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バートランド・ラッセルのポータルサイト

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「(週刊)バートランド・ラッセル(1872.5.18-1970.2.2)に関するメール・マガジン」
  no.0851_2023/09/16 (2006/12/21 創刊/毎週土曜 or 日曜日 発行)

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    ■ 目 次 ■
          
 1.ラッセルの著書及び発言等からの引用
 2.ラッセルに関する記述や発言等
  編集後記

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 1.ラッセルの著書や発言等から
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■「ラッセルの英語」n.2512~2516  を発行しました。
  (1)「ラッセル英単語」は、n.2512, 2514, 2516
  (2)「ラッセルの英文」は、n.2513, 2515
 
 それぞれ1つづつ再掲します。

■■  バートランド・ラッセルの英語 (1) n2514 『関係詞の底力』

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 佐藤ヒロシ『関係詞の底力』p.62から
   "age"に続く関係副詞が"when"ではなく"where"になる場合

  先行詞が、「"時"関係」なら"when"を、「"場所"関係」なら、(通常)
  "where"を用いますが、微妙なケースがあります。例えば、"age"という
  語は、「年齢、時代」という語義では、明らかに「"時"関係」と思われ
  ますが、次の例のように実際には"where"を用いる場合がよくあります。

  We are living in a complex age where we have to deal with
    problems which we have never faced before.(我々はこれまで直面した
    ことのない問題を扱わなければならない複雑な時代に暮らしている。」

  これは、察するに、"in a complex age"のように前置詞"in"がもちいられ
    ていることからも、「時代」というのは「瞬間的な時」というよりも、
  「ある程度広がりのある期間」と感じられ・・・「場所的な感じ」がす
   るためと思われます。実際、この"where"は言い換えるなら、"in a
     complex age in which we have to ..."となり、そうなると、いっそう
  場所的な"ワク"というイメージになります。
    //以上、引用
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  ラッセルの用例は次の一例しか見つかりませんでした。

  He ( = My son) is nearing the age where it is usual for boys to
    steal sweet things and lie about it.
    [息子は現在,お菓子を盗み食いしてそのことで嘘を言うのが男の子に
   とって普通の年頃に近づいている。]
    Source: Bertrand Russell On Education, 1926
      More info.: https://russell-j.com/beginner/OE08-030.HTM


■■ ラッセルの英語(2) n2516 ラッセルの英文

 ( Unpopular Essays, 1950 から)

 「人類に害を与えてきた思想」n.10

 これは作り話であり,私がこれまで語ってきた町は架空のものである。しか
し,町のかわりに世界に,個人のかわりに国家に置き換えれば,現在(注:
1946年の時点でのこと)いたるところで追求されている経済政策の完璧な描写
(描像)ができあがるだろう。あらゆる国家が,自国の経済的利益(注:国益
!)は他のすべての国家の経済的利害(国益)と対立しており,他の諸国家が
窮乏に陥れば,自国はかならず利益を得るに違いない,と信じ込んでいる。最
初の大戦(第一次世界大戦)中に,私はよく英国人が次のように言うのをよく
聞いたものである。即ち,英国の貿易(trade 通商)は,ドイツの貿易1(通商)
の崩壊によって莫大な利益を得るだろう。そしてそれは,我が英国(注:ある
いは連合国側)が勝利することによって得られる主要な成果の一つでなければ
ならない,と。第一次世界大戦後になって,英国はヨーロッパ大陸に市場を見
出すことを歓迎すべきであったが,また,西ヨーロッパの産業生活は(ドイツ
の)ルール地方の石炭に依存していたけれども,英国はルールの石炭業がドイ
ツの敗北前の生産高のごくわずかの割合以上に生産することを許容する気にな
れなかったのである。今や世界中を通じて見られる経済的ナショナリズムの全
哲学は,次のような誤まった信念に基礎をおいている。すなわち一国の経済的
利害は必然的に他国のそれと対立するという信念である。この誤まった信念は
,国際的な憎悪と対立を生み出すことによって,戦争の原因となり,そうして
みずから(誤った信念)を真ならしめる(真理だと思わせる)傾きをもつ。な
ぜなら,ひとたび戦争が勃発すれば,国家的利害の衝突はあまりにも現実的な
ものになるだけだからである。たとえば製鉄業に従事する誰かに,他の諸国の
繁栄がおそらくあなたにとっても有利となるだろう,ということを説明しよう
としても,当人にその議論(論拠)をわからせることはまったく不可能である
ことがわかるだろう。なぜなら彼がいきいきと意識している唯一の外国人とい
うのは製鉄業に従事している競争相手だからである。(競争相手以外の)他の
外国人などは,彼がまったく情緒的的関心を抱かない影のような存在なのであ
る。これが経済的ナショナリズムや戦争や人為的な飢餓などの心理的根源であ
り,また,人々が自分たちお互いの関係について,より視野が広くよりヒステ
リックでない見方をするように導びけない限り,我々の文明に悲惨で恥ずべき
終えんにもたらすような,その他あらゆる悪弊の根源となっているのである。

