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バートランド・ラッセルのポータルサイト

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「(週刊)バートランド・ラッセル(1872.5.18-1970.2.2)に関するメール・マガジン」
  no.0737_2021/06/12 (2006/12/21 創刊/毎週土曜 or 日曜日 発行)

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    ■ 目 次 ■
          
 1.ラッセルの著書及び発言等からの引用
 2.ラッセルに関する記述や発言等
  編集後記

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 1.ラッセルの著書や発言等から
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■「(ほぼ日刊)ラッセルの英語」
     n.2060~2062  を発行しました。2つ再掲します。

 (1) 「ラッセルの英語」n.2060

  https://russell-j.com/beginner/reitan-c170.htm

 ラッセル英単語・熟語 conditional

★ conditional【(adv.) 条件付きの;暫定的な】
* conditional on [upon]  : (~を)条件としての
be conditional on the weather : お天気次第である


1.ラッセルの例

The comparative mildness of this sentence was conditional upon 
recantation.
[この判決(sentence)が比較的寛大であったことには,自説撤回
(recantation)という条件が付いていた。]
 出典:ラッセル『結婚論』第六章「ロマンティックな恋愛」
          https://russell-j.com/beginner/MM06-080.HTM

They - so Aristotle avers - used part of the funds to bribe the 
Pythoness, and made the expenditure of the rest conditional on the
 overthrow of Hippias, son of Peisistratus, by which means Apollo was
 won over to their side. .
[アルクメオン家の人々は -とアリストテレスは断定しているが- 基金の一
部を巫女(女性の神官)への贈賄(賄賂)に使い,残りの基金の支出はベイシ
ストラトスの息子のヒッピアス(注:古代アテナイの僭主)を討伐することを条
件とし,そうすることによって,アポロン(太陽神)を味方に引き入れた(と
のことである)。]
 出典:ラッセル『権力』第4章「僧職の権力」
          https://russell-j.com/beginner/POWER04_050.HTM


2.参考例
He was given a conditional visa.
[彼は条件付きのビザをもらった。]
 出典:『キクタン super 12000』p.28

His agreement to buy our house was conditional on our leaving all the
 furniture in it.
 出典:Longman Dictionary of Contemporary English, new ed.

If a situation or agreement is conditional on something, it will only
 happen or continue if this thing happens.
 出典:Collins COBUILD English Dictionary for Advanced Learners, new
 ed


 (2)「ラッセルの英語」n.2061-2 (旧「ラッセルの言葉」に該当するもの

  https://russell-j.com/beginner/DBR2-01.HTM

 「モスクワに平身低頭する?」
  出典:Dear Bertrand Russell; a selection of his correspondence
            with the general public, 1950-1968. Allen & Unwin, 1969. 

・・・。私は最近、あなた(ラッセル)の著作からのある引用文を読みました
が、それには、あなたがあなたの愛する英国を水爆攻撃にさらすよりは、むし
ろ喜んで平身低頭して(←腹ばいになって)モスクワ(ロシア)に降参すると
ありました。あなたは何年間も知的白痴のようにふるまってきたのだから、そ
のようなことをあなたが言っていると聞いても、私は驚きはいたしません。偉
大な愛国者や勇敢な人々を輩出したことで歴史的に有名な偉大な国家(英国)
が、--恐怖の心理から「いかなる犠牲をはらっても平和を」というようなこ
とを言い、ついには全面的降伏を言うような--あなたのような人間を生み出
すことができたとはまことに残念なことです。あなたは、愛国的な同胞の幾人
かから、勇気をもらう(=彼らの'爪の垢'でも煎じて飲む')といいでしょう。
・・・。

(ラッセルからの返事・1960年9月6日)
 拝 復

 あなたのお手紙は下品な悪口雑言だらけです。私がモスクワ(ロシア政府)
に平身低頭している(← モスクワまで腹ばいになっていく)という発言は、
もしそのような言葉を私がかつて言ったと言われるなら、それは私の敵が捏造
したものです。それにもかかわらず、そのような偉業(= モスクワまで腹ばい
になってゆくこと)を88歳の私に可能で、核兵器による差迫った破壊から、私
の同胞あるいはいかなる人間でも護るために何か効果的なことができるとすれ
ば、私はそうするように努力するでしょう。ただし、私はワシントン(米国政
府)にもまた平身低頭しなければいけないでしょう。人類の絶滅という事態が
近い将来にくる可能性が非常にあるということは、多分に、硬直した独断家た
ちの,怒りにより閉ざれた精神のせいだと私には思えます。
 敬 具 バートランド・ラッセル

* compatriot:同胞

Sir, (Sept. 6, 1960)

Your letter consists of vulgar abuse. The remark about crawling upon 
my belly to Moscow is an invention of my opponents, if it has ever 
been made at all. Nonetheless, if I thought that such a feat were 
within my powers at the age of eighty-eight and would have any effect
 towards preserving my compatriots, or any human beings, from the 
imminent destruction by means of nuclear warfare, I should endeavour 
to do it, though I fear that I should also have to crawl to 
Washington. That the extinction of the human race is all too likely
 to come about in the near future seems to me to be owing largely to
 the angrily closed minds of rigid dogmatists .
Yours sincerely
Bertrand Russell


