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バートランド・ラッセルのポータルサイト

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「(週刊)バートランド・ラッセル(1872.5.18-1970.2.2)に関するメール・マガジン」
  no.0741_2021/07/10 (2006/12/21 創刊/毎週土曜 or 日曜日 発行)

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    ■ 目 次 ■
          
 1.ラッセルの著書及び発言等からの引用
 2.ラッセルに関する記述や発言等
  編集後記

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 1.ラッセルの著書や発言等から
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■「(ほぼ日刊)ラッセルの英語」
     n.2072~2074  を発行しました。2つ再掲します。

 (1) 「ラッセルの英語」n.2074

    https://russell-j.com/beginner/reitan-r129.htm

 ラッセル英単語・熟語 rigour ; rigor

★ rigour ; rigor【 (n) 厳格,厳格さ,(しばしば複数形で)(寒さなどの)
厳しさ;(生活などの)苦しさ,困苦;厳密,精密】
* rigorous 厳格な: rigor(厳しさ)+ -ous(~の多い)
* 語源が同じもの: rigid(硬い,厳格な)


1.ラッセルの著書より

Although the Church prohibited "usury," the Pope was a borrower, and 
found the capital of North Italian bankers so useful that theological
 rigour had to be softened.
[カトリック教会は「高利貸し(usury)」を禁じていたが,教皇も借り手の一
人であり,北イタリアの銀行家たちの資本は役に立つとわかっていたので,神
学上の厳しさは(彼らに対し)和らげられなければならなかった。]
 出典:ラッセル『権力』第4章「聖職者(僧侶)の権力」
          https://russell-j.com/beginner/POWER04_170.HTM

I cannot doubt that the eminenct divine would suffer the utmost rigour
 of the law. .
[このすぐれた神学者は疑いなく,極刑に処せられるだろう。]
 出典:ラッセル『アメリカン・エッセイ集』の中の「動物がしゃべれたら」
          https://russell-j.com/ANIMALS.HTM

We have emancipated our daily lives from these rigours; our room are 
brightly lit by night and adequately warmed in frosty weather.
[現代の我々の日常生活は,この種の(気候の)厳しさから解放されている。た
とえば,我々の住む家は,夜は明るく照明がともされ,凍える寒さの日には十分
に暖められる。]
 出典:ラッセル『アメリカン・エッセイ集』の中の「なぜ我々は欲求不満
か?」
          https://russell-j.com/YOKKYU.HTM
            https://russell-j.com/beginner/AB33-230.HTM

A policeman, before proceedings began, searched the building for a 
cushion for me to sit upon to mitigate the rigours of the narrow 
wooden bench upon which we perched..
[裁判が始まる前,ある警察官が,私たちが坐っていた狭い木製のベンチの苦し
さを和らげるために,私の腰に当てるクッションを求めて裁判所内を探してく
れた。]
 出典:ラッセル『自伝』第3巻第3章「トラファルガー広場」
          https://russell-j.com/beginner/AB33-230.HTM


2.参考

rigors of long winter
[長い冬の厳しさ(厳冬)]
 出典:『究極の英単語v.4_超上級の3000語』p.303

He deserves to be punished with the full rigour of the law.
 出典:Longman Dictionary of Contemporary English, new ed.

If you refer to the rigours of an activity or job you mean the 
difficult, demanding, or unpleasant things that are associated with
 it.
 出典:Collin's COBUILD English Dictionary for Advanced Learners, new
 ed.


