(トップページ)

バートランド・ラッセルのポータルサイト

バックナンバー索引

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

「(週刊)バートランド・ラッセル(1872.5.18-1970.2.2)に関するメール・マガジン」
  no.0816_2023/01/07 (2006/12/21 創刊/毎週土曜 or 日曜日 発行)

 バートランド・ラッセルのポータルサイト: https://russell-j.com/index.htm
     同上 スマホ用メニュー        : https://russell-j.com/index.html
「ラッセルの言葉366_画像版」:
           https://russell-j.com/smart_r366/br366g-j_home.html
           https://russell-j.com/smart_r366/r366g_j-today.html

 R英単語・熟語_総索引: https://russell-j.com/beginner/reitan-idx.htm
 Twitter : https://twitter.com/russellian2

★Rホームページ利用制限コンテンツ閲覧用パスワード: 1872Y0518
 ポータルサイト専用掲示板: http://249.teacup.com/bertie/bbs

[★投稿歓迎:ラッセルに関係するものであれば,ご意見,ご要望,エッセイ,
       ちょっとした情報提供等,何でもけっこうです。投稿は,
       matusitaster@gmail.com 宛,お願いします。
  ◆◆◆
 ◆お願い◆ 楽天で買い物をしている方も多いと思われます。
  ◆◆◆  ラッセルのポータルサイト(トップページ)の検索ボックス経由
       あるいは,ポータルサイトに掲載した個々の楽天取扱商品のリンク
       経由でご購入いただければ幸いです。
        収益はラッセルのホームページのメンテナンス費用や早稲田大学
       のラッセル関係資料コーナ寄贈資料の購入に充当させていただきま
              す。]

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
                                    
    ■ 目 次 ■
          
 1.ラッセルの著書及び発言等からの引用
 2.ラッセルに関する記述や発言等
  編集後記

    
  @@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@

   ★ 週刊版はこれが今年最初の発行となります。
     本年もよろしくお願いいたします。

  @@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 1.ラッセルの著書や発言等から
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

■「ラッセルの英語」n.2338~2343  を発行しました。
  (1)「ラッセル英単語」は、n.2338,2340, 2341,2343
  (2)「ラッセルの英文」は、n.2339, 2342
 
 それぞれ1つづつ再掲します。

■ ラッセルの英語 (1) n2343 R英単語/英熟語  

★ fairness【(n) 公明正大、公正、公平、公平性;色白、美しさ】

* fair (adj.):正しい、公明正大な;規則にかなった;色白の;(空が)晴
れた;(文語・詩)美しい
* fair sex:女性
* fair trade:公正な取引


1.ラッセルにおける用例

When he engaged in controversy, he did so with the most minutely 
scrupulous fairness.
[彼(ジョン・スチュアート・ミル)は、論争に参加していた時には,最大限
繊細かつ良心的な(誠実な)公平さをもって議論を行った。]
 出典:ラッセル「ジョン・スチュアート・ミル」
     https://russell-j.com/beginner/1097_JSM-260.HTM

But we must in all fairness recognize that whatever grounds of divorce
 are allowed will be stretched to the uttermost, and that many people
 will purposely behave in such a manner as to make these grounds 
available.
[しかし,離婚の根拠としてどんなことが認められたとしても,それは,最大
限に拡大解釈されるものであり,世の中にはわざとそうした根拠(理由)を利
用できるような具合に振る舞う人が多いということは,まったく公平に認めな
ければならない。]
 出典:ラッセル『結婚論』第十六章「離婚」
     https://russell-j.com/beginner/MM16-080.HTM

I have not confused an open mind with an empty one. I have not believed
 that to be just one must be without conviction. The authority of the 
Tribunal and its reputation for fairness follows from the character of
 its membership and the correctness of its procedures.
[私は,偏見がないということと無知であるということとを取り違えた(混同し
た)ことはない。また,正しくあるためには,信念をもってはならないなどとい
うふうに信じたこともない。この戦争犯罪法廷(注:いわゆるラッセル法廷)
の権威と,公正であるとの評価は,まさに,法廷を構成している構成員の性格と,
その審理手続きの正しさから出ているのである。]
 出典:ラッセル『ヴェトナムの戦争犯罪』「あとがき:国際戦争犯罪法廷」
     https://russell-j.com/cool/61T-POST01.HTM


2.参考例

He gave up his share in the interests of fairness (= in order to be 
fair).
 出典:Longman Dictionary of Contemporary English, new ed.

the fairness of the judicial system
 出典:Oxford Advanced Lerner's Dictionary, 8th ed.

