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「(週刊)バートランド・ラッセル(1872.5.18-1970.2.2)に関するメール・マガジン」
  no.0859_2023/11/12 (2006/12/21 創刊/毎週土曜 or 日曜日 発行)

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    ■ 目 次 ■
          
 1.ラッセルの著書及び発言等からの引用
 2.ラッセルに関する記述や発言等
  編集後記

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 1.ラッセルの著書や発言等から
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■「ラッセルの英語」n.2549~2556  を発行しました。
  (1)「ラッセル英単語」は、n.2549, 2551, 2553
  (2)「ラッセルの英文」は、n.2550, 2552
 
 それぞれ1つだけ再掲します。


■■ バートランド・ラッセルの英語 n.2551  ラッセル英単語

★ [be] badly off / badly-off 【困窮している、かなり貧乏である、かなり
暮らし向きが悪い;(必要なものが)不足している】

* 「暮らし向きが悪い」という訳をあてているものがありますが、「"かなり"
暮らし向きが悪い」というように「かなり」を付け加えないとニュアンスがず
れてしまう場合がありそうです。
* 反対:"well off":裕福である;成功している


1.ラッセルの著作から

Moreover, they assure each other that American wage-earners to this 
day are as badly off as the British wage-earners of 1844 whose plight
 was so eloquently depicted by Engels. .
[そのうえさらに,アメリカの貸銀労働者は今日にいたるまで,エンゲルスが雄
弁にその状態を描写している一八四四年の英国の貸銀労働者と同じひどい暮ら
しをしている,と彼ら(注:東側の人達)はたがいに語りあっている。]
 出典:ラッセル「東西緊張の心理」
    https://russell-j.com/cool/east-west_conciliation.htm


2.参考例

We are rather badly off owing to the high cost of living.
[生活費が高いために、我々はかなり暮らし向きが悪い。]
 出典:『解体英熟語-改訂第2版』p.441

They're too badly off to have a holiday.
 出典:Longman Dictionary of Contemporary English, new ed.]

The average working week in Japan is 42.3 hours, compared with 41.6 in
 the UK, so they are not too badly off.
* average working week : 週の労働時間
 出典:Collins COBUILD English Dictionary for Advanced Learners, new
 ed.


■■  ラッセルの英語(2) n2552 ラッセルの英文
 ( Unpopular Essays, 1950 から)

 「哲学と政治」n.10

 デモクリトスは、主として、(レウキッポスとともに) 原子論の創始者とし
て有名であるが、彼は、その原子論を、形而上学者達の反対にもかかわらず提
唱(擁護)した。この反対は、それらの形而上学者達の後継者達によって、デ
カルト及びライプニッツに至るまで(両者を含めて)繰り返された。けれども
、彼の原子論は、彼の一般哲学(general philosophy)の一部分に過ぎなかっ
た。彼は唯物論者で、決定論者で、自由思想家であり、強い感情は全て嫌う功
利主義者であり、そうして、天体及び生物の両方の進化論の信奉者であった。

 これと同様の思想を持つ18世紀の人々と同様に、デモクリトスは熱心な民主
主義者であった。 彼は言う。「自由が奴隷よりも好ましいと同様に、民主主
義下の貧困の方が独裁者の下における繁栄よりも好ましい」(注:"as much" 
S1 "as" S2)。彼はソクラテス及びプロタゴラスの同時代人であり、プロタゴ
ラスと同じ街の市民であった。彼はペロポネソス戦争初期の間は活躍したが、
戦争が終わらないうちに亡くなったようである。 ペロポネソス戦争は、ヘレ
ニズム世界全体にわたって、民主制と寡頭制の間で行われていた戦いを集約し
たものであった。 スパルタは寡頭制を支持した。、プラトンの家族及び友人
達も寡頭制を支持し、そうして、彼らは(アテネを裏切る)売国奴になるよう
に導かれた。彼らの裏切りがアテネの敗北に貢献したと考えられている。この
敗戦後、ブラトンは一つのユートピアを構想することによって勝利者達を褒め
称える仕事に取り掛かったが、このユートビアの主要な特徴はスパルタの憲法
から暗示を受けたものであった。けれども、ブラトンの芸術的な技巧(才能)
のために、彼らの信徒たるレーニンおよびヒットラーがプラトンの反動的な傾
向に一つの実際的な解釈を 与えるまで、自由主義者達は彼(プラトン)の反
動的な傾向まったく気が付かなかった(のである)。
(注:1920年、私は、共産主義者とプラトン主義者達に等しく怒りをおぼえ、
ソビエト国家をプラトンの共和国になぞらえた。)
	
Philosophy and Politics, (1947), n.10

Democritus is chiefly famous as (along with Leucippus) the founder of
 atomism, which he advocated in spite of the objections of 
metaphysicians -- objections which were repeated by their successors
down to and including Descartes and Leibniz. His atomism, however, was
 only part of his general philosophy. He was a materialist, a 
determinist, a free thinker, a utilitarian who disliked all strong 
passions, a believer in evolution, both astronomical and biological.

