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バートランド・ラッセルのポータルサイト

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「(週刊)バートランド・ラッセル(1872.5.18-1970.2.2)に関するメール・マガジン」
  no.0850_2023/09/09 (2006/12/21 創刊/毎週土曜 or 日曜日 発行)

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    ■ 目 次 ■
          
 1.ラッセルの著書及び発言等からの引用
 2.ラッセルに関する記述や発言等
  編集後記

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 1.ラッセルの著書や発言等から
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

■「ラッセルの英語」n.2507~2506  を発行しました。
  (1)「ラッセル英単語」は、n.2507, 2509, 2511
  (2)「ラッセルの英文」は、n.2508, 2510
 
 それぞれ1つづつ再掲します。

■■  バートランド・ラッセルの英語 (1) n2511 『関係詞の底力』

「ラッセル英構文(ラッセルの英文にでてくる英語の構文)」は終了
 します。今後は、ランダム(順不同)に、英単語・英熟語・英構文を
  ひろっていくことにします。
  来週からは、
   佐藤ヒロシ(著)『関係詞の底力』(プレイス、2011年)を1章ずつ
 とりあげて、一緒に勉強していきたいと思います。

  なお、ラッセルの用例を見つけられない場合があるかもしれません。
  また、なお、うまくいかない場合は、中断することもあります。
、 その場合はあしからず。
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 バートランド・ラッセルの英語 (1) n2511

 本日は、『関係詞の底力』の「はしがき」から少し引用しておきます。

 p.2: "All you need is love.”の「愛こそはすべて」は大誤訳!!

 2つの間違いがありそうです。"All"と"you"の間に関係詞が省略されている
ことに気づかない場合と、気づいているのに意味を取り違える場合です。
 私も長い間早トチリで「思い込んで」いましたが、ビートルズのこの英文の
正しい日本語訳は、
 「君に足りないのは愛だけだ!( ← 君に必要な全ては愛だ)」となりま
す。
 「you」とあるので、「あなたたち=我々」ととってしまう人がいるかも知れ
ません。

 佐藤氏は代々木ゼミ予備校を代表する英語講師の一人です。ラッセル関連で、
一度だけお会いしたことがあります。(とても身長の高い方です。)プレイス
社から『ラッセルと20世紀の名文に学ぶ(英文味 読の真相39』という本も出
されているので、ご存じの方もおられると思います。

 本書の裏表紙には、「All the people in Iraq want is peace and
security.」という例文が掲載されています。この場合も、「すべてのイラク
の人々が欲しているのは、平和と安定だ」というのは誤訳であり、正しくは、
 「(現在の)イラクの人々が望んでいるのは、平和と安定だけだ!」という
  ことになります。(したがって、平和が回復すれば、もっといろいろな
  欲求がでてきます。)

 残念ながら、この2つの例文について、ラッセルの用例を見つけられません
でした。

 最後に、佐藤先生の「はしがき」から少し言葉を引用しておきます。

 p.2: まさに、「関係詞がわからないとビートルズも聴けない」のです。

 p.3:  英語に「受験英語」とか「実用英語」といった2種類のものが存在
   するわけでもなく、ましてや「英会話」に「英文法」は必要ないなど
   とう俗説は誤りであるというのが、かねてからの私の持論です。批判
   されるとすれば、それは「受験英語」ではなく「英語指導法」であり、
   また「文法」ではなく、「どうでもいい文法用語による無意味な分類」
   であると私は考えます。//


■■ ラッセルの英語(2) n2510 ラッセルの英文

 ( Unpopular Essays, 1950 から)

