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バートランド・ラッセルのポータルサイト

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「(週刊)バートランド・ラッセル(1872.5.18-1970.2.2)に関するメール・マガジン」
  no.0702_2020/09/26 (2006/12/21 創刊/毎週土曜 or 日曜日 発行)

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     ■ 目 次 ■
          

 1.ラッセルの著書及び発言等からの引用
 2.ラッセルに関する記述や発言等
  編集後記

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 1.ラッセルの著書や発言等から
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 ★連休中はメルマガの発行を休止しました。
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■「(ほぼ日刊)ラッセルの英語」
     n.1906〜1908  を発行しました。2つ再掲します。

 (1) ラッセル英単語・熟語 

  https://russell-j.com/beginner/reitan-o067.htm

★ onset【(n) 開始,到来;発症】

1.ラッセルの例

1950, beginning with the OM and ending with the Nobel Prize, seems to
 have marked the apogee of my respectability. It is true that I began
 to feel slightly uneasy, fearing that this might mean the onset of 
blind orthodoxy.onset
[メリット勲章(授与)で始まり,ノーベル賞で終わった1950年という年は,私の
社会的地位が最高点を記録した年であったように思われる。このことが,一般
社会の考え方や慣行に盲目的に従うようになる始まりを意味することになるの
ではないかという恐れから,少し不安を感じはじめたことは事実である。]
 出典:ラッセル『自伝』第3巻第1章「英国への帰国」>
     https://russell-j.com/beginner/AB31-240.HTM

I consider this a most grave indication of the onset of full-blown 
authoritarian militarism in Japan and I wish to make my own protest 
about it.
[私はこれを、日本における成熟した権威主義的な軍国主義の開始(onset 発
症)の最も重大な兆候だと考えており、それに対して私自身抗議をしたいと思
います。]
 出典:Dear Bertrand Russell; a selection of his correspondence with
 the general public, 1950 - 1968の中の「岩松博士への返事(1963年1月16
日付)」>
     https://russell-j.com/beginner/DBR2-31.HTM


2.参考例

the onset of cancer
[癌の発症]
 出典:『究極の英単語 v.4 - 超上級の3000語』p.139

the onset of a fever
 出典:Longman Dictionary of Contemporary English. new ed.

The onset of something is the beginning of it, used especially to 
refer to something unplesant..
 出典: Collins COBUILD English Dictionary for Advanced Learner's, new
 ed.


 (2)「ラッセルの英語 」n.1907-2 (旧「ラッセルの言葉」に該当するもの)
 
   https://russell-j.com/beginner/KANRYO-K.HTM
 
  ラッセル「記述の理論」
      The Theory of Descriptions, by Bertrand Russell
   出典:牧野力(編/訳)『ラッセル思想辞典』より
   Source: Introduction to Mathematical Philosophy, 1919

