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バートランド・ラッセルのポータルサイト

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「(週刊)バートランド・ラッセル(1872.5.18-1970.2.2)に関するメール・マガジン」
  no.0718_2021/01/23 (2006/12/21 創刊/毎週土曜 or 日曜日 発行)

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    ■ 目 次 ■
          
 1.ラッセルの著書及び発言等からの引用
 2.ラッセルに関する記述や発言等
  編集後記

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 1.ラッセルの著書や発言等から
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■「(ほぼ日刊)ラッセルの英語」
     n.1982〜1986  を発行しました。2つ再掲します。

 (1) ラッセル英単語・熟語 evidence
      https://russell-j.com/beginner/reitan-edokushu02_evidence.htm

★ evidence [(n) 証拠;証言;根拠;形跡,印 | (vt) (証拠によって)証明
              する;・・・の証拠となる]
* a piece of evidence :一つの証拠

* 今井むつみ『英語独習法』p.23: ・・・名詞によって加算・不可算が「ほ
ぼ」決まっている。idea はほとんど加算として使われ、one idea, two ideas
 のように数えることができる。・・・同じように「たくさんの証拠がある」
というから evicence も可算名詞だと思いたいが、こちらは不可算名詞で、ど
んな文脈でも evidences と言うことはほとんどない。日本語で「証拠」と言
うと、証拠として用いられる事実の一点一点を指す。しかし、英語では、
evidence という語は「事実」のことではない。事実が集積され、論理的に互
いに齟齬がなく一つの結論に導かれた時に evicence という。つまり、それ
ぞれの事実がバラバラではなく、互いに切り離せないものになった時に 
evidence という概念が生まれる。(因みに、『鉄緑会東大英単語熟語鉄壁』
も evidence は不可算名詞、とだけ書いてあります。)

→ 松下コメント: evidence は不可算名詞として使われる場合が多いです
が、可算名詞として使われることもそこそこあり、誤解を生じやすいので、
evidences を可算名詞として扱っているラッセルの用例を以下あげておきます。


1.ラッセルの用例

There was, on the other hand, especially in the eighteenth and 
nineteenth centuries, a belief in God as the Lawgiver and in natural
 law as one of the main evidences of the existence of a Creator.
[他方,特に18世紀 及び19世紀には,立法者としての神の信仰及び(世界の)
創造者が実在する主要な証拠の一つとしての自然法則への信仰があった。]
 出典:ラッセル「宗教は文明に有益な貢献をしたか?」
     https://russell-j.com/beginner/0466HRMUC-100.HTM

Although heaven is still a recognized part of Christian orthodoxy, 
much less is said about it in modern discussions than about evidences
 of Divine purpose in evolution.
[天国(極楽)は今日でもキリスト教正統信仰によって公認されているものの
部分(一部)であるが,現代の議論において,天国(極楽)に関しては,進化
における神の目的の証拠に関してよりも,語られることはずっと少ない。]
 出典:ラッセル『宗教と科学』第5章「魂と肉体」
     https://russell-j.com/beginner/RS1935_05-200.HTM


2.参考例

There were evidences of foul play.
[凶行の形跡が(いくつか)あった。]
 出典:『新英和中辞典』(研究社)第4版

There are evidences that the U. S. can satisfy foreign demand for farm
 goods.
[合衆国が農産物に対する海外需要をまかないうるという(いくつかの)証拠
がある。]
 出典:『新英和大辞典』(研究社)第5版



 (2) ラッセル英単語・熟語 状態と動作は別の動詞で表される wear
   https://russell-j.com/beginner/reitan-edokushu04_wear.htm

★ wear [(t) (何かを)身につけている → 着ている,(靴を)はいている,
(帽子を)かぶっている,(指輪を)はめている;(ひげなどを)はやしてい
る;すり減らす;疲れさす | (vi) 使用に耐える;擦り切れる || (n) 着用
(物);衣服]
* wearable (adj.):着用できる,着用に適する → wearable computer
* be wont out 疲れ果てている
* wear out すり減らす
* wearing (adj.):着用の;うんざりさせる,疲れさせる

