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「(週刊)バートランド・ラッセル(1872.5.18-1970.2.2)に関するメール・マガジン」
  no.0832_2023/04/29 (2006/12/21 創刊/毎週土曜 or 日曜日 発行)

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    ■ 目 次 ■
          
 1.ラッセルの著書及び発言等からの引用
 2.ラッセルに関する記述や発言等
  編集後記

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 1.ラッセルの著書や発言等から
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■「ラッセルの英語」n.2417~2421  を発行しました。
  (1)「ラッセル英単語」は、n.2417,2419,2421
  (2)「ラッセルの英文」は、n.2418, 2420
 
 それぞれ1つづつ再掲します。

■ ラッセルの英語 (1) n2421 R英単語/英熟語  

★ carry on【(vt) ~を続ける; 経営する | (vi) 続ける】

* "on" は時間的に接触(継続)しているというニュアンス


1.ラッセルの用例

I should wish to die while still at work, knowing that others will 
carry on what I can no longer do and content in the thought that what
 was possible has been done.
[私は,私のもはや出来ないことを他人が引き継いでいることを知りつつ,自分
が可能なことはやったという考えに満足して,いまだ仕事をしている間に死に
たいものである。]
 出典:ラッセル「歳のとり方」
     https://russell-j.com/beginner/0958HTGO-040.HTM

Among politicians good men have their uses, the chief of which is to
 afford a smoke-screen behind which others carry on their activities
 unsuspected.
[政治家の間では、善人(「善」い人)は善人なりの使い道(利用価値)があり,
その主な使い道は,他の者が疑いの眼で見られずに活動を続けることができる
煙幕(目隠し)を与える(煙幕の役割をはたす)ことである。]
 出典:ラッセル「善人が為す害悪」
     https://russell-j.com/beginner/0393_HGMD-080.HTM

He has carried on its work sometimes almost single-handed and many of
 its most fertile ideas are owing to him.
[彼(注:ラルフ・シェーンマン)は,その仕事(ラッセル財団創設の仕事)を
時にはほとんど独力でやってくれたし,その仕事の最も創造力に富んだアイデ
アの多くは彼に負っている。]
 出典:ラッセル『自伝』第3巻第4章「ラッセル平和財団」
     https://russell-j.com/beginner/AB34-080.HTM


2.参考例

The chairman of the meeting became ill, but we carried on without him.
[会議の議長が病気になったが、我々は彼なしで続行した。]
 出典:『解体英熟語 改訂第2版』p.164

He carried on his work steadily.
[彼はたゆまず仕事を続けた。]
 出典:森一郎『試験に出る英熟語』p.218

carry on under difficult conditions
[困難な条件のもとでがんばる]
 出典:Shogakuan Random House English-Japanese Dictionary, 1982ed.

Even after the music started they carried on talking. / You're just 
deceiving yourself if you carry on believing that she loves you.
 出典: Longman Dictionary of Contemporary English, new ed.

If you carry on doing something, you continue to do it.
 出典: Collins COBUILD English Dictionary for Advanced Learner's, new
 ed.


■ ラッセルの英語(2) n2411 ラッセルの英文

 ( Unpopular Essays, 1950 から)
 「知的戯言の概要」(1943年発表)」n.32

 事実、大人(成人)の「人間性」は、教育環境(の違い)に応じて、非常に
変わりやすい(ものである)。食と性はごく一般的な必要物であるが、テーバ
イドの隠者達は性をまったく避け、食物を生きてゆけるだけの最低限度に切り
詰めた(注:"thebaid";テーバイスまたはテバイド:アビドスからアスワンま
での上エジプトの最も南にある13のノモスから成る古代エジプトの地方/なお
、古代ギリシアの Thebaid テーベは、中央ギリシアに位置するボイオティア
地方にあるテーバイ市周辺を指す)。食事(diet 食事療法)と訓練によって
、人々は教師の思いどおりに、兇悪にもおとなしくにも(meek)、また主人(支
配者)らしくにも奴隷らしくにも、(人間を)作り上げることが可能である。
どんなに 馬鹿げたことでも、政府が十分な統治行為を行えば、大多数の人々
の信条にすることができないようなものは一つもない。プラトンは自分の『共
和国(=国家)』(著書 Republic)を、自ら(自分でも)馬鹿げていると認め
た一つの神話に基づかせる(神話の上に築く)ことを意図した。しかし、彼が
、この神話を信じるように大衆を導くことができると、正しくも(rightly)
、確信していた。トマス・ホップスは- 政府がどんなに尊敬に値しないもの
であっても人民が政府を尊敬することは重要であると考えたが- 彼は、人々
(民衆)がキリスト教、及び、特に変容の教義(注:the dogma of
 transubstantiation : 聖餐における「パンとぶどう酒」とを「キリストの肉
と血」とに変化させること)を信じるようにさせられてきた事実を指摘するこ
とによって、非常に不合理なことに対して一般的な承認を獲得することは困難
だろうという議論に、対処している(meets)。もしホップスが現在(注:
1943年)生きていたとしたら、ドイツの青年のナチスに対する献身に、彼の
論旨に十分な確証(mple confirmation )があることを見出したであろう。

