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バートランド・ラッセルのポータルサイト

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 (週刊)バートランド・ラッセル(1872.5.18-1970.2.2)に関するメール・マガジン
  no.0665_2019/12/21 (2006/12/21 創刊/毎週土曜 or 日曜日 発行)

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     ■ 目 次 ■
          
(1)ラッセルの著書及び発言等からの引用
(2)ラッセルに関する記述や発言等
 編集後記

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(1) ラッセルの著書や発言等から
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■「(ほぼ日刊)ラッセルの言葉366」
      n.1766〜n.1770を発行しました。

 ・月曜日〜木曜日は『私の哲学の発展』 を
 ・金曜日は 『アメリカン・エッセイ集』+α をお届けしています。
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(1) ラッセル『私の哲学の発展』「ヴィトゲンシュタインの衝撃」 n.3
   『ラッセルの言葉366』n.1768 (2019年12月18日 水曜日)

 争点(issue)は上の数学の例に見られるよりもはるかに一般的なものであ
る。争点は次のとおりである。「ある命題が真であるか偽であるか(二者択一
 the alternative)を決定する方法が存在しないとき、その命題は真であるか
偽であるかどちらかであると言うことは何らかの意味があるか?」 あるいは
、別の形で言い表わすと、「『真(であること)は『検証可能』であるという
ことと同一視すべきか?」 、我々はひどく無益な論理的矛盾(パラドクス)
を冒すことなく、こういう同一視をすることはできないと考える(そのような
同一視をすればひどい無益な論理的矛盾を冒すことになる、と私は考える)。
(たとえば)次のような命題をとりあげよう。「西暦一年一月一日にマンハッ
タン島に雪が降った」。この命題が真であるか偽であるかを発見しうるいかな
る方法もない。しかしそれが真でも偽でもないと主張することは不合理
(preposterous 馬鹿げている)と思われる(訳注:1年単位あるいは、数ヶ月単
位であればその土地に当時雪が降ったかどうかわかるかも知れないが、その数
ヶ月の中の特定のある日に雪が降ったかどうかは確かめることはできない)。
私はこの問題を今はこれ以上追求しないことにする。(というのは)私の著書
『意味と真理の研究』(Inquiry into Meaning and Truth)の第20章と第21章で
詳しく論じており、本書の後の章でそれについてまた言及する(からである)。
それまでの間、私は直観主義者の理論はしりぞけられるべきであると想定(仮
定)することにしよう。

 直観主義者も形式主義者も『プリンキピア・マテマティカ(数学原理)』の
学説を外側から攻撃しており、彼らの攻撃を撃退することは大して困難とは思
われなかった。ウィトゲンシュタイン及びウィトゲンシュタイン学派からの批
評は別の問題であった。それは内側からの攻撃であり、全て点において尊重に
値した(検討の価値があった)。	

Chapter 10 The Impact of Wittgenstein, n.3

The issue is much more general than it appears in the above 
mathematical examples. The issue is: ‘Is there any sense in saying 
that a proposition is either true or false when there is no way of 
deciding the alternative?' or, to put the matter in a different form, 
Should “true" be identified with “verifiable"?' I do not think we 
can make such an identification unless we commit ourselves to gross 
and gratuitous paradoxes. Take such a proposition as the following: 
'It snowed on Manhattan Island on the 1st January in the year 1 a.d.'
 There is no conceivable method by which we can discover whether this
 proposition is true or false, but it seems preposterous to maintain
 that it is neither. I will not now pursue this matter further, as 
I discussed it in detail in Chapters XX and XXI of the Inquiry into 
Meaning and Truth to which I shall return in a later chapter. 
Meantime, I shall assume that the Intuitionists' theory is to be 
rejected.