* 今井むつみ『英語独習法』p.66: 英語では、そもそも状態と動作は別の動
詞で表される。たとえば wear という動詞は状態動詞であり身につける動作を
言う時に使われることはない。She is wearing a red dress. は赤いドレスを
(今)身につけているこ「状態」を言っている。身につける「動作」を言う時
は She is putting on a red dress. と言わなければならない。・・・。しか
し、状態動詞でも、「今」こういう状態であるという含意をもたせる時には進
行形を使う場合がある。たとえば、「今」目の前の高校生が着ている制服がか
わいいと言いたい時には She is wearing a cute uniform.と進行形で言い、
「いつも」特定のかわいい制服を身に着けていることを言う時には、 
The students of this school wear a cute uniform. のように現在形で使う。


1.ラッセルの用例

Although he wandered about with an air of dreamy abstraction, wearing
 his hat on the back of his head, motorists became convinced that he 
must be someone of enormous importance, and waited patiently while he
 went his way.
[彼は,帽子を'阿弥陀にかぶり'(「あみだかぶり」は,もともとは後頭部にか
ぶった編み笠が,阿弥陀如来の放射状の後背(=こうはい)に似ていたことから
このようにいわれたもの,とのこと),ぼおっとして放心したように歩き回った
が,運転手たちは,彼は非常に重要な地位の人物にちがいないと確信し,彼が行
き過ぎるまで辛抱づよく待った。]
 出典:ラッセル『自伝』第1巻第3章「ケンブリッジ大学時代」
     https://russell-j.com/beginner/AB13-080.HTM

even from a given point of view the colour will seem different by 
artificial light, or to a colour-blind man, or to a man wearing blue
 spectacles.
[またあたえられた同じ視点からでさえ、人工光線のもとや、色盲の人、青色
眼鏡をかけた人ではちがって見えます。]
 出典:ラッセル『哲学入門』第1章「外見と実在」
     https://russell-j.com/cool/07T-0103.HTM


2.参考例

You can't wearjeans to the theater.
[ジーンズをはいて劇場へ行ってはいけません。]
 出典:『VITAL 3000 英単語・熟語』p.53

I will wear these shoes for years.
[この靴は何年も履けるだろう。]
 出典:『鉄緑会 東大英単語熟語 鉄壁』p.438


■「ラッセルの言葉(Word Press 版)v.2, n.1721〜1724
     
1) n.1725:ラッセル『宗教と科学』第5章 n.26
         https://russell-j.com/wp/?p=6042
         
2) n.1726:ラッセル『宗教と科学』第6章 n.1
             https://russell-j.com/wp/?p=6046

3) n.1727:ラッセル『宗教と科学』第6章 n.2
             https://russell-j.com/wp/?p=6050

4) n.1728:ラッセル『宗教と科学』第6章 n.3
             https://russell-j.com/wp/?p=6054

4) n.1729:ラッセル『宗教と科学』第章6 n.4
             https://russell-j.com/wp/?p=6058


■「ラッセルの言葉366_画像版」

 日本語 version : n.1539j-1545j を投稿
 英 語 version : n.1539e-1545e を投稿

 一つだけ再録します。
  n.1539j ( Jan. 17, 2021)
    https://russell-j.com/smart_r366/r366g_j1539.html

 「『幸福論』執筆の背景」

翌年の1930年には,『幸福の獲得』(いわゆる『幸福論』)という本を出版し
た。・・・この本は,3つの異なった階層の読者によって異なった評価を受け
た。素朴な読者は −本書はそれらの人向けに執筆されたものだが− 本書を愛
読した。その結果,大変な売れ行きを示した。これと反対に,インテリぶる連中
は,この本を軽蔑すべき金儲けのための,現実逃避の本であり,政治以外になさ
れるべきあるいは言われるべき有益なことがあるのだという虚偽を支持する本
だと見なした。しかしながら,またさらに別の階層,即ち専門的な精神科医のレ
ベルにおいては,この本は非常に高い評価を勝ち得た。いずれの評価が正しい
のか,私にはわからない。はっきりしていることは,この本が書かれたのは,も
し自分が我慢できる程度のいかなる幸福を維持しようとしても,大変な自制心
や苦い経験から学んだ多くのことを必要とした,そういった時期だったという
ことである。

