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「(週刊)バートランド・ラッセル(1872.5.18-1970.2.2)に関するメール・マガジン」
  no.0844_2023/07/29 (2006/12/21 創刊/毎週土曜 or 日曜日 発行)

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    ■ 目 次 ■
          
 1.ラッセルの著書及び発言等からの引用
 2.ラッセルに関する記述や発言等
  編集後記

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 1.ラッセルの著書や発言等から
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■「ラッセルの英語」n.2478~2482  を発行しました。
  (1)「ラッセル英単語」は、n.2478,2480, 2482
  (2)「ラッセルの英文」は、n.2479, 2481
 
 それぞれ1つづつ再掲します。

■ ラッセルの英語 (1) n2480 R英単語/英熟語  

★ out of hand【手に負えないで;即座に、すぐに】


1.ラッセルの例

The playwright whose plays never succeed should consider calmly the 
hypothesis that they are bad plays; he should not reject this out of 
hand as obviously untenable.
[芝居がまったく成功しない脚本家(劇作家)は,冷静になって自分の脚本(作
品)は良くない(劣っている)という仮説を立ててみるべきである。そのよう
な仮説は明らかに支持できない,と即座に拒絶してはならない。]
 出典:ラッセル『幸福論』第8章「被害妄想」
     https://russell-j.com/beginner/HA18-060.HTM

It may be added that this should not mislead the reader into believing
 that a thinker may be dismissed out of hand merely because his views
 have been found wanting. .
[ここで付け加えてもよいかと思われるのは、このようなやりかたのために、
読者が誤って、その見解がただもの足りないからという理由だけで、1人の思
想家を即座に(頭ごなしで)却下してよいなどと信ずべきではないということ
である。]
 出典:ラッセル『西洋の智恵-図説・西洋哲学思想史』著者まえがき」
     https://russell-j.com/cool/55T-PREF.HTM


2.参考例

If you are not firm with the children, they will get out of hand.
[子どもたちに厳しくしないと、手に負えなくなる。]
 出典:『解体英熟語-改訂第2版』p.406

I rejected their offer out of hand.
 出典:Longman Dictionary of Contemporary English. new ed.

Unemployment is getting out of hand.
 出典:Oxford Advanced Learner's Dictionary. 8th ed.

If a person or a situation gets out of hand, you are no longer able to
 control them.
 出典: Collins COBUILD English Dictionary for Advanced Learner's, new
 ed.


■ ラッセルの英語(2) n2481 ラッセルの英文

 ( Unpopular Essays, 1950 から)
 「知的戯言の概要」(1943年発表)」n.57

 強い恐怖(心)の影響下では、ほとんどの人が迷信的になる。ヨナ(注:旧約
聖書なかの予言書の一つであるヨナ書の主人公/ここでは「ヨナ書」そのもの)
を船外に投棄した船員達は、ヨナの存在が嵐の原因であり、自分達の船を難破
させようとしていると想像した(のである)。これと同様の精神状態で、日本
人は東京の震災(注:関東大震災)の時、朝鮮人と自由主義者(例:大杉栄)
を虐殺をした。ローマ人がポエニ戦争(注:紀元前264年から146年の間に、三
次にわたって行われた、ローマとカルタゴの戦い)で勝利した時、カルタゴ人
は、自分達の不運は、モロク崇拝(注:Molochは、古代の中東地域で崇拝され
たとされる神格で、主にカナン人やその周辺の民族によって崇拝され、子供の
生け贄を捧げる儀式を行っていた)に忍び込んだある種のだらしなさ(laxity)
によるものだ、と確信するにいたった。 モロクは子供を犠牲として捧げられ
ることを好み、貴族の子供をより好んだ。しかし、カルタゴの貴族の家族は、
自分達の子供のかわりに平民の子供を使うという慣行を採用した。これが神の
不興を買った(機嫌を損ねた)と考えられたのである。そうして、最悪の瞬間
においては、最も高位の貴族の子供達でさえ、火のなかで適切に(duly)焼か
れてしまった。 不思議なことに、ローマ人は敵側におけるこのような民主的
改革にもかかわらず勝利したのである。

