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バートランド・ラッセルのポータルサイト

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「(週刊)バートランド・ラッセル(1872.5.18-1970.2.2)に関するメール・マガジン」
  no.0818_2023/01/21 (2006/12/21 創刊/毎週土曜 or 日曜日 発行)

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    ■ 目 次 ■
          
 1.ラッセルの著書及び発言等からの引用
 2.ラッセルに関する記述や発言等
  編集後記

    
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   ★ 週刊版はこれが今年最初の発行となります。
     本年もよろしくお願いいたします。

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 1.ラッセルの著書や発言等から
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■「ラッセルの英語」n.2348~2352  を発行しました。
  (1)「ラッセル英単語」は、n.2348,2350,2352
  (2)「ラッセルの英文」は、n.2349, 2351
 
 それぞれ1つづつ再掲します。

■ ラッセルの英語 (1) n2352 R英単語/英熟語  

★ virtually【(adv.)事実上、実質的には;オンライン上;仮想的に】

* virtual (adj.):実質上の、実質的な、事実上の;仮想の
* virtual currencies :仮想通貨
* VR: virtual reality:仮想現実


1.ラッセルの著書から

The Government of New York City was virtually a satellite of the 
Vatican, but the professors at the City College strove ardently to 
keep up some semblance of academic freedom.
[ニューヨーク市庁は,事実上ヴァチカン(ローマ法王庁)の衛星都市的存在で
あったが,ニューヨーク市立大学の教授たちは,'学問の自由'の体裁をなんとか
保とうと熱心に闘った。]
 出典:ラッセル『自伝』第2巻第6章「第2巻第6章「アメリカ」
     https://russell-j.com/beginner/AB26-030.HTM

In the totalitarian countries, the State is virtually the sole 
propagandist.
[全体主義諸国においては,国家が事実上ただ一つの宣伝体である。]
 出典:ラッセル『権力』第18章「権力を手懐けること」
     https://russell-j.com/beginner/POWER18_330.HTM

It was, in fact, a revulsion against the teaching of the Church and a
 virtually pagan assertion of love's rightful place in life. .
[それは、実は,教会の教えに対する反感(の一つ)であり、人生における恋
愛の正当な地位に対する(地位を求める),事実上、異教の主張であった。]
 出典:ラッセル『結婚論』第六章「ロマンティックな恋」
     https://russell-j.com/beginner/MM06-060.HTM


2.参考

The annual conference was held virtually.
[年次会議はオンライン形式で行われた。]
 出典:『知識と文脈で深める上級英単語 LOGOPHILIAロゴフィリア』p.130

We see each other virtually every day.
[我々はほとんど毎日会っている。]
 出典:『鉄緑会 東大英単語熟語 鉄壁』p.269

It's virtually impossible for us to find any more trace of the 
suspects.
[これ以上容疑者の足取りを追うのは事実上不可能だ。]
 出典:『究極の英単語<SVL>vol.3 上級の3000語』p.174

Virtually all the members were in agreement with the proposal.
  出典:Longman Dictionary of Contemporary English, new ed
It would have been virtually impossible to research all the 
imformation.
  出典:Collins COBUILD English Dictionary for Advanced Learners, new
 ed


