(トップページ)

バートランド・ラッセルのポータルサイト

バックナンバー索引

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

「(週刊)バートランド・ラッセル(1872.5.18-1970.2.2)に関するメール・マガジン」
  no.0916_2024/12/28 (2006/12/21 創刊/毎週土曜 or 日曜日 発行)
 
 バートランド・ラッセルのポータルサイト: https://russell-j.com/index.htm
     同上 スマホ用メニュー        : https://russell-j.com/index.html
「ラッセルの言葉366_画像版」:
           https://russell-j.com/smart_r366/br366g-j_home.html
           https://russell-j.com/smart_r366/r366g_j-today.html

 R英単語・熟語_総索引: https://russell-j.com/beginner/reitan-idx.htm
 Twitter : https://twitter.com/russellian2

★Rホームページ利用制限コンテンツ閲覧用パスワード: 1872Y0518
 ポータルサイト専用掲示板: http://249.teacup.com/bertie/bbs

[★投稿歓迎:ラッセルに関係するものであれば,ご意見,ご要望,エッセイ,
       ちょっとした情報提供等,何でもけっこうです。投稿は,
       matusitaster@gmail.com 宛,お願いします。
  ◆◆◆
 ◆お願い◆ 楽天で買い物をしている方も多いと思われます。
  ◆◆◆  ラッセルのポータルサイト(トップページ)の検索ボックス経由
       あるいは,ポータルサイトに掲載した個々の楽天取扱商品のリンク
       経由でご購入いただければ幸いです。
        収益はラッセルのホームページのメンテナンス費用や早稲田大学
       のラッセル関係資料コーナ寄贈資料の購入に充当させていただきま
              す。]

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
                                    
    ■ 目 次 ■
          
 1.ラッセルの著書及び発言等からの引用
 2.ラッセルに関する記述や発言等
  編集後記


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 1.ラッセルの著書や発言等から
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

■「ラッセルの英語」n.2830~2829  を発行しました。
  (1)「ラッセル英単語熟語」は、2830-2834
  (2)「ラッセルの英文」は、n.2830-2, 2832-2, 2834-2
 
 1つずつ再掲します。

■■  ラッセルの英語1 n2833 cult R英単語熟語

★ cult [(n)(宗教的な)祭式,儀式;(宗教的な)崇拝,信仰;礼賛;(集
合的に)礼賛者(熱狂者)のグループ;新興宗教 || 
(adj.) 新興宗教の;少数熱狂者グループの]


1.ラッセルの用例

Gradually, however, these heights of sentiment were found fatiguing, 
and in their place came the modern cult of humour.
[しかし次第にこういった極端な感情は疲れるものであることがわかり、現代
のユーモア崇拝(礼賛)がそれにとって代わった。]
 出典:ラッセル『アメリカン・エッセイ集』の中の「ユーモアのセンス」
     https://russell-j.com/HUMOUR.HTM

Men accustomed to difficult negotiations learn a kind of tenderness 
towards the vanity of others and indeed towards all their prejudices,
 which is infinitely shocking to those who make a cult of sincerity.
[他人との困難な交渉に慣れている人間は,相手の虚栄心に対する,また相手の
いろいろな偏見に対する,思いやりを身に着けるが,誠実さを第一と考える者に
とっては,それは非常にぞっとするものである]。
 出典:ラッセル『アメリカン・エッセイ集』の中の「臨機応変の才(気転を
働かせること)について」
     https://russell-j.com/TACT.HTM

I therefore wrote a short piece containing various fables making fun 
of this cult of 'common usage', remarking that what the philosophers
 really meant by the term was 'common-room usage'.
[そこで私は,この「日常的な用法」礼賛をからかった多くの寓話を織り込んだ
短い評論を書き(注:「日常的な用法」礼賛」the cult of common usage は
みすず書房から出されている『ラッセル自伝的回想』に収録されている。),
こう批評した。「日常的な用法」という言葉で哲学者たちが本当に意味してい
るのは,談話室での言語使用法である」と。
 出典:ラッセル『自伝』>第3巻第1章「英国への帰国」]
     https://russell-j.com/beginner/AB31-300.HTM


2.参考例

The leader of the cult infused the believers with total conformity.
[そのカルト教団の教祖は信者に完全なる服従を吹き込んだ。]
出典:『究極の英単語 - 上級の3000語』p.438

His music has become something of a cult. / Her books aren't 
bestsellers, but they have a certain cult following.
出典:Longman Dictionary of Contemporary English, new ed.

