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「(週刊)バートランド・ラッセル(1872.5.18-1970.2.2)に関するメール・マガジン」
  no.0890_2024/06/29 (2006/12/21 創刊/毎週土曜 or 日曜日 発行)

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    ■ 目 次 ■
          
 1.ラッセルの著書及び発言等からの引用
 2.ラッセルに関する記述や発言等
  編集後記


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 1.ラッセルの著書や発言等から
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■「ラッセルの英語」n.2706~2710  を発行しました。
  (1)「ラッセル英単語熟語」は、2706-2710
  (2)「ラッセルの英文」は、n.2706-2, 2708-2, 2710-2
 
 1つずつ再掲します。

■■  ラッセルの英語 n2707:R英単語熟語 challenge (revised)

★ ★ challenge [(v) 挑発する;異議を唱える; || (n) 挑発,決闘;努力
(意欲など)を呼び起こすこと;手応えのあること;挑戦(状態)]

* M.ピーターセン『実践 日本人の英語』(岩波新書)p.67説明: ・・・。
改めて指摘しておこう。「challenge + 目的語」には「~を挑発する」や「~
に異議を唱える」などの意味はあるが,「~に挑戦する」という意味は無い。
* しかし、ピーターセン氏の指摘は一面的とも言える。「挑戦」には「戦いを
いどむこと」以外に「北極探検に―する」のように、「困難なことにいどむ」
という意味もある。そこで、ChatGPT と対話してみました。ChatGPT の意見は
以下の通りです。

【 M. Petersen氏が『実践 日本人の英語』で指摘していることについてです
が、彼の主張は部分的に正しいです。英語の「challenge + 目的語」には、
「~を挑発する」や「~に異議を唱える」といった意味が一般的です。しかし
、「~に挑戦する」という意味もないわけではありません。

具体的には、「challenge + 目的語」が「~に挑戦する」という意味を持つこ
とは少なく、文脈によっては異なる意味に解釈されることが多いです。例えば
、「challenge someone」は「誰かに挑戦する」とは限らず、「誰かを挑発す
る」や「誰かに異議を唱える」という意味合いで使われることが一般的です。

あなたが示した「Take on the challenge of exploring the North Pole」と
いう表現は適切です。この場合、「take on the challenge of ~」というフ
レーズを使うことで、「~に挑戦する」という意味を明確に表現しています。
このように、「challenge」という単語を使う場合には、適切なフレーズを選
ぶことが重要です。

他の例として、「挑戦する」という意味を表すフレーズには、「accept the
 challenge」、「face the challenge」、「rise to the challenge」などが
あります。これらの表現を使うことで、「challenge」を「挑戦する」という
意味で使うことができます。

したがって、M. Petersen氏の指摘は、文脈に応じて部分的に正しいと言えま
すが、適切なフレーズを選ぶことで、「challenge」を「挑戦する」という意
味で使うことも可能です。】

* challenged (adj.):(disable の婉曲表現で)身体に障がいがある,ハンデ
ィを負った
* challenging (adj.):やりがいのある、興味をそそる、難しい


1.ラッセルの用例

Traditional power everywhere was challenged by the Jacobins, but it 
was Napoleon's armies that made the challenge effective.
[伝統的な権力はどこでもジャコバン派によって異議を唱えられたが(挑発さ
れたが)、その異議(挑発)を効果的なものにしたのはナポレオンの軍隊であ
った。]
 出典:ラッセル『権力』第7章「革命的な権力」
     https://russell-j.com/beginner/reitan-c027.htm

The man who is courageous in any matter except physical danger is also
 thought ill of. Indifference to public opinion, for example, is 
regarded as a challenge, and the public does what it can to punish the
 man who dares to flout its authority.
* flout (vi):(法律・規則などを)ばかにする,無視する (vt)(・・・を)
屈辱する,ばかにする
[肉体的な危険以外の事柄について勇気のある男性は,それがどのような事柄で
あれ,良くは思われない。たとえば,世論を無視することは,一つの挑発(行為)
とみなされ,その権威をあえて馬鹿にした人を,世間は,あらゆる手段をつくし
て罰しようとする。]
 出典:ラッセル『幸福論』第5章「疲労」
     https://russell-j.com/beginner/HA15-070.HTM