Fairness is the quality of being reasonable, right, and just.
 出典:COLLINS COBUILD English Dictionary for Advanced Learners, new
 ed


■ ラッセルの英語(2) ラッセルの英文

  *********************************************************************
  ラッセル『私の哲学の発展』は終了(完訳)しましたので、今度は理論
  哲学以外のものをとりあげたいと思います。Upopular Essays, 1950 に
  するか、Human Society in Ethics and Politics, 1954 にするか迷って
  います。とりあえず前者のなかの7番目のエッセイ 「知的戯言の概要」
  (1943年発表)をとりあげることにします。
 *******************************************************************


 ( Unpopular Essays, 1950 から)
 「知的戯言の概要}n.1

 人間は理性的動物である - 少なくとも私は今までそう聞かされてきた。 
長い人生を通じて この言葉(陳述)を支持する証拠を熱心に探してきた。
しかし、これまでのところ、3つの大陸(注:ヨーロッパ、北アメリカ、アジ
ア)に広がる多くの国々で探してきたが、これまでのところ、その証拠にめぐ
りあう幸運を持ち得てこなかった。それどころ(逆に)、私は、この世界が引
き続き狂気(気ちがいじみた状態)に突き進んでいるのを見てきた。(即ち)
私は、 かつて文明の指導者であった大国が、大げさで無意味な言葉を説く者
(preachers of bombastic nonsense.)によって道を踏み外すのを見てきた。 
残酷さ(残忍性)、迫害、迷信が飛躍的に(by leaps and bound)増加し、そ
の結果、合理性を称賛することは過ぎ去った時代を生き残っている時代遅れの
老人を特徴づけるものだとほぼ考えられるところまで来ているのを見ている。
全てこうしたことは気をめいらせること(depressing)であるが、 憂鬱な気
分(gloom)は、無益な感情である。そういった気分から逃れるために、私は
これまでよりもよりいっそう注意深く過去を研究することに駆り立てられ -
エラスムス(1467-1536 が発見したように- 愚行は絶えることはないが、 
それにもかかわらず(and yet)、人類は生き残ってきたのだということを発
見している(発見した)。 我々自身の時代の愚行は、過去の愚行を背景にし
て見る(see against the background of)場合には、 より我慢のし易いもの
である。 以下において(In what follows)、私は我々の時代の愚かさと過去
数世紀の愚かさとを突き合わせることにしよう(mix ~ with 混ぜ合わせる)。
もしかすると、その結果は我々自身の時代の将来を大局的に見る(see ~ in
perspective)助けとなり、また、我々先祖が究極の災難を受けることなく生
きていた他の時代によりも我々の時代はそれほど悪くはないと知るのに役立つ
かも知れない(perhaps ことによると~かも知れない)。

Outline of Intellectual Rubbish (1943), n.1

Man is a rational animal -- so at least I have been told. Throughout 
a long life, I have looked diligently for evidence in favor of this 
statement, but so far I have not had the good fortune to come across 
it, though I have searched in many countries spread over three 
continents. On the contrary, I have seen the world plunging 
continually further into madness. I have seen great nations, formerly
leaders of civilization, led astray by preachers of bombastic nonsense.
I have seen cruelty, persecution, and superstition increasing by leaps
 and bounds, until we have almost reached the point where praise of 
rationality is held to mark a man as an old fogey (fogy) regrettably 
surviving from a bygone age. All this is depressing, but gloom is a 
useless emotion. In order to escape from it, I have been driven to 
study the past with more attention than I had formerly given to it, 
and have found, as Erasmus found, that folly is perennial and yet the
 human race has survived. The follies of our own times are easier to 
bear when they are seen against the background of past follies. 
In what follows I shall mix the sillinesses of our day with those of
 former centuries. Perhaps the result may help in seeing our own times
 in perspective, and as not much worse than other ages that our 
ancestors lived through without ultimate disaster.
 Source: Unpopular Essays, 1950.
 More info.: https://russell-j.com/cool/UE_07-010.HTM


■「ラッセルの言葉366_画像版」
 日本語 version : n.2246-2259j を投稿
 英 語 version : n.2246-2259e を投稿

 1つだけ再録します。 n.2249j ( Dec. 28, 2022)
         
 「安楽死で本人の同意をとるのは自殺幇助?」

 数年前、英国上院(貴族院)で、苦痛を伴う不治の病の場合の安楽死を合法
化する法案が提出された。患者本人の同意と医師の診断書がいくつか必要とさ
れた。単純な私には、患者の同意が必要なのは当然と思えるが、罪に関する英
国の公式専門家である前カンタベリー大主教は、そのような考え方の誤りを説
明した。(彼によれば)患者の同意は安楽死を自殺に変えるものであり、自殺
は罪である。貴族(議員)の方々は権威(前大主教)の声に耳を傾け、法案を
否決したのである。