Their son ran away from home and joined a cult. / The singer has 
become a cult figure. / The TV series has a cult following.
出典:Oxford Advanced Learner's Dictionary, 6the ed.


■■   ラッセルの英語2: R英文

 バートランド・ラッセルの英語 n2834-2 R英文(2)  
  ラッセル『ヒューマン・ソサエティ-倫理学から政治学へ』
  (Human Society in Ethics and Politics, 1954)

  第7章:罪 n.10

 "正義 "とは、法律主義的な解釈では、「努力と功績に応じた報酬(reward 
according to desert)」を意味すると考えられるかも知れない。しかし、そ
れ自体のための応報的処罰がもはや擁護されない現在において、これは「社会
的に望ましい行為を促進する可能性が最も高い制度上の賞罰(報酬と処罰)」
を意味するにすぎない。処罰を予想していた者が、無償の恩赦を与えられたら
心変わりするということもあるかも知れない。そのような場合はその人を許す
のは正しいであろう、また、社会的に望ましい行為をした者が、明らかに同じ
ような場合には従うべきでない模範を示したかもしれない(ネルソンの盲目)。
要するに、賞罰は、その社会的影響の望ましさに応じて与えられるべきもので
あり、ある種の想定されるメリットやデメリットの絶対的な基準に基づいて与
えられるべきものではない。原則として、社会的に望ましい行いをする人には
報酬を与え、有害な行いをする人には罰を与えるのが賢明であることは疑いな
いが、例外は考えられるし、実際に時折起こりがちである。もし「正しい」行
為が欲望の充足を促進するものであるならば、天国と地獄の信仰に基づくよう
な「正義」の概念は擁護できない。1
* 注:ネルソンの盲目の目:(ChatGPTによる回答)
ホレーショ・ネルソン提督は、彼の艦隊が敵艦隊と交戦する際、敵の方向から
風が吹いているときに、自分の目の失明した側(失明していたのは右目)に望
遠鏡をあて、指揮を執っていたとされています。この行為は、彼が自らの弱点
を無視し、戦局に徹底的に集中する姿勢を表すものであり、その結果として敵
方向の視界を確保するという戦略的な判断でした。この逸話が「ネルソンの盲
目の目」と呼ばれ、転じて何かを無視する、あるいは見逃すといった意味で使
用されるようになりました。)	

“Justice”, in its legalistic interpretation, might be taken to mean 
“reward according to desert”. But when retributive punishment for 
its own sake is no longer advocated, this can only mean “reward and 
punishment on the system most likely to promote socially desirable 
conduct". It might happen, on occasion, that a man who expected 
punishment would undergo a change of heart if he were given a free 
pardon; in that case, it would be right to pardon him. It might also
 happen that a man who has acted in a socially desirable manner might
 have set an example which ought not to be followed in apparently 
similar cases, and on this account it might be proper to punish him.
 (Nelson’s blind eye.) In short, rewards and punishments should be 
awarded according to the desirability of their social effects, and not
 according to some supposed absolute standard of merit or demerit. 
No doubt it will, as a rule, be wise to reward those whose conduct is
 socially desirable and punish those whose conduct is harmful, but 
exceptions are conceivable and are likely actually to occur from time
 to time. Such a conception of “justice” as underlies the belief in
 heaven and hell is not defensible if “right” conduct is that which
 promotes the satisfaction of desire.
Source: Bertrand Russell: Human Society in Ethics and Politics, 1954,
 chapter 7: Sin, n.10
  More info.: https://russell-j.com/cool/47T-0710.htm