Outline of Intellectual Rubbish (1943), n.57

Under the influence of great fear, almost everybody becomes 
superstitious. The sailors who threw Jonah overboard imagined his 
presence to be the cause of the storm which threatened to wreck their
 ship. In a similar spirit the Japanese, at the time of the Tokyo 
earthquake took to massacring Koreans and Liberals. When the Romans 
won victories in the Punic wars, the Carthaginians became persuaded
 that their misfortunes were due to a certain laxity which had crept
 into the worship of Moloch. Moloch liked having children sacrificed
 to him, and preferred them aristocratic; but the noble families of
 Carthage had adopted the practice of surreptitiously substituting
 plebeian children for their own offspring. This, it was thought, had
 displeased the god, and at the worst moments even the most 
aristocratic children were duly consumed in the fire. Strange to say,
 the Romans were victorious in spite of this democratic reform on the
 part of their enemies.
 Source: Outline of Intellectual Rubbish (1943)
     Reprinted in: Unpopular Essays, 1950
  More info.: https://russell-j.com/cool/UE_07-570.HTM


■「ラッセルの言葉366_画像版」
 日本語 version : n.2456j-2462j を投稿
 英 語 version : n.2456e-2462e を投稿

 1つだけ再録します。n.2459j (July 26, 2023)

 「」

 民主主義者の一般的意図は,力による政治(統治)を同意による政治(統治)に
置き換えることであるが,これには,ある一定の訓練を経験した国民が必要で
ある。国民が,相互に憎みあっているほぼ同数の二つに分かれていて,互いに
相手ののど笛に飛びかかりたがっているような状態であるとすれば,半数より
少し少ない方の側は,他の側の支配に大人しく従わないであろうし,また半数
より少し多い方の側は,勝利の暁には,両者の不和を癒やすような穏健な態度
を示さないであろう。

The general aim of the democrat is to substitute government by general
 assent for government by force, but this requires a population that
 has undergone a certain kind of training. Given a nation divided into
 two nearly equal portions which hate each other and long to fly at
 each other's throats, that portion which is just less than half will
 not submit tamely to the domination of the other portion, nor will 
the portion which is just more than half show, in the moment of
 victory, the kind of moderation which might heal the breach.
 Source: Bertrand Russell: Ideas That Have Harmed Mankind,1946
Reprinted in: Unpopular Essays, 1950
More info.:https://russell-j.com/beginner/0861HARM-210.HTM

<寸言>
 岸田総理には馬耳東風の言葉でしょう。
 世界の多くの国で国民が分断化されています。民主主義は多数決だと単純に
信じ、決まったことには従うべきだ(法に従え!)と杓子定規に考え/言うだ
けですむのであれば、政治・政治家というのは楽な商売です。

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(2) ラッセルに関する記述や発言等 
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 今回もお休み

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 編集後記 権力と「法の下の平等」-たかが週刊誌、されど週刊誌
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 権力といっても「ほんのささいな権限」とでもいうべき小さな権力から米国
大統領やプーチン大統領がもっているような強大な権力(他国民の生殺与奪権)
まで、レベルは様々あり、一概に論ずることはできません。

 木原官房副長官の妻に「関係する」問題でふるわれた権力にもいろいろあり
そうです。国民は、権力の不当な行使には日頃から目を光らせていなければな
りません。しかし、国民が直接権力を監視することはできないので、マスコミ
等のメディアがその役目を担わなくてはなりません。、

 週刊誌は他人のプライバシーを不必要にさらけだす負の面もありますが -
大手のマスコミは報道規制を受けたり、電波利権を失いたくないために報道を
控えるような場合もあり- 「文春砲」にみられるように、週刊誌の存在理由
もかなりあると言わざるをえません。