Outline of Intellectual Rubbish (1943), n.32
In fact, adult "human nature" is extremely variable, according to the
circumstances of education. Food and sex are very general requirements,
 but the hermits of the Thebaid eschewed sex altogether and reduced 
food to the lowest point compatible with survival. By diet and 
training, people can be made ferocious or meek, masterful or slavish,
 as may suit the educator. There is no nonsense so arrant that it 
cannot be made the creed of the vast majority by adequate governmental
 action. Plato intended his Republic to be founded on a myth which he
admitted to be absurd, but he was rightly confident that the populace
 could be induced to believe it. Hobbes, who thought it important that
 people should reverence the government however unworthy it might be,
meets the argument that it might be difficult to obtain general assent
 to anything so irrational by pointing out that people have been 
brought to believe in the Christian religion, and, in particular, in
 the dogma of transubstantiation. If he had been alive now, he would
 have found ample confirmation in the devotion of German youth to the
 Nazis.
 Source: Bertrand Russell : An Outline of Intellectual Rubbish, 1943
   Reprinted in: Unpopular Essays, 1950, chapter 7:
   More info.: http://www.ditext.com/russell/rubbish.html
      https://russell-j.com/cool/UE_07-320.HTM


■「ラッセルの言葉366_画像版」
 日本語 version : n.2365-2371j を投稿
 英 語 version : n.2365-2371 を投稿

 1つだけ再録します。 n.2368j ( Apr. 26, 2023)

 「」

 私達が身近にある物体を認識するとき、主観的には即座に与えられているよ
うに見えるものの多くは、実際は過去の経験に由来するものである。ある物体
、例えば1ペニー硬貨を見たとき、私達はその「本当の」形状に気づいている
ように思われる。(即ち)楕円形ではなく、円形であるという印象を持つ
(注:未知の物体であれば、視覚では楕円形に「見えても」、実際に見た経験
があるものは、自動的に映像の補正が行われ、ここでは硬貨は、円形に「見て
しまう」という現象)。
 絵を描くことを学ぶには、知覚(perception)ではなく感覚(sensation)に
従って物事を表現する技術を習得する必要がある。そして、見た目の印象は、
その物体を触ったらどんな感じなのかといった感覚で埋められていく、等々
(注:つまり、「感覚」と「知覚」とでは大きな違いがあるということ)。

When we perceive any object of a familiar kind, much of what appears 
subjectively to be immediately given is really derived from past 
experience. When we see an object, say a penny, we seem to be aware 
of its "real" shape: we have the impression of something circular, 
not of something elliptical. In learning to draw, it is necessary to
 acquire the art of representing things according to the sensation,
 not according to the perception. And the visual appearance is filled
out with feeling of what the object would be like to touch, and so on.
Source: The Analysis of Mind, 1921
More info.: https://www.gutenberg.org/files/2529/2529-h/2529-h.htm

<寸言>
 視覚だけでは正しい理解や認識を持つことは非常に難しいことがよくわかり
ます。触覚や臭覚や味覚も含め、五感を動員することによって、より正しい理
解や認識に近づくことが「可能」です。しかし、他の動物に比べ、人間の五感
が一番優れているわけではありません。五感だけでなく、言葉と論理的思考の
支援を得る必要があります。
 経験と論理の両方が必要ということで、論理経験主義という思想や運動が生
まれました。近い思想や運動として論理実証主義がありましたが、論理実証主
義者は経験や経験的事実を軽視しすぎているという批判があり、それと区別す
るために論理経験主義が生まれたと言ってよさそうです。     


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(2) ラッセルに関する記述や発言等 
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 今回はお休み

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 編集後記 「インド人もびっくり!」は古い固定観念
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 世界の巨大企業のトップに多くのインド人がついており、「インド人もびっ
くり!」ではなく「日本人もビックリ!」と言わなければならないようです。

 インド人がトップについている世界の巨大企業としては、グーグルを傘下に
持つアルファベット、ユ-チューブ、マイクロソフト、IBM、スターバック
ス、シャネル、FedEx・・・、というように、信じられない状態になっていま
す。
 人口から言えば、先日中国を抜き世界一になっていますので、インドが欧米
の国なら理解できます。しかし、英語が公用語になっているといっても、非キ
リスト教国で多民族国家ということを考えると不思議です。

 NHKの国際ニュースナビでは、その理由として以下のようなことをあげてい
ます。

・アルファベット(グーグルの親会社)のCEOであるピチャイは、あまり豊
かではない家庭で育ったそうですが、「勉強を頑張れば世界的企業のトップに
上り詰めることも可能」ということで、多くの若者によい刺激を与えている。


・人口およそ14億人のうち15歳から24歳の人口だけで2億5000万人! 若い活力
 のある国であり、日本とは雲泥の差がある。

・インドは理工系の優秀な人材を育成するための教育に力を入れてきている。
 インド工科大学の合格者が多数出ているという大手の予備校では、インド全
 土から多くの生徒が集まるなど、受験が地域の一大産業になっている。
 (国家予算に占める教育関連の予算は2006年度には対GDP比で3.1%だったの
  が、2020年度には4.5%と、2019年度時点で3.0%の日本を上回る数字)

・異なる言語や風習を持つ多様な民族が暮らし、“カオス”と言われる混とん
 とした社会でもまれることで、「打たれ強さ」や「柔軟さ」が鍛えらる。
 → 日本社会は生ぬるいというわけです。

 上からみれば、近い将来、インドが日本を抜くのは確実です。人口が日本に
比べれば2/3しかないドイツにももしかすると今年か来年にはGDPで抜か
れるか知れないと言われています。日章旗は落日象徴となってしまうかも知れ
ません。 (松下彰良)

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■編集・発行:(松下彰良/まつした・あきよし)
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