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「(週刊)バートランド・ラッセル(1872.5.18-1970.2.2)に関するメール・マガジン」
  no.0819_2023/01/28 (2006/12/21 創刊/毎週土曜 or 日曜日 発行)

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    ■ 目 次 ■
          
 1.ラッセルの著書及び発言等からの引用
 2.ラッセルに関する記述や発言等
  編集後記

    
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   ★ 週刊版はこれが今年最初の発行となります。
     本年もよろしくお願いいたします。

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 1.ラッセルの著書や発言等から
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■「ラッセルの英語」n.2353~2357  を発行しました。
  (1)「ラッセル英単語」は、n.2353,2355,2357
  (2)「ラッセルの英文」は、n.2354, 2356
 
 それぞれ1つづつ再掲します。

■ ラッセルの英語 (1) n2353 R英単語/英熟語  

★ wicked【(adj.) (行為・精神などが)邪悪な、邪な(よこしまな)、不道
徳な;意地悪な;ひどい】

* wicked weather:ひどい天気


1.ラッセルの例

Whenever you begin to feel remorse for an act which your reason tells
 you is not wicked, examine the causes of your feeling of remorse, and
 convince yourself in detail of their absurdity.
[自らの理性が悪くない(不道徳的なものではない)と告げる行為について、
あなたが後悔を感じはじめるようなときには、いつでも、後悔の感情の原因を
調べ、その不合理性について、細部においてまで確信をもつべきである。]
 出典:ラッセル『幸福論』 第7章「罪悪感」
         https://russell-j.com/beginner/HA17-060.HTM

I remember in the course of a speech, saying: 'It is all nonsense to 
pretend the Germans are wicked', and to my surprise the whole room 
applauded.
[(第一次世界大戦初期の1914年秋)演説の中で私は,「'ドイツ国民は邪悪だ'
と主張することは,全くナンセンスである」と言ったことを,記憶している。驚
いたことに,会場全体から拍手喝采が起こった。]
 出典:ラッセル『自伝』 第2巻第1章「 第一次世界大戦」
     https://russell-j.com/beginner/AB21-070.HTM

To this day conventional Christians think an adulterer more wicked 
than a politician who takes bribes, although the latter probably does
 a thousand times as much harm.
[今日に至るまで,因襲的なキリスト教徒は,賄賂をもらった政治家よりも姦
通を行った者(adulterer)をもっと邪悪だと考える。政治家のほうがおそら
く千倍も有害なことをなすであろうにもかかわらずである。]
 出典:ラッセル 「宗教は文明に有益な貢献をしたか」
     https://russell-j.com/beginner/0466HRMUC-070.HTM

When people let loose upon a murderer the savage impulses of the 
head-hunter, they feel neither savage nor wicked but believe 
themselves to be upholders of virtue and good citizenship. tongue.
[殺人者に対して首狩り族と同じ野蛮な衝動を解放する時には,民衆はそれを野
蛮とも邪悪とも感ぜずに,自分を徳性と善良な市民意識の持主だと信ずる。]
 出典:ラッセル『アメリカン・エッセイ集』 の中の「 犯罪への興味」
     https://russell-j.com/CRIME-I.HTM


2.参考例

You have such a wicked tongue.
[君は本当に口が悪い。]
 出典:『知識と文脈で深める上級英単語 LOGOPHILIAロゴフィリア』p.134

Foxes are often regarded as wicked animals in European folk.
[ヨーロッパの民話ではキツネはよく邪悪な動物としてみなされている。]
 出典:『英単語ターゲット1900』p.283

It's a wicked waste of money.
  出典: Longman Dictionary of Contemporary English, new ed.

You use wicked to describe someone or something that is very bad and
 deliberately harmful to people.
  出典:Collins COBUILD English Dictionary for Advanced Learners, new
 ed.


