(トップページ)

バートランド・ラッセルのポータルサイト

バックナンバー索引
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

「(週刊)バートランド・ラッセル(1872.5.18-1970.2.2)に関するメール・マガジン」
  no.0735_2021/05/29 (2006/12/21 創刊/毎週土曜 or 日曜日 発行)

 バートランド・ラッセルのポータルサイト: https://russell-j.com/index.htm
     同上 スマホ用メニュー        : https://russell-j.com/index.html
「ラッセルの言葉366_画像版」:
             https://russell-j.com/smart_r366/br366g-j_home.html
             https://russell-j.com/smart_r366/r366g_j-today.html

 R英単語・熟語_総索引: https://russell-j.com/beginner/reitan-idx.htm
 Twitter : https://twitter.com/russellian2

★Rホームページ利用制限コンテンツ閲覧用パスワード: 1872Y0518
 ポータルサイト専用掲示板: http://249.teacup.com/bertie/bbs

[★投稿歓迎:ラッセルに関係するものであれば,ご意見,ご要望,エッセイ,
       ちょっとした情報提供等,何でもけっこうです。投稿は,
       matusitaster@gmail.com 宛,お願いします。
  ◆◆◆
 ◆お願い◆ 楽天で買い物をしている方も多いと思われます。
  ◆◆◆  ラッセルのポータルサイト(トップページ)の検索ボックス経由ある
       いは,ポータルサイトに掲載した個々の楽天取扱商品のリンク経由で
       ご購入いただければ幸いです。
        収益はラッセルのホームページのメンテナンス費用や早稲田大学の
       ラッセル関係資料コーナ寄贈資料の購入に充当させていただきます。]

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
                                    
    ■ 目 次 ■
          
 1.ラッセルの著書及び発言等からの引用
 2.ラッセルに関する記述や発言等
  編集後記

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 1.ラッセルの著書や発言等から
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

■「(ほぼ日刊)ラッセルの英語」
     n.2054〜2056  を発行しました。2つ再掲します。

 (1) 「ラッセルの英語」n.2054
  https://russell-j.com/beginner/reitan-q011.htm

 ラッセル英単語・熟語 sanctity

★ sanctity【(n) 高潔,清浄;神聖;尊厳】

[語源] sanct 聖なる
 → sacred 神聖な; saint 聖人名; sanction 制裁措置(←清める措置)
; sanctuary 聖域

1.ラッセルの用例

Owing to the antiquity of theology, much of it was only organized 
ignorance, giving an odour of sanctity to errors which ought not to 
have survived in an enlightened age.
[その(神学の)古さのせいで,神学の多くは単に組織化された無知であるに
過ぎず,神学はその多くは文明開化の時代に生き残り続けてくるべきではなか
った(いろいろな)誤謬に神聖な香りを与えた。]
 出典:ラッセル『宗教と科学』第2章「コペルニクス的革命(コペルニクス
的転回)」
          https://russell-j.com/beginner/RS1935_02-170.HTM

Dirt was praised, and the odour of sanctity became more and more 
penetrating.
[垢(あか)は称賛され、高潔(神聖)を示すその匂いは、ますます鼻を衝く
ものとなった。]
 出典:ラッセル『結婚論』第五章「キリスト教倫理」
      https://russell-j.com/beginner/MM05-040.HTM

To those, therefore, whose ambition it is to die in the odour of 
sanctity, respected by bank managers, admired by friends and 
neighbours, and universally regarded as models of what a citizen 
should be, my advice is: don't express your own opinions but those of
 your boss.
[したがって,銀行の経営者から尊敬され,友人や隣人から賞賛され,市民はかく
あるべしの模範と世間で見なされて,神聖な香りにつつまれて死にたいと望む
人への私の助言は,以下のとおりである。  自分の意見を述べずに上司の意見
を述べよ。]
 出典:ラッセル『アメリカン・エッセイ集』の中の「臆病は有利」
      https://russell-j.com/COWARD.HTM


2.参考例

the sanctity of human life
[人間の生命の尊厳]
 出典:『究極の英単語 v.4_超上級の3000語』p.293

There was an air of sanctity in the old church.
 出典:Longman Dictionary of Contemporary English, new ed.

If you talk about the sanctity of something, you mean that it is very 
important and must be treated with respect.
 出典:Collins COBUILD English Dictionary for Advanced Learners, new 
ed.


