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バートランド・ラッセルのポータルサイト

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「(週刊)バートランド・ラッセル(1872.5.18-1970.2.2)に関するメール・マガジン」
  no.0785_2022/05/28 (2006/12/21 創刊/毎週土曜 or 日曜日 発行)

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    ■ 目 次 ■
          
 1.ラッセルの著書及び発言等からの引用
 2.ラッセルに関する記述や発言等
  編集後記

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 1.ラッセルの著書や発言等から
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■「(ほぼ日刊)ラッセルの英語」
     n.2198~2200  を発行しました。1つだけ再掲します。

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  <お知らせ>
  当分の間、「ラッセルの英語」は「ラッセル英単語」のみとします。
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1)「ラッセルの英語」n.2198  deport
 
  ラッセル英単語_語源を参考に理解_018 
   
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<清水建二(編)『英語の語源大全』p.83-87から引用>

 "port"は名詞だと「港」で、ラテン語で「運ぶ」という意味の"portare"に
由来し、さらに印欧祖語の"per"に遡ることができる。
 "por"は"pro"に形を変え、「前に」という意味の接頭辞として様々な語を作
り出す。 ”from”はこの"pro"から派生した語。

* export : ex(外に)+ port(運ぶ)→ 「港の外に運ぶ」→ 輸出する
* import : im(中に)+ port(運ぶ)→ 「港の中に運ぶ」→ 輸入する
* portable : 運ぶことができる → 携帯できる
* porter : 運ぶ人 → ポーター
* transport : 越えて運ぶ → 輸送する
* passport : "pass"+ "port"(「港を通る」)。昔、外国の港についてから
入国するために必要だった旅券
* portal site : インターネットで情報を運ぶ玄関口となるウェブサイト
* porch : 家の中に足を運び入れる張り出し屋根のある「玄関」
* portfolio :「葉を運ぶもの」→「書類入れ」「作品集」「(株式における)
具体的な運用商品の詳細な組み合わせ」 * deport : 「離れて運ぶ」→「追放
する」
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★ deport【(vt) (外国人を国外に)追放する、流刑に処する;(身を)処す
る;振る舞う】

* deportation (n):国外追放;移送


1.ラッセルの用例

It is difficult to think of any instance of a poet who was 'good' at 
the times when he was writing good poetry. Dante was deported for 
subversive propaganda.
[良い詩を書いている時に「善い」人間であった詩人の実例を思いつくことは
困難である。ダンテ(Dante Alighieri、1265-1321。叙事詩『神曲』で有名)は
,破壊的な宣伝のかどで追放された。]
 出典:ラッセル「善人が為す害悪」
          https://russell-j.com/beginner/0393_HGMD-050.HTM

This Freudian doctrine has caused less horror than one might have 
expected. It is true that professors have been dismissed from their 
posts for believing it, and that the British police deported one of 
the best men of his generation (note: Homer Lane) for acting upon it.
[ このフロイトの学説は,予想されたほどの恐怖を引き起こさなかった。確か
に,この学説を信じたために地位を追われた教授たちもいるし,英国の警察は
,この学説に従って行動したかどで,同世代の最も優秀な人物(原注:ホーマ
ー・レーン)を追放した。]
 出典:ラッセル『結婚論』第十四章「個人心理の中の家族」
          https://russell-j.com/beginner/MM14-010.HTM


2.参考例

The country deported its criminals to penal colonies.
[国は犯罪者を流刑地に送った。]
 出典:Shogakukan Random House English Japanese Dictionary, 1982 ed.

The foreigner was deported for his illicit activities in the ghetto.
[その外国人はスラム街での違法活動の罪で国外追放された。]
 出典:『究極の英単語 v.4 超上級の3000語』p.188

More than 240 England football fans are being deported from Italy 
following riot last night.
 出典:Collins COBUILD English Dictionary for Advanced Learners, new
 ed.


■「ラッセルの言葉(Word Press 版)v.2, n.2035~2038 

(*来週は都合により「ラッセルの言葉(Word Press 版)はお休みとします。)
     
1) n2035:ラッセル『私の哲学の発展』第18章「批評に対する若干の返答」n.4
            https://russell-j.com/wp/?p=7594
           
2) n2036: ラッセル『私の哲学の発展』第18章「批評に対する若干の返答」n.5
            https://russell-j.com/wp/?p=7597

3) n2037:ラッセル『私の哲学の発展』第18章「批評に対する若干の返答」n.6
            https://russell-j.com/wp/?p=7600

4) n2038:ラッセル『私の哲学の発展』第18章「批評に対する若干の返答」n.7
            https://russell-j.com/wp/?p=7605
            

■「ラッセルの言葉366_画像版」

 日本語 version : n.2029-2035j を投稿
 英 語 version : n.2029-2035e を投稿

 1つだけ再録します。
  n.2031j ( May 24, 2022)
      https://russell-j.com/smart_r366/r366g_j2031.html

 「J. S. がかられた強迫観念?」

 ジョン・スチュアート・ミルが育てられたような,3歳でギリシア語の学習
をはじめ,普通の子供らしい楽しみは何も知らない,というふうなやり方で育
てることは可能である。単に知識を身につけるという観点だけからすればその
結果はよいかもしれないが,全体的見地から見れば,私はその結果を賞賛する
ことはできない。ミルが『自伝』の中で語っているところによると。彼は思春
期に,あらゆる音符の組み合せはいつの日にか(いつか必ず)使い果たされ,
そうして新しい作曲は不可能となるだろう,と考えて,自殺しかけたことがあ
った,とのことである。この種の強迫観念が神経衰弱の症状であることは,明
らかである。

