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バートランド・ラッセルのポータルサイト

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「(週刊)バートランド・ラッセル(1872.5.18-1970.2.2)に関するメール・マガジン」
  no.0709_2020/11/14 (2006/12/21 創刊/毎週土曜 or 日曜日 発行)

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     ■ 目 次 ■
          

 1.ラッセルの著書及び発言等からの引用
 2.ラッセルに関する記述や発言等
  編集後記

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 1.ラッセルの著書や発言等から
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■「(ほぼ日刊)ラッセルの英語」
     n.1939〜1943  を発行しました。2つ再掲します。

 (1) ラッセル英単語・熟語 appalling
  https://russell-j.com/beginner/reitan-a155.htm

★ appalling[(adj.) ぞっとさせる,恐ろしい,驚くべき]
* appall : a-(〜へ) + pall(青白い = pale) → 「青白くする」
    → (vt) 〜をぞっとさせる

1.ラッセルの用例

This was an appalling grief to him, and it was only by an immense 
effort of moral discipline that he was able to go on with his work.
[これ(息子が戦死したこと)は彼にとってたえがたい深い悲しみであり,彼が
自分の仕事を続けることができたのは,彼の道徳規律(精神的抑制)の非常な努
力があってこそ可能なことであった。]
 出典:ラッセル『自伝』第1巻第5章「初婚」
     https://russell-j.com/beginner/AB15-080.HTM

As I read the press reports in regard to the President's assassination
 and, later, the purported evidence against Oswald and his shooting by
 Ruby, it seemed to me that there had been an appalling miscarriage of
 justice and that probably something very nasty was being covered up.
[ケネデイ大統領暗殺に関する新聞報道及び,その後オズワルドに不利な証拠と
いわれるものやルビーによるオズワルドの狙撃に関する報道を読んだ時,はな
はだしい誤りがあったように,また,おそらく非常に不潔な(卑劣な)何かが隠蔽
されつつあるように,私には思われた。]
 出典:ラッセル『自伝』第3巻第4章「ラッセル平和財団」
     https://russell-j.com/beginner/AB34-190.HTM

The world is a long way from realising these conditions, and therefore
we must expect vast upheavals and appalling suffering before stability
 is attained.
[現代世界にはこれら諸条件の実現から遠く離れており、従って、世界の安定
化(達成)までに、膨大な大変動(upheavals)やぞっとするような苦しみ
(苦痛)を予期(予想)しなければならない。]
 出典:ラッセル『科学の社会に対する衝撃』第7章「科学的社会の安定条件」
     https://russell-j.com/beginner/SCI-SOC.HTM


2.参考例

appalling disaster
[驚くほどひどい災難]
 出典:『究極の英単語 v.4 - 超上級の3000語』p.163

appalling cruelty
 出典: Longman Dictionary of Contemporary English, new ed.
Something that is appalling is so bad or unpleasant that it shocks 
you.
 出典: Collins COBUILD English Dictionary for Advanced Learner's, ne
w ed.


 (2)「ラッセルの英語」n.1943-2 (旧「ラッセルの言葉」に該当するもの)
  https://russell-j.com/beginner/KYOSO-G.HTM

  ラッセル「競争原理の公害性」

* From: New Hopes for a Changing World, pt.III: Man and Himself, 
         chap.16: ideas which have become obsolete