■ ラッセルの英語(2) n2351 ラッセルの英文

 ( Unpopular Essays, 1950 から)
 「知的戯言の概要}n.5

 ベンジャミン・フランクリン(Benjamin Franklin, 1706-1790:米国の政治
家、著述家、気象学者)が避雷針を発明した時、<>英米両国の聖職者は、ジョ
ージ三世(英国の国王/在位:1760-1820)の熱烈な支持のもと、避雷針は神の
意志を打ち負かそうとする不信心な企て(不敬な行い)であるとして非難した。
というのは、物事を正しく考える人なら全て知っているように、稲妻(雷)は
不信心あるいは何らかのその他の重大な罪を罰するために神によって発せられ
るのであり、有徳な人は決して稲妻に打たれることはないからである。それゆ
え、もし神が 誰かに一撃を加えたいと欲するのであるならば、ペンジャミン
・フランクリンは神の計画(His design 神の計画・意図)を打ち負かすべきで
はない。実際、神の計画を打ち負かすことは罪を犯した者が逃げるのを助ける
ことである。しかし、 もし我々がボストン(在住の)の指導的神学者の一人
である著名なプライス博士の言うことを信じるとすれば、 神は事に当たって
動じなかったのである(equal to the occasion その場に臨んで動じない/
フランクリンが「避雷針」を発明した時に動じなかっ「た」こと)。 「賢明
なフランクリン博士によって発明された鉄の尖端 (iron points) 」によって
稲妻が効き目がないものにされてしまったために、マサチューセッツ州は地震
にみまわれ、ブライス博士は、この地震を神の「鉄(製)の尖頭」に対する激
怒によるものだと認識した。この問題についての説教のなかで、彼は言った。
「ボストンではニュー・イングランドの他のどこよりも (多くの避雷針が)
建てられており(erected)、それで、ボストンの揺れ方はいっそう恐ろしい
ものであるように思われます。ああ! 神の強大な手(the mighty hand of Go)
から逃れることは決してできないのです」。しかし、明らかに、神の摂理
(Providence)はボストン(の人々)をその不道徳さ(wickedness)を治す望み
を全てあきらめてしまった。というのは、 避雷針はますます一般に広まって
いったが、マサチューセッツ州の地震はまれなままであったからである。それ
にもかかわらず、プライス博士の見解、あるいはそれに非常に似た見解は、依
然として、現在生きている最も影響力ある人々によって支持されているのであ
る。(たとえば)かつて、インドでいくつかのひどい地震があった時、マハト
マ・ガンジー は、彼の同胞たちに これらの災害は彼ら(同胞たち)の罪に対
する罰として(神から)送られたものであると厳粛に警告した。

 私自身が生まれた島国イギリスにおいてさえ、この見解は依然として存在し
ている。先の戦争(注:第一次世界大戦)の間、英国政府は国内における食糧
の生産を大いに奨励した。1916年に、事がうまくいっていなかった時、某スコ
ットランドの牧師は新聞に投書して、軍事上の失敗は、政府の認可を得てじゃ
がいもを(キリスト教の)安息日に植えたせいであると言った。しかし不幸は
さけられた。それはドイツ人がモーゼの十戒の一つだけでなく、その全てに従
わなかったという事実によったのである。(訳注:モーゼの十戒の第4が「安
息日を守ること」であり、英国はこれを破っただけだが、ドイツは十戒の全て
を破ったという牧師さんの主張です。しかし、第6戒「殺人をするなかれ」は
防衛のためではあっても、英国人も破っています。)

 Outline of Intellectual Rubbish (1943), n.5

When Benjamin Franklin invented the lightning rod, the clergy, both in
 England and America, with the enthusiastic support of George III, 
condemned it as an impious attempt to defeat the will of God. For, as 
all right-thinking people were aware, lightning is sent by God to 
punish impiety or some other grave sin -- the virtuous are never 
struck by lightning. Therefore if God wants to strike any one, 
Benjamin Franklin ought not to defeat His design; indeed, to do so is
 helping criminals to escape. But God was equal to the occasion, if we
 are to believe the eminent Dr. Price, one of the leading divines of
Boston. Lightning having been rendered ineffectual by the "iron points
 invented by the sagacious Dr. Franklin," Massachusetts was shaken by
earthquakes, which Dr. Price perceived to be due to God's wrath at the
"iron points." In a sermon on the subject he said, "In Boston are more
 erected than elsewhere in New England, and Boston seems to be more 
dreadfully shaken. Oh! there is no getting out of the mighty hand of
 God." Apparently, however, Providence gave up all hope of curing
 Boston of its wickedness, for, though lightning rods became more and
 more common, earthquakes in Massachusetts have remained rare. 
Nevertheless, Dr. Price's point of view, or something very like it, is
 still held by one of the most influential of living men. When, at one
 time, there were several bad earthquakes in India, Mahatma Gandhi 
solemnly warned his compatriots that these disasters had been sent as
 a punishment for their sins.