■ ラッセルの英語(2) n2351 ラッセルの英文

 ( Unpopular Essays, 1950 から)
 「知的戯言の概要}n.7

 「罪」という概念全体が非常に人を戸惑わせる概念だと私には思われるが、
これは私の罪深い性格によるものであることは疑いもないことである(注:冗
談)。もし「罪」というものが、無用の損害をさけることにあるというのであ
れば、私も理解できる。数年前、イギリスの上院(貴族院)で、苦痛がはげし
くて耐えられない場合の安楽死を合法 化する法案が提出された。数枚の診断
書と患者の同意が必要であった。私には、単純に考えて、患者の同意を要求す
ることは当然のおとだと思われた。しかし、前カンタベリー大僧正 -カンタ
ベリー大僧正は罪にかんするイギリスの公認専門家である―  はそのような
見解は誤りであると説明した。 (即ち、)患者の同意は安楽死を自殺にかえ
るものであり、そうして自殺は罪である(とのことであった)。上院の閣下達
(貴族院議員諸君)はこの権威の声に耳を傾けた(傾聴した)、そうして、
その法案を否決 した。その結果、大僧正を ―そして、もし彼が正しく報告
しているとすれば、(彼が信ずる)神を喜ばせた。癌の犠牲者達はいぜんとし
て、かれらの医者あるいは看護婦が殺人のとがめを受ける危険をおかしてもよ
いとするほど十分になさけ深くないかぎり、何ヶ月も全く無用の苦しみに耐え
なければならないのである。そのような拷問をじっと見つめる(熟視熟考する)
ことから喜び得る神というものの概念に私は困難を見出す(理解できない)。
そしてそのような気まぐれな残忍行為をなしうる神が もしあるとすれば、
その神は崇敬に値するものとはとても考えられない。 しかしこのことはただ
私が 道徳的にどんなに堕落しているかを証明するものにほかならない(注:
もちろん、皮肉)。

Outline of Intellectual Rubbish (1943), n.7
.
The whole conception of "Sin" is one which I find very puzzling, 
doubtless owing to my sinful nature. If "Sin" consisted in causing 
needless suffering, I could understand; but on the contrary, sin often
 consists in avoiding needless suffering. Some years ago, in the 
English House of Lords, a bill was introduced to legalize euthanasia
 in cases of painful and incurable disease. The patient's consent was
 to be necessary, as well as several medical certificates. To me, in
my simplicity, it would seem natural to require the patient's consent,
 but the late Archbishop of Canterbury, the English official expert 
on Sin, explained the erroneousness of such a view. The patient's 
consent turns euthanasia into suicide, and suicide is sin. Their 
Lordships listened to the voice of authority, and rejected the bill.
 Consequently, to please the Archbishop -- and his God, if he reports
 truly -- victims of cancer still have to endure months of wholly 
useless agony, unless their doctors or nurses are sufficiently humane
 to risk a charge of murder. I find difficulty in the conception of a
 God who gets pleasure from contemplating such tortures; and if there
 were a God capable of such wanton cruelty, I should certainly not 
think Him worthy of worship. But that only proves how sunk I am in 
moral depravity.
 Source: Bertrand Russell : An Outline of Intellectual Rubbish, 1943
    Reprinted in: Unpopular Essays, 1950, chapter 7:
   More info.: http://www.ditext.com/russell/rubbish.html


■「ラッセルの言葉366_画像版」
 日本語 version : n.2274-2280j を投稿
 英 語 version : n.2274-2280e を投稿

 1つだけ再録します。 n.2275j ( Jan. 23, 2023)
         
 「美徳が伴う悪徳」

 また、伝統的なモラリスト(道徳家)には心理学に対する重大な無知があり、
ある種の美徳がある種の相関する悪徳を伴う(必然的に含む)ことを理解で
きない。従って、ある美徳を推奨する際に重視すべき考慮事項はこうである。
「この美徳はその相関する悪徳とともにその相関する悪徳を伴う(含む)反対の
美徳を上回るだろうか?(即ち、)ある美徳がそれ自体良いということだけで
は十分ではなく、それが伴う悪徳及び除外する美徳を考慮する必要がある。」