 普段、週刊誌は購入することなく、図書館で気になった記事を見る程度です
が、文春の最新号では木原氏の妻に関わる事件を13ページに渡って特集してい
るということで、何年ぶりかですが、購読してみました。

 YouTube でも右寄り、左寄り、中立的な立場(自称)の人など、様々な人が
とりあげており、私もこれまでけっこう、いろんな立場の人の報道や意見を視
聴してきました。

 その結果、この問題には、権力と「法の下の平等」とに関して2つの問題が
あり、ごっちゃにしてはいけないと感じました。

 つまり、木原氏が現在の妻と結婚する以前に起こった事件(殺人事件の可能
性大)に関係する疑惑と、木原氏が現在の妻と結婚した後の2018年10月に30人
以上の捜査チームを編成して捜査が大々的に始まって1ヶ月もたたないうちに
「上から」の指示で捜査が突然中止になった理由に関わる疑惑です。偶然にし
ては出来すぎですが、2018年10月に木原氏は警察に大きな影響力を持つ自民党
の情報調査局長に就任していたという事実があります。(自分から望んでこの
役職についた可能性大です。)

 2018年10月には、木原氏の妻に何度も事情聴取が行われており、木原氏自身
も任意であっても事情聴取を受けています。ただし、「殺人」事件は2006年に
起きており、木原氏が現在の妻と結婚したのはその後ですのでその事件には木
原氏はまったく責任はありません。問題なのは、その後、妻及びその周辺に関
する捜査を自分の影響力(権力や権限)によってつぶした疑惑が最大の問題で
す。
 
 現在では、警察の取り調べによる「自白」だけで(具体的な証拠がなければ)
裁判で有罪になることはありません。しかし、木原氏は「油断」していたよう
です。木原夫妻は警視庁で事情聴取を受け、帰宅する時にタクシーを利用しま
したが、捜査員はそのタクシーのナンバーを記録していて、後から、そのタク
シー会社を割り出し、ドライブレコーダーを押収していました。そうして、
タクシー内での次の会話が動画(20分以上)として録画されていたとのことで
す。

 木原氏:「大丈夫だよ、俺が何とかするから」
   妻:「・・・」

 木原氏:「俺が手を回しておいたから心配すんな。刑事の話には乗るなよ。
      これは絶対言っちゃ駄目だぞ。それは罠なんだから。」

 木原氏:「国会が始まれば捜査なんて終わる。刑事の問いかけには黙ってお
      け」

   妻:「刑事さんが「(木原氏のこと)東大出て、ボンボンで脇が甘い」
      と言っていたよ」

 木原氏:「そんなもん、クビとって飛ばしてやる!」


 引用はこれでやめて置きます。週刊誌ネタが嫌いな人にも一読をおすすめし
ます。

 2006年の「殺人」事件は木原氏の妻やその愛人のY氏によるものではなく、
木原氏の妻の肉親(元警察庁警部)によるものではないかと推察されます。

 木原氏による捜査介入も、安倍政権下(実際の指示は当時の菅官房長官)で
握りつぶされた、山口敬之氏(安倍昭恵さんの親友の弟!)による伊藤詩織さ
んに対するレイプ事件と同様の、権力の乱用(公私混同)の問題が存在してい
ます。

 松野官房長官は、定例記者会見で文春の記事に関して質問を受けても、「個
別の問題には回答しません」とするだけで相手にしませんが、私的な問題だと
いっても、権力の乱用に関する「公的な」問題でもありますので、どこまで説
明責任を回避し続けることができるでしょうか?
 岸田政権にとって致命的なものになり、自民党にとっても大きな痛手になる
可能性があります。

 週刊文春はこの記事の最後に、「・・・第二章、その幕が上がろうとしてい
る」と書かれており、まだ「玉」がいろいろありそうです。  (松下彰良)


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■編集・発行:(松下彰良/まつした・あきよし)
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