 (2)「ラッセルの英語」n.2052-2 (旧「ラッセルの言葉」に該当するもの

  https://russell-j.com/beginner/gendai_ukemi-jidai.htm

 ラッセル「現代は受け身の時代」
      出典: Mortals and Others; Bertrand Russell's American 
         Essays, 1931-1935, vol.1  
      牧野力(編)『ラッセル思想辞典』所収

 以下は、牧野力氏の要旨訳(ただし字句を少し修正)に原文を追加したもの
です。

 現代社会では専門家がますます重視され、普通の人は過去に日常生活の各分
野で自分が発揮した事柄について受身の立場に立たされている。
 昔、健康なスポーツとして自らサッカー(football)をやったものだが、今
日、プロ選手を見物するように変わった。・・・。缶詰は料理を無用化し、ま
た、昔農民は天気の予測に通じ自分自身で用を足したが、現代人は新聞や放送
(の天気予報)に依存する。 現代人は自主的な見解を持とうとせず、権威者
に従えば安心だと考える。この受身の習慣は権力者にとって好都合であるが、
権威を崇拝するのは有害である。・・・
 児童心理学をかじった母親は、母性本能だけの昔の母親には思いも寄らない
問題を解決するために、子供と児童心理学の本との間を右往左往する(いった
りきたりする)。
 過度の受身姿勢を直すのは教育上の重要な課題であり、子供には手のこんだ
遊具を与えず、自分で積極的に作ったり調べたりする癖をつけなければならな
い。 知識を伝授するだけが教師の役割ではない(のである)。

( One of the unforeseen and unintended results of the increasing 
importance of experts in the modern world is that, in a great many 
departments of life, the ordinary man has become passive where he used
 to be active. Time was when almost every youth played football ; the 
game was recommended as healthful exercise and a school of manly 
fortitude as regards small hurts. Nowadays, football is like the 
theatre: a spectacle provided by specialists for the delectation of 
the multitude.
A similar change has occurred in a vast number of other directions. 
Motor cars have destroyed the habit of walking, the radio has killed 
the art of conversation, preparations in tins and bottles have almost
 obviated the necessity of cooking. ...)
The old-fashioned farmer was weather-wise, whereas the modern man, if
 he wishes to form an opinion as to what the weather is going to be, 
reads the official weather forecast. I have sometimes had the 
impression that he cannot even tell whether it is wet or fine at the
 moment without the help of his newspaper. Certainly it is from his
 newspaper that he derives his opinions on politics and the state of
 the world and the need of a return to the rugged virtues of a former
 age. On most matters he does not trouble to have opinions at all,
 since he is convinced that they can safely be left to those whose 
special study or experience entitles them to speak with authority....
In some directions this respect for authority is good, while in others
 it is harmful and even ludicrous. The mother who has acquired a taste
 for child psychology is continually having to run from her child to 
her textbook and back again, to solve problems of which more 
instinctive mothers were not even aware. ...
To avoid too much passivity is an educational problem. It demands, in
 play, the absence of elaborate apparatus and no undue respect for 
exceptional skill; in work, encouragement of active investigation 
rather than mere listening to knowledge imparted by means of lectures.
Unfortunately the authorities like passivity because it is convenient.


■「ラッセルの言葉(Word Press 版)v.2, n.1807〜1811
     
 My Philosophical Development, 1959 の対訳の連載を開始しました。

1) n.1807:ラッセル『私の哲学の発展』第2章 私の現在の世界観 n.7
            https://russell-j.com/wp/?p=6338
 
2) n.1808: ラッセル『私の哲学の発展』第2章 私の現在の世界観 n.83
             https://russell-j.com/wp/?p=6341

3) n.1809:ラッセル『私の哲学の発展』第2章 私の現在の世界観 n.9
             https://russell-j.com/wp/?p=6346

4) n.1810:ラッセル『私の哲学の発展』第2章 私の現在の世界観 n.10
            https://russell-j.com/wp/?p=6350

5) n.1811:ラッセル『私の哲学の発展』第2章 私の現在の世界観 n.11
            https://russell-j.com/wp/?p=6354


■「ラッセルの言葉366_画像版」

 日本語 version : n.1665j-1671j を投稿
 英 語 version : n.1665e-1671e を投稿

 一つだけ再録します。
  n.1669j ( May 27, 2021)
    https://russell-j.com/smart_r366/r366g_j1669.html