 以下は牧野力氏による要旨訳に英文(原文)を添付したものです。
 ただし、一部該当する英文が見つけられないものがありました。


 競争は、− 初期の信奉者によって抱かれたように(注:競争によって進歩
が生まれるという考え方)− 境界内(制限内)に留められるべきものであっ
た。(即ち)競争は競争相手である雇用主(雇用主同士)に限定され、法律で
認められた範囲内に限定されるべきであった。(注:牧野訳では想像力たくま
しく次のように訳出されている。「競争を望ましいと始めは信奉していた人々
も、やがて競争をある限度内に止めておくべきだと考え直し、使用人(被雇用
者)同士の間の競争を限定し、法律の許す範囲内だけに止めよと改めた。」/
おまけに、employers 雇用主を「使用人(被雇用者)」と誤訳)
 しかし、この足かせは取り除かれた。階級間の競争(階級闘争)は社会主義へ
と、国家間の競争は戦争へと、導いた、社会主義も戦争も、R.コブデンのよう
な、競争の初期の信奉者には全く意図されていなかったものであるが、(競争
という)信条が生んだ必然的な結果であった。万人に豊かな生活を保障するは
ずの近代技術の競争が、人間への恐るべき災害を生んだ。・・・産業主義(工
業主義)が徐々に効率的になるにつれ、古い生存競争的世界観はより適用性を
失い、より有害となった。・・・
 私は、(現在)必要とされる考え方の変化の全体的な基礎(をなすもの)は
技術上のものであるということを、繰り返し言いたい。 今や競争ではなく、
広範囲、かつ大規模な協力によってこそ、従来よりも遙かに大きな利益がもた
らされるからである。戦争と党派的分裂によって、被害は増大する。人類は昔
の競争の習慣やその僅かな利益の夢が忘れられず、今日の泥沼におちた。二度
の世界大戦もその実例であった。東西に対立感情があり、互いに背後にピスト
ルを握っていれば、どちらが先に発砲するのかと疑うことしか考えられず、協
力どころでなくなる。
 東西の対立は、何ら外的な自然的原因からではなく、古い人間の喧嘩好きな
原始衝動の延長にすぎない。考え方の変革がまず必要である。
( Competition, as conceived by its early devotees, was to be kept 
within bounds. It was to be confined to rival employers, and limited 
to what the law allowed. But it escaped from these shackles. There was
competition between classes, and there was competition between 
nations. The first led to Socialism, the second to war. Neither of 
these had been intended by the early apostles of competition, such as
 Cobden, and yet both were inevitable consequences of the creed. ... 
As industrialism becomes more and more efficient, the old competitive
 outlook becomes at once less applicable and more harmful, sinch both
plenty and disastrous devastation are possible results of human skill.
I wish to repeat that the whole basis of the change of outlook which 
is required is technical. There is nowadays much more profit in 
large-scale co-operation than there used to be. ... Vast unificatios 
are profitable, whereas dislocations caused by wars or strikes do more
 harm than they did in former times. ...
... Just the same considerations apply to the present East-West 
tension. ... If A and B each know that the other is after him with a
 pistol, they may consider general maxim about the desirability of 
co-operation irrelevant. ... )


■「ラッセルの言葉(Word Press 版)v.2, n.1682〜1686
     
1) n.1682:ラッセル『宗教と科学』第4章 n.4
        https://russell-j.com/wp/?p=5889
         
2) n.1683:ラッセル『宗教と科学』第4章 n.5
            https://russell-j.com/wp/?p=5893     

3) n.1684:ラッセル『宗教と科学』第4章 n.6
            https://russell-j.com/wp/?p=5896

4) n.1685:ラッセル『宗教と科学』第4章 n.7
            https://russell-j.com/wp/?p=5900

5) n.1686:ラッセル『宗教と科学』第4章 n.8
            https://russell-j.com/wp/?p=5903


★「ラッセルの言葉366_画像版」

 日本語 version : n.1469j-1475j を投稿
 英 語 version : n.1469e-1475e を投稿

 一つだけ再録します。
  n.1470j ( Nov. 9, 2020)
   https://russell-j.com/smart_r366/r366g_j1470.html

 「獄中生活−ストレス・フリー?」

 刑務所内における私の気分のいくらかは,以下の兄宛の手紙 −それらの手紙
は全て,刑務所長のところを通過させられるようなものでなければならなかっ
た。− からの抜粋によって例証される。