■「ラッセルの言葉(Word Press 版)v.2, n.1817~1821
     
 My Philosophical Development, 1959 の対訳の連載を開始しました。

1) n.1817:ラッセル『私の哲学の発展』第2章 私の現在の世界観 n.4
            https://russell-j.com/wp/?p=6398
 
2) n.1818: ラッセル『私の哲学の発展』第2章 私の現在の世界観 n.5
            https://russell-j.com/wp/?p=6404

3) n.1819:ラッセル『私の哲学の発展』第3章 最初の努力 n.6
            https://russell-j.com/wp/?p=6408

4) n.1820:ラッセル『私の哲学の発展』第3章 最初の努力 n.7
            https://russell-j.com/wp/?p=6413

5) n.1821:ラッセル『私の哲学の発展』第3章 最初の努力 n.8
            https://russell-j.com/wp/?p=6416


■「ラッセルの言葉366_画像版」

 日本語 version : n.1679j-1685j を投稿
 英 語 version : n.1679e-1685e を投稿

 一つだけ再録します。
  n.1684j ( June 11, 2021)
    https://russell-j.com/smart_r366/r366g_j1684.html

 「政治犯を救う活動」

 私は、前にも述べたように、近年、個人やグループをその政治上の見解や宗
教的意見などの理由で投獄したり処刑したりすることに反対する仕事にしだい
に深入りしてきた。私に支援を求める文書が全世界の個人や団体から絶え間な
く送られてくるようになり,その数もしだいに増え,さらにはほとんど毎日,そ
うした団体の代表者の訪問を受けるようになった。(諸事情で)私自身遠方の
国々に旅行することがずっとできないできた。そこで,私は,できるだけ直接的
かつ客観的な情報を入手するために,多数の国々に自分の代理を派遣せざるを
えなくなっていた。

In recent years I have become, as I have said, more and more involved
 in work against the incarceration and the persecution of individuals 
and groups because of their political and religious opinions. I have 
received a continually increasing number of written appeals for help 
from individuals and organisations all over the world and almost daily
visits from representatives of the latter. I have been unable to 
travel to distant countries myself, so, in order to have as nearly as
possible first-hand objective information, I have been obliged to send
 representatives to the various countries.
 Source: The Autobiography of Bertrand Russell, v.3 chap. 4
 More info.: https://russell-j.com/beginner/AB34-030.HTM

<寸言>
 Amnesty International の創設者である Peter Benenson (1921年7月31日 -
 2005年2月25日)がどれだけラッセルと関係したのかは不詳です。しかし、
1962年10月9日付けのベネンソンのラッセル宛の手紙(message for Human 
Rights Day :12月10日の国連の人権デーに向けてのメッセージをラッセルに
依頼?)及びそれに対する返事を(カナダの)McMaster 大学のラッセル文書
館で所蔵していることになっていますので、ある程度関係していたことは伺え
ます。
 ラッセルが1970年2月2日に亡くなった後、妻のエディス夫人は、1978年1
月1日に亡くなるまで、北ウェールズのプラス・ペンリンと名付けられた家
(添付写真「プラス・ペンリンの玄関ドア」参照)に住み続けました。
 1980年夏、友人と一緒にラッセルゆかりの地を訪れた時、プラス・ペンリン
も見学に行きました。プラス・ペンリンの住人は不在でしたが、その時プラス
・ペンリンの近くにいた人に、一緒に同行してくれた友人(英語担任の高校教
師)が尋ねたところ、プラス・ペンリンにはアムネスティに関係している音楽
家が住んでいるとのことでした。添付写真にアムネスティのロゴが見えます。

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(2) ラッセルに関する記述や発言等 
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 今回もお休み

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 編集後記 「他人事と自分事」
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 どうしても自分の生まれつきの性癖なり生理的前提条件のもとに考えてしま
いがちです。
 世の中は、何事も多数派に有利なようにできています。従って、性的傾向に
ついても、異性愛者が社会的にもっとも有利であり、LGBT+Qは社会的ハンデ
ィを負うことになります。LGBTQのなかでも人数が比較的多いグループは相対
的に理解者が多く存在しています。しかし、L,G,Bに対する理解者が最近増え
てきていますが、Tに対しては理解者が少なく、Qにいたっては「???」(疑
問符)がいっぱいつきそうです。

 それにしても、自民党支持の保守層の頑迷さは際立っています。そういった
保守層の家族や親戚にもLGBTQの人はいそうですが、叩かれるのが怖くてカミ
ングアウトできない人が少なくないかも知れません。いや、自民党の保守層の
有力議員なかに、身近にLGBTの人がいて態度が変わった人がいます。そう、稲
田朋美議員です。安倍総理の秘蔵っ子で、とても身勝手な印象を持っていまし
たが、自分の子どもの親友がLGBTだということで考えが変わり、今では、驚く
ことに、LGBT理解促進法案の推進役を務めています。

 結局、原発(事故・処理水の扱い)であれ、新型コロナであれ、いかなる差
別が伴う事案も、自分や自分の家族がまったく関係ない場合は無責任な発言を
する人が少なくなく、直接関係したり、被害を受けるようになると態度が急変
します。

 自分や自分の家族や友人に関係ないことでも、また自国に関係ないことでも
、できるだけ多くの問題について関与したり、関与できなくても理解しようと
し続けたラッセルの生涯は、見習うべきものと思われます。 (松下彰良)



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■編集・発行:(松下彰良/まつした・あきよし)
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