 以下は藤川吉美氏(当時成蹊大学講師)による説明ですので英文はありませ
ん。

 フレーゲによって着手され、ラッセルによって完成された「意味論」
(semantics)の哲学的基礎に関する重要な理論である。記述には不定と確定
の二義があるが、「不定的記述」とは「あるこれこれのもの」 (a so-and-so)
という形の 語句である。これに対して「確定的な記述 」とは「定まったこれ
これのもの」(the so-and-so) という語句である。マイノング(A. Meinong, 
18353-1920)は「黄金の山」だとか「丸い四角」などについて語ることができ
、しかもそれらを主語とした真なる命題ができる以上、>ある種の論理的存在
を持つべきであると主張し、その理由として、もしそうでなければ、それらを
含む命題がすべて無意味なものとなる、ということをあげているが、ラッセル
はこうしたマイング流の存在論を否定して、唯名論の立場から記述の理論を導
入したのである。ラッセルによれば、「一匹の一角獣」は何ものをも記述しな
い不定の記述で、 非実在なるあるものを記述する不定の記述ではない。「x 
は 実在しない」という命題は、x が一つの記述(確定的ないし不定的)である
ときにのみ意味を有し、しかも、x が何ものをも記述していないときにのみ、
この命題は真となる。しかし、記述 x は、それがあるものを記述していよう
と、していまいと、それを含む命題の構成要素ではない。(Introdtuction 
to Mathematical Philosophy. 1919, 第16章参照)。ラッセルは動物学が持さ
ない一角獣の存在を論理学でも許してはならないと主張したのであって、彼に
とって存在するのはただ「実在の世界」のみである。したがって、ラッセルの
立場からすれば、「現在のフランス国王は現在のフランス国王である」(注:
フランスは王政をひいてないことに注意)だとか、丸い四角は丸四角である」
は偽なる命題である。記述が何ものをも記述していないときには、記述をひと
つの名前の代わりに代入すれば、恒真なる命題関数から偽なる命題がえられる
ことになる。ラッセルはこうして 「ウェイヴァリーの著者はスコットランド
人であった」という命題を次のように分析する。すなわち、
(i) 「x がウェイバリーを書いた」は常に偽ではない。
(ii)「x と y とがウェイバリーの著者であるならば、x と y とは同じ人間で
ある」は常に真である。
(iii)「x がウェイバリーの著者であったならば、x はスコットランド人であっ
た」は常に真である。
 つまり、(i) 少なくとも一人の人間がウェイバリーを書き、(ii)たかだか
一人の人間がウェイバリーを書き、(iii)ウェイバリーの著者はすべてスコッ
トランド人であった、という一つの命題に分析される。ここで、「ウェイバリ
ーの著者」を一つの述語とみなして、これを F であらわし、「スコットランド
人」を G で表すと、この命題は F という述語を充足する。つまり、F という
性質を有するただ一つの個体は G という性質をも備えている、ということを
あらわしている。このような形の命題は一つの記述であるが、ここで重要なの
は、F という性質を有する個体がただ一つである、という要求である。こう
して、「ウェイバリーの著者はスコットランド人であった」という命題は、
∃x(G(x)∧∀y(x=y≡Fy)))

のごとく定式化される。命題をこのように解釈するところに「記述理論」の特
徴がある。さらに、 命題「黄金の山は山である」は、「x は黄金である」を
 G(x) であらわし、「xは山である」を M(x) でであらわすならば、

∃x(G(x)∧M(x)∧∀y∀z(G(y)∧M(y)∧G(z)∧M(z)⊃y=z)∧M(x))

と記号化される。(藤川)


■「ラッセルの言葉(Word Press 版)v.2, n.1649〜1651

1)n.1649:ラッセル『宗教と科学』第2章 コペルニクス的革命 n.17
         https://russell-j.com/wp/?p=5770
         
2)n.1650: ラッセル『宗教と科学』第2章 コペルニクス的革命 n.18
        https://russell-j.com/wp/?p=5773

3)n.1651: ラッセル『宗教と科学』第2章 コペルニクス的革命 n.19
            https://russell-j.com/wp/?p=5776


★「ラッセルの言葉366_画像版」

 日本語 version : n.1420j-1426j を投稿
 英 語 version : n.1420e-1420e を投稿

  一つだけ再録します。
   n.1422j (Sept. 22, 2020)
   https://russell-j.com/smart_r366/r366g_j1422.html

 「恐怖心が生み出す不正直」

 一つの習慣として,不誠実(不正直)であることは,ほとんど常にといって
よいほど,恐怖心が生み出したものである。恐怖心なしに育てられた子供は
,正直であるだろうが,それは,道徳的に努力しているからではなく,誠実(正
直)である以外の考えが頭に浮かんでこないだけのことであろう。賢明に,
かつ親切に取り扱われてきた子供は,卒直なまなざしをしており,知らない人
に対しても,ものおじしない態度をとる。一方,うるさく小言を言われたり,厳
格な扱いをされたりしてきた子供は,しかられはせぬかと絶えず恐れており,
自然にふるまったときには,いつも,何かルールに違反したのではないかとお
びえている。嘘をついてもよいという考えは、幼い子供には,最初は浮かんで
こない。嘘をつくことができるというのは,一つの発見であり,それは,恐怖に
かられておとなの顔色を窺うことから生じるものである。

Untruthfulness, as a practice, is almost always a product of fear. 
The child brought up without fear will be truthful, not in virtue of 
a moral effort, but because it will never occur to him to be 
otherwise. The child who has been treated wisely and kindly has a 
frank look in the eyes, and a fearless demeanour even with strangers;
 whereas the child that has been subject to nagging or severity is in
 perpetual terror of incurring reproof, and terrified of having 
transgressed some rule whenever he has behaved in a natural manner. 
It does not at first occur to a young child that it is possible to 
lie. The possibility of lying is a discovery, due to observation of
 grown-ups quickened by terror.
 Source: On Education, especially in early childhood, 1926, by 
Bertrand Russell
More info.:https://russell-j.com/beginner/OE08-020.HTM