Even in my own native island this point of view still exists. During 
the last war, the British Government did much to stimulate the 
production of food at home. In 1916, when things were not going well,
 a Scottish clergyman wrote to the newspapers to say that military 
failure was due to the fact that, with government sanction, potatoes
 had been planted on the Sabbath. However, disaster was averted, owing
 to the fact that the Germans disobeyed all the Ten Commandments, and
 not only one of them..
 Source: Bertrand Russell : An Outline of Intellectual Rubbish, 1943
   Reprinted in: Unpopular Essays, 1950, chapter 7:
   More info.: http://www.ditext.com/russell/rubbish.html


■「ラッセルの言葉366_画像版」
 日本語 version : n.2267-2273j を投稿
 英 語 version : n.2267-2273e を投稿

 1つだけ再録します。 n.2271j ( Jan. 19, 2023)
         
 「愛国無罪?」

 文明人の大多数が、唯一の社会的義務は自国に対するものであり、自国の発
展のためには他国の人々にいかなる損害を与えても正当化される(注:いわゆ
る「愛国無罪」)と感じ続けている限り、いかなる外交上の取り決めも政治改
革も寛容な世界を作り出すことはできない。

So long as the majority of civilized mankind continue to feel that 
their only social obligation is to their country, and that for its 
advancement they are justified in inflicting any degree of damage upon
 people of other countries, so long no diplomatic arrangements or 
political reform can produce a tolerable world.
Source: Bertrand Russell: The Prospects of Industrial Civilization, 
1923, p.19
More info.: Not available

<寸言>
 自分が好きでない国々の不幸を喜ぶ人々がけっこういます。それを許容する
人は、自国(日本)の不幸を喜ぶ外国人がいても文句を言うことはできません。
 そういった国民の不適切な感情を利用して自分に対する支持を固めようとす
る政治家は世界中に存在しています。
 愛国心が強いように見える政治家が実は愛国心が一番欠如していることがわ
かる今日この頃です。愛国心が本当に強いのであれば、日本の信者からお金を
しぼりとって韓国に送金し続ける統一教会から支援を受けるなどということは
できないはずです。

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(2) ラッセルに関する記述や発言等 
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 今回もお休み

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 編集後記 受験シーズン到来 -『解体英熟語』なるもの
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 普段は大学受験生のことは考えませんが(忘れていますが)、1月になると
大学入学共通テスト(旧共通一次)が行われ、世の中の注目をあびるようにな
り、受験生に目が行くようになります。

 先日、地元の駅のエスカレータ(昇り)に乗っていた時、自分の前にいた若
い女性が開いていた参考書らしきものに目が止まりました。平日、平服をきて
いたので浪人だろうと思われますが、『解体英熟語』というタイトルが書いて
ありました。少し気になったので、帰宅してから google で検索すると、Z会
で出版しているものだとわかりました。

 私もアマゾンのキンドル本で『ラッセル英単語熟語1500』を出していて、各
単語について、3例くらいのラッセルの英文と3、4の英語の参考書に掲載さ
れている用例を収録していますので、Z会のものならよいものだろうと思い、
早速、アマゾンで『解体英熟語』(ただし、安価な中古本)を注文しました。
本日か明日には配達されるだろうと思われます。

 『ラッセル英単語熟語1500』については、実は、下記で「無料で」閲覧でき
ます。
 https://russell-j.com/beginner/reitan-idx.htm

 現在、掲載語数は2,200くらいになっており、来年あたりには、『ラッセル
英単語熟語2200』あるいは『同2300』を出したいと思っています。(松下彰良)

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■編集・発行:(松下彰良/まつした・あきよし)
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