 (2)「ラッセルの英語」n.2073-2 (旧「ラッセルの言葉」に該当するもの

 https://russell-j.com/beginner/POWER-ETHICS.HTM

 ラッセル「権力の倫理」
  牧野力(編)『ラッセル思想辞典』より

* From: Power; a new social analysis, 1938, chap. 1

 以下は牧野力氏の要旨訳(ただし、一部字句を修正)ニラッセルの英文を追
加したものです。


 権力の倫理学は権力の種類を正と不正とに区分するだけでは無意味である。
 欲望の対象には、万人が共に楽しめるものと、楽しむ者が社会の一部だけに
限られるものとがある。
 誰でも皆ある程度の権力をもつから、権力をもつ人間の究極の目的は、対象
を個人や集団に限定せずに、全人類の間にまで広げ、社会的協力を促進させる
ようなものであるべきである。目下、この目的への主な障害は非友好的な感情
と他人の上に立ちたいという欲望である。この感情は直接、宗教と道徳により
減少させ得るし、間接的には、現在この感情を刺激している政治的、経済的状
況を除去すれば減少させ得る。 特に、国家間の権力争いとこれに関係する国
家的大企業の富の争奪などがこの種の最大の障害である。これらへの障害対策
は互いに相補的で共に必要である。
 過去に最も権力をもった人物を四人選ぶとすれば、 私は仏陀とキリストと
ピタゴラスとガリレオを挙げる。 四人は皆国家の援助を受けずに、自力で大
きな成功を収めた。四人は皆、生存中に成功を見ていない。仮りに彼らの一義
的な目的が権力にあったとすれば、あれほど大きな影響を人間に及ぼさなかっ
たであろう。彼らの求めたものは人間を奴隷化するものではなく、人々を解放
するものであった。仏陀とキリストの場合は、軋轢の源である煩悩を鎮め、隷
属と屈従を覆えす道を教えた。 ピタゴラスとガリレオは、自然力制御の道を
教えた。
 人々を心服させるものは、究極的には暴力ではなく、幸福と精神の内と外の
平和、そして人間の生きる世界についての理解など、人類共通の欲求を満たす
知恵である。

The ultimate aim of those who have power (and we all have some) should
be to promote social cooperation, not in one group as against another,
but in the whole human race. The chief obstacle to this end at present
 is the existence of feelings of unfriendliness and desire for 
superiority. Such feelings can be diminished either directly by 
religion and morality, or indirectly by removing the political and 
economic circumstances which at present stimulate them -- notably the
 competition for power between States and the connected competition 
for wealth between large national industries. Both methods are needed:
 they are not alternatives, but supplement each other.
... If I had to select four men who have had more power than any 
others, I should mention Buddha and Christ, Pythagoras and Galileo. 
No one of these four had the support of the State until after his 
propaganda had achieved a great measure of success. No one of the four
 had much success in his own lifetime. No one of the four would have 
affected human life as he has done if power had been his primary 
object. No one of the four sought the kind of power that enslaves 
others, but the kind that sets them free -- in the case of the first 
two, by showing how to master the desires that lead to strife, and 
thence to defeat slavery and subjection; in the case of the second 
two, by pointing the way towards control of natural forces. It is not
 ultimately by violence that men are ruled, but by the wisdom of those
who appeal to the common desires of mankind, for happiness, for inward
and outward peace, and for the understanding of the world in which, by
 no choice of our own, we have to live.


■「ラッセルの言葉(Word Press 版)v.2, n.1832~1836
     
1) n.1837:ラッセル『私の哲学の発展』第5章 観念論への脇道 N.2
            https://russell-j.com/wp/?p=6478
 
2) n.1838: ラッセル『私の哲学の発展』第5章 観念論への脇道 N.3
            https://russell-j.com/wp/?p=6482

3) n.1839:ラッセル『私の哲学の発展』第5章 観念論への脇道 N.4
            https://russell-j.com/wp/?p=6487

4) n.1840:ラッセル『私の哲学の発展』第5章 観念論への脇道 N.5
            https://russell-j.com/wp/?p=6490

5) n.1841:ラッセル『私の哲学の発展』第5章 観念論への脇道 N.6
            https://russell-j.com/wp/?p=6493


■「ラッセルの言葉366_画像版」

 日本語 version : n.1707j-1713j を投稿
 英 語 version : n.1707e-1713e を投稿

 一つだけ再録します。
  n.1709j ( July 6, 2021)
    https://russell-j.com/smart_r366/r366g_j1709.html

 「ケネディ大統領暗殺事件」

 ケネデイ大統領暗殺に関する新聞報道及び,その後オズワルドに不利な証拠
といわれるものやルビーによるオズワルドの狙撃に関する報道を読んだ時,甚
だしい誤りがあったように,また,恐らく非常に不潔な何かが隠蔽されつつある
ように,私には思われた。1963年6月,オズワルドの母親のために事件について
独自に調査していたニューヨークの弁護士マーク・レーンに会った時,彼がそ
れまでに収集していた事実によって私の疑念が強まった。平和財団関係の誰も
が私の見解に同意した。

As I read the press reports in regard to the President's assassination
 and, later, the purported evidence against Oswald and his shooting by
 Ruby, it seemed to me that there had been an appalling miscarriage of
 justice and that probably something very nasty was being covered up.
 When in June, 1963, I met Mark Lane, the New York lawyer who, 
originally, had been looking into the affair on behalf of Oswald's 
mother, my suspicions were confirmed by the facts which he had already
 gathered. Everyone connected with the Foundation agreed with my point
 of views and ...
 Source: The Autobiography of Bertrand Russell, v.3 chap. 4
 More info.: https://russell-j.com/beginner/AB34-190.HTM

