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「(週刊)バートランド・ラッセル(1872.5.18-1970.2.2)に関するメール・マガジン」
  no.0838_2023/06/17 (2006/12/21 創刊/毎週土曜 or 日曜日 発行)

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    ■ 目 次 ■
          
 1.ラッセルの著書及び発言等からの引用
 2.ラッセルに関する記述や発言等
  編集後記

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 1.ラッセルの著書や発言等から
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■「ラッセルの英語」n.2449~2453  を発行しました。
  (1)「ラッセル英単語」は、n.2449,2451,2453
  (2)「ラッセルの英文」は、n.2450, 2452
 
 それぞれ1つづつ再掲します。

■ ラッセルの英語 (1) n2451 R英単語/英熟語  

★ for one thing ~(, for another)【一つには~であり、一つには~であ
る(からである) 】

* "for"を"as"(~として)の意味で使う例で、理由の一つをあげている。


1.ラッセルにおける用例

The above definition of ‘meaning’, though I think it correct so far 
as it goes, in no degree exhausts the subject of meaning. For one 
thing, it is only applicable to object-words..
[上記の(先にあげた)「意味」の定義は、今のところ(so far as it goes)
正しいとは考えるが、決して意味の問題(主題)の全体を尽くすものではな
い。一つにはその定義は対象語についてのみあてはまるものだからである。]
 出典:ラッセル『幸福論』第15章「非個人的な興味(私心のない興味」
     https://russell-j.com/beginner/HA26-050.HTM

I do not pretend that this is easy. It involves, for one thing, the 
elimination of war, for all war is an exercise of naked power.  .
[私はこのこと(権力の監視及びコントロール)は容易だと言うつもりはない。
ひとつには,戦争の根絶が必要であり、戦争は全てむきだしの権力の行使であ
るからである。]
 出典:ラッセル『権力』第6章「むきだしの権力」
     https://russell-j.com/beginner/POWER06_330.HTM


2.参考例

It is, for one thing. to bathe in the sun that people gather in such
 spacious outdoor places.
[人々がそんな広々とした屋外の場所に集まるのは、一つには日光浴をするた
めである。]
 出典:『解体英熟語-改訂第2版』p.414

His business won't prosper because, for one thing, he is too generous.
[彼の商売は繁盛しないだろう。一つには、彼は気前がよすぎるからだ。]
 出典:『新版完全征服データベース5500 合格 英単語・熟語』p.252

For one thing we can't afford it, and for another it's ugly.
 出典:Longman Dictionary of Contemporary English, new ed.

You can say for one thing when you are explaining a statement or 
answering a question, to suggest that you are not giving the whole 
explanation or answer, and that there are other points that you could
 add to it.
 出典:COLLINS COBUILD English Dictionary for Advanced Learners, new
 ed


■ ラッセルの英語(2) n2452 ラッセルの英文

 ( Unpopular Essays, 1950 から)
 「知的戯言の概要」(1943年発表)」n.45

 女性に対する、男女それぞれの、根深い不合理な態度は、小説のなかに - 
特に駄作の(くだらない)小説のなかに- 見ることができるだろう(見られ
るだろう)。男によって書かれた下らない小説(駄作)のなかには、その作者
が愛している女性が登場するが、彼女は、通常は、あらゆる魅力を備えている
が、いくらか頼りなく、そうして(従って)男性による保護を必要とする。け
れども、時折、シェイクスピアのクレオパトラのように、その女性は激しい憎
悪の対象であり、非常に絶望的に邪悪であると考えられる。(小説の中の)ヒ
ロイン(女主人公)を描写するにあたって、男性の作家は観察をもとにして書
くのではなく、単に彼自身の情緒を(表現することを)目指すにすぎない。

(訳注:「objectives」を名詞としてとると、この一文(In portraying the
 heroine, the male author does not write from observation, but merely
 objectives his own emotions.)は何か単語が脱落してているのではないか
と思えてしまいます。手元にある大きな英和辞典や英英辞典を見ても
「objective」には名詞と形容詞の意味しか載っていません。そこで、ChatGPT
に「objective」を動詞として使う例を尋ねると、以下の回答がありました。

【"Objective"は一般的に形容詞として使用されることが多いですが、一部の
 文脈では動詞としても使用されることがあります。その場合、"objective"
 は目標を立てる、目指す、または客観的に評価するなどの意味を持ちます。

 例文: We need to objective our goals before we start working on the
 project.(プロジェクトに取り組む前に、目標を立てる必要があります。)】

 need to の後ろに来るこの例なら「objective」が動詞としてy使われてい
るのではないかと想像できますが、この例ではなかなか気づけません。】

 (ヒロイン以外の)その他の女性の登場人物(characters)については、彼は
もっと客観的であり、彼は自分の手帳(創作ノート/メモ帳)に頼ることさえ
あるかもしれない。 しかし、彼(作者)が恋している時には、彼の情熱が彼
と彼の熱愛対象との間に霧をかけるのである。 女性の小説家にも また、彼女
の小説のなかに二種類の女性を登場させる。一種類は彼女自身で、性的魅力が
あり、優しく、邪悪な人間にとっては肉欲の対象、善良な人間にとっては愛情
の対象であり、感じやすく、心は気高く、そうしていつも誤解される(のであ
る)。もう一種類は、自分以外の全ての女性によって示されるものであり、通
常は(多くの場合)けちで、意地が悪く、残忍で、人を騙す人間として描かれ
る。(訳注:ラッセルは、あくまでも駄作=三文小説の場合について言ってい
ます。)先入観なく女性を見ることは、男性にとっても女性にとっても容易な
ことではないように思われるであろう。

