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「(週刊)バートランド・ラッセル(1872.5.18-1970.2.2)に関するメール・マガジン」
no.0868_2024/01/20 (2006/12/21 創刊/毎週土曜 or 日曜日 発行)
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■ 目 次 ■
1.ラッセルの著書及び発言等からの引用
2.ラッセルに関する記述や発言等
編集後記
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1.ラッセルの著書や発言等から
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■「ラッセルの英語」n.2595~2599 を発行しました。
(1)「ラッセル英単語熟語」は、2595-2599
(2)「ラッセルの英文」は、n.2595-2, 2597-29. 2599-2
1つずつ再掲します。
■■ バートランド・ラッセルの英語 n.2597 ラッセル英単語熟語
★ addict [(vt)(麻薬などを)常習させる,中毒させる;ふけらせる ||
(n)(麻薬などの)常用者;中毒者、依存症の人;熱中者]
* 語源:"ad-"(その方向へ)+ "dict"(話す)→ ひたすら賛同する
→ 中毒になる
* addict oneself to A : Aに夢中(中毒)になる
* addiction (n):ふけること,常用癖,性癖,専心
* 通常は受動態で使用
* addicted (adj.):(麻薬などを)常習して;病みつきになって;にふけって
* addictive (adj.):常用癖がつきやすい;夢中にさせる
1.ラッセルの用例
He was addicted to extreme shabbiness in his clothes, to such a degree
that some of his friends expostulated.
[彼はいつもとてもみすぼらしい服を着る性癖があり,あまりにひどいので
友人達がいさめたほどであった。
出典:ラッセル『自伝』第1巻第3章「ケンブリッジ大学時代」]
https://russell-j.com/beginner/AB13-070.HTM
For a number of years Mrs Webb was addicted to fasting, from motives
partly hygienic and partly religious.
[数年の間,ウェッブ夫人は,一部は健康上の,また一部は宗教上の動機から,
断食に熱中していた。
出典:ラッセル『自伝』第1巻第4章「まえがき]
https://russell-j.com/beginner/AB14-060.HTM
Everybody who is not a philosopher addicted to Behaviourism is
persuaded that things happen in us which do not happen in any machine.
[行動主義に心酔している哲学者を除くすべての人は、 いかなる機械の中に
も起らないことが我々の中には起ると確信している。]
出典:ラッセル『私の哲学の発展』第12章「意識と経験]
https://russell-j.com/beginner/BR_MPD_12-050.HTM
2.参考例
A survey shows that more than a million workers in Britain consider
themselves addicted to their jobs.
[ある調査によれば,英国の百万人以上の労働者が自らを仕事中毒であると
考えている。
出典:宮川幸久『英単語ターゲット1900(四訂版)』,p.381]
After about eight months, Smith was no longer addicted to nicotine.
[およそ8か月後、スミスはもはやニコチン中毒でなくなった。
出典:『新版完全征服データベース5500 合格 英単語・熟語』p.191]
People can become addicted to television and the Internet just as they
can to drugs.
[人はドラッグと同様に、テレビやインターネットに中毒になることがある。
出典:『鉄緑会 東大英単語熟語 鉄壁』p.508]
The drug addict broke into the house.
[薬物中毒者がその家に押し入った。]
出典:『キクタン Super 12000』p.160]
My children are hopelessly/absolutely addicted to television.
[ 出典:Longman Dictionary of Contemporary English, new ed.]