■「ラッセルの言葉366_画像版」
   日本語 version : n.2975j-2979j を投稿
   英 語 version : n.2975e-2979e を投稿

   n2979 ( Dec. 27, 2024)
 
  「宗教と死の恐怖」

 ほとんどの宗教に含まれている神話は、死の恐怖を具体的に表現したもので
ある。キリスト教以前の多くの宗教は、死後の生(魂の存続)があるとしても
、不幸な状態で生き残ると教えていた。キリスト教は、つい最近まで、人類の
大多数が永遠の苦しみにさいなまれると教えていた。このような教えはもはや
教会の教義ではなくなり、魔女狩りや異端に対する処罰もかつてのようには行
われていない。もしかすると、こうした変化から恐怖や残虐性は過去の世紀に
比べて現代の人々にはそれほど大きな影響を及ぼしていないという結論を導く
かもしれない。・・・。(しかし)共産主義国では新たな形の神学的残虐性が
台頭しており、それらの国々に関して楽観主義が正当化されるかどうか、私は
疑念を抱いている。
The myths embodied in most religions gave expression to the fear of 
death. Most pre-Christian religions taught that the dead, if they 
survive at all, survive unhappily. Christianity, until quite recently,
 taught that the great majority of mankind would suffer eternal 
torment. This is no longer the teaching of the Church, and witchcraft
 and heresy are not punished as they were. Perhaps one may draw from
 these changes the conclusion that fear and cruelty have not as great
 a hold upon modern men as they had in earlier centuries.... 
In Communist countries new forms of theological cruelty have arisen, 
and I doubt whether optimism is justified where they are concerned.
Source: Bertrand Russell: Human Society in Ethics and Politics, 1954,
 part II: The Conflict of Passions, chapter 4: Myth and Magic, n.8
More info.: https://russell-j.com/cool/47T-2_0408.htm

<寸言>
 共産主義国だけを例にあげれば「他所の国の出来事だ!」ということになっ
てしまいます。また、統一教会の教義はひどいものであり、それをまともに信
じている日本人はほとんどおらず、信者も十数万人しかいないそうです。しか
し、彼等は無報酬で選挙活動を支援してくれるということで、裏で彼らのサポ
ートを得ている政治家が少なくないということであり、楽観視はできません。
If we cite only Communist countries as examples, it might be dismissed
 as "That’s an issue for other countries!" implying it has nothing to
do with Japan. Furthermore, the teachings of the Unification Church 
are appalling, and it is said that hardly any Japanese people genuinely
believe in them, with the number of adherents being between one hundred
 thousand and two hundred thousand.. However, since they offer unpaid 
support for election campaigns, it is reported that quite a few 
politicians secretly receive their backing, making it a situation we 
cannot afford to view with optimism.

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
(2) ラッセルに関する記述や発言等 
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 今回もお休み

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 編集後記 「寄る年波には勝てず・・・」ということにいずれなるのか?
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 今年も「ラッセルの言葉366」をラッセルのポータルサイトや facebook 等に
1日も休むことなく投稿し続けることができました。人間の命には限りがあるの
であと何年継続できるか自分でもよくわかりません。残念なことに、ある一定量
の作業をするのに、若い時に比べて3割から5割くらいよけいに時間がかかって
いるように思えます。皆さんはどうでしょうか?

 年末年始くらい、少しゆっくりしたいと思います。そこで、年末年始(12.29~
2025.01.03)はメルマガ「ラッセルの英語」を休刊とします。
 みなさん、よいお正月をお迎えください。 (松下)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■編集・発行:(松下彰良/まつした・あきよし)
■ご意見・ご感想・お問合せはお気軽に : matusitaster@gmail.com

■登録・解除・変更はこちら: https://russell-j.com/R3HOME.HTM
■WEBサイト: https://russell-j.com/
     ( top page: https://russell-j.com/index.htm )
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━