<寸言>
 FBIやCIAに対する疑惑。その背後にジョンソン副大統領(当時/ケネディが
死んだことによって大統領になった人物)がいたのかいなかったのか? 黒幕
はジョンソン副大統領(当時)だとする本もでましたが、真相はまだあきらか
になっていません。
 もしかすると今年、事実の究明に向けて大きな進展があるかも知れません。
President Online には、拓殖大学の名越健郎教授による「ケネディはCIAに暗
殺されたのか-バイデンは"最後の機密文書"を公開できるか」という記事が掲
載されています。ジョー・バイデンはケネディを敬愛しており、今年の10月に
、ケネディ事件に関連する機密文書を全面公開する見通しだそうです。
 ただし、この記事の最後に気になる記述があります。即ち、
「当面、最後に残った300点の機密文書解禁が待たれるが、専門家のラリー・
サバト・バージニア大学教授は『もし核心部分を暴露するような資料があれば
、とっくに廃棄されているだろう』と語った。その場合、文書の全面公開によ
っても事件は解明されず、永遠に謎が残ることになるかもしれない。」
 https://president.jp/articles/-/41607?page=1

 事件当時、イギリスにも「誰がケネディを殺害をしたのか(に関する)委員
会("Who Killed Kennedy Committee")」が設置され、ラッセルが会長に就任し
ています。(ケネディの後任として大統領となった)リンドン・ジョンソン大
統領は暗殺事件を調査するためウォーレン委員会(ウォーレンは当時の最高裁
長官)を設置しますが、その報告書は、暗殺はオズワルドの単独犯行だと結論
付けました。ラッセルは『自伝』の中で、いろいろ理由をあげて、ウォーレン
委員会の報告は信用ならないと主張しています。『自伝』の第3巻第4章末に
は書簡が多数添付されていますが、その中に、ラッセルの「暗殺に関する16
の疑問」というとても長いペーパーが添付されています。
 日本とは異なり、アメリカでは公文書が整備されており、いずれは公開され
るというのが岩盤のルールになっています。この件についてもそうであって欲
しいですが・・・?

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(2) ラッセルに関する記述や発言等 
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 今回もお休み

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 編集後記 「老人の、いや、年配者の抵抗」
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 世の中はどんどん変わっていきます。技術的に進歩したり、生活様式が変わ
っていったりするだけでなく、人々の考え方や意識や好みも、時代の進展とと
もに大きく変わっていきます。

 良い悪いに関わらず、人は世の中の変化にあわせて自分も変えていかないと
辛いことになります。もちろん、そういった時代の変化に流されず、「良い伝
統を守る」とか、「時代に流されてはダメだ」「たとえ一人になっても抵抗す
る」というのも尊い姿である場合も少なくありません。

 いずれにせよ、そういった抵抗は、個人的な感情によるものなのか、社会的
にみても意義があるものなのか、よく考えて見極めることが肝要です。

 しかし、権力(政治的権力、経済的権力、宗教的権力、その他)をもってい
る者は、そういった進歩、といって悪ければ、時代の「変化」や「風潮」を無
視することが可能です。ジェンダー平等であれ、入学試験における優遇であれ
、特別待遇の擁護・温存であれ、いろいろな理屈をつけたり、忖度官僚に責任
を追わせたりして、その特権的地位を有効に活用することができます。

 特にひどいのは最高権力者あるいはそれに準ずる政治家連中です。真ん中の
林檎が腐るとその周辺の林檎もどんどん腐っていきますので始末に悪いです。
3Aといわれる人達(特に安倍、麻生)の傲慢さはひどいですが、2Fも相当ひ
どい状態です。(2Fというのは誰だろうと最初わかりませんでしたが、second
 floor つまり二階幹事長ということだそうです。)内閣人事局を設け、約600
名の各省庁の幹部を「人事」を道具に「監視」する仕組みを創ったため、「高
級官僚はみな忖度官僚」になってしまいました。

 歳をとるにつれて人は「社会的弱者」になっていきますが、大きな政治的権
力を持っている者だけは時代の進歩に「抵抗し続ける」ことができます。

 河合克俊元法務大臣だけが逮捕されましたが黒幕はまだ捕まっていません。
悪臭は「元をたたなければダメ!」ですので、検察の活躍が期待されます。
黒川元東京高検検事長を検事総長にして自分たちの安泰をはかる計画は頓挫し
ましたので、一条の希望の光がさしています。(松下彰良)

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■編集・発行:(松下彰良/まつした・あきよし)
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