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バートランド・ラッセルのポータルサイト

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「(週刊)バートランド・ラッセル(1872.5.18-1970.2.2)に関するメール・マガジン」
  no.0875_2024/03/09 (2006/12/21 創刊/毎週土曜 or 日曜日 発行)

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    ■ 目 次 ■
          
 1.ラッセルの著書及び発言等からの引用
 2.ラッセルに関する記述や発言等
  編集後記


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 1.ラッセルの著書や発言等から
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■「ラッセルの英語」n.2630~2634  を発行しました。
  (1)「ラッセル英単語熟語」は、2630-2634
  (2)「ラッセルの英文」は、n.2630-2, 2632-2. 2634-2
 
 1つずつ再掲します。

■■ バートランド・ラッセルの英語 n.2631R英単語熟語 ambivalent
     
★ ambivalent (adj.) [相反する感情・態度・意味・価値を持つ;曖昧な]

* ambi (二重の) + valent < value (価値) →「2つの価値の間で矛盾・相
反する」
* ambivalence (n):相反する感情(を持つ状態);どちらとも決めかねる状
態,ためらい,迷い;(心理学)両面価値;矛盾,あいまいさ
* equivalent 同等の/ambiguous 「2つのうちどちらともとれる(曖昧な)


1.ラッセルの用例

This is especially true of Christianity, which has always had an 
ambivalent attitude towards the family.
[このことは特にキリスト教にあてはまるのであり,キリスト教は,家族(制
度)に対して,常に両面価値的な態度をとってきた。]
 出典:ラッセル『結婚論』第十三章「 今日の家族」]
     https://russell-j.com/beginner/MM13-070.HTM

There was, however, a moral ambivalence rooted in the nature of the
 Nuremburg trials and in the role of Justice Jackson. Nuremburg was a
 trial conducted by the victorious party over the defeated.
[けれども,ニュルンベルク裁判の性質と,ジャクソン判事の役割には,倫理上矛
盾する要素(相反する価値)が深く根をおろしていた。ニュールンベルグ裁判
は,勝者が敗者を裁くという裁判であった。
 出典:ラッセル『ヴェトナムの戦争犯罪』あとがき」]
     https://russell-j.com/cool/61T-POST01.HTM


2.参考例

Her ambivalence toward marriage made her quiet.
[結婚へのためらいで彼女は無口になった。
 出典:宮川幸久『英単語ターゲット1900(四訂版)』p.435]

have ambivalent feelings / Melinda is ambivalent about whether or not
 she should marry Tom.
[矛盾する感情を持つ/メリンダはトムと結婚すべきかどうか決めかねている。
 出典:『鉄緑会 東大英単語熟語 鉄壁』p.614]

Many people feel some ambivalence towards television and its effect on
 our lives.
[ 出典:Oxford Advanced Learner's Dictionary, 8th ed.)]

She remained ambivalent about her marriage.
 出典:Collins COBUILD Englisdh Dictionary for Advanced Learners, new
 ed.)]


■■  ラッセルの英語(2) n2634-2 ラッセルの英文

 ラッセル『ヒューマン・ソサエティ-倫理学から政治学へ』
  (Human Society in Ethics and Politics, 1954)

