自演がありはしないか? | マッチポンプ論法 |
7 問うに値する問いだなんて誰が決めたのか? | 自己選択の誤謬 |
8 いつのまにそんな結論に行ってしまったのか? | 滑りやすい坂の論法 |
9 正しい推論に似ていれば正しい推論なのか? | 前件否定、後件肯定 |
10 ほんとにその二通りしかないのだろうか? | 二分法 |
11 注目すべき一致点などなかったのでは? | ランダム条件 |
12 その場をしのげればそれでいいのか? | アドホックな説明 |
13 人為的な操作はいつ許されるのか? | ゲリマンダー |
14 続けて起これば関係があるのか? | ポストホックな誤謬 |
15 身代わり相手の無駄な議論になっていないか? | わら人形論法 |
16 「である」から「べし」が導けるか? | 自然主義の誤謬 |
17 誘導尋問にはどんな手口があるか? | 多重質問 |
18 相手の防御を逆用する手は? | 追い込み論法 |
19 隠し通せなければ囮を放て! | 脱臭効果 |
20 調査方法がサンプルを偏らせてしまったのでは? | 選択効果 |
21 言語のレベルが混同されていないか? | 使用と言及 |
22 言語表現そのものの名前が混乱を招く? | 自己言及 |
23 個別方針と客観的判断を区別せよ! | 論点混同の誤謬 |
24 本当の区別はどこにあるのか? | カテゴリーミステイク |
25 同じ議題に注目しているだけでいいのか? | 逆カテゴリーミステイク |
26 すべてを疑う議論に価値があるか? | 完璧主義の誤謬 |
27 自信を持つより謙虚になったほうがよいのでは? | 直観を信ずる誤謬 |
28 「ためにする議論」のどこがいけない? | 確証バイアス |
29 なぜ超能力を信じてはいけないか? | 「神秘」という幻想 |
30 善悪の論争をするために | 倫理という論理 |
[コラム] チャート式「誤謬・詭弁」の一覧 |
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あとがき……論理学を学ぶために |
さくいん |