 「人類に害を与えてきた思想」n.8

 誤った信念を産む最も強力な源泉の一つは,妬み(ねたみ)である。いかな
る小さい町においても,もし比較的裕福な人々に尋ねてみれば,彼等はみな隣
人の収入を誇張して考えており,そのことから隣人をケチ(meanness)だと非難
することを正当化しているのがわかるだろう。女性の嫉妬は男たちのあいだで
はよく知られている。しかし,大規模な事務所ならどこにおいても,まさに男
性職員の間に同様の種類の嫉妬を見いだすであろう。(その職場の)男性職員
の一人が昇進すると,他の男たちは次のように言うだろう。「ふん,あいつは
お偉方に取り入る術を心得ているよ。もし私が自分を堕落させて,あいつが恥
知らずにやったようなへつらい術を使っていたら,私もあいつとまったく同じ
ように早く出世できたはずだ。たしかにあいつの仕事ぶりには線香花火のよう
な才気(a flashy brilliance,)はあるが,堅実さに欠けている。それゆえ,
遅かれ早かれ(←早かれ遅かれ),お偉がたは自分らの判断(昇進させたこと)
の間違いに気づくだろう」。凡庸な男性はみな,もし(たとえ)本当にできる
男がその才能に値する程度に早く昇格を認められたとしてもそのようにいうだ
ろう。(注:ラッセル『人類の将来ー反俗評論集』の中の市井三郎訳では,
「このように凡庸なすべての人々は、本当にできる男がその才能の値する程度
に早く昇格できるようになればよい,というだろう」となっている。all the
 mediocre men will say so が倒置されて 'So' が先頭に来ているが、'if' 
は ここでは 'even if' の意味であることを捉え損なっていると思われる。) 
そしてこの理由から,年功序列制度を採用する傾向があるわけであり,それは
功績とはなんの関係ももたないので,同様の妬みによる不満を生じさせないか
らである。

One of the most powerful sources of false belief is envy. In any small
town you will find, if you question the comparatively well-to-do, that
 they all exaggerate their neighbors' incomes, which gives them an 
opportunity to justify an accusation of meanness. The jealousies of
 women are proverbial among men, but in any large office you will find
 exactly the same kind of jealousy among male officials. When one of 
them secures promotion the others will say: 'Humph! So-and so knows 
how to make up to the big men. I could have riser quite as fast as he
 has if I had chosen to debase myself by using the sycophantic arts of
 which he is not ashamed. No doubt his work has a flashy brilliance,
 but it lacks solidly, and sooner or later the authorities will find 
out their mistake.' So all the mediocre men will say if a really able
 man is allowed to rise as fast as his abilities deserve, and that is
 why there is a tendency to adopt the rule of seniority, which, since
 it has nothing to do with merit, does not give rise to the same 
envious discontent.
   Source: Ideas That Have Harmed Mankind,1946
     Reprinted in: Unpopular Essays, 1950, chapter 1
  More info.: https://russell-j.com/beginner/0861HARM-080.HTM


■「ラッセルの言葉366_画像版」
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 1つだけ再録します。n.2493j (Aug. 29, 2023)
 「異常な興奮状態を好む人達」

 思うに、問題の本質は、人々が自分が意図するところとは正反対の結果を持
つことを行う(ような)異常な興奮状態の中にいるのは良くないということで
ある。たとえば、立ち止って(車の)往来に注意することができなくて、道路を
走ることで死んでしまうといった場合である。そのような振る舞いを賞賛する
人は、偽善を成功させたいと望んでいるのか、あるいは、屈服することに耐え
られない何らかの自己欺瞞の犠牲者であるかの、いずれかに違いない。私は両
方のこのような精神状態を悪いと考えることを恥ずかしいとは思わないし、
もし、そういう精神状態を悪いと考えることのために、私があまりに理性的に
過ぎるとして責められるならば、私はむしろ有罪を求める。