<寸言>
 これは子供の世界だけでなく、大人の世界でも同様。恐怖心から「忖度」
、嘘をついたり、嘘でなくても本当のことを言わなかったり、政治の世界、
仕事の場、家庭、その他、世界に蔓延している。


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(2) ラッセルに関する記述や発言等 
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 今回もお休みです。

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 編集後記 3つの小話 「噛ませ犬としての杉田水脈」「東大総長選」
       「河井克行氏、弁護人を全員解雇」
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1) 「噛ませ犬としての杉田水脈」

 昨日の自民党内閣第一部会などの合同会議で、杉田議員は(伊藤詩織への
性的暴行事件のことに関してでしょうが)「女性はいくらでも嘘をつけます
から・・・」と発言したと多くのメディアで報じられており、大きな話題と
なっています。

 杉田水脈氏は同様の発言で何度も糾弾されてきたのでご存知と思いますが、
ウィキペディアによれば「2014年に次世代の党から出馬し落選、日本のこころ
を大切にする党、日本のこころを経て、桜井よしこ、安倍晋三、萩生田光一ら
の推薦や勧誘により2017年に自民党に鞍替えし2回目の再当選を果たした」と
あります。
 「比例」中国ブロック選出で、安倍元総理が属している細田派所属なので再
選し続けています。自民党の女性議員には「かませ犬」的な人物が多いような
気がします。

 「女性はいくらでも嘘をつけますから・・・」というのは、自分のことを言
っているととれば納得できます。
 こういう発言を批判されても性懲りもなく「定期的に」繰り返すことによっ
てのみ、保守層(守旧派)から存在意義を認められているお人のようです。
 あるいは、杉田議員は自分のことを女性ではなく、「名誉」男性と思ってい
るのかも知れません。

記事の一例

2) 不透明な(現在進行中の)「東大総長選」

 第一次選考で二位を大きく引き離して一位になった候補者(医学系)が第二
次選考の候補者3名のなかに含まれなかったことに対する疑義に対して、小宮
山選考会議議長に説明を求める「要望書」が元東大理事5名の連名で提出され
ています。大事(おおごと)になってきました。

 一番得票数が多かった候補を二次選考の候補者からなぜ落としたのか、それ
も、従来は二次選考には3〜5名を選ぶという慣例があるのに3名にしぼって
文系や女性の候補を一人も残さなかったのか、といった疑念が出ています。

 単なる得票総数の多さではなく、選考会議がよいと考えた候補者だけにしぼ
ったというのなら、少なくとも学内の投票権のある教員等に対して最終選考が
終わる前に説明が必要です。

 10月2日に総長予定者(決定は最終文科大臣)を発表し、その時に経緯を説
明するとのことですが、なぜ学内の投票権者にも理由を説明できないのか、最
初から誰を総長にするか、選考会議の有力者が決めていたのではないかという
疑念がわいてきます。

 筑波大学の学長選考会議及び東大総長選考会議の学外委員2名(三菱ケミ
カルHD会長・小林喜光、外務省参与・岸輝雄)が重なっており、選考会議議長
の小宮山氏(元東大総長)も三菱総研理事長ということで、政財界からの働き
があったかも知れないという「下衆の勘繰り」(選考会議の方々の意識?)
も湧いてきます。

3) 河井克行議員、弁護人を全員解雇

 先日、拘留中の河井克行議員は、自分を弁護している弁護人を全員解雇して
しまい、大きなニュースになりました。そんなことをしても裁判官の印象を悪
くするだけではないかと思われますが、そうでない可能性もあります。
 一番ありそうなのは、百日裁判ではなく、できるだけ裁判を伸ばし、安倍前
総理や菅総理(前官房長官)や二階幹事長に、「なんとかしてほしい、そうで
ないと、1億5千万自民党からもらったお金の趣旨をしゃべっちゃうよ」と関
係者に伝えているのかも知れません。         (松下彰良)

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■編集・発行:(松下彰良/まつした・あきよし)
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