Both the Intuitionists and the Formalists attacked the doctrines of
 Prmcipia Mathematica from without, and it did not seem very difficult
 to repel their attacks. It was another matter with the criticisms of
 Wittgenstein and his school, which were attacks from within and 
deserving of all respect.
 Source: My Philosophical Development, chap. 8:1959.
 More info.:https://russell-j.com/beginner/BR_MPD_10-030.HTM


■「(ほぼ日刊)ラッセルの英語」
      n.1722〜1726を発行しました。

 今年の4月9日に開始した「R類義語シリーズ」は,12月13日(金)に終了
しました。 次は何が適当か検討した結果、同じちくま文庫に含まれている最
所フミ氏の『日英語表現辞典』を取り上げることにしました。
  以下,1つだけ再録します
     n.1723 (2019年12月17日) 
 
 最所フミ(編著)『日英語表現辞典』(ちくま学芸文庫,2004年1月)を参考に
した「ラッセルの英語_日英語表現辞典シリーズ」(通称 R日英表現)です。

 ★ admit (〜であることを)認める;〜を受け入れる (pp.011-012)

 ある著者が、ある論文の中の「植民地を持っている国は植民地の独立を認め
ない」という内容を「 They (colonists) never admit the independence of
 their colonies. 」と英訳していた。これでは既に独立宣言を行っている国
に対して、それを認めない(負け惜しみで既成事実を認めようとしない)とい
う意味になってしまう。これは(日本語の)「認める」の英語は「admit」で
あると機械的に考えていたための誤訳である。
 ここで「認めない」と言っているのは「(独立を)与えない」とうことなの
で、「 They never give them independence.」としなければならない。
「never permit them」や「never allow them」でもよい。
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A.ラッセルの著作における用例
 
<用例1>
Admit to yourself every day at least one painful truth; you will find
 this quite as useful as the Boy Scout's daily kind action.
[毎日,少なくとも一つの辛い真実をあなたは自分自身に認めさせるとよい。
あなたは,それは,ボーイスカウトの毎日の親切な行い(一日一善)と同様,有
益だということがわかるだろう。]
 出典:ラッセル『幸福論』第17章「幸福な人」
     https://russell-j.com/beginner/HA28-020.HTM

<用例2>
Fear is the principal reason why men are so unwilling to admit facts 
and so anxious to wrap themselves round in a warm garment of myth.
[人はなぜ事実を認めたがらないか,またなぜ人は自分たちを'神話の温かい衣'
にくるみたがるか,その理由は,主に恐怖(心)である。]
 出典:ラッセル『幸福論』第17章「幸福な人」
      https://russell-j.com/beginner/HA28-010.HTM

<用例3>
His excessive emphasis on sex was due to the fact that in sex alone he
 was compelled to admit that he was not the only human being in the 
universe.
[彼(D. H. ロレンス)は過度に性(セックス)を重視したが,それは,性(セ
ックス)においてのみ,この宇宙で彼だけが唯一の人間ではないことを認めざ
るを得ないという事実に因るものであった。]
 出典:ラッセル『自伝』第2巻第1章「第一次世界大戦」
     https://russell-j.com/beginner/AB21-150.HTM

<用例4>
When it was pointed out that an elephant's brain is even heavier, the
 eminent scientists scratched their heads since they could not admit 
that their wits were elephantine. .
[象の脳は人間(男性)の脳よりも重いという事実が指摘されると,有名な科学
者たちは,自分たちの知力は象並みであると認めたくないので,途方にくれた
(頭をかきむしった)。]
 出典:ラッセル『アメリカン・エッセイ集』の中の「科学者は科学的か?」
     https://russell-j.com/KAGAKSHA.HTM


B.他の参考例

<参考例1>
No one likes to admit he or she is wrong.
[自分が間違っていると認めたがる人はいない(認めたがらない)。]
 出典:『英単語ターゲット1900』p.11

<参考例2>
It was hard for a proud man like him to admit that he was wrong.
[彼のようなプライドの高い人にとって、自分が間違っているのを認めること
は難しかった。]
 出典:『鉄緑会 東大英単語熟語 鉄壁』p.230

<参考例3>
He admitted making a mistake.
[彼はミスをしたことを認めた。(この意味では 「admit to do」とは言えな
い。)]
 出典:『キクタン TOEIC TEST SCORE 800』』p.281


★「ラッセルの言葉(Word Press 版)v.2, n.1466〜1470

1)n.1466:R『権力−その歴史と心理』第11章 組織体の生物学 n.22
       https://russell-j.com/wp/?p=5110
         
2)n.1467: R『権力−その歴史と心理』第11章 組織体の生物学 n.23
     https://russell-j.com/wp/?p=5113

3)n.1468: R『権力−その歴史と心理』第11章 組織体の生物学 n.24
          https://russell-j.com/wp/?p=5117