In the following year, 1930, I published The Conquest of Happiness, 
... This book was differently estimated by readers of three different
 levels. Unsophisticated readers, for whom it was intended, liked it,
 with the result that it had a very large sale. Highbrows, on the 
contrary, regarded it as a contemptible pot-boiler, an escapist book,
 bolstering up the pretence that there were useful things to be done 
and said outside politics. But at yet another level, that of 
professional psychiatrists, the book won very high praise. I do not
 know which estimate was right; what I do know is that the book was
 written at a time when I needed much self-command and much that I had
learned by painful experience if I was to maintain any endurable level
 of happiness.
 Source: The Autobiography of Bertrand Russell, v.2
 More info.: https://russell-j.com/beginner/AB24-070.HTM

<寸言>
 最後の一文は何を言おうとしているのかよくわからない、あるいはもったい
ぶった言い方だと思う人も少なくないのではないでしょうか?
 英国人の多くや、ラッセルの生涯をある程度知っている読者なら、ラッセル
がどうしてこんなに不明瞭な書き方をしているのか推察できるはずです。
 ラッセルとドーラ(年の差20歳以上)はふたりとも自由恋愛論者でした。た
だし、ラッセルは自由恋愛論者であるとしても、妻が夫以外の男性との間に子
供を設けることはルール違反と考えていました。しかし、ドーラは別の男性と
の間にも子供を設けるとともに同居させたため,結局、離婚にいたりました
(法的に離婚が成立したのは1935年です)。ラッセルが『幸福論』を執筆して
いたのはそういう困難な時期でした。
 ラッセルは、『幸福論』第6章「妬み(ねたみ)」において、嫉妬心はよく
ない感情であり、それよりも(自分の愛する人が愛する人も愛するというよう
に)寛容の心や愛情を拡大していったほうがよいと書いています。それを読ん
だ読者のなかには「ラッセルは嫉妬心という人間的感情に欠けている」と非難
がましいことを言うひともいますが、嫉妬心がないのではなく、嫉妬心を克服
してきた過去があったわけです。

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(2) ラッセルに関する記述や発言等 
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 今回もお休みです。

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 編集後記 五輪(オリ・パラ)三択問題_無観客開催・中止・延期
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 英国の BBC 及び Times紙は昨日、「日本政府は東京オリンピックの今夏開
催を断念せざるを得ない(2032年開催の方向でIOCと協議する)と"非公式に"
結論づけた」 との報道をしました。
 もちろん、この報道内容を、日本政府もIOCもすぐに否定しています。

 真偽はよくわかりませんが、BBCなどが記事をでっち上げたとはとうてい思
えず、自民党の有力幹部(複数)がBBC等の記者にそのような趣旨の発言をし
たのだろうと思われます。
 
 今年オリンピック開催を強行する場合、観客無制限、50%、無観客の三択を
あげていますが、形だけだとしても、観客無制限を候補にあげる神経は見上げ
た(見下げた)ものです。

 開催できなかった場合の経済的打撃は、IOCも日本も大きいでしょうが、開
催して世界中から新型コロナ・ウィルスの全ての変異種を日本に「輸入」し、
「新型コロナ・オリンピック」を開催することになれば、オリンピック後の、
秋から冬にかけての日本は、「大きな後悔」をすることになる可能性があり
ます。コロナ・ワクチンは効くでしょうが、世界中から変異種が入ってくれ
ば、中にはワクチンが効かない変異種もありそうです。変異種に対応したワク
チンを作るのも難しくないとのことですが、開発に半年はかかるとのことです
ので、楽観はできません。 (松下彰良)

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■編集・発行:(松下彰良/まつした・あきよし)
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