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「(週刊)バートランド・ラッセル(1872.5.18-1970.2.2)に関するメール・マガジン」
  no.0876_2024/03/17 (2006/12/21 創刊/毎週土曜 or 日曜日 発行)

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    ■ 目 次 ■
          
 1.ラッセルの著書及び発言等からの引用
 2.ラッセルに関する記述や発言等
  編集後記


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 1.ラッセルの著書や発言等から
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■「ラッセルの英語」n.2635~2639  を発行しました。
  (1)「ラッセル英単語熟語」は、2635-2639
  (2)「ラッセルの英文」は、n.2635-2, 2637-2. 2639-2
 
 1つずつ再掲します。

■■ バートランド・ラッセルの英語 n.2635R英単語熟語 antecedent
     
★ antecedent【(adj.) 先の、前の、先行する | (それ)以前の出来事;(関
係詞の)先行詞:来歴;(論理学)前件】

* 語源:ラテン語の"antecedere"(先行する)に由来。"ante"(前)+ 
"cedere"(行く)
* antecedence (n):(時間・順序が)先立つこと、先行


1.ラッセルの用例

But volition could not itself be always the result of antecedent 
causes, since, if it were, we should not be responsible for our 
actions.'
[しかし,意志はそれ自体必ずしも先行する原因の結果ではありえない。なぜ
なら,もしそうであったとすると,我々(人間)は自分の行為に対し責任を持
たなくてよいことになるからである(注:自分の意志とは関係なく,自分の行
為には抵抗できない原因があるとしたら,人間は自分の行為に責任を持てない
=持たなくて良い,ということになってしまう)。]
 出典:ラッセル『宗教と科学』第5章「魂と肉体」
     https://russell-j.com/beginner/RS1935_05-100.HTM

At present, we know of no relevant difference in the antecedents of
 the two different choices, but some such difference may be found any
 day..
[現在のところ,我々は二つの異なった選択がなされる先行(状態)(antecedent
 前件;先立つもの,先行するもの)の相違について何も知らないが,何時かそ
のような相違が見出されるかも知れない。]
 出典:ラッセル『宗教と科学』第6章「決定論」
     https://russell-j.com/beginner/RS1935_06-070.HTM

It should be noted that all of them state only probabilities, not 
certainties, and are designed only to confer that finite antecedent 
probability which Keynes needs to validate his inductions..
[これら(の要請)は全て確率を述べているのであって確実性を述べているの
ではないこと、ケインズが帰納法(の妥当性)を検証するために必要と考える
ところの、有限の先行確率(finite antecedent probability:)を与えるた
めにのみ企図されていることに留意する必要がある。]
 出典:ラッセル『私の哲学の発展』第16章「非論証的推論」
     https://russell-j.com/beginner/BR_MPD_16-140.HTM


2.参考例

antecedent to that
[それに先立って]
 出典:『究極の英単語 v.4 - 超上級の3000語』p.474

In the sentence "I saw John and spoke to him", "John" is the antecedent
 of "him".
 出典: Longman Dictionary of Contemporary English, new ed.

antecedent events
 出典: Oxford Advanced Learner's Dictionary, 8th ed.

An antecedent of something happened or existed before it and was 
similar to it in some way..
 出典: Collins COBUILD English Dictionary for Advanced Learner's, new
 ed.


■■  ラッセルの英語(2) n2639-2 ラッセルの英文

 ラッセル『ヒューマン・ソサエティ-倫理学から政治学へ』
  (Human Society in Ethics and Politics, 1954)

 第1章 n.12

 けれども、私の考えでは、タブー道徳に頼ることに反対する議論(論拠)の
方が、タブー道徳に頼ることに賛成する議論(論拠)よりも、かなり強力であ
る。私は現在、一つの合理的な倫理の説明(詳説)を試みているので、自分の
目的(目ざすところ)が正しいことを示すために、それらの議論(論拠)を説
明しなければならない。

 第一の議論(論拠)は、近代的な教育と科学が発展した現代社会においては
、自立した思考能力を破壊するように設計された教育を厳しく管理する以外、
単なる伝統的なものを尊重することを維持することは困難であるということで
ある。もしあなたがプロテスタントとして育てられるのであれば、ジャガイモ
を植えるのに悪い日は日曜日ではなくて土曜日であること(注:迷信。勤勉な
プロテスタントが土曜日に休まないようにとの配慮か?)に気づかないままに
しなければならない。またカトリックとして育てられるなら、結婚が解消不能
とされているにもかかわらず、公爵や公爵夫人は、身分の低い無名の夫婦であ
ったら妥当とはされそうにない証拠で、教会から結婚を無効にしてもらえると
いう事実を知らされないままにしなければならない。必要とされるその愚かさ
の程度は社会的に有害であり、厳格な隠蔽主義体制によってのみ、(愚かさは)
温存され得るにすぎない。

The arguments against reliance on tabu morality are, however, to my 
mind, considerably stronger than those in favour, and as I am engaged
 in the attempt to expound a rational ethic I must set forth these 
arguments in order to justify my purpose.