This is a fable, and the town of which I have been speaking never 
existed, but substitute for a town the world, and for individuals 
nations, and you will have a perfect picture of the economic policy 
universally pursued in the present day. Every nation is persuaded that
 its economic interest is opposed to that of every other nation, and
 that it must profit if other nations are reduced to destitution. 
During the first World War, I used to hear English people saying how
 immensely British trade would benefit from the destruction of German
 trade, which was to be one of the principal fruits of our victory.
 After the war, although we should have liked to find a market on the
 Continent of Europe, and although the industrial life of Western 
Europe depended upon coal from the Ruhr, we could not bring ourselves
 to allow the Ruhr coal industry to produce more than a tiny fraction
 of what it produced before the Germans were defeated. The whole 
philosophy of economic nationalism, which is now universal throughout
 the world, is based upon the false belief that the economic interest
 of one nation is necessarily opposed to that of another. This false
 belief, by producing international hatreds and rivalries, is a cause
 of war, and in this way tends to make itself true, since when war 
has once broken out the conflict of national interests becomes only
 too real. If you try to explain to someone, say, in the steel 
industry, that possibly prosperity in other countries might be 
advantageous to him, you will find it quite impossible to make him see
 the argument, because the only foreigners of whom he is vividly aware
 are his competitors in the steel industry. Other foreigners are 
shadowy beings in whom he has no emotional interest. This is the 
psychological root of economic nationalism, and war, and man-made 
starvation, and all the other evils which will bring our civilization
 to a disastrous and disgraceful end unless men can be induced to take
 a wider and less hysterical view of their mutual relations.
   Source: Ideas That Have Harmed Mankind,1946
     Reprinted in: Unpopular Essays, 1950, chapter 1
  More info.: https://russell-j.com/beginner/0861HARM-100.HTM


■「ラッセルの言葉366_画像版」
 日本語 version : n.2505j-2511j を投稿
 英 語 version : n.2505e-2511e を投稿

 1つだけ再録します。n.2507j (Sept. 12, 2023)

 「ヴィジョンを追い続ける人達」

 神秘家、詩人、芸術家、科学上の発見者は、心の深奥では、孤独である。 
彼らが為すことは他の人々に有益かも知れないし、その有益さは他の人々に励
ましとなるかも知れない。 しかし、彼らが最も生き生きとし、自らの任務と
感じるものを最も完璧に果たしている瞬間には、彼らは、自分以外の人間のこ
となど考えないで、もっぱら一つのヴィジョンを追い求めているのである。

The mystic, the poet, the artist, and the scientific discoverer are in
 their inmost being solitary. What they do may be useful to others, 
and its usefulness may be an encouragement to them, but, in the moments
when they are most alive and most completely fulfilling what they feel
to be their function, they are not thinking of the rest of mankind but
 are pursuing a vision.
 Source: Bertrand Russell: Bertrand Russell: Human Society in Ethics
 and Politics, (1954), introduction
More info.:https://russell-j.com/cool/47T-introduction-03.htm

<寸言>
 こういった人達と正反対なのは政治家の方々です。いつも自分は国民のため
に(国民の命を守り、経済を発展させるために)日々「遡及的速やかに」尽力
している(立派なことをやっている)と繰り返し、言い続けています。

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(2) ラッセルに関する記述や発言等 
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 今回もお休み

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 編集後記  上川陽子氏を外務大臣にした理由 - 女性登用は隠れ蓑
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 岸田総理が岸田派の上川陽子氏(元法務大臣)をどうして外相に抜擢した
のか、その理由について、ジャーナリストの鮫島氏は深い考察をしています。
次の YouTube ビデオ(6分間)で興味深い内容を語っていますので、視聴
をお勧めします。
 https://youtu.be/UWN2tlbulFE

 岸田政権の支持率はずっと下がり続けてきました。近いうちに予想される
国会解散及び総選挙対策として、政権支持率をあげる必要があります。その
ための手段としては、女性の国会議員や大臣や自民党の役員を増やすことが
あります。国会議員はすぐには増えないので、てっとり早いのは女性の大臣
を増やすことです。数を増やすだけでなく、(高市以外にもう一人)女性を
「重要」閣僚にしたほうがよいと考えたのではないかという推理です。

 岸田派のホープの林大臣を外務大臣からはずすというのはあまり考えられ
ないことでしたが、鮫島氏の解説でようやく納得しました。総理が林氏に実
際にどう言ったかわかりませんが、「あなたは私の次の総理の有力な候補だ
が、それには岸田派をまとめる力がないといけない、しばらくの間、派閥を
まとめる役割をになってくれないか? 今回は女性登用を増やして、政権浮
揚や選挙対策に役立てたい・・・」、とかなんとか。

 岸田総理の長男がパリ外遊の時に公用車でパリ観光や買い物に励んでいた
ことをリークしたのは外務省の関係者のはずだと総理はうらみに思っていた
ようです。上川氏を外相にしておけば、重要なことは私に伺いをたてるはず
だ。外交は最近は首脳外交が中心になっており、それは私がやるから外務大
臣は外交の能力があまりなくても問題ではない(注:上川氏は外交の経験は
ないが、ハーバード大学のケネディ・スクールの出身で能力は十分あり)と
考えたのではないか、というのが鮫島氏の推理です。

 本心から、女性の閣僚を増やしたいと考えたのならよいですが、どうもそ
うではないようです。                (松下彰良)


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■編集・発行:(松下彰良/まつした・あきよし)
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