■■ ラッセルの英語(2) n2599-2 ラッセルの英文
( Unpopular Essays, 1950 から)
ラッセル『ヒューマン・ソサエティ-倫理学から政治学へ』
(Human Society in Ethics and Politics, 1954)
著者まえがき n.3
「理性」には完全に明確で正確な意味がある。それは私達が達成したいと
思う目的に対して正しい手段を選ぶということを意味する。理性は目的の選
択とは何の関係もないのである。しかし、理性に反対する人々(反理性論者)
にはこのことを理解(認識)せず、彼らは、合理主義の擁護者が、理性に、
手段だけでなく目的をも指図させたがっている、と考える(のである)。
合理主義者の著作の中には(著作を読んでも)、彼ら(反理性論者)のこの
ような見解に対する言い訳(弁解)になるものは何もない。「理性は情熱の
奴隷であり、またそうあるべきである」という有名な一文ある。この一文は
、ルソーや ドストエフスキーやサルトルの著作から来たものではない。
それはデーヴィッド・ヒューム(の著作)から来たものである。それは。
理性的であろうとするあらゆる人と同様に私も全面的に同意する見解である。
「私(ラッセル)は人事(人間に関わる事柄)において情熱の果たす役割
をほぼ完全に無視している」と言われる時 -実際、私はしばしばそう言わ
れているのだが- 批評家達は一体どういう原動力が私を支配していると考
えているのだろうかと、私は疑問に思う。 欲求、感情、情熱は-どの言葉
を選ぼうとみなさんの自由だが- 行為の原因となる唯一のものである。理
性は行為の原因ではなく、調整役にすぎないのである。もし、私がニューヨ
ークへ飛行機で行きたいと望めば、理性は、コンスタンチノープル行きより
もニューヨーク行きの飛行機に乗ったほうがよいと告げる。想像するに
(I suppose)、私を不当に合理主義的であると考える人たちは、私は
空港でとても興奮し、目に入った最初の飛行機に飛び乗り、コンスタンチノ
ープルに着陸したら、まわりの人たちがアメリカ人でなくトルコ人であるこ
とを発見し彼らを呪うべきだ、と考えている(ようである)。それは素晴ら
しいことであり、血気盛んな振る舞い方であろうし、想像するに、私の批評
家たちからも称賛されることだろう。 David Hume, A Treatise of Human
Nature: In The Philosophical Works: David Hume, ed. by T.H. Green
"Reason” has a perfectly clear and precise meaning. It signifies the
choice of the right means to an end that you wish to achieve. It has
nothing whatever to do with the choice of ends. But opponents of reason
do not realize this, and think that advocates of rationality want
reason to dictate ends as well as means. They have no excuse for this
view in the writings of rationalists. There is a famous sentence:
"Reason is and ought only to be, the slave of the passions.”
This sentence does not come from the works of Rousseau or Dostoevsky
or Sartre. It comes from David Hume. It expresses a view to which I,
like every man who attempts to be reasonable, fully subscribe. When
I am told, as I frequently am, that I "almost entirely discount the
part played by the emotions in human affairs,” I wonder what motive-
force the critic supposes me to regard as dominant. Desires, emotions,
passions (you can choose whichever word you will), are the only
possible causes of action. Reason is not a cause of action but only a
regulator. If I wish to travel by plane to New York, reason tells me
that it is better to take a plane which is going to New York than one
which is going to Constantinople. I suppose that those who think me
unduly rational, consider that I ought to become so agitated at the
airport as to jump into the first plane that I see, and when it lands
me in Constantinople I ought to curse the people among whom I find
myself for being Turks and not Americans. This would be a fine,
full-blooded way of behaving, and would, I suppose, meet with the
commendation of my critics.
Source: Bertrand Russell: Human Society in Ethics and Politics,
1954, Preface
More info.: https://russell-j.com/cool/47T-preface-03.htm
■「ラッセルの言葉366_画像版」
日本語 version : n.2631j-2636j を投稿
英 語 version : n.2631e-2636e を投稿
1つだけ再録します。n.2632j (Jan. 15, 2024)
「あの世とこの世」
(キリスト教の)預言者達lは、バビロン捕囚は神の怒りに起因するものであり
、ユダヤが独立していた間にいまだ蔓延していた異教の慣習によって燃え上が
ったものである、と考えた。当初、罪は集団的なものであり、罰も集団的なも
のであったが、ユダヤ人が政治的独立の欠如に慣れるにつれて、次第に、罪を
犯すのは個人であり、罰せられるのも個人であるという、より個人主義的な見
方が広まっていった。長い間、罰は現世で受けるものであり、その当然の結果
、繁栄は美徳の証明であると考えられた。しかし、マカベの時代の迫害の間に
最も徳の高い者が現世では最も不幸な者であることが明らかになった。
The Prophets attributed the Babylonian captivity to the wrath of God,
which was kindled by the heathen practices that were still prevalent
while Judea was independent. At first the sin was collective and the
punishment collective, but gradually, as the Jews became accustomed
to the absence of political independence, a more individualistic view
came to prevail: it was the individual who sinned, and the individual
who would be punished. For a long time punishment was expected in
this life, with the corollary that prosperity was a proof of virtue.