4)n.1469: R『権力−その歴史と心理』第12章 権力と統治形態 N.1
       https://russell-j.com/wp/?p=5121
 
4)n.1470: R『権力−その歴史と心理』第12章 権力と統治形態 N.2
       https://russell-j.com/wp/?p=5124
     

★「ラッセルの言葉_画像版」

 日本語 version : n.1140j-1146j を投稿
 英 語 version : n.1140e-1146e を投稿

  一つだけ再録します n.1140j (Dec. 15, 2019)
      https://russell-j.com/smart_r366/r366g_j1132.html

 「愚者に支配された世界」

 政治家は国際協力を保証する方策,即ち,新たな戦争を防止する方策を何一つ
発見できない。哲学者は人類に指針を与えることがまったくできないでいる。
積極的意見の持主は,非常に愚かなために自分の意見が馬鹿らしいものであっ
てもそのことに気づくことのできない愚かな人々だけである。その結果,世界
は愚者によって支配され,国際会議でも知性のある者の発言は,何の重みも持た
ない。

Statesmen cannot find any way of securing international co-operation 
or preventing war. Philosophers have no guidance to offer mankind. 
The only people left with positive opinions are those who are too 
stupid to know when their opinions are absurd. Consequently the world
 is ruled by fools, and the intelligent count for nothing in the 
councils of the nations.
 Source: "On modern uncertainty" [From: Mortals and Others: Bertrand
 Russell's American Essays, 1931-1935, v.1 (1975)]
 More info.: https://russell-j.com/MODERN-U.HTM

<寸言>
 そういう愚かな政治家をえらでいる選挙民も愚かということになるが・・・。

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(2) ラッセルに関する記述や発言等 
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 今回もお休みです。

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 編集後記 伊藤詩織氏の勝訴−醜い安倍政権関係者
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 元TBS記者山口敬之氏によるレイプ被害を訴えた民事裁判で、伊藤詩織
さんが勝訴との報道が一昨日ありました。山口氏は総理夫妻のお友達(総理
を称賛する本を執筆)であり、NHK岩田解説委員その他の、多くの安倍政
権支持者や擁護者と親しく、量子コンピュータの詐欺事件では当該企業から
自分の事務所(高級マンション)の多額の賃貸費用を負担してもらっている
ということでも当時話題になっていました。

 山口氏に対しては逮捕状も発行され、逮捕直前までいったが、当時の警視
庁刑事部長の中村格氏(一時期、菅官房長官の秘書官)からの指示によって
突然逮捕も起訴も見送られたと報道されており、中村氏本人も逮捕とりやめ
は自分が判断したと認めています。

 ここに、内閣府の職員がネットに流した(内部告発)と思われる、「北村
内閣情報官との打ち合わせ概要」(平成27年6月5日付)というメモがありま
す(下記のページ参照)。それにはこう書かれています。
https://russell-j.com/magmag/ito-shiori_kitamura-shigeru_uchiawase.jpg

◯ 山口氏の職業及び総理との関係から慎重な取り扱いが必要。
◯ 捜査方針について、マスコミ対応も含めて、内閣、関係省庁、現場で共有
していただきたい。
◯ 逮捕の必要性があるのか。政治的な問題になる。・・・
◯ 総理官邸も同様の認識である。「しっかりやってほしい」と。・・・

 こんなメモを証拠として提出しても、「出所のあやしいメモにはいちいち
言及しない」という態度をとるでしょう。隠し撮りでもしない限り、国家犯
罪は取り締まることはできそうもありません。

 山口氏は即座に控訴し、外国記者クラブでも弁明の会見を開催し、そこに
は小川榮太郎などの、安倍応援団の評論家やジャーナリストが応援にかけつ
けていました。記者会見のなかで山口氏は、「本当の(性犯罪)被害者は会
見で笑ったりしない」などと発言し、性格の悪さを世界に発信していました。

 加計事件、森友事件、桜を見る会など、総理がかかわる事件に対する官邸
の対応の仕方には共通性がいろいろあり、興味深いところです。
 まともで勇気のある高級官僚はいないものでしょうか? (松下彰良)
               
 ★松下彰良(訳・編)『ラッセルの言葉366』
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■編集・発行:(松下彰良/まつした・あきよし)
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