There is also, in all conventional moralists, a gross ignorance of 
psychology, making them unable to realize that certain virtues imply
 certain correlated vices, so that in recommending a virtue the
 consideration which ought to weigh is: does this virtue, with its 
correlative vice, outweigh the opposite virtue with its correlative 
vice? The fact that a virtue is good in itself is not enough; it is
 necessary to take account of the vices that it entails and the 
virtues that it excludes.
 Source: Bertrand Russell: The Prospects of Industrial Civilization,
 1923, p.161
More info.: Not available

<寸言>
 たとえば、先の大戦の戦没者(軍人)を祀る靖国神社(民間施設)にはA級戦犯
が合祀されていることから、国立の追悼施設を別に創るべきだという意見があ
ります(昭和天皇はA級戦犯が合祀されて以降は靖国参拝を中止しました)。平
成天皇もその意志をつぎました。現在の天皇もその意志をつぐものを思われま
す)。与党や野党(の一部)は、「兵隊さん達は死んだら靖国に祀られること
を望んで戦地に赴いたのだから靖国以外追悼施設は考えられない」と主張して
聞く耳を持ちません。戦後生き残った軍人のなかには考え方が180度変わった
人も少なくないですが、靖国にこだわる政治家は、戦死した軍人の魂は(あの
世に?)残っているが靖国に祀られたいという気持ちは戦死した瞬間から変わ
っていないとでも考えているようです。
 いずれにせよ、「一部の戦争指導者以外は"愛国無罪"にしたい(そうでない
と次の「防衛」戦争で命を掛けてもらえない)」と考える与党政治家が多いよ
うです。もしも、台湾有事=日本有事ということで、台湾「紛争」で多数の戦
死者がでた場合には、まさか「靖国に祀る」などと言ったら「時代錯誤」と非
難されることは明らかと思われることから、「仕方なく」国立の追悼施設を創
ることになりそうです。

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(2) ラッセルに関する記述や発言等 
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 今回もお休み

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 編集後記 岸田総理長男(総理秘書官)の視察同行は文字通りの外「遊」
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 『週刊新潮』の記事はまだ読んでいませんが、新聞各紙やTVニュース等で、
岸田総理の長男の祥太郎氏(総理政務担当秘書官)が総理の(米英仏加伊の5
カ国)外遊同行時に文字通り外「遊」していたと報じられています。(ロイタ
ーにより、世界に報道されています!)
https://youtu.be/lvRfrAXhbkM ← TBS NEWS DIG(YouTube 動画)
https://jp.reuters.com/article/kishida-son-idJPKBN2U50GK ← ロイター
https://www.dailyshincho.jp/article/2023/01251131/?all=1 デイリー新潮

 デイリー新潮によると、「そこに同行していた翔太郎君の振る舞いがあまり
に物見遊山めいていたことが話題になっているんです。・・・フランスの日本
大使館には翔太郎君から、パリ市内の観光地を巡りたいとの要請があったそう
です。大使館は車を回し、彼はお望みの名所を訪れている。それだけでなく、
夕食はビストロをとのことで、現地のアテンドで気心の知れたスタッフと舌鼓
を打ったそうです。・・・さらに、カナダ首相に記念撮影を申し込み、周囲
のひんしゅくを買う一幕もあった。」等々)

 親馬鹿の岸田総理も見て見ぬふりをしていたのか、あるいは、「せっかくだ
から、いいよ」と言ったのか?わかりませんが、まったく知らなかったはずは
ありえません。

 木原官房長官(総理の外遊に同行!!)は、記者会見で「一般論として、首相の
行事に同席しない関係者が公務の必要上、官用車で視察や訪問を行うことはあ
る」と答えています。岸田総理の親馬鹿ぶりや選民意識・特権階級意識は相当
なものです。岸田総理のKYな性格がますます明らかになる今日この頃です。
                            (松下彰良)

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■編集・発行:(松下彰良/まつした・あきよし)
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