But during the persecution at the time of the Maccabees it became
evident that the most virtuous were, in this life, the most
unfortunate.
Source: Bertrand Russell: Human Society in Ethics and Politics,
(1954), chapter 7:sin
More info.:https://russell-j.com/cool/47T-0705.htm
<寸言>
裕福な人や楽な生活をしている人は「繁栄は美徳の証明」と考え、貧しい人
や苦しんでいる人達は「あの世に期待」する人が多かった(多い)ということ
でしょうか?
現代においては、そういった発想をする人は少なくなっていますが、現在裕
福であるアメリカやイスラエル等のキリスト教原理主義者は「繁栄は美徳の証
明」と考えている人が多そうです。
なお、「マカベの時代」については、次の ChatGPT の説明を参考にしてく
ださい。
「マカベの時代は、紀元前2世紀にユダヤを舞台にした歴史的な出来事で知ら
れています。具体的には、紀元前167年から紀元前160年にかけての期間です。
この時代の主要な出来事は、マカバイ戦争(またはマカバイ蜂起)と呼ばれる
一連の戦闘です。
マカバイ戦争は、セレウコス朝(セレウコス王国)の支配下にあったユダヤ人
が、ギリシャ文化や異教の信仰を強要され、ユダヤ教の信仰の自由が侵害され
たことに反対する反乱でした。この時期、アンティオコス4世エピファネスが
ユダヤ人社会に対して強力な文化的抑圧を行い、エルサレムの聖所で異教の神
殿を建設しました。
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(2) ラッセルに関する記述や発言等
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今回もお休み
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編集後記 「業界」ごとにルールが異なり・・・
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「業界」ごとに、どういうことが評価され、どういうことが禁止されたり
罰せられたりするか異なります。
医師の場合は医師会に所属しなくても医師としての仕事をすることが可能で
すが、弁護士の場合はいずれかの弁護士会に所属することが強制され、いずれ
の弁護士会からも追放されると、弁護士の資格ははく奪されないけれども、弁
護士としての業務は行えなくなるそうです。医師の場合は、人の命を扱うこと
から、特別扱いでしょうか?
スポーツ選手の場合は、たとえばボクサーの場合は精神に多少問題があって
も強ければ大目に見てもらえます。他方、学者の場合は、肉体がどんなに劣悪
な状態にあっても精神が、特に知的に優れていれば立派に仕事をすることがで
きます。
知的職業、たとえば大学の教師の場合、セクハラ、アカハラ、論文の盗用等
は学者生命が奪われかねませんが、芸能界やTV業界ではこれまで、セクハラは
挨拶程度に思われ、セクハラ無法地区になっていました(いたようです)。
吉本興行には約6000名のタレント(松本人志もその一人)が所属しており、
芸能界及びTV業界に圧倒的な力を及ぼしてきました。しかし、ジャニーズ問題
で性加害の問題が脚光をあびたこともあり、吉本興行所属の有名なタレントの
「不良行為」が次々に明らかになりつつあります。NHKも吉本におんぶにだっこ
であり、吉本にたよらなければ番組の多くが制作できない状態にあるようです。
それを象徴する記事「「NHK×性×松本人志って斬新でしょ!」とスタッフは
自画自賛 ・・・ NHKが“リスキー”な「松本人志」のキャスティングを決めた
「知られざる裏側」」を次のページで読むことができます。
https://gendai.media/articles/-/123067 (松下彰良)
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■編集・発行:(松下彰良/まつした・あきよし)
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