 第1章 n.9

 タブーの最も良い事例の一つは、いろいろな形の同族結婚 (族内婚)を禁止
する法律あるいは掟が広く行き渡っていることである。時折、一部族がいくつ
かの集団に分割されていて、男は自分の集団以外の集団から妻を娶らなければ
ならない。ギリシア正教会においては、同じ一人の子供の名づけ親同士は結婚
することが許されない(訳注:これはもちろん名付け親が複数いる場合です。
ラッセルの名付け親はジョン・スチュワート・ミル一人だけです)。イングラ
ンドにおいては、最近まで、男性は死んだ妻の姉あるいは妹と結婚してはなら
なかった。 そのような禁制は、禁じられた結婚(the forbidden unions)が
何らかの弊害をもたらすという理由では正当化できない。(即ち)それはただ
昔からのタブーだということだけで守られている(のである)。 しかし、さ
らに、私達の多くがいまだに法律的に認められるべきでないと考える近親相姦
の諸形態は、ほとんどの人々によって、それらがもたらす害悪に釣り合わない
ほどの恐怖(の目)で見られており、それは理性以前のタブーの影響と見なさ
れている。デフォー [Daniel Defoe, 1660-1731)のモル・フランダース〔小
説 The Fortunes and Misfortunes of the Famos Moll Flanders の女主人公)
は模範的(な人間)とはほど遠く、良心の呵責なく多くの罪を犯す。 しかし
、うっかりして自分の弟と結婚してしまったことを知ると愕然とし、二人がも
うすでに何年も一緒に幸せに暮らしてきたのにもかかわらず、 弟が自分の夫
であることにもはや耐えられなくなる。これは小説(事実ではなく虚構)であ
るが、しかし、確かに人生そのままである。	
One of the best examples of tabu is the prevalence of laws or rules 
prohibiting various forms of endogamy. Sometimes a tribe is divided 
into a number of groups, and a man must take his wife from a group 
other than his own. In the Greek Church, godparents of the same child
 may not marry. In England, until recently, a man might not marry his
 deceased wife's sister. Such prohibitions are impossible to justify
 on the ground that the forbidden unions would do any harm; they are
 defended solely on the ground of ancient tabu. But further, those 
forms of incest which most of us still regard as not to be legally 
sanctioned are viewed, by most people, with a horror which is out of
 proportion to the harm that they would do, and which must be 
regarded as an effect of pre-rational tabu. Defoe's Moll Flanders is
 far from exemplary, and commits many crimes without a qualm ; but 
when she finds that she has inadvertently married her brother she is
 appalled, and can no longer endure him as a husband although they had
lived happily together for years. This is fiction, but it is certainly
 true to life.
 Source: Bertrand Russell: Human Society in Ethics and Politics, 
1954, chapter 1, n.1
  More info.: https://russell-j.com/cool/47T-0108.htm


■「ラッセルの言葉366_画像版」
 日本語 version : n.2679j-2685j を投稿
 英 語 version : n.2679e-2685e を投稿

 1つだけ再録します。n.2682j (March 5, 2024)

 「抑圧する者と抑圧される者」

 苦痛に対する同情、特に肉体的な苦痛に対する同情は、ある程度自然な衝動
である。兄弟や姉妹が泣いているのを聞くと子供は泣いてしまいがちである。
この自然な衝動は奴隷所有者によって抑制されなければならず、抑制されると
容易にその反対の衝動に転じ、単なる残虐行為への衝動を生み出す。しかし、
この種の衝動は純粋なものではなく、その充足は満足感をもたらさない。そし
て、その衝動に溺れれば溺れるほど、恐怖はますます強まる。そのような人生
(生活)には、内心の平和はあり得ない。現在認可されている形態の社会的不
公正を受け入れ、実践する人々は、賢者や聖人の平穏を軽蔑するかもしれない
が、彼らは無知ゆえにそれを軽蔑するのである。

Sympathy with suffering, especially with physical suffering, is to some
extent a natural impulse: children are apt to cry when they hear their
 brothers or sisters crying. This natural impulse has to be curbed by 
slave-owners, and when curbed it easily passes into its opposite, 
producing an impulse to cruelty for its own sake. But impulses of this
kind are not unmixed, and their satisfaction does not bring contentment.
 And the more they are indulged, the more fear is intensified. In such
 a life there can be no inward peace. Men who accept and practise 
currently licensed forms of social injustice may despise the 
tranquillity of the sage and the saint, but they despise it from 
ignorance.

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(2) ラッセルに関する記述や発言等 
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 今回もお休み

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 編集後記 ネットによるライブ中継の小回りのよさ ― カイロスの打ち上げ
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 興味のあるイベントがあっても、TVで中継されないということがよくあり
ます。しかし、見ることができないかと思うと、YouTube やニコニコ動画で
ネットでライブ中継されることがけっこうあります。ただし、視聴希望者が
多く、国際的なテニスの試合など、利益になりそうなものについては、動画
サイトの有料会員でないと見られない場合が多いのは残念です。

 先日のJAXAによる大型ロケットの打ち上げとは異なり、本日の、民間によ
る小型ロケット(カイロス)については、やはりTV中継はありませんが、
YouTube でライブ中継されるそうです。発射は「午前11時1分12秒」という
中途半端な時刻ですが、ちょっと見てみようと、待機中です。
 https://www.youtube.com/watch?v=ElaI4lOlF9I ← Live 中継

 ちなみに、カイロスはギリシア語で「(決断の)時」という意味だそうです
が、文字の順番を変えると、「イカロス」(ギリシャ神話中の若者)になり
ます。イカロスは、父ダイダロスの考案した蝋 (ろう) づけの翼でクレタ島
から脱出しますが、あまりに高く飛んだため、太陽の熱で蝋が溶け、海中に
落ちて死んでしまいます。イカロスではなく、カイロスなので、きっと成功
すると思われます。(松下)


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■編集・発行:(松下彰良/まつした・あきよし)
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