I suppose the essence of the matter is this: that I do not think it a good thing to be in that state of insane excitement in which people do things that have consequences directly opposite to what they intend, as, for example, when they get themselves killed in running across a street because they could not stop to notice the traffic. Those who praise such behaviour must either wish to practise successful hypocrisy or be the victims of some self-deception which they cannot bear to surrender. I am not ashamed of thinking ill of both these states of mind, and if it is for thinking ill of them that I am accused of excessive rationality, I plead guilty.
 Source: Bertrand Russell: Bertrand Russell: Human Society in Ethics and Politics, (1954), preface.
https://russell-j.com/cool/47T-preface-06.htm <寸言>
 「屈服することに耐えられない自己欺瞞」(elf-deception which they cannot bear to surrender.)というのは「認めたくないために自己欺瞞に陥 ってしまうこと」。
 第二次世界大戦における日本の戦争指導者やその子孫、また、右翼的な考え の人達は、戦争責任を過小評価し、国民の目をそらすために、戦争で亡くなっ た人達を「英霊」として過剰にほめたたえる人が多いように思われます。深い 反省のもとに戦争で亡くなった人達を追悼することはよいことですが、日本の 加害行為に目をつむり、「お国のために散った人達」を称賛ばかりしている人 は、都合の悪いことにふれられたくないと思っている人が多そうです。  ラッセルも次のように言っています。
 「愛国者は,いつも、国(祖国)のために死ぬとは言うが,国(祖国)のために外 国人を殺すとは言わない.」
( Patriots always talk of dying for their country and never of killing for their country)
 https://russell-j.com/beginner/sp/BR-KAKUGEN136.HTM ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ (2) ラッセルに関する記述や発言等 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  今回もお休み ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  編集後記 力の強い者に弱いマスコミ?-ジャニーズ「事件」と木原「問題」 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━   忖度しない報道姿勢の『中国新聞』-河合元法相に買収資金   を提供した安倍政権の幹部達  『中国新聞(デジタル版)』は、権力者にあまり忖度することなく、権力者が 嫌がる・煙たがる記事を時々掲載しています。  昨日、デジタル版に「【独自】河井元法相、買収原資は安倍政権中枢からか -4人から6700万円思わせるメモ-自宅から検察押収」という記事を掲載しまし た。  https://news.yahoo.co.jp/articles/5ad785fb77abbd64cd4764004544c66abde4bc81  2019年7月の参院選広島選挙区を巡る大規模買収事件では、多額の資金が安 倍政権から河合克行氏と河合愛理氏(夫婦)に提供されたという報道が多数な されましたが、大手マスコミはつっこんだ報道をしてきませんでした。  一方ネットの世界では詳しい報道がされ、買収資金は1億5千万ではなく、 少なくともその倍以上だったらしいとのことでした。そうして、こういうい場 合には「トリはん」という慣行(半分は選挙資金としては提供し、半分は自民 党総裁などが自分の政治資金とするという慣行/ここでは河合氏に7,500万提 供し、7,500万を安倍氏がゲット)があるとのことでした。  https://youtu.be/EnE9LRNqAYc  当時、安倍総理と河合氏が、官邸で何度もふたりだけで密談していた(記録 がある)ことから、いろいろ噂されていましたが、はっきりした証拠を示すこ とができませんでした。証拠を残すはずはありませんが・・・。  『中国新聞(デジタル版)』の記事には次のように書かれています。安倍総理 (当時)を神格化したい人達は無視するのは間違いなさそうです。 「2019年7月の参院選広島選挙区を巡る大規模買収事件で、検察当局が2020年1 月に河井克行元法相(60)=服役中=の自宅を家宅捜索した際、当時の安倍晋三 首相をはじめ安倍政権の幹部4人から現金計6700万円を受け取った疑いを示す メモを発見し、押収していたことが7日、関係者への取材で分かった。・・・  関係者によるとメモはA4判。上半分に「第3 7500万円」「第7 7500万円」 と書かれ、それぞれ入金された時期が付記されている。その下に「+(プラス) 現金6700」と手書きで記され、さらにその下に「総理2800 すがっち500 幹 事長3300 甘利100」と手書きされていた。・・・」  *もちろん「総理」は安倍氏、「すがっち」は菅氏(当時官房長官)、「幹 事長」は二階氏、「甘利」は当時自民党の選挙対策委員長をしていた甘利氏で す。甘利氏だけは、100万円ということで、これは候補者全員に配っているも のだということで、認めています。  「嘘つきは政治家の始まり」という言葉の理解に役立つ事件でした。                              (松下彰良) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■編集・発行:(松下彰良/まつした・あきよし) ■ご意見・ご感想・お問合せはお気軽に : matusitaster@gmail.com ■登録・解除・変更はこちら: https://russell-j.com/R3HOME.HTM ■WEBサイト: https://russell-j.com/      ( top page: https://russell-j.com/index.htm ) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━