 「あなたにとって老年期とは?」

 <『拝啓ラッセル様ー一般市民との往復書簡』から>
)  ・・・。ただ好奇心の問題としてお聞きしたいのですが、あなたは老年
(老年期)についてどうお感じになっていますか。それから、あなたは推理小
説をお読みになることがありますか?・・・。

(ラッセルからの返事・1963年10月3日付)
 拝復 ラルセン様,
 ・・・。私は多くの探偵小説を読みます。それから、老年(老年期)は、人間
が見苦しくなかれと苦闘する時代であると考えます。他にもいろいろありますが・・・。

 敬 具 バートランド・ラッセル

' ... Just as a matter of curiosity, what do you feel about old age 
and do you ever read mystery novels? ...

Dear Mr Larsen,
Thank you very much for your kind letter. I read many detective 
novels, and I consider old age a time to struggle for human decency 
- like any other.
With good wishes,
Yours sincerely
Bertrand Russell.

 Source: Dear Bertrand Russell, 1969.
 More info.: https://russell-j.com/beginner/DBR3-01.HTM

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
(2) ラッセルに関する記述や発言等 
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 今回もお休み

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 編集後記 14,15歳は特別な年齢?
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 多くの子どもが幼少期は友達と同じであることを望みますが、成長するに
つれ、自分の子孫を残したいという本能が影響するためか、他人と同じであ
ることを嫌うようになります。そのような傾向が顕著に現れるのは、14,15歳
(日本でいえば、中学3年から高校1年にかけて)くらいでしょうか?

 それを反映してか、14歳をターゲットにした本がたくさん出されています。
『14歳からの哲学』『14歳からのお金の話』『14歳の君へ−どう考えどう生
きるか』『14歳からの政治入門』・・・。
 なかには『図解でわかる 14歳からの天皇と皇室入門』『図解でわかる 14歳
から知っておきたい中国』など、14歳はあまり関係ないのではないかというも
のもあります。

 ところで、10年以上前、いや20年位まえだったか、欧米でベストセラーとな
った『ソフィーの世界−哲学者からの不思議な手紙』(NHK出版、1995年6月刊、
662pp,)をブックオフで100円(定価は2500円!)で購入し、長い間「積ん読
(ツンドク)状態にしておきましたが、先日、2週間くらいかけてゆっくりと
読み通してみました。内容や書き方は、訳者(池田香代子)が後書きで書い
ているように、「ラッセルの『西洋哲学史』と L.キャロルの『不思議の国の
アリス』を足して二で割ったようなもの」 でした。ただし、小説のスタイル
をとっていますので、内容は、ラッセルが『西洋哲学史』に書いていること
の1/10にも及ばないものでした。しかし、哲学の本をまったく読んだことのな
い人が哲学に親しむきっかけとしては、当時世界中でベストセラーになったこ
とでもわかるように、とてもよい本だろうと思います。

 この本の主人公のソフィーも15歳になる直前(14歳)の女の子です。そんな
女の子がわずか数ヶ月で古代から現代までの哲学の歴史を通して学習してしま
うのですから、とても優秀な子どもだということになります。設定に少し無理
があるようにも見えますが、著者のヨースタイン・ゴルデスは、ノルウェーの
高校で哲学を当時教えていたということから、自然な執筆スタイルかも知れま
せん。

 そんな大事な時期の14,15歳ですが、最近の若い人は学校の授業関連の参考
書は読んでも、紙の本(印刷本)はあまり読まず、新聞も読まず、TVもあまり
見ず、もっぱらスマホやパソコンでSNS(facebook, twitter, YouTube その他)
などネット情報ばかり見ているとのことで、少し心配されます。もちろん、
電子書籍でもいっこうにかまいません。問題は、自分の好きなあるいは関心の
ある情報や気の合うグループとばかり付き合うことによって、先入観や偏見を
大量に身につけることです。デジタルであろうと印刷本であろうと、媒体を限
定しない、総合的なメディア教育を義務教育においてもっと行う必要がありま
す。 (松下彰良)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■編集・発行:(松下彰良/まつした・あきよし)
■ご意見・ご感想・お問合せはお気軽に : matusitaster@gmail.com

■登録・解除・変更はこちら: https://russell-j.com/R3HOME.HTM
■WEBサイト: https://russell-j.com/
     ( top page: https://russell-j.com/index.htm )
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━