Like the men of similar opinions in the eighteenth century, Democritus
was an ardent democrat. "Poverty in a democracy," he says, "is as much
to be preferred to what is called prosperity under despots as freedom
is to slavery." He was a contemporary of Socrates and Protagoras, and
a fellow-townsman of the latter; he flourished during the early years
of the Peloponnesian war, but may have died before it ended. That war
concentrate the struggle that was taking place throughout the Hellenic
world between democracy and oligarchy. Sparta stood for oligarchy ; 
so did Plato's family and friends, who were thus led to become 
Quislings. Their treachery is held to have contributed to the defeat
of Athens. After that defeat, Plato set to work ’ to sing the praises
of the victors by constructing a Utopia of which the main features 
were suggested by the constitution of Sparta. Such, however, was his
artistic skill that Liberals never noticed his reactionary tendencies
until his disciples Lenin and Hitler had supplied them with a 
practical exegesis*.(* In 1920 I compared the Soviet State to Plato's
Republic, to the equal indignation of Communists and Platonists.)
  Source: Philosophy and Politics, (1947), n.1
     Reprinted in: Unpopular Essays, 1950, chapter 1
 
 
■「ラッセルの言葉366_画像版」
 日本語 version : n.2561j-2568j を投稿
 英 語 version : n.2561e-2568e を投稿

 1つだけ再録します。n.2565j (Nov. 9, 2023)

 「倫理学の基本概念としての"善"」

 もし人類が「正しい(正義)」とは何かについて合意していたなら、「正し
い(正義)」を倫理学の基本概念とし、「善い(善)」を正しい行為によって
達成されるものとして定義することができたであろう。しかし、これまで見て
きたように、何が正しく何が間違っているかについては、異なる共同体の間で
非常に広範な意見の相違(乖離)がある。一般的に、特にタブー道徳に関する
場合、この意見の相違(乖離)は行為の効果に関する信念の違いに起因してお
り、行為のどのような結果が望ましいと考えられるかについては、多様性がは
るかに少ない。この事実があるからこそ、むしろ「善い(善)」の観点から「正
しい(正義)」を定義するほうが、その逆(「正しい(正義)」の観点から
「善い(善)」を定義するよりも良いのである。

If mankind were agreed as to what is "right", we could take "right" as
 the fundamental concept in ethics, and define "the good" as what is 
achieved by right conduct. But as we have seen, there is a very wide
 divergence between different communities as to what they consider 
right or wrong. In general, particularly in the case of tabu morality,
 this divergence is traceable to a difference in beliefs as to the 
effects of actions, and there is much less diversity as to what results
 of actions are thought desirable. It is this fact that makes it better
 to define “right" in terms of “good" rather than vice versa.
More info.:https://russell-j.com/cool/47T-0413.htm

<寸言>
 何が「正しい(正義)」かについては、国、民族、個人によって意見は様々
なため合意は難しくても、起きた結果(そのもの)については、意見の相違は
はるかに少ないだろうとの指摘です。そうであるならば、何か重要なことを行
う際には、過去の事例をよく参照して冷静にことを運ぶべきだということにな
るはずです。
 しかし、他人(他国、他民族等)にはその教訓を推奨しても、当事者となっ
た自分(自国)には適用しない(自分/自民族の"気持"がまず大事)というの
が世の常です。
 自分(達)は「正しい(正義)」と思って行動した結果、不幸な事態(例:
イスラエルの空爆等によるガザ在住の子供の死者がこれまでに約4,000人)が
生じれば、普通は、軌道修正を図ります。しかし、大国あるいは(小国でも)
軍事大国(イスラエルや北朝鮮など)は自分たちの「正義」の観念を押し付け
ることが可能なために、多くの弱小国や弱小民族をたたきがちです。
 ラッセルは、「善い」か「悪い」の判断材料や根拠として、結果を重視する
立場です。

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(2) ラッセルに関する記述や発言等 
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 今回もお休み

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 編集後記 準3K変形?モニターによる苦労-Zoom によるオンライン読書会
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 PCモニターの解像度には、2K(1920px×1080px)、3K(288px×1620px
あるいは3200px×1800px)、4K(3840px×2160px)と、いろいろなものがあり
ます。早く4Kモニターを購入したいと思っていますが、その時にはPCも最新
のものにしたいので、のびのびになっており、準3K変形モニター?(2560px
×1080px)を6.7年使い続けています。

 昨日、Zoom によるオンライン読書会(ラッセルを読む会)がありました。
ここのところ、自分が説明する時に、zoom の「共有設定」で、"繰り返し"、
資料の表示の仕方で苦労しています。私が現在主に使っているモニターは、横
幅が広い割には縦幅が非常に狭く、自分の画面では資料はそこそこ大きく見え
ても、他の人(読書会)参加者にはどうも小さく見えるらしいのです。2Kの
モニターも持っているのでそちらを使えば問題はなくなりますが、それでは、
多数の画面を同時に表示できないことから、中途半端なままの状態が続いてい
ます。(Zoom でマルチディスプレイを使う方法があることはもちろん知って
いますがやっていません。)
 Zoom 読書会は2,4ヶ月に1回しか開いていないので、前回のことは忘れ
てしまい、学習効果なしで、いつも苦労しています。

 早くパソコンとモニターを買い替えたいと思うこの頃です。  (松下彰良)

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■編集・発行:(松下彰良/まつした・あきよし)
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