It is, of course, possible to bring up a child as John Stuart Mill was
 brought up, to begin Greek at the age of three, and never know any 
ordinary childish fun. From the mere standpoint of acquiring knowledge
 the results may be good, but taken all round I cannot admire them.
 Mill relates in his Autobiography that during adolescence he nearly
 committed suicide from the thought that all combinations of musical
 notes would one day be used up, and then new musical composition 
would become impossible. It is obvious that an obsession of this sort
 is a symptom of nervous exhaustion.
Source: Bertrand Russell : On Education, especially in early 
childhood, 1926
 More info.: https://russell-j.com/beginner/OE10-060.HTM

<寸言>
 岩波文庫版の安藤訳も,みすず書房版の魚津訳も,角川文庫版の堀訳も全て
、「あらゆる音符の組み合わせは"一日で"使い果たすことができるので,新し
い作曲が不可能になると考えて,自殺しかけたことがあった」と訳されていま
す。「あらゆる音符の組み合わせが"一日で"使い果たすことができる」なんて
ことは,常識的に考えてありえないことであることから,誤訳だと思わなかっ
たのでしょうか? 後に論理学の本も執筆するミルが思春期にそんなに論理的
思考能力がないなんておかしいと思わなかった訳者の方々は、英語はできても
論理的思考能力に少し問題があるように思われます。また "can be used up"
ではなく "would be used up" と書かれていることにも注意が必要です。
 結論を言うと ”one dey" は前置詞がついていないことから,副詞的用法で
あり「いつの日にか(いつか必ず)」ということであり,論理学者で「も」あ
ったミルらしく,音符の組み合わせは膨大かもしれないが,その組み合わせは
'有限'なものであるから,いずれ新しい曲など作れなくなってしまうという
「強迫観念」にかられてしまった,というのが正解でしょう。
 私のこの解釈を補強するよい説明が web上にないかと,Googleで検索したと
ころ、日米ハーフの Jun Seenesac 氏の「one day と someday の違いと使い分
け」という文章がありました。「英語学習コラム」の記事のひとつですが,お
勧めです。
https://hapaeikaiwa.com/2014/07/09/%E3%80%8Cone-day%E3%80%8D%E3%81%A8%E3%80%8Csomeday%E3%80%8D%E3%81%AE%E9%81%95%E3%81%84%E3%81%A8%E4%BD%BF%E3%81%84%E5%88%86%E3%81%91/

 なお、英語学の大家の安藤貞雄先生がそんなことがわからないはずはないの
で、この誤訳は、ラッセルの文章を先入観を持って読んでしまったためだろう
と想像されます。(安藤先生から生前、私が安藤先生訳の『幸福論』の誤訳を
いろいろ指摘しているようだがその内容を教えてほしいとのメールをいただき
、5,6箇所、サンプルでお知らせしたことがあります。安藤先生は「もし間
違いがあれば増刷の時に修正したい」と書かれていました。安藤先生は5年前
(2017年)に亡くなられてしまいましたが、多分、改訳をなされていないと思
われます。)
 安藤貞雄先生の人柄が忍ばれる興味深い追悼文が下記にあります(昨日発見
したものです)。
https://teamhacchan.blog/2017/04/24/%E8%BF%BD%E6%82%BC%E3%83%BB%E5%AE%89%E8%97%A4%E8%B2%9E%E9%9B%84%E5%85%88%E7%94%9F/


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(2) ラッセルに関する記述や発言等 
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 今回もお休み

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 編集後記  ウクライナ侵略戦争でテニス界も迷走
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 前回、グランドスラムの一つのウィンブルドン選手権で開催国の英国がロシ
アとベラルーシの選手の参加を認めないことにしたことに対し、ATP(男子の
世界テニス協会)とWTA(女子の世界テニス協会)がウィンブルドンではポイン
トを付与しないことにしたとご紹介しました。それを受けてまたまた迷走して
ます。

 意味合いを理解するためには、獲得したポイントは1年後に消滅してしまう
ということを知っておく必要があります。つまり1年前にウィンブルドンで高
いポイントを得た選手は、今回のウィンブルドンでポイントがつかなければ大
幅に下げてしまうという事情があります。(ウィンブルドン後は、元世界王者
のロジャー・フェデラー(スイス)と元世界女王のセレナ・ウイリアムズ(ア
メリカ)が世界ランキングから外れることになりそうとのことです。)

 いろいろな反応がでています。

「なぜロシア選手のために他の選手が被害をうけなければいけないのか(世
界7位のペレ)」

「ウィンブルドンでポイントがつかなければ、現在世界二位のロシアのメドレ
ーエフが一位になってしまう。それはおかしいだろ?」

「ロシアの選手の参加を認めるべきではないというのは非常に不公平だ。戦争
で現在起きていることは選手たちのせいではない(世界2位のナダル)」

「ポイントがつかないのならエキシビジョンと同じなのでプレーしない方向に
傾いている(大坂なおみ)」← これには「ファンのことをまったく考えてい
ない!」など、多くの批判がよせられています。
← 一番きつい批判はイギリスの有名な司会者のもので、「それはいい! 私
達はこの不機嫌なガキはいらない」

「私にとってはかなり悪いニュース。・・・でも、テニスが本当に好きならウ
インブルドンに出るでしょ? 私がプレーするのはポイントのためでも、賞金
のためでもないから。ただ勝ちたいし、成功したいから。昨年優勝にあと一歩
だったし、今年はトロフィーを獲れるかもしれない」(プリスコバ)」

 世界的なスポーツにはいつも政治が介入してきます。政治的な要素が加わる
と、いつも後味が悪いものになってしまいます。 (松下彰良)

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■編集・発行:(松下彰良/まつした・あきよし)
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