The first argument is that, in a modern educated and scientific 
society, it is difficult to preserve respect for what is merely 
traditional except by a tight control over education designed to
destroy capacity for independent thought. If you are brought up as a
Protestant, you must be kept from noticing that Saturday, not Sunday,
 is the day on which it is wicked to plant potatoes. If you are
 brought up as a Catholic, you must remain ignorant of the fact that,
 in spite of the indissolubility of marriage, Dukes and Duchesses can
 have their marriages annulled by the Church on evidence which would
 not be thought adequate for an obscure couple. The necessary degree 
of stupidity is socially harmful, and can only be secured by means of
 a rigidly obscurantist regime.
 Source: Bertrand Russell: Human Society in Ethics and Politics, 
1954, chapter 1, n.12
  More info.: https://russell-j.com/cool/47T-0112.htm


■「ラッセルの言葉366_画像版」
 日本語 version : n.2686j-2693j を投稿
 英 語 version : n.2686e-2693e を投稿

 1つだけ再録しますn.2688j (March 11, 2024)

 「法律と政府」

 法律と政府は、一般的利益を個々人に関連付けようとする制度であり、賞賛
と非難の形の世論も同様である。その結果、警察が効率的に機能しているとこ
ろでは、国民の大多数が犯罪を避けることが有利だと気づく。しかし、法律も
政府も存在しない主権国家間の関係においては、世界の他の国々の犠牲によっ
て自国の利益(国益)を追及すべきではないという議論(論拠)は、妥当では
あっても、政治家にも国民の大部分にも理解されるほど明白なものではない。
(訳注:国際問題における一般的利益というのは、西側諸国の利益でも、東側
諸国の利益でもなく、人類共通の一般的な利益に対する共通認識がないために
、各国の政治家や国民が主張するほど明白なものではない、ということ)

Law and government are institutions by which it is sought to bring the
 general interest to bear on the individual; so is public opinion in 
the form of praise and blame. The consequence is that, where the police
 are efficient, the great majority of the population find it 
advantageous to abstain from crime. But in the relations between 
sovereign States, where there is no law and no government, the 
arguments against national self-seeking at the expense of the rest of
the world, though valid, are not sufficiently obvious to be understood
 either by statesmen or by large sections of the population 
ource: Bertrand Russell: Human Society in Ethics and Politics, (1954),
 chapter 8:Ethical Controversy
More info.:https://russell-j.com/cool/47T-0812.htm

<寸言>
[Law and government are institutions by which it is sought to bring 
the general interest to bear on the individual.」の部分を。DeepL も 
Google 翻訳も、ChatGPT も Google gemini もわかりにくい、あるいは不適切
な日本語訳しか提供してくれません。「bring A to bear on B」を「bring A
 to B」の訳で代えたり、「bear on」のここでの意味をとりちがえたり、いろ
いろです。
DeepL: 法律と政府は、一般的な利益を個人にもたらすための制度である。
Google gemini:「法律と政府は、一般的な利益を個人にもたらすための制度で
あり」
ChatGPT:「法律と政府は、一般的利益を個々人に対して効果的に影響を与えよ
うとする制度であり、」

 そこで、以下のようにChatGPT と対話した結果、私の訳がよいと同意してく
れました。

私:
「法律と政府は、それによって、一般的利益を個々人に対して効果的に影響を
与えようとする制度であり、」は「AとBは、Cのための制度である。」という
構造を持っています。しかし、「一般的利益を個々人に対して効果的に影響を
与えようとする」という日本語はおかしく聞こえます。「法律と政府」が主語
であり、「制度である」が述語であると考えると、「一般的利益を個々人に対
して効果的に影響を与えようとする」は副詞か形容詞になります。
「法律と政府は、一般的利益を個々人に関連付けようとする制度である。」の
ほうがよくないでしょうか? つまり、個人は自分の利益をまず考えがちであ
るが、法律と政府は、そういった個人に注意喚起をして、一般的利益を考える
ようにさせる制度である、といったニュアンスではないでしょうか?

ChatGPT:
確かに、その提案は非常に適切です。ご指摘いただいたように、「一般的利益
を個々人に対して効果的に影響を与えようとする」は、意味が明確でなく、誤
解を招く表現です。提案された「法律と政府は、一般的利益を個々人に関連付
けようとする制度である。」は、より正確で理解しやすい表現です。これによ
り、法律と政府が個人に対して一般的利益との関連性を強調し、個々の利益に
留まらないよう促す役割が明示されます。提案いただいたニュアンスを考慮し
、改善された表現と言えます。

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(2) ラッセルに関する記述や発言等 
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 今回もお休み

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 編集後記 花粉症に苦しみながら zoom 読書会
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 昨日は zoom による読書会(ラッセルを読む会)があった関係でこの公式
メルマガ(週刊版)の発行が1日遅れとなりました。

 zoom の出現により、ミーティングに革命が起こりました。昨日も、香川県
から一人、ギリシア(出張先)から一人、参加者がありました。

 花粉症のために何度もクシャミをしている人がいました。私も花粉症で苦し
んでおり、オンラインでなければ参加を躊躇するところですが、zoom による
オンライン読書会なので、多少体調不良でもなんとかなりました。

 論理的な議論であればヒートアップすることはないですが、政治関係の議論
になるとどうしてもヒートアップしてしまいます。語学の世界では有名な某イ
スラエル人(日本在住の語学の天才)も参加され、読書会の顧問的存在の三浦
俊彦氏と、トランプをどう見るかで、激論を闘わせていました。しかし、最後
まで平行線のままに終わりました。

 その人はイスラエルにはめずらしく宗教を信じていない、あるいは宗教に疑
問を持っている方ですが、イスラエルによるハマス攻撃による多数のガザ市民
の被害については、同情はしても、また、ネタニヤフ政権は支持しないと言い
つつも、ハマスに対する攻撃は正当だと考えているようでした。

 理不尽な、多数のガザ市民犠牲者の肉親等の関係者が憎悪を抱いて新たにハ
マスに入っていくことになり、永久にハマスの絶滅はできないし、世界中に散
在するイスラエル人がいつテロにあうかわからなくなるのではないかと、私か
らも意見を言ってみました。どうも、そういう危惧は抱いているようでした。
                               (松下)

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■編集・発行:(松下彰良/まつした・あきよし)
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