I subsequently came to think this book much too Kantian, but it was 
fortunate for my reputation that my first philosophical work did not
 challenge the orthodoxy of the time. It was the custom in academic 
circles to dismiss all critics of Kant as persons who had failed to 
understand him, and in rebutting this criticism it was an advantage to
 have once agreed with him.
* rebut (v):反駁する,論駁する
[後に私は,この本注:ラッセルの修士論文を25歳の時に出版したものはあまり
にカントよりであると考えるようになったが,私の最初の哲学に関する著作が,
当時の正統派に対し異議を唱えなかったことは,私の名声のためには幸いなこ
とであった。(以下の記述は,皮肉)カントを批判する者はすべて,カントを理
解し損ねたものとして簡単に片付けてしまうのが,当時の学界(英国哲学会/
学者仲間)の慣例であった。また,こうした批判に反駁をあびせるにあたって,
私が以前カント(Immanuel Kant, 1724-1804)に賛成していたことがあるとい
うこと(事実)は,'何かと好都合'であった。]
 出典: ラッセル『自伝』第1巻第5章「 初婚」
     https://russell-j.com/beginner/AB15-120.HTM

Trivial or not, the matter was a challenge.
[つまらないものであろうとなかろうと,この問題は(私に対する)1つの挑戦
状であった。]
 出典:ラッセル『味と真偽性の探求』序論
     https://russell-j.com/beginner/AB16-050.HTM



2.参考例

I challenged him to a game of tennis. / Traditional female roles are 
constantly being challenged by contemporary feminists.
 出典:Longman Dictionary of Contemporary English, new ed.

visually [aurally] challenged
[視覚に [聴覚に] 障がいのある」
 出典:『キクタン Super 12000』,p.123.


■■  ラッセルの英語 n2710-2 ラッセルの英文

 ラッセル『ヒューマン・ソサエティ-倫理学から政治学へ』
  (Human Society in Ethics and Politics, 1954)

 第4章:善(善い)と悪(悪い) n.8

 私達が手段ばかりを考えることから抜け出すと、経済過程、そうして人間生
活全体が、まったく違った様相を呈する。私達は次のようなことはもはや尋ね
ない。(即ち)生産者は何を生産し、消費者は消費によって何を生産すること
を可能にしたか? その代わりに、私達は次のように尋ねる。(即ち)消費者
と生産者の生活の中に、生きていることをよいと思わせるものは何か存在した
か? 慈悲深い創造主を正当化し、恨みから世界を創造した邪悪なデミウルゴ
ス(下位の神でこの宇宙の創造主)の異端に異議を唱えたりできるようなこと
を、彼ら(生産者や消費者)は感じたり、知ったり、行ったりしただろうか?
 彼らは新しい知識の栄光を経験しただろうか? 彼らは愛と友情を知ってい
るだろうか? 彼らは太陽の光や春や花の香りを喜んだことがあるだろうか?
 彼らは素朴な共同体がダンスや歌で表現する生きる喜びを感じたことがある
だろうか? 私は、かつて、ロサンゼルスで、メキシコ人のコロニーに連れて
行ってもらったことがある。無為な放浪者だと聞かされていたが、私には、心
配性で勤勉なホスト・ファミリーが享受している以上に、彼らは人生を呪いで
はなく、恩恵として享受しているように見えた。しかし、この感覚を説明しよ
うとしたところ、私は無表情で全く理解に欠けた反応を受けた。
When we escape from the exclusive contemplation of means, the economic
 process, and the whole of human life, takes on a completely different
aspect. We ask no longer: what have the producers produced, and what
has consumption enabled the consumers in their turn to produce? We ask
 instead: what has there been in the lives of consumers and producers 
to make them glad to be alive? What have they felt or known or done 
that could justify a benevolent Creator and refute the heresy of a 
wicked demiurge who created the world out of spite? Have they 
experienced the glory of new knowledge? Have they known love and 
friendship? Have they rejoiced in sunshine and the spring and the 
smell of flowers? Have they felt the joy of life that simple 
communities express in dance and song? Once in Los Angeles I was taken
to see the Mexican colony - idle vagabonds, I was told, but to me they
 seemed to be enjoying more of what makes life a boon and not a curse
than fell to the lot of my anxious hard-working hosts. When I tried to
 explain this feeling, however, I was met with a blank and total lack
 of comprehension.
 Source: Bertrand Russell: Human Society in Ethics and Politics, 1954,
 chapter 4: Good and Bad, n.2
  More info.: https://russell-j.com/cool/47T-0408.htm