「・・・私は,ここでは,世界における心配事を1つも持っていません。神経や
意志に対する休息は,天国のようです。次のような人を苦しめる質問(問題)か
らも解放されています。即ち,(反戦活動に関して)「もっと私にできることは
ないか?」「私のまだ考えついてないことでもっと効果的にやれることが何か
ないだろうか?」「すべてを棄てて哲学に戻る権利が私にはあるだろうか?」
等々。ここ(獄中)では私はすべてをなるがままにしておかなければなりませ
ん。・・・」

Some of my moods in prison are illustrated by the following extracts 
from letters to my brother, all of which had to be such as to be 
passed by the Governor of the prison: "... Here I have not a care in
 the world: the rest to nerves and will is heavenly. One is free from
 the torturing question: What more might I be doing? Is there any 
effective action that I haven't thought of? Have I a right to let the
 whole thing go and return to philosophy? Here, I have to let the 
whole thing go, ..."
 Source: The Autobiography of Bertrand Russell, v.2
 More info.:https://russell-j.com/beginner/AB21-270.HTMM

<寸言>
 知識人も戦争勃発前には戦争反対を唱えていても、いったん戦争が始まると
多くの人が国に協力し、戦争に協力しない者を「非国民」として非難し追い詰
めていきます。そのような状況においては、反戦的な態度をしめす者はマイノ
リティとなり、生存さえも脅かされてしまいます。
 そうして、真実に忠実であることは知識人の責務である考える者は、自らの
愛国心との板挟みにあい、呻吟します。
 しかし、刑務所にいれられてしまえばもうどうしようもないので、かえって
気が楽になるというしだいです。

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(2) ラッセルに関する記述や発言等 
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 今回もお休み

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 編集後記 「6名を任命しなかった理由−日本学術会議」
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 政府(総理や官邸)が日本学術会議が推薦した105名のうち6名を任命しな
かったことから、様々な人が様々な推測(憶測)をしています。

 それらの推測のなかで面白いと思ったのは、インテリジェンス(諜報活動)
に詳しい佐藤優氏の見解(『文藝春秋』12月号所収)です。それによれば、
6名のうち、3名は共産党系?の民主法律家協会に所属していて「安保法」や
「特定秘密保護法」に反対する運動において中心的な役割をした人たちとのこ
とで、共産党大嫌いの官邸の人たち(そのうちの一人は杉田官房副長官)がは
ずすことにしたもので、後の3人は中心的に活動した人たちではないが、3人
だけだと共産党シンパをねらったとわかってしまうので、安保法に反対した
他の3人も付け加えてしまったのだろう、との見立てです。

 ところが、本日の「東京新聞」によると、佐藤優氏が追加した3人のうちの
1人の宇野重規氏(東大教授)については、次のように報じています。

 「複数の会議関係者によると、同会議の政治学委員会は、2018年10月を前に
  70歳の学術会議の定年を迎える日本比較政治学会元会長の河田潤一・大
  阪大名誉教授の後任として、政治思想史の分野で優れた研究や業績を残す
  宇野氏を推薦することを決めた。 これに対し、杉田和博官房副長官ら官
  邸側は候補者を複数示し、順位を付けるよう要望。会議側は1位を宇野氏
  にして複数候補者を提示したが、官邸側が難色を示したという。」

 要するに、佐藤優氏が言うように、宇野氏はたまたま追加されたわけではな
く、安保法や特定秘密保護法に反対した者は全て落としたいところだが、10名
以上落とすと「大きな問題」になりかねないので、「6名にとどめた」という
のが真相のように思われます。

 6名の任命拒否に関して、かなりの国民が大きな問題だとは思わないとして
いる人が多いのが気にかかります。多くの人が問題があると思うようになった
あとではもう遅いということになるでしょうが、「真理探求なんて生きていく
上では重要なことではない」と思っている日本人が多いのは残念なことです。
                           (松下彰良)

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■編集・発行:(松下彰良/まつした・あきよし)
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