Some years ago, in the English House of Lords, a bill was introduced 
to legalize euthanasia in cases of painful and incurable disease. 
The patient's consent was to be necessary, as well as several medical
 certificates. To me, in my simplicity, it would seem natural to 
require the patient's consent, but the late Archbishop of Canterbury,
 the English official expert on Sin, explained the erroneousness of
 such a view. The patient's consent turned euthanasia into suicide, 
and suicide is sin. Their Lordships listened to the voice of authority
 and rejected the bill.
Source: Bertrand Russell : Unpopular Essays, 1950, chaptre 7: 
An Outline of Intellectual Rubbish, p.87 (= Unwin Paperbacks)
More info.: Not available

<寸言>
 「「自殺」を罪と考えるカトリック教徒の国々/自殺率が高いロシアや韓国」
という常識を持っていましたが、それほど事は単純ではなさそうです。ロシア
は自殺率が高いことで有名でしたが、添付画像にあるような自殺率の急激な減
少は何が原因でしょうか? ロシアの統計はあまり信用出来ないという側面が
あるかも知れませんが、「世界一の自殺率」というのはどうも現在ではあては
まらないようです。韓国については、その競争の熾烈さから、いまだ自殺率世
界一というのは理解できますが、添付画像にあるように、昔から自殺率が高か
ったわけではありません。
 戦争(第二次世界大戦、朝鮮戦争、ベトナム戦争、アフガン戦争、ウクライ
ナ戦争)や社会の大きな変化によって「自殺に対する考え方」や「自殺の許容
度」や「自殺率」は変化しますので、思い込み(先入観)は危険です。
 その前提のもとですが、キリスト教(カトリック)の影響を受けている社会
においては「自殺は罪である」といった受け止め方をする人がけっこうおり、
そういう人達から見れば、「安楽死について本人の同意を求めることは、自殺
幇助ということになる」という指摘は興味深く思われます。
 なお、ラッセルは1932年にも、米国のハースト系の雑誌に「自殺は違法か
?」というエッセイを書いています。
https://russell-j.com/ILLEGAL.HTM

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
(2) ラッセルに関する記述や発言等 
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 今回もお休み

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 編集後記 今年も激動の年?
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

  週刊版はこれが今年最初の発行となります。本年もよろしくお願い
  いたします。

 昨年は、"日本では"「寅年は激動の年」と言われ、安倍元総理の銃殺事件や
ウクライナ戦争ほか、思いがけない大きな事件がいろいろ起こりました。新型
(もう旧型?)コロナも終息or収束していません。世界的に経済をもとに戻さな
いといけないということで、中国さえも「with コロナ」政策に転換しました。
しかし、日本では感染拡大とともに死者数も急増しています。政府は、感染者
数が増えているので死者数がそれにつれて増えているのであり、死亡率は変わ
らない(デルタ株より死亡率は低下している?)と言うでしょうが、年配の既
往症がある人は納得しないだろうと思われます。お年寄りが減ってくれたほう
が年金の支払額が減って、国庫にとってはうれしいことでしょうが・・・?

 それはともかく、今年も激動の年になりそうです。日本経済は上向くだろう
という声が経済界から多くあがっています。しかし、アメリカがリセッション
に向かえば日本も大きな影響を受けるでしょうし、プーチンが「戦術」核を使
用する可能性もありますし、大地震もあるかも知れません。

 岸田政権は広島でのG7サミットの意義を強調し(日本が議長国であること
も強調し)、大阪万博の大々的な宣伝も始まりそうです。しかし、物価高はよ
り厳しいものとなり、大企業の社員は大幅な賃上げで一安心するかも知れない
ですが、中小企業の社員は大企業の社員のようにはいかず、また、年金生活者
は年金の引き上げはもしあるとしてもずっと遅れ、自殺者も増えそうです。

 あまり明るい見通しは見えてこないですが、岸田総理だけ「空元気」「能天
気」に映り、世論の大きな反発を呼び、自民党に政変が起こる可能性もありま
す。今年はうさぎ年で飛躍の年(経済界)だそうですが、うさぎは臆病なので
すぐに巣穴に引っ込んでしまうかも知れません。 (松下彰良)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■編集・発行:(松下彰良/まつした・あきよし)
■ご意見・ご感想・お問合せはお気軽に : matusitaster@gmail.com

■登録・解除・変更はこちら: https://russell-j.com/R3HOME.HTM
■WEBサイト: https://russell-j.com/
     ( top page: https://russell-j.com/index.htm )
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━