Outline of Intellectual Rubbish (1943), n.45

The deeply irrational attitude of each sex toward women may be seen in
novels, particularly in bad novels. In bad novels by men, there is the
 woman with whom the author is in love, who usually possesses every 
charm, but is somewhat helpless, and requires male protection; 
sometimes, however, like Shakespeare's Cleopatra, she is an object of
 exasperated hatred, and is thought to be deeply and desperately 
wicked. In portraying the heroine, the male author does not write from
 observation, but merely objectives his own emotions. In regard to his
 other female characters, he is more objective, and may even depend 
upon his notebook; but when he is in love, his passion makes a mist
 between him and the object of his devotion. Women novelists, also, 
have two kinds of women in their books. One is themselves, glamorous
 and kind, and object of lust to the wicked and of love to the good,
 sensitive, high-souled, and constantly misjudged. The other kind is
 represented by all other women, and is usually portrayed as petty,
 spiteful, cruel, and deceitful. It would seem that to judge women
 without bias is not easy either for men or for women.
  Source: Bertrand Russell : An Outline of Intellectual Rubbish, 1943
   Reprinted in: Unpopular Essays, 1950, chapter 7:
   More info.: http://www.ditext.com/russell/rubbish.html
      https://russell-j.com/cool/UE_07-450.HTM


■「ラッセルの言葉366_画像版」
 日本語 version : n.2414j-2420j を投稿
 英 語 version : n.2414e-2420e を投稿

 1つだけ再録します。 n.2417j (June 14, 2023)

 「"bless you" を言う慣習ができあがった理由は?」

 修道僧が食べようとしている食物に悪魔が住み着き、一口食べるごとに十字
を切ることを省略する不注意な者の体に取り付くのであった。古風な人々はい
まだ人がくしゃみをすると「おん身に幸あれ(bless you お大事に)」という
が、彼らはこの慣習ができあがった理由は忘れてしまっている。その理由は、
人々はくしゃみによって魂をふきとばしてしまい、そうして、彼らの魂が戻る
ことができないうちに、潜んでいる悪魔が魂不在の体のなかに入り込みがちで
ある、と考えられていたのである。

Devils would settle on the food that monks were about to eat, and 
would take possession of the bodies of incautious feeders who omitted
 to make the sign of the Cross before each mouthful. Old-fashioned 
people still say "bless you" when one sneezes, but they have forgotten
 the reason for the custom. The reason was that people were thought to
 sneeze out their souls, and before their souls could get back lurking
 demons were apt to enter the unsouled body.
Source: Outline of Intellectual Rubbish (1943)
Reprinted in: Unpopular Essays, 1950
More info.:https://russell-j.com/cool/UE_07-030.HTM

<寸言>
 キリスト教徒だけでなく、あらゆる宗教の信者の多くが、過去、愚かな迷信
を信じていました。現代では、迷信の形態が変わってきていますが、証拠がま
ったくない非科学的なこと(迷信のたぐい)を信じている人はあいかわらず大
勢います。

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(2) ラッセルに関する記述や発言等 
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 今回もお休み

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 編集後記  マイナカードのシステムは作り直しになるか?
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 マイナンバーカード(マイナカード)にまつわる不具合が連日ニュースにな
っています。一方、政府は国民の批判に耐えつつ、様々なものをデジタル化・
IT化することによって事務処理を格段に効率化し、それによって、バルブ後の
「失われた30年」を一挙にとり戻そうと躍起になっています。

 「マイナカード保有は義務ではない」とのことで始められましたが、健康保
険証の機能もマイナカードに統合化し、来年の秋に健康保険証を廃止する法案
を通過させてしまいました。そうして、公約に反して「義務化」するとまでは
言えないため、資格確認証を発行すると言っています。しかし、毎年手続き
をしなければならず、手続きを面倒にすることによって、いずれ国民の大部分
がマイナカードを保有するはずだと思っているようです。

 昨日の東京新聞の記事の中に、「政府は9日、マイナンバーカードの用途
拡大を柱とするデジタル施策の"重点計画"を閣議決定し、その中に、政府が国
立大に対し、授業の出欠確認などマイナカードの利用実績に応じて、交付金を
配分する、という施策が盛り込まれた」との記述がありました。

 いろいろな機能が盛り込まれれば盛り込まれるほど、失くした場合、再発行
までに被る不便は、とても大きなものになります。カードを失くすとすぐに困
ってしまうサービスと再発行までまつことのできるサービスとを、どうして一
緒にしてしまうのでしょうか?

 政府は、マイナカードのシステムやデータを再点検すると言っていますが、
システムを全面的に見直し再構築するとは言っていません。しかし、不都合な
ところをパッチワークのようにシステム改修していくと、いずれシステムの再
構築をしなければいけなくなるのではないでしょうか?

 システム構築は富士通が担当していますが、富士通がセキュリティを考慮し
て、データの暗号化をしたり、ログインしてある時間が経過したら自動的にロ
グオフするという当たり前の提案をしたところ、システムをよく理解しない?
官僚が、暗号化せずに(カードの裏のQRコードをスマホのカメラで読み取ると
暗号化されていないマイナンバーが表示されたり、利用者がログオフしないか
ぎり、ログオン状態が続くシステムにするよう指示したそうです。それなら、
誰かのマイナカードのQRコードをスマホで撮影してマイナンバーを盗んだり、
不正アクセスでデータを抜き取る手立てがいろいろでてきそうです。

 「マイナンバカードのシステムと他のシステムはリンクしていないので大丈
夫」という「極楽とんぼ」状態で大丈夫でしょうか? (松下彰良)

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■編集・発行:(松下彰良/まつした・あきよし)
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