■「ラッセルの言葉366_画像版」
   日本語 version : n.2791j-2797j を投稿
   英 語 version : n.2791e-2797e を投稿

 1つだけ再録します n.2794j (June 25, 2024)
    https://russell-j.com/smart_r366/r366g_j2794.html

 「虚栄心」

 虚栄心は計り知れないほど大きな影響力を有している動機(動因)である。
子供と多くの関わりを持っている人であれば, 彼らは常に何かふざけたことを
やっては,「ほら,見て!」と言うのを知っている。「ほら,見て!」(私に注目
!)というのは人間の心の最も基本的な欲求の一つである。それは, ふざけた
行為から死後の名声の追求まで, 無数の形をとることができる。

Vanity is a motive of immense potency. Anyone who has much to do with
 children knows how they are constantly performing some antic, and 
saying "Look at me". "Look at me" is one of the most fundamental 
desires of the human heart. It can take innumerable forms, from 
buffoonery to the pursuit of posthumous fame.
Source: Bertrand Russell: Human Society in Ethics and Politics, 1954,
pt.2,chap.2: Politically Important Desires (Nobel Prize Acceptant 
Speech
More info.: https://russell-j.com/cool/47T-020201.HTM

<寸言>
 幼少期の頃は、私達は皆、「これを見て!(私を見て!)」と言って、親な
どの注意をひこうとすることが度々あったと思われますが、成長するにつれて
そのような振る舞いはなくなっていきます。
 しかし、一定数の人は、大人になっても、強い自己顕示欲を持ち続け、絶え
ず「これを見て!(私を見て!)」と言って、自己顕示欲を満足させようとし
ます。本当に自分のやりたいことをやり、その成果を多くの人にみてもらいた
いというのなら理解できますが、ただただ注目されたいがために、あまり褒め
られないことをいろいろやり続ける人は、愚かに見えます。

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(2) ラッセルに関する記述や発言等 
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 今回もお休み

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 編集後記 グーグル「NotebookLM」 - 自分専用AIを作る?
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 生成AIの発展にはめまぐるしいものがあります。汎用の生成AIだけでなく、
日本語に特化したものも作られつつあり、また、分野別のものも今後いろいろ
作られそうです。

 本日、Googleが2024年6月にリリースした「NotebookLM」に関する次の記事
が目にとまりました。

 「自分専用AIを作る グーグル「NotebookLM」を家電取説・辞書・時刻表
  で使う」
  https://www.watch.impress.co.jp/docs/topic/1602337.html

 書かれていることを少し、列挙してみます。

・グーグル「NotebookLM」は、自分だけのオリジナルAIデータベースが作れる
 サービス
・ユーザー自身の手でデータ登録して「知識」を与えることにより、そのデー
 タを前提にしたやり取りや分析が可能になる。
・汎用AI(Google GeminiやOpenAI ChatGPT)は、確かではない情報をもっとも
らしく回答してしまう「ハルシネーション」が課題になっているが、登録データ
を元にした回答しかしない NotebookLMは、(データに嘘がない限り)ハルシネー
ションと言える現象は原理的に発生しない。
・ただし、NotebookLMが扱えるのはテキストベースのデータのみ
・また、(現在のところ)1つのノートブックにアップロードできるのは最大90
ファイルまで(合計容量は200MBまで)

 これを読んですぐに思いつきました。将来、アップロードできるデータ量が
格段に増えれば、バートランド・ラッセルのポータルサイトにアップロードし
てある膨大なデータ(2万件近くのコンテンツ)をグーグル「NotebookLM」サ
イトにアップロードすれば、たいへん強力な知識データベースになるはずだ!

「アップロードしたデータを前提にしたやり取りや分析が可能」であるならば、
ラッセルの様々な知見を前提にした対話や議論をすることができ、論理的思考
能力や判断力も格段に向上するはずだ・・・???

 Google のことだから実現するだろうと思っていますが・・・?(松下)


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■編集・発行:(松下彰良/まつした・あきよし)
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